「馬車馬のように働く」とは、目の前の仕事にわき目もふらず、ひたすら懸命に働くことを表す慣用句です。仕事に全力で取り組む姿勢を評価する場面でも使われますが、休む間もなく働く様子や、周囲から酷使されている状態を表す場合もあります。実は、この言葉の本来の意味は、単に長時間労働をすることだけではありません。
語源は、馬車を引く馬の目の両側に付けられた目覆いにあります。2026年現在、長時間労働や過労の問題が引き続き議論されるなか、この慣用句には努力を称える意味と、働きすぎを危惧する意味の両方が重なっています。厚生労働省の令和8年版過労死等防止対策白書や最新の労災統計も踏まえ、意味、由来、使い方、例文、類語、対義語、英語表現から、仕事で使う際の注意点まで詳しく解説します。
【意味を正しく理解】馬車馬のように働くとは?悪い意味もあるのか

「馬車馬のように働く」は、物事に脇目も振らず、ひたすら一つの目的に向かって努力する様子を表す慣用句です。
小学館の『デジタル大辞泉』では、「馬車馬」を馬車を引く馬と説明し、そこから転じて、わき目もふらず一途に物事をすることのたとえとして紹介しています。
仕事に当てはめると、次のような状態がイメージできます。
- 朝から晩まで仕事に集中している。
- 目標達成のために精力的に業務を進めている。
- 忙しい時期でも手を止めず、次々と仕事をこなしている。
- 自分の担当業務に責任を持ち、最後まで取り組んでいる。
- 周囲の状況に気を取られず、目の前の仕事に没頭している。
重要なのは、単純な労働時間の長さではなく、周囲に気を取られず、ひたすら仕事に打ち込む姿勢が言葉の中心にあることです。
そのため、短期間のプロジェクトに集中して取り組んだ人にも使えますし、長期間にわたって仕事に追われている人を表す場合にも使えます。
馬車馬のように働くのは褒め言葉?それとも悪い意味?この表現は、使う人の意図や会話の状況によって、肯定的にも否定的にも受け取られます。
肯定的な文脈では、努力家、勤勉、責任感が強いといった評価につながります。会社の立ち上げや事業の再建など、困難な状況を乗り越えるために懸命に働いた人を称える際にも使われます。
一方、否定的な文脈では、会社に酷使されている、休息を取れない、仕事以外の生活を犠牲にしているといった印象を与えます。
特に「社員を馬車馬のように働かせる」という表現には、本人の意思とは関係なく、組織が労働力を使い切ろうとしているような批判的なニュアンスがあります。
つまり、言葉自体に完全な善悪が決まっているわけではありません。ただし、馬車を引く馬のイメージには、働く側の負担や自由の制限を連想させる側面もあります。
自分について使う場合と、上司が部下について使う場合では、受け取られ方が大きく変わる点を確認しましょう。
【由来・語源を解説】馬車馬の目覆いが表す意味と歴史
馬車を引く馬は、なぜ目の両側を覆われていたのか「馬車馬のように働く」の由来を理解するには、馬車を引く馬の姿を知る必要があります。
かつて馬車を引く馬には、目の両側に「遮眼革(しゃがんかく)」と呼ばれる目覆いを装着することがありました。英語ではブリンカーなどと呼ばれる馬具です。
この目覆いは、馬の視界を左右から制限し、周囲の動きに過度に反応せず、進行方向に集中できるようにする役割を持ちます。
馬車を引く馬が前方に向かって進む姿から、目の前のことに集中し、脇目もふらずに物事を進める様子が人間の行動にたとえられるようになりました。
ここで注意したいのは、語源が直接表しているのは「休みなく働くこと」ではなく、視野を狭めてでも一つの方向に集中することだという点です。
現在は長時間労働や過酷な仕事を連想する場面も多くなっていますが、語源を知ると、本来の意味との違いが理解しやすくなります。
日本語としての歴史と文学作品に見られる用例「馬車馬」という言葉は、近代以前から馬車を引く馬を表す語として使われてきました。
小学館の『精選版 日本国語大辞典』には、1898年の小栗風葉による小説『恋慕ながし』に、馬車馬そのものを表す用例が収録されています。
加えて、比喩的な意味での初出例として挙げられているのが、徳富蘆花の小説『思出の記』(1900~1901年)です。そこでは「馬車馬ではないが」という形で、わき目もふらず前へ進む様子を表現しています。
この用例からも、馬車馬という言葉が、単なる動物の名称から、人間の一途な行動を表す比喩へと広がっていったことが分かります。
集英社のイミダス「ルーツでなるほど慣用句辞典」でも、馬車を引く馬が目に覆いをされ、わき目も振らずに走る姿を語源として紹介しています。
こうした歴史を踏まえると、「馬車馬のように働く」は、単に忙しさを表すだけでなく、目標に向かって一心に努力する人の姿を象徴する表現として定着してきたと考えられます。
【実践的な使い方】馬車馬のように働く例文とビジネスでの注意点
日常会話で使える例文日常会話では、自分の忙しさや誰かの努力を説明する際に使えます。
例文1:自分の努力を表す場合
「新しい事業を軌道に乗せるため、ここ数か月は馬車馬のように働いてきた。」
自分が目標達成のために集中して努力してきたことを伝える表現です。苦労や忙しさを含みながらも、達成感をにじませることができます。
例文2:同僚の働きぶりを説明する場合
「彼女はプロジェクトの成功に向けて、馬車馬のように働いていた。」
一つの目標に向かって精力的に取り組む様子を表しています。ただし、相手が実際に疲弊している場合は、努力を称えるだけでなく、負担にも配慮する必要があります。
例文3:仕事量の多さを批判する場合
「人手不足を理由に、社員を馬車馬のように働かせる会社の体質は改善すべきだ。」
労働者への過度な負担を批判する用法です。この場合は、明確に否定的な意味を持ちます。
例文4:自虐的に使う場合
「今週は納期が重なって、馬車馬のように働く毎日だった。」
自分の忙しさを少し大げさに伝える表現です。親しい同僚との会話などでは、冗談交じりに使うこともできます。
例文5:長期間の努力を説明する場合
「創業当初は、会社を存続させるために馬車馬のように働いたという。」
長期にわたる努力や、困難な時期を乗り越えた経験を表しています。
上司や部下との会話で使っても問題ない?ビジネスシーンでは、誰に対して使うのかが重要です。
例えば、上司が部下に「これから馬車馬のように働いてもらう」と伝えた場合、本人の努力を期待する言葉というより、過剰な労働を要求しているように聞こえる可能性があります。
また、「馬車馬のように働いてくれてありがとう」という言葉も、感謝の意図とは裏腹に、相手の負担を当然視していると受け取られることがあります。
部下や同僚の努力を褒めたい場合は、次のような表現が適しています。
- 「困難な状況でも、最後まで責任を持って取り組んでくれました」
- 「粘り強く業務を進め、素晴らしい成果を上げてくれました」
- 「プロジェクトの成功に大きく貢献してくれました」
- 「チームのために多大な尽力をしてくれました」
- 「高い集中力と実行力を発揮してくれました」
努力の量だけでなく、具体的な成果や行動を評価することで、相手を尊重した伝え方になります。
自分に使う場合と他人に使う場合の違い自分に対して使う場合は、忙しかった経験を振り返る表現として比較的自然です。一方、他人に使う場合は、本人がその働き方を望んでいるかどうかによって印象が変わります。
特に、職場で立場の強い人が部下に向かって使う場合は、単なる比喩では済まないことがあります。相手の意思や健康状態を無視して労働を求めるような言い方は避けるべきです。
【類語・言い換え・対義語】働き詰めやがむしゃらに働くとの違い
馬車馬のように働くと似た意味の言葉「馬車馬のように働く」には、複数の類語や言い換え表現があります。ただし、それぞれ強調する要点は異なります。
例えば、「身を粉にして働く」は自分を犠牲にするほどの努力、「働き詰め」は休む間もなく仕事が続く状態を強く表します。
状況に合わせて言葉を使い分けると、伝えたい内容がより明確になります。
| 表現 | 中心となる意味 | ニュアンス・特徴 |
|---|---|---|
| 馬車馬のように働く | わき目もふらず働く | 集中力や一途さを強調する。酷使の印象もある |
| 働き詰め | 休む間もなく働き続ける | 労働が連続している時間的な長さを強調する |
| がむしゃらに働く | 勢いに任せて懸命に働く | 無我夢中で、時には無計画な印象もある |
| 身を粉にして働く | 自分を犠牲にして努力する | 苦労や自己犠牲の度合いが強い |
| 骨身を惜しまず働く | 苦労をいとわず働く | 勤勉さや努力を肯定的に評価しやすい |
| 精力的に働く | 活発に仕事に取り組む | 前向きで、比較的ポジティブな印象 |
| 余裕を持って働く | 無理をせず仕事を進める | 働きすぎを避け、計画的に業務を進める |
「働き詰め」は、仕事が途切れず、休息を十分に取れない状態を表します。
一方、「馬車馬のように働く」は、目の前の仕事に集中し、一途に取り組む姿勢に重点があります。
例えば、「今月は働き詰めだった」と言えば、長期間にわたって忙しい状態が続いたことが伝わります。
「今月は馬車馬のように働いた」と言えば、忙しさに加えて、仕事に全力で打ち込んだ様子が伝わります。
両者は重なる場面もありますが、時間的な連続性を伝えたいなら「働き詰め」、集中力や仕事への取り組み方を伝えたいなら「馬車馬のように働く」が適しています。
「がむしゃらに働く」との違い「がむしゃらに働く」は、周囲の状況や細かなことを気にせず、勢いに任せて懸命に取り組む様子を表します。
「馬車馬のように働く」と似ていますが、「がむしゃら」には、冷静な判断や計画性を欠いているというニュアンスが加わることがあります。
例えば、次のように使い分けられます。
- 馬車馬のように働く:目標に向かって、わき目もふらず仕事を進める。
- がむしゃらに働く:細かいことを考える余裕もなく、勢いよく仕事に取り組む。
- ひたむきに働く:一つの目的に向かって真面目に努力する。
特に「ひたむきに働く」は、努力を肯定的に評価したい場合に使いやすい表現です。
馬車馬のように働くの対義語は?この慣用句には、意味が完全に反対となる決まった対義語があるわけではありません。ただし、反対の働き方を示す表現として、次の言葉が挙げられます。
- のんびり働く:焦らず、自分のペースで仕事を進める。
- 余裕を持って働く:時間や体力に余裕を残しながら業務を進める。
- 適度に休みながら働く:仕事と休息のバランスを保つ。
- マイペースに働く:周囲に流されず、自分のリズムで仕事をする。
- ワークライフバランスを重視する:仕事と私生活の両立を大切にする。
ここで大切なのは、馬車馬のように働かないことが、怠けることを意味するわけではないという点です。無理なく継続できる働き方も、十分に責任感のある仕事の進め方です。
馬車馬のように働くを英語で表現すると?英語で最も近い慣用表現は「work like a horse」です。馬のように一生懸命働くという意味で、日本語の「馬車馬のように働く」と共通するイメージがあります。
ただし、伝えたいニュアンスによって、ほかの英語表現を選ぶこともできます。
- work like a horse:馬車馬のように懸命に働く。
- work tirelessly:疲れを見せず、精力的に働く。
- work flat out:全力で働く。特に忙しい状況を表す。
- work one's fingers to the bone:身を粉にして働く。
- work day and night:昼夜を問わず働く。
- be a workaholic:仕事中毒、仕事に依存する人である。
例えば、「今週は馬車馬のように働いた」と伝えたいなら、次のように表現できます。
I've been working like a horse all week.
「今週ずっと、馬車馬のように働いてきた」という意味です。
また、自己犠牲や疲弊を強調したいなら「work one's fingers to the bone」、仕事に集中している様子を比較的中立的に表現したいなら「work tirelessly」が適しています。
英語でも、日本語と同じように、単純な努力と過度な労働を区別することが大切です。
【人の特徴と心理】馬車馬のように働く人はなぜ頑張り続けるのか
責任感が強く、仕事を最後までやり遂げたい馬車馬のように働く人には、責任感が強く、自分に任された仕事を最後までやり遂げようとする傾向が見られることがあります。
途中で仕事を投げ出したくない、周囲に迷惑をかけたくない、期待に応えたいという気持ちが、仕事への集中につながります。
こうした姿勢は、プロジェクトの進行やチームの成果に貢献することがあります。しかし、責任感が強すぎると、自分だけで仕事を抱え込み、他人に頼ることが難しくなる場合もあります。
完璧主義で、仕事の質に妥協できない完璧主義も、仕事に没頭する理由の一つです。
小さなミスも許せない、細部まで確認したい、納得できる品質になるまで作業を続けたいという気持ちが、労働時間の増加につながることがあります。
本人は仕事の質を高めるために努力しているつもりでも、必要以上に時間をかけてしまい、結果的に疲労が蓄積する可能性があります。
評価や将来への不安が原動力になっている仕事を頑張り続ける背景には、心理的な不安が隠れている場合もあります。
- 仕事で成果を出さなければ評価されないという不安。
- 同僚や競争相手に遅れを取りたくないという焦り。
- 昇進や昇給、雇用の安定を得たいという希望。
- 仕事を断ることで周囲からの信頼を失うのではないかという心配。
- 自分が休むと職場が回らなくなるという責任感。
こうした気持ちは、短期間であれば仕事への集中力を高めることがあります。しかし、常に評価や周囲の期待を気にしていると、休むことに罪悪感を覚え、仕事から離れられなくなる可能性があります。
本人の性格だけではなく、職場環境も関係する馬車馬のように働く人を、単純に働き者や仕事好きという性格だけで説明することはできません。
人員不足、業務量の偏り、厳しい納期、属人的な仕事の進め方、休みにくい職場の雰囲気など、組織側の問題が背景にある場合もあります。
特に、特定の社員にしかできない業務が増えると、その人が休むことで仕事が滞るため、本人も周囲も休息を取りにくくなります。
また、仕事の成果よりも長時間働いている姿勢が評価される職場では、効率的に仕事を終わらせるより、長く働くことを優先する空気が生まれやすくなります。
本当に改善すべきなのは、働く人の努力不足ではなく、仕事の配分や組織の仕組みにある可能性があります。
【2026年最新データ】馬車馬のように働くことによる長時間労働と過労のリスク
令和8年版過労死等防止対策白書が示す労働環境2026年に公表された厚生労働省の「令和8年版過労死等防止対策白書」には、2025年の労働時間やメンタルヘルスの状況がまとめられています。
注目したいのは、週60時間以上働く雇用者の割合です。週40時間以上働く雇用者のうち、週60時間以上働く人の割合は、2025年に7.7%となりました。前年から0.3ポイント減少しているものの、長時間労働が続いている人は依然として存在します。
また、仕事や職業生活に関して強い不安、悩み、ストレスがあると回答した労働者の割合は67.5%でした。
これは、長時間労働だけでなく、仕事内容や職場環境による心理的な負担にも目を向ける必要があることを示しています。
2026年7月公表の最新労災統計にも表れた過労の問題厚生労働省が2026年7月15日に公表した令和7年度の「過労死等の労災補償状況」では、過労死等に関する労災請求件数が6,212件となりました。
同年度の支給決定件数は1,310件で、そのうち死亡・自殺(未遂を含む)は145件です。
加えて、民間雇用労働者の業務災害に関する内訳を見ると、精神障害の支給決定は1,082件、脳・心臓疾患の支給決定は217件でした。
精神障害の支給決定件数は、令和元年度以降増加傾向にあります。精神的な負担も、過労問題を考えるうえで見過ごせない要素です。
なお、労災請求件数と支給決定件数は同じ意味ではありません。請求件数は申請された件数であり、支給決定件数は労災として認定された件数です。また、上記の総数と疾患別の内訳では集計対象の区分が異なるため、単純に合算することはできません。
長時間労働によって起こり得る健康上の問題馬車馬のように働く生活が長期間続くと、身体面と精神面の両方に負担がかかります。
代表的なリスクには、次のようなものがあります。
- 睡眠不足:十分な睡眠時間を確保できず、疲労が回復しにくくなる。
- 集中力の低下:判断力や注意力が落ち、仕事上のミスや事故につながる可能性がある。
- 身体的な不調:疲労の蓄積や生活習慣の乱れにより、身体への負担が増す。
- 精神的な不調:強いストレスが続き、不安、意欲低下、抑うつなどにつながることがある。
- 脳・心臓疾患のリスク:過重な業務負荷は、脳血管疾患や心臓疾患との関連が問題となる。
特に注意したいのは、本人が疲労に慣れてしまい、体調の変化を見過ごすことです。
以前より眠れなくなった、休日も疲れが取れない、仕事に対して強い不安を感じる、集中力が続かないといった状態が続く場合は、無理を重ねず、医療機関や産業医などに相談することが大切です。
2026年時点の時間外労働の上限規制日本の労働基準法では、法定労働時間を原則として1日8時間、週40時間と定めています。
これを超えて時間外労働をさせる場合には、原則として36協定(時間外労働・休日労働に関する協定)の締結と届出が必要です。
厚生労働省が示す時間外労働の上限規制は、次のとおりです。
- 原則:月45時間、年360時間以内。
- 特別条項がある場合:年720時間以内。
- 単月の上限:時間外労働と休日労働を合わせて100時間未満。
- 複数月の平均:時間外労働と休日労働を合わせて2~6か月平均80時間以内。
- 月45時間を超えられる回数:年間6か月まで。
なお、これらは特別条項を含む法律上の上限であり、常にその時間まで働いてよいという意味ではありません。上限に達していなくても、健康状態や業務内容によっては負担が大きくなることがあります。
法律上の基準を守ることと、健康的に働ける環境を整えることは、分けて考える必要があります。
馬車馬のように働きすぎないための具体的な対策仕事への熱意を失わずに働き続けるためには、努力の量だけでなく、仕事の進め方や休息の取り方を見直すことが重要です。
個人でできる対策
- その日に対応すべき仕事と、翌日以降でもよい仕事を分ける。
- 仕事を一人で抱え込最初に、同僚や上司に相談する。
- 勤務時間や休日労働の実態を記録する。
- 休憩時間と睡眠時間を確保する。
- 体調の変化を感じたら、早めに医療機関や産業医に相談する。
会社や管理職が取り組むべき対策
- 特定の社員に仕事が集中しないよう業務量を調整する。
- 人員配置や業務分担を定期的に見直す。
- 長時間労働ではなく、成果や仕事の質を評価する。
- 休暇を取得しやすい職場環境を整える。
- 部下が仕事量や健康状態について相談できる仕組みを設ける。
仕事を頑張ること自体は悪いことではありません。しかし、本人の努力だけで組織の問題を補い続ける状態は、長期的に見て持続可能とはいえません。
どんな人なら馬車馬のように働くスタイルに向いている?短期間で明確な目標に取り組む場合には、集中して仕事を進める働き方が成果につながることもあります。
ただし、取り組む期間が決まっていること、必要な休息を取れること、業務量が適切であることが前提です。
一方、次のような状態にある人には、無理に仕事量を増やす働き方はおすすめできません。
- 睡眠時間が慢性的に不足している人。
- 仕事以外の時間にも強い不安や緊張が続いている人。
- 業務を断れず、すべてを自分で引き受けてしまう人。
- 休日にも仕事の連絡や対応が続いている人。
- 体調不良を我慢して仕事を続けている人。
判断の要点は、仕事の量だけではありません。自分の意思で働き方を選べているか、休む時間を確保できているか、成果に見合った評価や支援があるかを確認することが大切です。
【よくある質問】馬車馬のように働くに関するFAQ
Q1:馬車馬のように働くとは、簡単にいうとどんな意味ですか?
A1:わき目もふらず、一つの目的に向かって懸命に働くことです。目の前の仕事に集中して取り組む様子を表します。長時間労働や休みの少ない状態を連想させる場合もありますが、本来の意味の中心は一途に物事をすることです。
Q2:馬車馬のように働くは褒め言葉として使ってもよいですか?
A2:使うこと自体はできますが、相手によっては酷使されている印象を与えるため注意が必要です。努力を褒めたい場合は「責任感を持って取り組んだ」「粘り強く努力した」「大きく貢献した」など、具体的な行動や成果を評価する表現がおすすめです。
Q3:馬車馬のように働くの類語や英語表現には何がありますか?
A3:日本語では「がむしゃらに働く」「身を粉にして働く」「骨身を惜しまず働く」などが類語です。英語では「work like a horse」が最も近い慣用表現で、「work tirelessly」や「work one's fingers to the bone」も状況に応じて使えます。
「馬車馬のように働く」は、目の前の仕事にわき目もふらず、一途に取り組む様子を表す慣用句です。馬車を引く馬が目覆いを付けて前方に集中する姿が語源となっており、もともとは集中力やひたむきさを象徴する表現でした。
「働き詰め」は休みなく仕事が続く状態、「がむしゃらに働く」は勢いに任せて懸命に取り組む状態を表すなど、類語との間には意味の違いがあります。使い分けることで、努力の質や忙しさをより正確に伝えられます。
一方、2026年の厚生労働省の白書や労災統計からも、長時間労働や仕事による精神的な負担が重要な課題であることが分かります。懸命に働く姿勢を評価することと、休息を犠牲にする働き方を肯定することは別問題です。
仕事で成果を上げるために必要なのは、際限なく働き続けることではありません。目標を明確にし、業務量を調整し、適切に休みながら成果を積み重ねることです。
言葉としての「馬車馬のように働く」は、努力や集中力を表現する際に役立ちます。しかし、実際の働き方では、目の前の仕事だけでなく、自分の健康や生活、周囲との協力にも目を向ける必要があります。
本当に評価されるべきなのは、どれだけ長く働いたかではなく、健康を保ちながら、どのような成果を継続的に生み出せたかです。