「母方の祖母」とは、自分の母親の母親を指す言葉です。父親の母親である「父方の祖母」とは家系上の位置が異なりますが、法律上はいずれも本人から見て二親等の血族であり、直系血族に該当します。
2026年現在、親族関係を確認する場面は、日常会話だけでなく、戸籍の取得、相続手続き、親等の確認、家系図の作成など多岐にわたります。母方の祖母の正式な呼び方である「外祖母(がいそぼ)」の意味や、母方と父方の違い、孫との関係、相続順位まで正しく理解しておくと、複雑に見える親族関係も整理しやすくなります。
【基本知識】母方の祖母とは?意味と父方の祖母との違い

母方の祖母とは、自分の母親を産んだ、または法律上の親子関係にある母親の母親を意味します。
例えば、自分の母親の名前がAさん、その母親がBさんであれば、Bさんが自分にとっての母方の祖母です。
親族関係を表す「母方」という言葉は、母親を起点とした血縁・親子関係の系統を示しています。そのため、母方の祖母は母親側の祖父母のうち女性を指す言葉です。
一方、父親の母親は父方の祖母と呼びます。両者は同じ祖母という立場ですが、家系図では異なる枝に位置します。
母方と父方の祖母は何が違う?最も大きな違いは、自分から見てどちらの親を通じてつながっているかという点です。
母方の祖母は母親を通じてつながり、父方の祖母は父親を通じてつながります。親族関係を整理するうえでは、この区別が基本になります。
ただし、民法上の親等や血族としての位置づけは同じです。母方だから親等が遠くなる、父方だから相続順位が高くなるといった違いはありません。
つまり、母方と父方の違いは家系上の系統を区別するものであり、法律上の祖母としての基本的な扱いを変えるものではありません。
【家系図で理解】母方の祖母の続柄と祖父母の親族関係
母方の祖母は家系図のどこに位置する?母方の祖母の位置を理解するには、自分から母親をたどり、その一つ上の世代を確認すると分かりやすくなります。
家系図では、母方の祖母から母親、そして自分へと縦につながる関係です。途中に兄弟姉妹などの横方向のつながりが入らないため、法律上は直系の親族に分類されます。
母方の祖父は母親の父親であり、母方の祖母とともに母親の両親に当たります。父方についても同様に、父親の父親が父方の祖父、父親の母親が父方の祖母です。
祖父母と孫の続柄を一覧で比較それぞれの親族関係を整理すると、次のようになります。親等は本人を基準にした民法上の数え方です。
| 親族 | 本人から見た関係 | 親等 | 親族関係の分類 |
|---|---|---|---|
| 母 | 母親 | 一親等 | 直系血族 |
| 母方の祖母 | 母親の母親 | 二親等 | 直系血族 |
| 母方の祖父 | 母親の父親 | 二親等 | 直系血族 |
| 父方の祖母 | 父親の母親 | 二親等 | 直系血族 |
| 父方の祖父 | 父親の父親 | 二親等 | 直系血族 |
| 母方の曾祖母 | 母方の祖母の母親 | 三親等 | 直系血族 |
| 母親の姉妹 | 母方のおば | 三親等 | 傍系血族 |
この比較から分かるように、母方の祖母と父方の祖母は同じ二親等です。また、祖母の母親に当たる曾祖母は三親等になります。
注意したいのは、祖母の姉妹も三親等になる点です。祖母本人は直系血族ですが、祖母の姉妹は共通の祖先を通じてつながる傍系血族に分類されます。
母方の祖母から見た自分の続柄は「孫」自分から見れば母方の祖母ですが、祖母から自分を見た場合の続柄は「孫」です。
自分が男性なら孫、女性なら孫娘という表現も使われます。加えて、自分の子どもは母方の祖母から見るとひ孫に当たります。
このように、親族の呼び方は誰を基準にするかによって変わります。家系図や相続関係を確認するときは、必ず誰から見た続柄なのかを意識することが大切です。
【正式名称と読み方】母方の祖母は外祖母?日常の呼び方も解説
外祖母の読み方は「がいそぼ」母方の祖母を表す漢語に「外祖母」があります。読み方はがいそぼです。
「外」は母方の系統を示す文字で、「祖母」は祖先に当たる女性を意味します。日本語の親族語彙では、母方の祖父を「外祖父(がいそふ)」、母方の祖母を「外祖母(がいそぼ)」と表現します。
ただし、外祖母は日常会話で頻繁に使う言葉ではありません。辞書や改まった文章、親族関係を厳密に区別する場面では意味が通じますが、一般的な説明では「母方の祖母」と表記するほうが分かりやすいでしょう。
母方の祖母の正式名称は決まっている?「母方の祖母」という関係に対して、法律が特別な固有名称を定めているわけではありません。
一般的な呼称は「祖母(そぼ)」であり、父方か母方かを区別する必要がある場合に「母方の祖母」と表現します。「外祖母(がいそぼ)」も意味を持つ語ですが、戸籍上の正式な身分名称として使用するものではありません。
そのため、書類や説明文で誤解を避けたい場合は、母親の母親であることが明確に分かる「母方の祖母」という表現が適しています。
日常生活で使われる母方の祖母の呼び方日常の呼び方は、家庭の習慣や地域、本人との親しさによって異なります。
- おばあちゃん:最も一般的な親しみのある呼び方。
- ばあば:幼い子どもを中心に使われる家庭的な呼称。
- おばあさま:敬意を込めた丁寧な呼び方。
- 祖母(そぼ):自分の祖母を第三者に説明するときの一般的な表現。
- 外祖母(がいそぼ):母方の祖母を区別する漢語表現。
例えば、職場や学校で家族について説明するときは「私の祖母が母方に住んでいます」といった形で、必要に応じて系統を補足できます。
また、相手の祖母について話す場合は「おばあさま」「ご祖母様」などの敬意を示す表現が使われます。自分の身内を第三者に紹介する場合は、基本的に「祖母」とするのが自然です。
【法律上の親等】母方の祖母は二親等の直系血族
民法で定められた親族関係とは母方の祖母は、民法上の「二親等の血族」に該当します。加えて、親から子、子から孫というように直接つながる関係なので、直系血族でもあります。
民法第725条では、親族の範囲を六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族と定めています。
また、民法第726条では、親等は親族間の世代数を数えて定めると規定しています。つまり、血縁関係の近さを感覚的に判断するのではなく、世代をいくつ経由するかによって計算します。
母方の祖母が二親等になる理由親等の計算は、本人から目的の親族まで何世代離れているかを数えるだけです。
本人から母親までは一世代なので一親等です。母親から母方の祖母までも一世代です。そのため、本人から母方の祖母までは合計二世代となり、二親等になります。
計算式にすると、次のとおりです。
本人 → 母親(1親等)→ 母方の祖母(2親等)
この計算方法は父方の祖母でも変わりません。本人から父親、父親から父方の祖母という二世代のつながりになるため、同じく二親等です。
直系血族と傍系血族の違い直系血族とは、親子関係を上下にたどって直接つながる血族です。母親、父親、祖父母、曾祖父母、子、孫などが該当します。
一方、傍系血族は共通の祖先を持ちながら、親子関係を一直線にはたどらない親族です。兄弟姉妹、おじ、おば、いとこなどが代表例です。
母方の祖母と母親は直系血族ですが、母方の祖母の姉妹と本人は傍系血族になります。この違いは、親族の範囲や相続関係を調べる際にも重要です。
【戸籍上の続柄】母方の祖母との関係はどう確認する?
戸籍には母方の祖母と直接記載される?戸籍上の続柄を考える際には、日常会話で使う親族の呼び方と、戸籍に記載される法的な身分関係を区別する必要があります。
戸籍法第13条では、戸籍に記載する事項として、各人の氏名、生年月日、実父母の氏名および実父母との続柄などを定めています。養子については、養親の氏名と養親との続柄も記載対象です。
つまり、本人の戸籍には基本的に本人と父母との関係が記録されます。祖母について「母方の祖母」という名称を本人の続柄欄に直接記載する仕組みではありません。
母方の祖母との関係を公的に確認するには、本人と母親の親子関係、母親と祖母の親子関係をそれぞれ戸籍でたどる方法が基本です。
母方の祖母との親族関係を戸籍で調べる方法例えば、相続手続きや家系図の作成で母方の祖母との関係を証明する必要がある場合、次のような順序で確認します。
- 本人の戸籍で、母親との親子関係を確認する。
- 母親の戸籍や過去の戸籍を確認する。
- 母親の実父母または養親の記載から祖母を特定する。
- 必要に応じて過去の戸籍や除籍謄本などを確認する。
戸籍は、婚姻や転籍、改製などによって複数に分かれている場合があります。そのため、一つの戸籍だけで家系全体が確認できるとは限りません。
特に相続では、亡くなった人の出生から死亡までの戸籍を確認し、子どもや代襲相続人の有無を調べることがあります。親族関係を証明する目的に応じて、必要な戸籍の範囲も変わります。
【相続順位を解説】母方の祖母は孫の相続人になる?
祖母の相続では母親が優先される母方の祖母が亡くなった場合、孫である本人が必ず相続人になるわけではありません。
民法第887条、第889条、第890条などに基づき、法定相続人には順位があります。配偶者は常に相続人となり、それ以外の親族には法律上の優先順位が設けられています。
祖母の相続では、まず祖母の子どもが第一順位の相続人です。母親が存命で相続権を持っている場合、母親が相続人となり、原則として孫は直接の法定相続人にはなりません。
例えば、母方の祖母に夫と娘である母親、孫である本人がいる場合、通常は祖母の夫と母親が法定相続人になります。孫は母親の子どもという立場だけでは、母親と並んで相続人になることはありません。
母親が先に亡くなっている場合は代襲相続が発生する例外となるのが代襲相続です。
母親が祖母より先に亡くなっている場合など、民法第887条第2項の要件を満たすと、母親の子どもである孫が母親に代わって相続人になります。
例えば、母方の祖母が亡くなった時点で母親がすでに亡くなっており、本人と兄弟姉妹がいる場合、本人たちは母親の相続分を引き継ぐ形で相続人になる可能性があります。
この場合、孫が祖母の財産を直接受け継ぐことになりますが、法律上は母親の相続権を代わりに行使する仕組みです。
なお、母親が単に相続放棄をした場合は、原則として孫が代襲相続することにはなりません。相続放棄と、死亡などによる代襲相続の発生要件は区別する必要があります。
自分が亡くなった場合、母方の祖母は相続人になる?反対に、孫である本人が亡くなった場合にも、母方の祖母が相続人になる可能性があります。
祖母は本人の直系尊属に当たるため、民法第889条に定められた第二順位の相続人になり得ます。ただし、第一順位の相続人である子や孫などの直系卑属がいないことが前提です。
加えて、本人の父母が存命の場合は、より近い世代に当たる父母が優先されます。父母がいない場合などに、祖父母が相続人となる可能性があります。
ここで重要なのは、母方の祖母だけが特別に優先されるわけではないという点です。父方の祖父母も母方の祖父母も、同じ直系尊属として扱われ、親等の近い人が優先されます。
2026年時点の法定相続順位を整理国税庁が公表している「相続人の範囲と法定相続分」に基づく基本的な順位は次のとおりです。
- 第一順位:子ども。先に亡くなっている場合などは孫などが代襲相続する。
- 第二順位:父母や祖父母などの直系尊属。父母がいる場合は祖父母より優先される。
- 第三順位:兄弟姉妹。先に亡くなっている場合は、その子どもである甥や姪が代襲相続する場合がある。
配偶者は、これらの順位とは別に常に相続人となります。
また、配偶者と直系尊属が相続人になる場合の法定相続分は、配偶者が三分の二、直系尊属全体で三分の一です。直系尊属が複数いる場合は、原則として同じ順位・親等の人の間で均等に分けます。
法定相続分は、遺産分割の話し合いがまとまらない場合などに基準となる割合です。必ずその割合どおりに遺産を分けなければならないという意味ではありません。
【よくある誤解】母方の祖母について間違えやすいポイント
母方の祖母は父方の祖母より親等が遠い?これは誤解です。母方の祖母も父方の祖母も、本人から見て二親等です。親等は家系の左右ではなく、世代数で決まります。
母方の祖母は三親等になる?母方の祖母は二親等です。母親が一親等、母親の母親が二親等となります。三親等になるのは、曾祖母や母親の兄弟姉妹などです。
外祖母と祖母は別の人物を意味する?別の人物を意味するのではなく、外祖母は母方の祖母を区別する表現です。一般的な祖母という呼び方に、母方という系統の情報を加えたものと理解すると分かりやすいでしょう。
母方の祖母が亡くなったら孫も必ず相続する?必ず相続するわけではありません。母親など祖母の子どもが存命で相続権を持っている場合は、原則としてその子どもが優先されます。母親が先に亡くなっている場合などには、代襲相続によって孫が相続人になる可能性があります。
【母方の祖母に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:母方の祖母の正式名称は何ですか?
A1:一般的には「母方の祖母」と呼びます。漢語表現では「外祖母(がいそぼ)」という言葉もあります。ただし、外祖母は戸籍上の特別な身分名称ではありません。
Q2:母方の祖母は何親等ですか?
A2:二親等です。本人から母親までが一親等、母親から祖母までが一親等なので、合計二親等になります。
Q3:母方の祖母は直系血族ですか?
A3:はい。母親の母親に当たるため、本人とは直接つながる二親等の直系血族です。
Q4:父方の祖母と母方の祖母は法律上同じ扱いですか?
A4:基本的に同じ扱いです。どちらも二親等の直系血族であり、相続順位や親族としての基本的な位置づけに違いはありません。
Q5:母方の祖母は何と呼べばよいですか?
A5:日常会話では「おばあちゃん」「ばあば」、第三者への説明では「祖母」が自然です。母方であることを明確にしたい場合は「母方の祖母」と呼びます。
Q6:母方の祖母は戸籍にどのように記載されますか?
A6:本人の戸籍に「母方の祖母」と直接記載する欄があるわけではありません。本人と母親、母親と祖母の親子関係を、それぞれの戸籍を通じて確認します。
Q7:母親が生きている場合、孫は母方の祖母の遺産を相続できますか?
A7:母親が存命で相続権を持っている場合、原則として孫は法定相続人になりません。ただし、祖母が遺言で孫に財産を遺すことは可能です。
母方の祖母とは、自分の母親の母親を指す言葉です。漢語では「外祖母(がいそぼ)」とも表現されますが、日常生活では「母方の祖母」や「おばあちゃん」と呼ぶのが一般的です。
親族関係を整理するうえで押さえておきたいのは、次の3点です。
- 母方の祖母と父方の祖母は、家系上の系統こそ違うものの、どちらも二親等の直系血族である。
- 戸籍では祖母との関係が独立した呼称で直接表示されるわけではなく、親子関係を順番にたどって確認する。
- 相続では母親などの世代が優先され、母親が先に亡くなっている場合などに孫の代襲相続が成立する。
特に相続や戸籍の確認では、単純に「祖母だから二親等」と覚えるだけでなく、誰から見た続柄なのか、どの世代が存命なのか、養子縁組などによる法律上の親子関係があるのかを確認することが大切です。
母方と父方の違いは家系の系統を示すものであり、親等や法律上の基本的な親族関係を変えるものではありません。この原則を理解しておけば、家系図の作成から戸籍調査、相続手続きまで、母方の祖母をめぐる親族関係を正確に整理できます。
主な根拠資料(2026年時点)
- 民法第725条・第726条・第727条・第887条・第889条・第890条:
- 国税庁「相続人の範囲と法定相続分」(令和8年4月1日現在法令等):
- 法務省「戸籍のABC」・戸籍法第13条:
- 「外祖母」の読み方・意味に関する辞書資料: