映画『トータル・リコール』のキャストを調べると、1990年版と2012年版では主演俳優だけでなく、ヒロインや敵役を演じる俳優も大きく異なります。1990年版ではアーノルド・シュワルツェネッガーがダグ・クエイドを演じ、2012年版ではコリン・ファレルが同じ主人公を演じています。
加えて、1990年版のメリーナ役はレイチェル・ティコティン、ローリー役はシャロン・ストーンですが、2012年版ではジェシカ・ビールがメリーナ、ケイト・ベッキンセールがローリーを担当。日本語吹き替えも複数のバージョンが存在するため、俳優と声優を混同しないことがポイントです。
【まず一覧で確認】トータル・リコール1990年版と2012年版の主要キャスト

『トータル・リコール』は、フィリップ・K・ディックの短編小説「追憶売ります(We Can Remember It for You Wholesale)」を原点とするSF映画です。
1990年版はポール・ヴァーホーヴェン監督、2012年版はレン・ワイズマン監督が手掛けています。両作品は同じ主人公の名前や記憶をめぐる基本設定を共有していますが、俳優陣と物語の舞台設定には明確な違いがあります。
1990年版の主要キャスト- ダグラス・クエイド:アーノルド・シュワルツェネッガー
- メリーナ:レイチェル・ティコティン
- ローリー:シャロン・ストーン
- リヒター:マイケル・アイアンサイド
- コーヘイゲン:ロニー・コックス
- ジョージ/クワトー:マーシャル・ベル
- ベニー:メル・ジョンソン・Jr.
- ダグラス・クエイド/ハウザー:コリン・ファレル
- メリーナ:ジェシカ・ビール
- ローリー:ケイト・ベッキンセール
- コーヘイゲン:ブライアン・クランストン
- ハリー:ボキーム・ウッドバイン
- マサイアス:ビル・ナイ
- マクレーン:ジョン・チョー
- マレック:ウィル・ユン・リー
特に覚えておきたいのは、1990年版のシュワルツェネッガーと2012年版のコリン・ファレルが、同じダグラス・クエイドを演じている点です。また、メリーナとローリーの配役は両作品で入れ替わったように見えるほど俳優の印象が異なりますが、役名そのものは共通しています。
【1990年版】シュワルツェネッガーを中心とする出演者と役柄
1990年12月1日に日本公開された『トータル・リコール』は、アーノルド・シュワルツェネッガーを主演に迎えたSFアクション作品です。監督はポール・ヴァーホーヴェン。火星の植民地を舞台に、記憶を操作された男の正体をめぐる物語が展開します。
アーノルド・シュワルツェネッガー:ダグ・クエイド主人公ダグラス・クエイドを演じるのは、アクション映画を代表する俳優アーノルド・シュワルツェネッガーです。
クエイドは建設労働者として平凡な生活を送っていますが、火星の夢を繰り返し見るようになり、記憶を人工的に植え付けるリコール社を訪問します。そこでの出来事をきっかけに、自分の過去と現在の生活に疑問を抱き、追跡者から逃れることになります。
シュワルツェネッガーの屈強な身体と、記憶を失った男の混乱を組み合わせた演技は、1990年版の大きな特徴です。
レイチェル・ティコティン:メリーナメリーナを演じるのはレイチェル・ティコティンです。
メリーナは火星でクエイドが出会う重要人物であり、彼の過去と深く関わっています。物語の謎を解く鍵を握る存在で、単なる恋愛相手にとどまらず、戦闘能力と強い意志を持った女性として描かれています。
シャロン・ストーン:ローリークエイドの妻ローリーを演じるのはシャロン・ストーンです。
物語の序盤では、クエイドと穏やかな家庭生活を送る妻として登場します。しかし、リコール社での出来事を境に、彼女の本当の目的が明らかになっていきます。
シャロン・ストーンの存在感は、物語に緊張感を与える重要な要素です。家庭という安心できる場所が、実はそうではなかったという展開を印象づけています。
マイケル・アイアンサイド:リヒターリヒターを演じるのはマイケル・アイアンサイドです。
リヒターはコーヘイゲン側の人物で、クエイドを執拗に追い詰める敵役です。強い威圧感と冷酷さを備え、シュワルツェネッガー演じる主人公と対立します。
1990年版を象徴する悪役の一人であり、2012年版との比較でも重要な存在です。2012年版にはリヒターという同名の主要人物は登場しません。
ロニー・コックス:コーヘイゲン火星を支配するコーヘイゲンを演じるのはロニー・コックスです。
コーヘイゲンは火星の政治と社会を支配する権力者で、クエイドの行動を阻止しようとします。単純な暴力だけでなく、政治的な権力を利用して人々を支配する人物として描かれています。
そのほか、マーシャル・ベルがジョージ/クワトー、メル・ジョンソン・Jr.がベニーを演じています。脇役まで個性が強く、火星の世界観を形作るキャストがそろっています。
【2012年版】コリン・ファレルら新キャストと人物関係
2012年版は、レン・ワイズマン監督による再映画化作品です。日本では2012年8月10日に劇場公開されました。
主人公ダグラス・クエイドを演じるのはコリン・ファレル。1990年版のシュワルツェネッガーとは異なる俳優を起用し、近未来の社会や記憶をめぐる葛藤を新しい映像表現で描いています。
コリン・ファレル:ダグラス・クエイド/ハウザーコリン・ファレルが演じるのは、工場で働くダグラス・クエイドです。
日常生活に不満を抱くクエイドは、記憶を植え付けるリコール社を訪問します。しかし、施術が予想外の事態を引き起こし、警察に追われる身となります。
物語が進むにつれて、クエイドという人物の正体や、過去に隠されたハウザーという名前が浮かび上がります。
シュワルツェネッガー版が肉体的な強さと豪快なアクションを印象づけたのに対し、ファレル版では記憶とアイデンティティーに翻弄される人物像が前面に出ています。
ケイト・ベッキンセール:ローリーローリーを演じるのはケイト・ベッキンセールです。
クエイドの妻として登場するローリーですが、物語の展開によって彼女の立場や目的が変化していきます。
1990年版のシャロン・ストーンが演じた役を引き継ぐ形ですが、2012年版ではアクションシーンも多く、ケイト・ベッキンセールの身体能力を生かした演出が目立ちます。
ジェシカ・ビール:メリーナメリーナを演じるのはジェシカ・ビールです。
メリーナはクエイドの逃走を助ける反政府側の戦士です。クエイドの記憶や過去と関係する人物であり、物語の中心的な役割を担います。
レイチェル・ティコティンが演じた1990年版のメリーナと比較すると、2012年版では近未来的な都市環境や大規模なアクションに合わせた人物描写になっています。
ブライアン・クランストン:コーヘイゲンコーヘイゲンを演じるのはブライアン・クランストンです。
コーヘイゲンは世界を支配する権力者で、主人公と反政府勢力の対立において重要な役割を担います。
1990年版のロニー・コックスと同じ役名ですが、2012年版では地球規模の政治的対立を背景に、支配者としての立場が描かれています。
その他の注目キャスト- ビル・ナイ:マサイアス。地下抵抗組織の指導者。
- ボキーム・ウッドバイン:ハリー。クエイドの周囲にいる重要人物。
- ジョン・チョー:マクレーン。リコール社に関わる人物。
- ウィル・ユン・リー:マレック。抵抗勢力側の人物。
ビル・ナイやジョン・チョーなど、異なるジャンルで活躍する俳優が参加している点も2012年版の見どころです。
【キャスト比較表】1990年版と2012年版の俳優・役名の違い
両作品のキャストを比較すると、主人公だけでなく、ヒロインや敵役の配役にも違いがあります。特に、メリーナとローリーの関係、コーヘイゲンの演者、リヒターの有無は、作品を見分ける際のポイントです。
| 登場人物・役割 | 1990年版の俳優 | 2012年版の俳優 | 比較ポイント |
|---|---|---|---|
| ダグラス・クエイド | アーノルド・シュワルツェネッガー | コリン・ファレル | 両作品の主人公 |
| メリーナ | レイチェル・ティコティン | ジェシカ・ビール | クエイドと関わる女性 |
| ローリー | シャロン・ストーン | ケイト・ベッキンセール | クエイドの妻 |
| コーヘイゲン | ロニー・コックス | ブライアン・クランストン | 物語の権力者・敵役 |
| リヒター | マイケル・アイアンサイド | 同名の主要人物なし | 1990年版の代表的な敵役 |
| 抵抗勢力の指導者 | マーシャル・ベル(ジョージ/クワトー) | ビル・ナイ(マサイアス) | 人物設定は異なる |
| 周囲の重要人物 | メル・ジョンソン・Jr.(ベニー) | ボキーム・ウッドバイン(ハリー) | 別々の人物設定 |
| その他の重要人物 | マイケル・チャンピオン(ヘルム) | ジョン・チョー(マクレーン) | 役柄・設定が異なる |
シュワルツェネッガー版は、アクションスターとしての圧倒的な存在感が魅力です。危機的な状況でも前進する主人公の姿が、作品全体に力強さを与えています。
一方、コリン・ファレル版では、記憶を失った人物が自分の正体を探し続ける心理的な側面が強調されています。アクションの見せ方も異なり、より現代的なSFスリラーとして構成されています。
比較ポイント2:ヒロインの配役1990年版ではレイチェル・ティコティンがメリーナ、シャロン・ストーンがローリーを担当しました。
2012年版ではジェシカ・ビールがメリーナ、ケイト・ベッキンセールがローリーを演じています。名前は共通していますが、俳優の個性やアクションの方向性によって、キャラクターの印象は大きく変わっています。
比較ポイント3:リヒターの存在1990年版を代表する敵役として知られるのが、マイケル・アイアンサイド演じるリヒターです。
一方、2012年版には同名のリヒターという主要人物は登場しません。したがって、マイケル・アイアンサイドの出演を2012年版のキャストとして紹介するのは誤りです。
この違いは、単純に俳優を交代しただけの作品ではなく、登場人物の配置や物語そのものを再構成した映画であることを示しています。
【日本語吹き替え声優一覧】1990年版と2012年版の声の出演
『トータル・リコール』を日本語吹き替えで楽しみたい人にとって、注意したいのが1990年版の吹き替えが複数存在することです。
1990年版にはVHS・DVD版と、1992年にテレビ朝日系の「日曜洋画劇場」で放送されたノーカット版があります。KADOKAWAのBlu-ray作品情報でも、両方の音声が収録されていることが確認できます。
1990年版・VHS/DVD版の吹き替え声優- ダグ・クエイド:屋良有作
- メリーナ:戸田恵子
- ローリー:高島雅羅
- リヒター:内海賢二
- コーヘイゲン:家弓家正
屋良有作によるクエイドをはじめ、戸田恵子、高島雅羅、内海賢二、家弓家正という実力派声優が参加しています。
1990年版・テレビ朝日「日曜洋画劇場」版の吹き替え声優- ダグ・クエイド:玄田哲章
- メリーナ:弥永和子
- ローリー:小山茉美
- リヒター:羽佐間道夫
- コーヘイゲン:中村正
特に注目されるのが玄田哲章によるクエイドです。シュワルツェネッガー作品の吹き替えで広く知られる玄田の声は、力強い主人公像と相性のよい組み合わせです。
同じ1990年版でも、視聴する音声によって主人公やヒロインの声が異なります。過去にテレビで見た印象とDVDで見た印象が違う場合、この吹き替え版の違いが理由になっている可能性があります。
2012年版の日本語吹き替え声優2012年版の劇場公開時の日本語吹き替えには、森川智之、本田貴子、岡寛恵、金尾哲夫らが参加しています。
- クウェイド:森川智之
- メリーナ:本田貴子
- ローリー:岡寛恵
- コーヘイゲン:金尾哲夫
- マサイアス:小川真司
- ハリー:楠大典
- マクレーン:猪野学
- マレック:土田大
森川智之はコリン・ファレル、本田貴子はジェシカ・ビール、岡寛恵はケイト・ベッキンセールの吹き替えを担当しています。
1990年版と2012年版では声優陣も一新されているため、俳優の違いだけでなく、日本語音声の演出を聞き比べる楽しみもあります。
2026年11月の吹き替え放送情報2026年11月時点では、WOWOWプラスの番組情報に、1990年版の吹き替え放送が掲載されています。
放送予定は2026年11月23日(月)12時から14時まで。番組情報では玄田哲章による吹き替え版と案内されており、シュワルツェネッガー版を日本語音声で楽しみたい人にとって注目の放送です。
放送日時や番組編成は変更される場合があるため、視聴前には放送局の最新番組表を確認してください。
【1990年版と2012年版の違い】キャスト以外にも注目したい3つのポイント
2作品の違いは、出演者の変更だけではありません。舞台設定、物語の構成、映像表現にも大きな違いがあります。
1. 火星が舞台の1990年版と地球が舞台の2012年版最も大きな違いは、物語の舞台です。
1990年版では火星の植民地が重要な舞台となり、コーヘイゲンによる支配や植民地の人々の生活が描かれます。主人公が火星に向かうこと自体が物語の大きな目的の一つになっています。
対して2012年版は、地球を舞台にした近未来社会が中心です。英国連邦(United Federation of Britain)とコロニーという二つの地域を軸に、社会格差や権力構造が描かれています。
そのため、2012年版には1990年版のような火星の植民地をめぐる展開がありません。
2. 1990年版は特殊効果、2012年版は近未来都市の映像表現1990年版は、実写を中心とした特殊メイクや視覚効果が作品の大きな魅力です。人間の記憶や身体をめぐる不気味な描写、火星の異様な環境などが強い印象を残します。
実際に1990年版は、第63回アカデミー賞で視覚効果に対する特別業績賞を受賞しています。受賞者として記録されているのは、エリック・ブレヴィグ、ロブ・ボッティン、ティム・マクガヴァン、アレックス・ファンケです。
2012年版では、近未来都市の巨大な建築物や移動システム、スピード感のあるアクションなど、CGを活用した映像表現が目立ちます。
3. 同じ原作を出発点にしながら異なる物語構成両作品の原点は、フィリップ・K・ディックが1966年に発表した短編小説です。
ただし、映画版は原作をそのまま映像化したものではありません。1990年版では火星を中心にした壮大なSFアクションとして展開し、2012年版では地球の政治的対立と記憶操作を組み合わせた近未来アクションへと再構成されています。
2012年版を単純に1990年版の出演者を入れ替えただけの作品と考えると、その違いを見落としてしまいます。どちらも同じ題材を扱いながら、監督の演出や時代に合わせた映像技術によって異なる魅力を持っています。
【よくある質問】トータル・リコールのキャストに関するFAQ
Q1:1990年版のトータル・リコールで主人公を演じているのは誰ですか?
A1:アーノルド・シュワルツェネッガーです。ダグラス・クエイド役を演じています。2012年版ではコリン・ファレルが同じ主人公を演じています。
Q2:1990年版のメリーナとローリーは誰が演じていますか?
A2:メリーナ役はレイチェル・ティコティン、ローリー役はシャロン・ストーンです。2012年版ではメリーナ役がジェシカ・ビール、ローリー役がケイト・ベッキンセールに変更されています。
Q3:マイケル・アイアンサイドは2012年版にも出演していますか?
A3:いいえ。マイケル・アイアンサイドは1990年版でリヒターを演じています。2012年版にはリヒターという同名の主要人物は登場しません。
Q4:1990年版のシュワルツェネッガーの吹き替え声優は誰ですか?
A4:VHS・DVD版では屋良有作、1992年のテレビ朝日「日曜洋画劇場」版では玄田哲章です。収録されている吹き替え音声によって異なります。
Q5:2012年版の日本語吹き替えでコリン・ファレルを担当した声優は誰ですか?
A5:森川智之です。ジェシカ・ビールのメリーナ役は本田貴子、ケイト・ベッキンセールのローリー役は岡寛恵が担当しています。
Q6:1990年版と2012年版はどちらを先に見るべきですか?
A6:ストーリーの比較を楽しみたいなら、1990年版から見るのがおすすめです。シュワルツェネッガーのアクションや火星の世界観を味わった後に2012年版を見ると、キャストや舞台設定の変更がよく分かります。一方、現代的な近未来SFアクションを楽しみたい人は2012年版から見ても問題ありません。
『トータル・リコール』の1990年版と2012年版は、同じ主人公や基本設定を共有しながら、キャストと物語の方向性が大きく異なるSF映画です。
1990年版はアーノルド・シュワルツェネッガー、レイチェル・ティコティン、シャロン・ストーン、マイケル・アイアンサイドらが出演。火星を舞台にした迫力あるSFアクションが特徴です。
2012年版はコリン・ファレル、ケイト・ベッキンセール、ジェシカ・ビール、ブライアン・クランストンらが出演し、地球の近未来社会を舞台に新しい物語を展開しています。
日本語吹き替えについては、1990年版のVHS・DVD版とテレビ朝日版の違いが特に重要です。屋良有作版と玄田哲章版では声の出演者が異なり、同じ映画でも違った印象を楽しめます。
【プロの結論】
2作品を比較するときは、主演俳優だけでなく、メリーナとローリーの配役、コーヘイゲンの演者、リヒターの有無、火星と地球という舞台の違いに注目してください。これらを押さえることで、単なるリメイク作品という理解を超え、それぞれの映画が持つ独自の魅力を把握できます。
初めて見る人には1990年版、現代的な映像とアクションを求める人には2012年版がおすすめです。両方を続けて鑑賞すれば、同じ「記憶」というテーマが、時代によってどのように映画化されたのかを比較できます。
主な事実確認資料: Paramount公式作品情報、Sony Pictures公式作品情報、KADOKAWA作品情報、吹替キングダム、AFI Catalog、アカデミー賞公式記録、WOWOWプラス番組情報。