騒動の真相を理解するうえで欠かせないのが、ピラミッドの最上段にいた丸の内OLレイナ氏の証言だ。
坂井氏が動画を事実と認める前から、レイナ氏は自分が参加者だったことを明かしていた。その後、YouTubeや堀江貴文氏との対談で、参加した理由や当時の心境を具体的に説明している。
5月7日の証言:「今後のビジネスにつながれば」という判断5月7日、レイナ氏は自身のYouTubeチャンネルで騒動について説明した。
本人の説明によれば、参加は強制されたものではなく、坂井氏との関係を今後の仕事につなげたいという考えもあったという。人間ピラミッドの最上段に乗ることについて、自分の知名度や将来のビジネスにプラスになる可能性を考えて判断したと振り返っている。
一方、実際に参加したときの心境は、積極的に楽しんでいたというものではなかった。
正直キモいなって感じで、自分もこの現場も思ってた。
シャンパンをかけられた瞬間についても、坂井氏の発言を引き合いに出して「これが資本主義か」と振り返った。動画がAI生成されたものではないことも改めて否定している。
この証言から読み取れるのは、参加者自身にも仕事上のメリットを期待する動機があった一方、現場での行為を心から肯定していたわけではないという複雑な状況だ。
参加報酬と契約書はどうなっていたのか報酬については、5月19日の坂井氏の説明動画と、5月22日付の弁護士JPニュースに具体的な情報がある。
坂井氏の説明では、参加した女性6人のうち、レイナ氏を除く5人と事前に契約書を交わし、1人につき6万円を支払ったという。契約には、撮影した写真や動画をSNSなどのインターネット媒体に投稿できる旨の条項があったと報じられている。
一方、レイナ氏については、5月20日の本人のX投稿で、坂井氏から受け取った1万円をその場で返したと説明している。したがって、5人の報酬とレイナ氏への支払いは区別して考える必要がある。
| 項目 | 公表された説明 |
|---|---|
| 参加女性の人数 | 6人 |
| 契約書を交わしたとされる人数 | レイナ氏を除く5人 |
| 5人への報酬 | 1人6万円 |
| レイナ氏への金銭 | 1万円を受け取り、本人は返却したと説明 |
| 契約内容 | 撮影とSNSなどへの投稿に関する合意 |
| 契約書の確認 | 坂井氏の説明動画内で一部が紹介された |
ここで注意したいのは、契約書が存在したという説明だけで、参加者全員の同意内容や撮影後の権利関係が完全に確定するわけではないことだ。個々の契約書の全文や、すべての参加者の具体的な認識が公開されているわけではない。
5月22日の堀江貴文氏との対談で明かされたプロモーション効果5月21日には、堀江貴文氏のYouTubeチャンネルで、レイナ氏をゲストに迎えた対談動画が公開された。
この対談でレイナ氏は、撮影の約2週間前に坂井氏から企画について相談を受けたと説明。自身の知名度向上やプロモーションにつながると考え、参加を了承したという。
当初は約1,000万インプレッション程度を想定していたものの、実際には大きく上回る反響になったとも振り返った。本人は、3日間で自分のアカウントだけでも約1億インプレッションに達したとの見方を示している。
加えて、騒動後の数日間で関連コンテンツの売り上げが数千万円規模に達したと説明。写真集や自身が企画するコンテンツの認知拡大にもつながったと語った。これらは対談での本人の説明であり、第三者による売上監査済みの統計ではない。
この話は、炎上が単なる予期せぬ事故ではなく、出演者側にとってプロモーションとしての側面も持っていたことを示している。ただし、参加者の目的がそれぞれ異なっていたことと、動画を見た人が不快感を抱いたことは両立する。
【11月3日最新報道】ABEMAでバーオーナーが語った撮影現場の新事実

今回の騒動に新しい展開をもたらしたのが、11月3日にABEMAで放送された『ナオキマンの都市伝説ワイドショー』だ。
番組には、撮影場所となったバーのオーナー・タクヤさんと店舗責任者のユウさんが出演。これまで参加者や坂井氏の説明が中心だった騒動について、現場を貸し出した店舗側の立場から証言した。
ABEMA TIMESが同日23時10分に公開した記事では、番組内で語られた撮影前後の状況が紹介されている。
常連社長からの貸し切り依頼は17時〜19時バーオーナーのタクヤさんによると、騒動の現場となったバーは、常連の社長から貸し切りの依頼を受けていた。
その依頼には、通常の貸し切りとは異なる条件があった。
- 時間帯は夕方の17時から19時。
- 店舗スタッフは不要との指定。
- 店舗側には酒だけを準備してほしいという依頼。
オーナーは常連との信頼関係もあり、特別に店を貸し出したと説明している。
ところが、後日、客から店がSNSで炎上していると連絡を受け、初めて問題の映像を確認したという。
「内容すら伝えられていなかった」店舗側の説明オーナーは番組内で、店側は企画内容を知らされていなかったと主張した。
僕らは全く関係ないというか、内容すら伝えられてなく、知らなかった。
この説明が事実なら、企画の参加者と撮影場所を提供した店舗側との間には、情報共有の大きな隔たりがあったことになる。
ただし、店舗側が知らなかったという証言は、番組内でのオーナー側の説明である。貸し切りを依頼した人物との事前のやり取りや契約内容がすべて公開されたわけではない。
防犯カメラで判明した「テイク2」の可能性今回のABEMA報道で特に注目されたのが、防犯カメラの映像を確認したという証言だ。
オーナーと店舗責任者が店内の監視カメラを確認したところ、SNSで拡散された動画と同じ行為が行われていたという。
さらにオーナーは、映像について次のように語った。
あれ多分、1回失敗してるんですよ。
つまり、撮影は一度で終わったのではなく、最初の試みがうまくいかず、もう一度撮影した可能性があるということだ。
これは、坂井氏が説明していた事前計画や演出という話を補強する証言にも見える。単に偶然撮影された出来事ではなく、撮影の成功を目指して複数回試みた可能性があるためだ。
ただし、ABEMAの記事で紹介されたのはオーナーの証言であり、防犯カメラの全映像が一般公開されたわけではない。何回撮影したのか、失敗の具体的な内容、撮影に参加した全員の認識については、別途確認が必要だ。
11月3日の報道によって浮かび上がったのは、参加者の合意や坂井氏の演出意図だけでは説明しきれない、店舗への依頼方法や撮影現場の管理という問題である。
【法的問題】公然わいせつ罪・わいせつ物頒布罪は成立するのか
今回の騒動では、参加者が同意していたのだから法律上も問題ないのではないか、という疑問がある。
しかし、出演者間の合意と、刑法上の犯罪が成立するかどうかは別の問題だ。主に検討される論点は、公然わいせつ罪とわいせつ物頒布等罪である。
公然わいせつ罪(刑法174条)の可能性刑法174条は、公然とわいせつな行為をした場合を処罰する規定だ。法定刑は6か月以下の拘禁刑、30万円以下の罰金、拘留または科料となっている。
弁護士JPニュースは2026年5月22日、弁護士法人ダーウィン法律事務所の荒川香遥弁護士に取材し、この騒動に公然わいせつ罪が成立する可能性について解説している。
同弁護士が問題として挙げたのは、行為のわいせつ性そのものだけでなく、「公然性」の有無だ。
判例上、公然性は不特定または多数の人が認識できる状態を指す。したがって、会員制バーの貸し切り個室であれば必ず公然性が否定される、という単純な判断にはならない。
弁護士の解説では、参加者以外の人がどの程度出入りできる環境だったか、会員制の実態、個室以外のスペースにいた人の状況などが判断材料になり得るとされている。
わいせつ物頒布等罪(刑法175条)の可能性もう一つの大きな論点が、動画をインターネット上に公開した行為だ。
刑法175条は、わいせつな文書や図画、電磁的記録などの頒布・公然陳列、電気通信による送信に関する処罰規定を設けている。
今回のケースでは、全裸の女性が映った動画がSNSに投稿されたと報じられている。弁護士JPニュースの取材に対し、荒川弁護士は、無修正映像をインターネット上に投稿した行為が、わいせつな電磁的記録の頒布に該当する可能性を指摘した。
一方で、映像の不鮮明さも重要な論点になる。記事では、肝心な部分を明確に確認できないため、処罰の対象とならない可能性もあると説明されている。
参加者の同意や契約書があれば問題ないのかここは特に誤解されやすい部分だ。
坂井氏は参加者5人と契約書を交わし、SNSへの投稿についても合意を得ていたと説明している。しかし、出演者本人が撮影や投稿に同意していたとしても、それだけで刑法175条の適用が排除されるわけではない。
刑法上のわいせつ性は、出演者の同意だけで決まるものではなく、映像の内容や公開方法などを踏まえて判断される。
また、参加者との契約があったとしても、契約の対象外となる利用、説明されていなかった二次利用、プライバシーや肖像に関する問題まで一括して解決するものではない。
法的論点を整理すると| 論点 | 判断材料 | 現段階での整理 |
|---|---|---|
| 公然わいせつ罪 | 現場の公開性、参加人数、施設の構造 | 成立可能性について弁護士が指摘 |
| わいせつ物頒布等罪 | 動画の内容、無修正部分、投稿方法 | 成立可能性はあるが、映像の鮮明さなどが論点 |
| 参加者の同意 | 契約書、説明内容、本人の意思 | 刑法上の責任を自動的に免除するものではない |
| プライバシー・肖像権 | 撮影や公開の同意範囲 | 契約内容や具体的な利用状況による |
| 店舗側の責任 | 貸し切り時の説明、認識、関与 | 店舗側は内容を知らなかったと証言 |
なお、弁護士による成立可能性の指摘は、裁判所が有罪と判断したという意味ではない。2026年11月4日時点で、今回確認できる報道からは、この騒動について逮捕や起訴が確定したという公表情報は確認できない。
したがって、現状では「ヤラセだったから合法」「契約書があるから問題なし」といった断定はできない。行為の実態と公開の態様を分けて考える必要がある。
【プロの結論】人間シャンパンタワー騒動の本質は炎上を利用した情報設計にある
今回の騒動は、単に過激な動画が流出したという話では終わらない。
坂井氏の5月19日の説明によれば、企画には約8か月の準備期間があり、普段のSNS発信によって形成した人物像、動画の拡散時期、暴露系アカウントを経由する方法などが組み込まれていた。
つまり、炎上そのものをコンテンツとして設計し、世間の反応を次の発信につなげようとした企画だったというのが本人の説明だ。
なぜここまで大きな批判を受けたのか主な理由は3つある。
1つ目は、女性の身体を使った演出だったこと。
女性たちが裸で人間ピラミッドを作り、その上から男性がシャンパンをかけるという構図は、参加者の合意の有無とは別に、女性を見世物として扱っているように受け止められやすい。特に「これが資本主義だ」という発言は、経済的な優位性と女性の身体を結びつける印象を強めた。
2つ目は、坂井氏の説明が短期間で大きく変わったこと。
AI生成の疑いを示した後に事実と認め、さらに計画的な演出だったと説明した。この変化によって、騒動そのものだけでなく、発信者の説明をどこまで信用できるのかという問題も生じた。
3つ目は、炎上によって利益が生じる構造への反発だ。
レイナ氏は対談で、自身のコンテンツの認知や売上に好影響があったと説明している。つまり、批判的な反応も含めて注目が集まることが、出演者側のプロモーションに結びつく可能性が示された。
AI生成説とヤラセ疑惑は別の問題ここは混同しない方がよい。
AI生成説とは、映像そのものが生成AIによって作られた偽物ではないかという疑いだ。一方、ヤラセ疑惑は、実際に撮影された映像であっても、その場面が事前に演出されたものではないかという問題を指す。
今回については、坂井氏本人が映像の事実性を認め、その後に計画的な演出だったと説明している。したがって、現時点で中心となる争点はAIによる映像生成ではなく、実際に行われた演出と、その公開・拡散方法だ。
ネット上の情報を見極める3つの判断基準- 本人の発言か、第三者の推測か:坂井氏の説明、レイナ氏の証言、店舗オーナーの証言を区別する。
- 撮影の事実と法的評価を混同しない:動画が実在したことと、犯罪が成立することは別問題。
- 新しい報道が過去の説明をどう補足するか:11月3日の防犯カメラに関する証言のように、後から判明した情報も確認する。
特に、ABEMAでの店舗側の証言は、参加者と主催者だけを見ていては分からなかった現場の管理状況を浮かび上がらせた。今後の検証では、誰が何を知っていて、どこまで了承していたのかが重要になる。
人間シャンパンタワー動画に関するよくある質問(FAQ)
Q1:人間シャンパンタワーの動画フルは現在も見られますか?
A1:2026年5月に拡散した元動画は、無修正版を投稿したとされるアカウントから削除されたと報じられています。11月3日にはABEMAで関連する番組映像が紹介されましたが、元動画の完全版が正規の一般向け配信として公開されていることは確認できません。
Q2:人間シャンパンタワーの動画はAIで作られた偽物だったのですか?
A2:坂井氏は当初AI生成の可能性を主張しましたが、5月5日に動画が事実だったと認めています。その後、5月19日には事前に計画した演出だったと説明しました。実際の出来事を撮影した映像であることと、演出された内容であることは両立します。
Q3:丸の内OLレイナはなぜ参加したのですか?
A3:本人は、坂井氏との関係を今後のビジネスにつなげたいという考えや、自身のプロモーションにつながる期待があったと説明しています。参加を強制されたわけではないと話す一方、現場では不快感もあったと振り返っています。
Q4:参加した女性にはいくら支払われたのですか?
A4:坂井氏の説明によると、レイナ氏を除く5人には1人6万円が支払われたとされています。レイナ氏は1万円を受け取ったものの、その場で返したと自身のXで説明しています。
Q5:11月3日のABEMA報道で何が新たに分かったのですか?
A5:現場のバーオーナーと店舗責任者が出演し、貸し切り時にはスタッフを置かず酒だけを準備するよう依頼されたことや、防犯カメラを確認したところ撮影が一度失敗していた可能性があることを明かしました。
Q6:人間シャンパンタワーは犯罪だったのですか?
A6:公然わいせつ罪やわいせつ物頒布等罪が成立する可能性について、弁護士が指摘しています。ただし、実際の成立には公然性や映像のわいせつ性、公開方法などの具体的な判断が必要です。有罪が確定したという情報は確認できません。
2026年5月に始まった人間シャンパンタワー騒動は、坂井秀人氏のAI生成説からの転換、丸の内OLレイナ氏の証言、事前に計画された演出だったという説明を経て、11月3日のABEMA報道で新たな局面を迎えた。
現時点で押さえておきたい事実は次のとおりだ。
- 動画は坂井氏本人が実際の出来事だったと認めている。
- 5月19日の説明では、約8か月前から準備した演出だったと明かしている。
- 参加女性5人には契約書と1人6万円の報酬があったと本人が説明している。
- 丸の内OLレイナ氏は、自身の参加理由やプロモーション効果について証言している。
- 11月3日のABEMA報道では、バーオーナーが防犯カメラに映った撮影のやり直しの可能性を語った。
- 公然わいせつ罪やわいせつ物頒布等罪については、弁護士による法的論点の指摘がある。
特に注目すべきなのは、11月3日の店舗側の証言だ。これまでの説明では、企画者と参加者の関係が中心だったが、今回の証言によって、撮影場所を提供した側がどこまで事情を把握していたのかという新しい論点が加わった。
今後、騒動の全容を判断するうえで重要なのは、防犯カメラ映像の詳細、参加者それぞれの契約と同意の範囲、動画の公開経緯、そして法的な判断の有無だ。
「ヤラセだったから問題ない」という説明だけでは、今回の騒動のすべてを説明できない。映像の真偽、企画の演出、参加者の意思、公開に伴う法的責任は、それぞれ分けて考える必要がある。
2026年11月4日時点では、ABEMAの最新報道によって現場の新たな証言が明らかになったものの、騒動の法的な決着まで確認されたわけではない。今後の続報では、出演者だけでなく店舗側や公開に関わった関係者の説明にも注目したい。
参考報道:ABEMA TIMES(2026年11月3日)、弁護士JPニュース(2026年5月22日)、ユーチュラ(2026年5月5日・5月14日・5月20日・5月22日)。