ホーム 芸能ニュース・ゴシップ 東京の古民家はどこで探す?賃貸・購入・改修費用と2026年支援策を徹底解説

東京の古民家はどこで探す?賃貸・購入・改修費用と2026年支援策を徹底解説

倉持 玲奈 倉持 玲奈 • 更新: • 公開: • 読了約 27 分
目次

東京で古民家に住む、あるいは古民家を購入してカフェや宿泊施設として活用する。そんな選択肢が、2026年の東京では現実的な住まい方・事業の選択肢になっている。

東京都内には、都心の住宅街に残る昭和初期の木造住宅から、多摩地域や西多摩の自然に囲まれた伝統的な民家まで、個性豊かな建物が存在する。東京都の令和5年住宅・土地統計調査によると、都内の空き家は約89.7万戸、空き家率は10.9%。ただし、そのすべてが古民家というわけではなく、実際に居住や店舗として利用できる物件を見極める必要がある。

賃貸・中古住宅の購入から、人気の古民家カフェ、宿泊施設、リノベーション費用、耐震性の確認方法まで、選択肢は幅広い。さらに2026年度は、東京都が空き家の再生を後押しする支援事業を複数展開している。物件探しと資金計画を切り離さず、制度の対象や建物の安全性まで確認することが、東京で古民家を手に入れるための現実的な方法だ。

【物件探し】東京の古民家はどこで探せる?賃貸・購入の具体的な方法

古民家東京
そもそも東京の古民家とは?

古民家には、全国共通の法律上の明確な定義がない。一般的には、昭和25年の建築基準法制定以前に建てられた伝統的な木造住宅や、築50年以上の歴史ある住宅などを指すことが多い。太い梁、土間、縁側、格子戸、土壁などが代表的な特徴だ。

東京で探す場合、物件の所在地によって出会える建物の性格が変わる。

- 23区内: 赤坂、谷中、根津、墨田区、世田谷区など、古い住宅や長屋を活用した建物に注目。
- 多摩地域: 八王子市、町田市、青梅市など、戸建て住宅や敷地に余裕のある中古住宅を探しやすい。
- 西多摩地域: 奥多摩町、あきる野市、日の出町、檜原村など、自然環境と一体になった古民家を探す候補地。
- 島しょ地域: 地域の伝統的な住まいを活用した移住・定住型の物件や事業用物件に注目。

特に古民家らしい住環境を求めるなら、青梅市や奥多摩町を含む西多摩地域は有力な候補となる。

東京で古民家の賃貸物件を探す方法

賃貸を希望する場合、一般的な賃貸検索サイトだけでなく、自治体が運営する空き家バンクを確認したい。

代表的な探し方は次のとおり。

1. 不動産ポータルサイト

SUUMO、LIFULL HOME'S、アットホームなどで、以下の検索語を組み合わせる。

- 古民家 賃貸 東京
- 古家付き住宅 賃貸
- 戸建て 築古 DIY可
- 伝統的建築 賃貸
- 店舗付き住宅 東京

「古民家」という言葉が物件情報に記載されていなくても、築年数の古い木造戸建てや、和室・縁側のある住宅が見つかる場合がある。

2. 自治体の空き家バンク

注目したいのが青梅市空家バンクだ。

青梅市は、空き家の賃貸や売却を希望する所有者から登録を受け、利用希望者に物件情報を提供している。一般の不動産サイトでは出会いにくい住宅を探す際の選択肢になる。

2026年10月13日更新の掲載情報には、1970年築の木造2階建て住宅が月額8万円で登録されていた。古い戸建てを賃貸で探す際の具体的な参考例だ。

3. 古民家・空き家専門の不動産会社

一般的な賃貸仲介会社だけでなく、古民家再生や空き家活用を専門に扱う事業者にも相談したい。

特に、DIY可能な物件、店舗利用可能な物件、改修を前提とした長期賃貸物件などは、通常の賃貸住宅とは契約条件が異なる。

借主が改修する場合は、所有者の承諾、工事費の負担、退去時の原状回復、設備の所有権などを契約前に決めておく必要がある。

東京で古民家の中古住宅を購入する方法

購入を考えるなら、青梅市や奥多摩町などの自治体空き家バンクに加え、中古戸建てを扱う不動産会社、古民家再生を専門とする建築事務所を併用するとよい。

特に注意したいのは、物件価格が安いことと、住める状態にするための総費用が安いことは別だという点だ。

確認すべき項目は次のとおり。

- 土地と建物の登記状況、所有権
- 境界確定と敷地面積
- 前面道路との接道状況
- 再建築の可否
- 上下水道、電気、ガスの整備状況
- 雨漏り、シロアリ、腐食、傾き
- 土砂災害や洪水などのハザード情報
- 耐震診断や過去の修繕履歴

とりわけ見落としやすいのが接道義務だ。建築基準法上の道路に原則2メートル以上接していない敷地は、再建築できない場合がある。古民家の購入では、現在の建物が存在することだけで安心せず、将来の建て替えや大規模改修が可能かを確認する必要がある。

【賃貸・購入比較】東京の古民家の家賃相場と中古住宅の価格は?

東京の古民家の賃貸相場を調べる際に知っておきたいのは、古民家だけを対象にした統一的な賃料相場が存在するわけではないことだ。

建物の築年数、立地、敷地面積、改修状態、駅からの距離によって価格は大きく変わる。

青梅市の実際の物件から見る価格

2026年10月更新の青梅市空家バンクには、次のような物件が掲載されていた。

- 賃貸:1970年築の木造2階建て、月額8万円
- 売買:1971年築の木造2階建て、500万円
- 売買:1971年築の軽量鉄骨造、900万円

500万円の物件については、1階LDKの壁・天井に補修が必要で、北側には高さ約1.7メートルのコンクリート擁壁があるとの記載もあった。価格だけで購入を決められないことがよく分かる。なお、これらは古民家として認定された物件ではなく、築年数の古い住宅の掲載例である。

青梅市の一般的な賃貸相場との比較

ハウスコムの2026年11月5日時点の掲載物件集計では、青梅市の平均家賃は全物件で約7.2万円、一戸建てでは約10.1万円とされている。

この数字と比較すると、空家バンクの月額8万円の物件は、青梅市の一般的な戸建て賃料を下回る水準だ。ただし、古民家特有の改修費や設備更新費は含まれないため、単純な価格比較には注意したい。

古民家の賃貸と購入、どちらが向いている?
比較項目 賃貸 中古住宅の購入
初期負担 比較的抑えやすい 物件購入費と諸費用が必要
改修の自由度 契約条件や所有者の許可に左右される 所有者として計画しやすい
維持管理 契約に応じて貸主・借主が負担 原則として所有者が負担
資産性 建物・土地の資産は持たない 土地・建物を所有できる
向いている人 古民家暮らしを試したい人 長期居住や店舗経営を考える人
古民家に関係する主要な事業・施設の関係性
主体・施設 所在地・制度 古民家との関係
東京都住宅政策本部 東京都 空き家改修と地域活用を支援
青梅市空家バンク 青梅市 空き家の賃貸・売買情報を提供
東京都空き家ワンストップ相談窓口 東京都 空き家の相続・売却・活用などを無料相談
TOKYO LITTLE HOUSE 港区赤坂 1948年築の民家をカフェ・ホテルに再生
成木の杜 青梅市成木 築130年の古民家を宿泊・研修施設に再生

これらは、単に古い建物を保存するだけでなく、住宅、観光、地域交流、事業拠点へと用途を広げている事例・制度だ。

【人気スポット】東京の古民家カフェ・宿泊施設と2026年の活用事例

古民家を住居として所有することだけが活用方法ではない。

東京では、歴史ある住宅をカフェ、ギャラリー、ホテル、研修施設などに再生する事例がある。

1. TOKYO LITTLE HOUSE|赤坂の古民家カフェ・ホテル

は、港区赤坂にある1948年築の木造民家を改修した複合施設だ。

特徴は、1階がカフェ・ギャラリー、2階がホテルという構成にある。

公式施設案内によると、戦後から三世代にわたって家族の暮らしを支えてきた住宅を、約半年かけて改修したという。

2階の宿泊スペースは最大3名まで利用でき、5泊以上の滞在を受け付ける。昭和20年代の建具や造作を残しながら、キッチンやシャワーなどを現代の設備に更新している。

この施設の魅力は、古い建物を単なる展示物にせず、現在の都市生活の中で使い続けている点にある。

2. 古民家カフェ JIKKA JIKKA|日の出町

東京都日の出町の「古民家カフェ JIKKA JIKKA」は、2026年2月にオープンした古民家カフェだ。

地域情報メディア「おめ通」の2026年3月の紹介記事によると、130年以上前の古民家を店主自ら約8年かけてリノベーションしたという。

縁側を備えた建物で、自家製ランチやスイーツを提供する。武蔵五日市駅から、つるつる温泉方面へ向かう地域にあり、自然を楽しむ観光と組み合わせやすい。

古民家カフェを開業する際、建物の雰囲気だけでなく、地域の観光動線や周辺施設との関係が集客に影響することを示す事例だ。

3. 古民家 空時|大田区南馬込

大田区南馬込にある「古民家 空時」は、築約90年の古民家を生かしたカフェだ。

2026年5月に公開された大田区商店街ナビの特集でも紹介されており、作家の作品や音楽と調和する空間づくりが特徴となっている。

営業日は月に数日程度と限られており、一般的なカフェとは異なる運営スタイルを採用している。訪問前には営業日の確認が欠かせない。

4. 青梅・成木の杜|築130年の古民家宿

青梅市成木の「成木の杜」は、築130年の古民家を再生した一棟貸しの宿泊・研修施設だ。

運営事業者の施設案内では、伝統的な梁や欄間を残しながら、現代の利用者が快適に滞在できるよう改修したことが紹介されている。

東京都心から約90分という立地にあり、自然環境を生かしたリトリートや企業研修などにも活用されている。

青梅市の2026年7月更新の移住体験施設一覧にも掲載されており、観光だけでなく、移住前の生活を体験するための宿泊先としても利用できる。

2026年の新しい動き|奥多摩町の空き家を町営住宅に再生

2026年の東京都の空き家活用事例として注目したいのが、「TOKYO空き家活用魅力発信プロジェクト」だ。

東京都は都内大学の知見と都職員の技術力を活用し、西多摩・島しょ地域の空き家を移住・定住用住宅へ改修する取り組みを進めている。

2026年6月19日の東京都の公式発表では、奥多摩町の「小丹波竹ノ平住宅」が最初の改修事例として紹介された。

建物の概要は以下のとおり。

- 所在地:奥多摩町小丹波
- 構造:木造平屋建て
- 延床面積:88.81平方メートル
- 月額使用料:3万8,000円
- 用途:町営若者住宅

入居者募集は2026年6月19日から7月16日まで実施され、同年9月からの入居開始が予定された。募集はすでに終了しているが、空き家を地域の住まいとして再生する行政主導のモデルケースとなった。

これらの事例から見えてくるのは、古民家の価値が居住空間だけにとどまらないことだ。カフェ、ホテル、地域交流施設、移住者向け住宅など、地域の需要に応じた用途転換が進んでいる。

【費用相場】東京都の古民家リノベーション・改修費用はいくら?

古民家の購入を考える際、最も慎重に検討したいのが改修費用だ。

一般的な中古住宅とは異なり、古民家では構造部分の補修や伝統工法への対応が必要になることがある。

パナソニックの古民家再生リフォーム費用の参考情報では、工事規模別に次のような目安が示されている。

工事の種類 費用の目安 工期の目安
一般的なリフォーム 200万~500万円 約1~3か月
半解体再生リフォーム 500万~1,500万円 約4~6か月
全解体再生リフォーム 1,500万~3,000万円前後 約5~7か月
移築再生リフォーム 2,000万円以上 約6か月以上

これらは施工事例をもとにした参考価格であり、東京の古民家すべてに適用できる一律料金ではない。

古民家改修費用の主な内訳

1. 耐震補強

柱、梁、基礎、壁、接合部などを調査し、建物の構造に合わせて補強する。

古い建物では、現代の一般的な住宅と構造形式が異なる場合があるため、古民家の施工経験がある建築士への相談が望ましい。

2. 屋根・外壁の補修

雨漏りを放置すると、柱や梁などの構造部分まで腐食が進む可能性がある。

屋根材の交換や防水処理、外壁の補修など、建物を長く維持するための工事が必要になる。

3. 水回りの更新

古民家では、浴室、キッチン、トイレ、給排水管が現在の生活様式に合わないことがある。

特に店舗や宿泊施設として使う場合、住宅用途よりも設備面の要求が増える。

4. 断熱・空調設備

古民家は夏の風通しが良い一方、冬は冷え込みやすい建物も多い。

床下、壁、天井、窓などの断熱性能を見直すことで、冷暖房効率と居住性を改善できる。

改修費用を抑えるための3つの方法

- 既存の柱、梁、建具など再利用できる部分を残す。
- 優先順位を耐震・雨漏り・配管・断熱の順に整理する。
- 古民家再生の実績がある複数の施工会社から見積もりを取る。

ただし、費用を抑えるために構造補強や防水工事を省くのは避けたい。

国土交通省の耐震改修情報では、築50年、木造2階建て、延べ面積約100平方メートルの住宅について、耐震改修費用のモデルケースを約224万円としている。

これはあくまで特定条件の参考例であり、古民家の全面改修費用とは別に考える必要がある。

【耐震性の見分け方】古民家を購入する前に確認すべき危険サイン

古民家の購入で最も優先したいのが耐震性だ。

見た目が美しく、柱や梁が太い建物でも、地震に対する強さが十分とは限らない。

1981年と2000年が重要な判断基準

まず確認したいのが建築時期だ。

1981年6月1日を境に、建築基準法の耐震基準は大きく変わった。

- 1981年5月31日以前: 旧耐震基準による建物。
- 1981年6月1日以降: 新耐震基準による建物。
- 2000年5月以前: 木造住宅では、2000年の基準改正以前の接合部や耐力壁などについて、追加の確認が望ましい。

国土交通省は、1981年以降の新耐震基準で建てられた木造住宅についても、2000年以前の建物では接合部などの確認が必要になるケースがあると説明している。

内覧時に確認したい6つのポイント

1. 基礎の状態

基礎部分に大きなひび割れがないか、建物を支える部分に不自然な変形がないか確認する。

伝統的な古民家では、現代の住宅と異なる基礎構造が採用されている場合もあるため、形式だけで安全性を判断しないことが大切だ。

2. 柱や梁の腐食

柱の根元、梁の接合部分、床下などに腐食やシロアリ被害がないか確認する。

特に水回り付近や湿気の多い場所は注意したい。

3. 建物の傾き

床に不自然な傾斜がないか、建具や引き戸が正常に開閉するかを確認する。

ただし、建具の不具合だけで構造上の問題があると断定することはできない。

4. 屋根の重量と状態

瓦屋根など重量のある屋根は、建物全体の耐震設計との関係を確認する必要がある。

屋根の傷みや雨漏りも構造部分の劣化につながる。

5. 壁の配置と接合部

耐力壁の配置や柱・梁の接合方法、筋交いの有無などを確認する。

古民家は伝統工法と在来工法で構造が異なる場合があるため、一般住宅と同じ判断基準をそのまま当てはめないようにしたい。

6. 過去の修繕履歴

耐震改修、屋根交換、基礎補修、シロアリ対策などの記録があれば確認する。

図面や工事記録が残っている場合は、専門家の調査にも役立つ。

目視だけでは安全性を判断できない

国土交通省は、耐震化を進める際には建築士などの専門家による耐震診断を行い、その結果に応じて補強設計と改修工事を進めることを案内している。

東京都では2026年度も、区市町村ごとの耐震化助成制度を公開している。

例えば八王子市では、旧耐震基準の住宅だけでなく、2000年5月以前に建てられた木造住宅まで耐震診断補助の対象を拡大している。自治体によって条件が異なるため、購入予定物件の所在地で制度を調べることが重要だ。

【2026年度最新】東京都の空き家支援制度・相談窓口を解説

2026年の東京で古民家や空き家の活用を考えるなら、東京都の支援制度を把握しておきたい。

東京都の空き家は令和5年住宅・土地統計調査で約89.7万戸に達しており、住宅の再利用や地域資源としての活用が政策課題になっている。

1. 東京都空き家ポテンシャル発掘支援事業

2026年度募集対象

東京都空き家ポテンシャル発掘支援事業は、空き家を地域の資源として活用する民間事業者などを支援する制度だ。

2026年度は、次の3つの事業区分が設けられている。

区分 支援内容 主な補助条件
単年度型 空き家の改修・活用 改修費の3分の2、1棟250万円
複数年度型 改修と空き家の掘り起こし 改修費の3分の2、1棟250万円
シェアハウス型 改修と維持管理 改修費の3分の2、1棟250万円

いずれの区分も、耐震改修工事を実施する場合は、1棟当たり最大200万円の上乗せが設定されている。

複数年度型では、空き家の掘り起こしなどにかかるソフト経費についても支援があり、補助率は初年度が4分の3、2~3年目が3分の2、4~5年目が2分の1となる。

2026年度の応募受付期間は、6月11日から11月20日まで。予定選定件数は3区分合計で6件となっている。

ただし、これは一般の個人が古民家を購入した際に、そのまま改修費を受け取れる制度ではない。区市町村と連携して事業を実施する民間事業者、NPO法人、一般社団法人などが主な申請対象となる。

また、選定予定件数に達した場合は受付期間内でも募集が終了する。

2. 東京都若者応援空き家活用支援事業

2026年度に新たに募集された制度が、東京都若者応援空き家活用支援事業だ。

空き家を若者向けの住宅や活動拠点に改修し、起業や活動への挑戦を支援する取り組みを対象としている。

主な補助内容は次のとおり。

- 改修工事費の補助率:3分の2
- 改修費の補助上限:1棟350万円
- 耐震改修を実施する場合:最大250万円を上乗せ
- 選定予定件数:3件

応募期間は2026年6月11日から11月13日までとされている。こちらも民間事業者やNPO法人などが対象であり、個人向けの住宅購入補助とは異なる。

3. 東京都空き家ワンストップ相談窓口

空き家の所有者や、空き家を活用したい人にとって利用価値が高いのが、東京都空き家ワンストップ相談窓口だ。

東京都が設置する無料相談窓口で、主に次のような相談に対応している。

- 相続した住宅の売却や賃貸
- 空き家の管理や処分
- 空き家の購入や賃借
- 地域活性化施設としての空き家活用
- 現地調査や必要経費の試算
- 専門家や協力事業者の紹介

空き家を地域活性化施設として活用したい人も相談対象となる。


東京都空き家ワンストップ相談窓口

0120-776-735




平日 9:00~18:00



相談無料

東京都住宅政策本部が設置する相談窓口。NPO法人空家・空地管理センターが運営を受託。

4. 青梅市空家等活用支援事業

個人が実際に古民家や空き家を取得・賃借する場合に参考になるのが、青梅市の支援制度だ。

青梅市空家バンクの登録物件を取得または借り受けて居住する場合、リフォーム費用の補助制度が設けられている。

公開されている制度の主な条件は以下のとおり。

利用区分 補助率 補助上限
購入・市外からの移住者 3分の2 100万円
購入・移住者以外 2分の1 50万円
賃貸・移住者 3分の2 20万円
賃貸・移住者以外 2分の1 10万円

賃貸の場合は、所有者とDIY型賃貸借契約を締結していることが条件となる。

また、空き家を地域交流拠点として活用する場合には、移住・定住促進施策と連携する事業で最大100万円、自由提案型事業で最大50万円の補助が設定されている。

対象となる建物には耐震性などの条件があり、申請前の相談や補助金交付決定前の工事契約を避けることも重要だ。制度の募集状況や予算は申請時に青梅市へ確認したい。

東京都の制度は、事業者向けの支援、個人向けの相談、自治体独自の改修補助というように役割が異なる。

「東京都の補助金があるから、個人で購入した古民家の改修費が全額安くなる」という理解は正しくない。利用者、対象物件、事業内容、申請時期を確認することが欠かせない。

【暮らしの本音】東京で古民家生活をするメリット・デメリット

古民家は、一般的な新築住宅やマンションとは異なる魅力がある。一方で、建物の維持管理や日常生活には独特の負担も伴う。

古民家暮らしのメリット

1. 建物そのものに歴史と個性がある

太い梁、木製建具、縁側、土間など、現代の住宅では再現しにくい意匠を日常生活の中で楽しめる。

2. 自由度の高い空間づくりができる

購入物件であれば、建物の状態や法令上の制限を確認したうえで、間取りや内装を自分の生活に合わせて再構成できる。

3. 店舗や事業にも活用できる

カフェ、ギャラリー、工房、宿泊施設、地域交流スペースなど、住居以外の用途にも可能性がある。

4. 都内でも自然に近い生活を選べる

青梅や奥多摩などの西多摩地域では、都心へのアクセスを維持しながら、山や川の近くで暮らす選択肢がある。

古民家暮らしのデメリット

1. 断熱性能が十分でない場合がある

隙間風や冬場の冷え込み、夏の湿気などが問題になることがある。

2. 維持管理の負担が大きい

屋根、外壁、木部、雨樋、床下など、定期的な点検や補修が必要だ。

3. 現代住宅より使い勝手が悪い場合がある

収納、浴室、トイレ、キッチン、コンセントの配置など、生活設備の更新が必要になることも多い。

4. 交通・買い物の利便性に差がある

特に西多摩地域では、駅やバス停からの距離、車の必要性、病院やスーパーまでの移動時間を確認したい。

5. 建物の状態によっては想定外の費用が発生する

購入時には見えなかった腐食や配管の劣化が、工事開始後に判明する可能性もある。

古民家暮らしに向いている人・向いていない人
向いている人 慎重に検討したい人
古い建物や木の質感が好き 新築同様の設備を求める
DIYや修繕を楽しめる 建物の維持管理に時間を割けない
長期的な住居計画がある 短期間だけ住みたい
自然環境や地域との交流を楽しめる 駅近・利便性を最優先する
改修予算に余裕がある 購入価格だけで予算を決めている

古民家暮らしで大切なのは、古い建物の不便さを我慢することではない。建物の個性を残しながら、現代の生活に必要な性能を確保できるかどうかだ。

【よくある質問】東京の古民家に関するFAQ

Q1:東京で古民家の賃貸物件を探すなら、どの地域がおすすめ?

青梅市、奥多摩町、あきる野市、日の出町などの西多摩地域が有力な候補だ。自治体の空き家バンクや古民家を扱う不動産会社を併用すると、一般の賃貸サイトでは見つけにくい物件にも出会える可能性がある。

Q2:東京の古民家を購入して住む場合、改修費用はいくら必要?

部分的な改修なら200万~500万円程度、全面改修では1,500万~3,000万円前後が参考目安となる。耐震補強、断熱、水回り、配管、屋根の状態によって変わるため、購入前に建築士による調査と見積もりを依頼したい。

Q3:東京都の2026年度空き家支援制度は個人でも利用できる?

東京都空き家ポテンシャル発掘支援事業や若者応援空き家活用支援事業は、主に民間事業者などを対象とする制度だ。一方、東京都空き家ワンストップ相談窓口は所有者や活用希望者が無料で相談できる。個人向けの改修補助については、青梅市など各自治体の制度も確認したい。

2026年の東京で古民家を探すなら、最初に決めたいのは「住むためなのか、事業に使うためなのか」という目的だ。

賃貸なら青梅市などの空き家バンクやDIY可能な物件、購入なら古民家専門の不動産会社や中古住宅市場を活用する。カフェや宿泊施設を考える場合は、TOKYO LITTLE HOUSEや成木の杜のような実際の活用事例が参考になる。

そして、購入や改修を検討する際に忘れてはいけないのが、次の3つの判断基準だ。

1. 建物の安全性: 耐震診断、雨漏り、腐食、シロアリ、基礎の状態を確認する。
2. 総費用: 購入費、改修費、維持管理費、税金などを含めた資金計画を立てる。
3. 地域との相性: 交通、買い物、近隣住民との関係、事業用途の法的条件を調べる。

2026年度の東京都空き家ポテンシャル発掘支援事業や自治体独自の補助制度は、古い住宅を地域の新しい資源に変えるための機会でもある。

古民家の価値は、単に築年数が古いことや、昔ながらの外観が残っていることだけでは決まらない。安全に住めること、長く維持できること、地域に必要とされる使い方ができること。その3つがそろって初めて、古民家は次の世代へ引き継ぐ価値のある住まいになる。

東京の古民家を探す際は、価格の安さや写真の印象だけにとらわれず、建物の歴史と将来の暮らしを両方見据えて選びたい。

同じカテゴリの記事

倉持 玲奈

テクノロジー分野を担当。一次情報(公式発表・公式サイト)と発表日を必ず確認し、推測は推測と明記する編集方針に従っています。

おすすめの関連記事