「ななななー」は、ジョイマンのラップネタに登場する特徴的なリフレインです。高木晋哉が独特のステップやジャンプを交えながら繰り返し、池谷和志が「なんだこいつ~!」とツッコミを入れる。この一連の流れが、ジョイマンの定番スタイルになっています。
ここで押さえておきたいのは、「ななななー」が何かの文章や英語のフレーズを日本語に置き換えたものではないという点です。特定の人物や作品を指す隠語でもありません。
高木が作り上げたラップネタでは、言葉の意味だけでなく、音の響き、リズム、次に登場する単語との意外な組み合わせが笑いを生みます。「ななななー」は、その世界に観客を引き込むための象徴的な音のフレーズなのです。
「ななななー」の笑いを構成する3つの要素ジョイマンの芸風を理解するには、次の3つに注目すると分かりやすくなります。
- 反復するリズム: 同じ音を繰り返すことで、耳に残るフレーズを作る。
- 予想外の韻: 関係のなさそうな言葉を音の響きで結び付ける。
- 動きとツッコミ: 高木の独特な動きに池谷の反応が加わり、ネタが完成する。
つまり、ジョイマンのラップは一般的なヒップホップのように、メッセージや物語を中心に組み立てるものとは異なります。言葉の意味を少し裏切りながら、音と動きで笑わせる独自のスタイルです。
高木は國學院大學のインタビューでも、ラップを作る際には、なるべく関連性のない言葉同士を組み合わせ、意外性を生み出すことを意識していると語っています。
【誕生秘話】「らららら」から「ななななー」に変わった理由

「ななななー」の由来を知るうえで欠かせない一次情報が、高木晋哉本人の公式ブログです。
2020年10月1日、高木は「『なななな』と生きていく」という記事を公開しました。きっかけは、埼玉県吉川市の広報誌『広報よしかわ』の777回記念号で、ジョイマンが表紙を飾ったことでした。
この仕事を振り返るなかで、高木はラップネタが生まれた当初の話を明かしています。
「なななな」の原型は「らららら」だった。
最初に作ったのは「らららら」を繰り返しながら、最後に「ラー油」を付けるフレーズ。その後、「卵白」「ラミレス」など、「ら」から始まる言葉を使ったパターンへ発展しました。
ところが、ネタを作り続けるうちに、高木は「ら」の付く単語が思っていたより少ないことに気付きます。
そこで採用されたのが「なななな」でした。
「ら」から「な」への変更は、ネタ作りの実務的な判断だったこの変化は、単なる語感の変更ではありません。ラップネタを長く作り続けるための、実践的な選択でした。
「らららら」のままでは、使える単語の候補が限られてしまいます。一方、「なななな」に変えれば、言葉の組み合わせを広げやすくなります。
高木自身、長く親しんできたフレーズを変えることには相当な覚悟が必要だったとブログで振り返っています。結果的に、この決断が現在まで続くジョイマンの代表的な芸風につながりました。
さらに興味深いのは、2020年の吉川市の仕事とのつながりです。広報誌の777回記念という数字が、ジョイマンの「なななな」と重なりました。高木にとっては、過去に変更したフレーズが思いがけない形で仕事につながり、自分の判断を肯定できた出来事だったのです。
【結成経緯】ジョイマンのラップネタはどのように生まれた?
ジョイマンは、ボケとラップを担当する高木晋哉と、ツッコミを担当する池谷和志によるお笑いコンビです。吉本興業のプロフィールとM-1グランプリ公式サイトでは、結成年を2003年4月としています。
2人は中学校時代の同級生。最初から現在のラップスタイルで活動していたわけではなく、結成当初は正統派の漫才を目指していました。
転機は、漫才の途中に入れた奇妙な動きananのインタビューで高木が語ったところによると、当時はM-1グランプリの影響もあり、一般的な漫才を頑張っていたものの、なかなか芽が出ませんでした。
そこで、漫才の途中に高木が怒り出し、突然「トゥントゥントゥ~ン」という独特の動きを見せるギャグを取り入れます。
この部分だけが客席にウケました。池谷が「なんだそれ!」と反応する掛け合いも加わり、そこから言葉を付けてラップネタへと発展していきます。
初期のネタには、山田優、イ・ビョンホン、ペ・ヨンジュンなど、当時広く知られていた人物の名前を使った言葉遊びが登場しました。
加えて、テレビ番組『ぐるぐるナインティナイン』の「おもしろ荘」のオーディションをきっかけに、ネタをコント形式へと発展させた経緯も、2人がインタビューで明かしています。
高木晋哉と池谷和志、それぞれの役割
高木晋哉
ボケ・ラップ担当
1980年8月18日生まれ。神奈川県横浜市出身。独特の言葉選びとリズム、脱力感のある動きが特徴。読書や詩を書くことも趣味としている。
池谷和志
ツッコミ担当
1981年2月18日生まれ。神奈川県出身。高木の不思議な動きやラップに対して、驚きや困惑を表現するツッコミでネタを成立させる。
2人の魅力は、単にボケとツッコミという役割分担だけではありません。高木が自由に言葉を繰り出し、池谷がそれを受け止めることで、観客にも状況が伝わる構造になっています。
所属事務所の吉本興業とM-1グランプリ公式プロフィールでも、2人はそれぞれジョイマンのメンバーとして紹介されています。
【経歴・関係性一覧】ジョイマンのブレイクから再評価までの歩み
ジョイマンの歩みを振り返ると、2008年のブレイクだけでなく、その後の低迷期やサイン会0人事件、営業活動での復活が重要な転換点になっています。
以下は、公式プロフィールや本人インタビュー、報道をもとに整理した主要な出来事です。
この年表から見えてくるのは、ジョイマンがテレビのショートネタだけに依存する芸人ではなくなったということです。
2008年のブレイク後、テレビ出演が減った時期にもコンビ活動を続け、現在ではイベントや宴会などの営業でも存在感を発揮しています。
【サイン会0人事件】ジョイマンが再び注目された理由
ジョイマンの歴史を語るうえで欠かせないのが、2014年8月3日に東京・町田モディで開催されたサイン会です。
このイベントでは、参加者が0人という衝撃的な結果になりました。
かつてテレビで頻繁に見かけた人気芸人のサイン会に誰も来ない。その状況を高木がSNSに投稿したことで、大きな話題を呼びました。
0人の出来事が転機になった理由ananのインタビューで高木は、当時は仕事が減っていく最中であり、この出来事を芸能界の厳しさを実感した転機として振り返っています。
池谷も、当時はコンビの解散を考えたことがあったと明かしています。しかし、2人は活動を続けることを選びました。
特に興味深いのは、失敗を隠すのではなく、あえて発信したことです。高木は、恥ずかしい状況を世間に伝えたことで、結果的に仕事につながったと振り返っています。
2014年の出来事をきっかけに、テレビ番組などで0人サイン会が取り上げられ、ジョイマンの名前が再び広がっていきました。
2022年以降はサイン会にもファンが集まるようにその後、ジョイマンはサイン会を再び開催。2023年には結成20周年を記念した全国サイン会ツアーも実施しました。
2023年7月のSirabeeの報道によると、全国7都市を巡るサイン会では、各会場で予約が進み、愛知会場は全日程完売となっていました。
かつて参加者ゼロだったコンビが、再びファンと交流できる場所を全国に広げたのです。0人という失敗談を自虐的な笑いに変えられたことも、ジョイマンの大きな強みになりました。
【2026年最新】ジョイマンの現在と活動状況は?
2026年11月現在、ジョイマンは解散しておらず、高木晋哉と池谷和志のコンビで芸能活動を続けています。
テレビ出演だけでなく、イベントや営業活動にも力を入れていることが、近年の出演実績から分かります。
2026年の主なテレビ出演情報2026年に確認できる出演情報には、次のような番組があります。
| 時期 | 番組 | 内容 |
|---|---|---|
| 1月28日 | 『有吉の壁SP』 | 新リズムネタ選手権などに出演 |
| 4月23日深夜 | 『千原ジュニアのヘベレケ』 | 高木・池谷が2人で出演 |
| 11月6日 | 『千鳥のクセスゴ!』 | フジテレビONEでの放送予定 |
| 11月8日 | 『ゴールデンストーンズ』 | 出演番組表に掲載 |
| 11月11日 | 『ソレダメ!』 | テレビ東京の出演番組表に掲載 |
1月28日の『有吉の壁SP』は、日本テレビ系列の番組情報でもジョイマンの出演が確認できます。新リズムネタ選手権という企画に参加しており、リズムを使った芸風との親和性も高い出演でした。
また、4月には東海テレビ『千原ジュニアのヘベレケ』にコンビで出演したことがスポーツニッポンなどで報じられています。11月上旬についてはGガイドの出演番組情報に掲載された内容です。
テレビだけではない!営業出演回数で3連覇ジョイマンの現在を語るうえで、特に注目したいのが営業活動です。
2025年12月に発表された「営業-1グランプリ 2025」の年間営業出演回数ランキングでは、ジョイマンが114回で1位を獲得しました。
2025年 営業出演回数ランキング
1位 ジョイマン114回
2位 サバンナ・八木真澄
94回
3位 グランジ・大
84回
出典:WEBザテレビジョン、2025年12月2日報道
この結果により、ジョイマンは営業出演回数ランキングで3連覇を達成しました。
営業では、高木が観客の名前やその場の話題を即興でラップにする対応力も武器になります。テレビで完成されたネタを披露するだけではなく、目の前にいる人を巻き込んで笑いを作れる点が評価されています。
つまり、2026年のジョイマンは、かつての一発屋というイメージだけでは説明できません。テレビ出演、劇場、イベント、営業という複数の活動場所を持つコンビとして定着しています。
【ネタ一覧・人気の理由】なぜジョイマンのラップは記憶に残る?
ジョイマンのネタには、「ななななー」以外にも広く知られたフレーズが数多くあります。代表的なものを整理すると、次のとおりです。
ジョイマンの代表的なラップネタ- ななななー、ななななー: コンビを象徴するリズムフレーズ。
- ありがとう、オリゴ糖: 感謝の言葉と食品名を組み合わせた定番の韻。
- いきなり出てきてごーめーん、まことにすいまめーん: 高木の登場を印象付ける決めフレーズ。
- 山田優、セクシー: 初期のラップネタに登場した人物名を使った言葉遊び。
- 浜省は冷え性: 浜田省吾の愛称と冷え性を組み合わせたフレーズ。
- 友達以上恋人未満、モーガン・フリーマン: 意味のつながりよりも音の響きを優先した組み合わせ。
- この先、菅田将暉、週7、小松菜奈: 時事的な話題をラップに変えたSNS発信の代表例。
これらは持ちネタの代表例であり、すべてのネタを網羅した公式リストではありません。高木は時事ネタや世間で知られている言葉も取り入れながら、ラップの表現を更新しています。
人気の理由1:意味の意外性と韻の気持ちよさジョイマンのラップは、言葉の意味がつながっているとは限りません。むしろ、意味が離れた単語を音で結び付けることで、予想外の面白さを生み出しています。
たとえば、真面目な話の流れから突然、人物名や食品名が飛び出す。聞き手は意味を理解しようとした瞬間に、予想を裏切られます。
國學院大學のインタビューでは、高木が言葉の組み合わせについて、関連性の遠いものをつなげることを意識していると説明しています。単に韻を踏むだけでなく、意外性を重視している点が特徴です。
人気の理由2:誰でも理解できる言葉選び高木はananのインタビューで、観客100人のうち15人が知らない言葉を使うと笑いが減るため、できるだけ多くの人が知っている言葉を選ぶと話しています。
難解な専門用語や複雑な知識を必要とせず、聞いた瞬間に音の面白さが伝わる。そのため、子どもから大人まで幅広い層が楽しめるのです。
人気の理由3:高木と池谷の掛け合いが完成されている高木のラップだけでは、ジョイマンのネタは完成しません。
高木が自由な動きで登場し、突然ラップを始める。それに対して池谷が「なんだこいつ~!」と反応する。このテンポのよい掛け合いが、笑いの着地点になります。
2023年のインタビューでは、長い低迷期にネタを少し控えめに演じていた時期があったものの、レイザーラモンHGやムーディ勝山ら先輩芸人から、もっと堂々とやるよう助言を受けたことも語られています。
現在のジョイマンは、長年続けてきたネタを自分たちの持ち味として受け入れ、舞台でも営業でも積極的に披露しています。
【よくある質問】ジョイマンの「ななななー」に関するFAQ
Q1:ジョイマンの「ななななー」の元ネタは何ですか? A1:高木晋哉本人の公式ブログによると、原型は「らららら」でした。「ら」の付く単語が少ないことに気付き、「なななな」に変更したのが現在のフレーズの始まりです。
Q2:「ななななー」には何か特別な意味がありますか? A2:特定の文章や隠されたメッセージを表す言葉ではありません。ラップネタのリズムを作るためのフレーズで、音の反復と動きが笑いにつながっています。
Q3:ジョイマンはいつ結成されましたか? A3:2003年4月です。メンバーは高木晋哉と池谷和志で、中学校時代の同級生です。
Q4:ジョイマンのサイン会0人事件はいつ起きましたか? A4:2014年8月3日、東京の町田モディで開催されたサイン会です。参加者が0人だったことが話題になり、後の再評価につながる転機となりました。
Q5:ジョイマンは2026年現在も活動していますか? A5:活動しています。2026年には『有吉の壁SP』や『千原ジュニアのヘベレケ』などへの出演が確認でき、営業やイベントでも活動を続けています。
Q6:ジョイマンはなぜ再ブレイクしたのですか? A6:サイン会0人事件を自虐的な笑いに変えたことや、高木のSNSでの言葉遊び、イベントでの対応力などが再評価につながりました。2025年には営業出演回数114回でランキング1位を獲得しています。
ジョイマンの「ななななー」は、最初から完成していたフレーズではありませんでした。
高木晋哉が考えた原型は「らららら」。しかし、使える単語が少ないというネタ作りの問題に直面し、「なななな」へと変更されました。その試行錯誤が、現在まで続くコンビの代表的なリズムネタを生み出したのです。
また、ジョイマンの歩みには、2008年のブレイク、2014年のサイン会0人事件、その後の再評価という大きな浮き沈みがあります。池谷和志とのコンビ活動を続けながら、テレビだけでなく営業やイベントでも活躍の場を広げてきました。
2026年にはテレビ出演が続き、2025年の営業出演回数ランキングでは3連覇を達成。かつての一発屋という印象を超え、現場で笑いを届け続けるコンビとして存在感を示しています。
【プロの結論】ジョイマンの強さは、同じネタを繰り返していることだけにあるのではありません。「らららら」から「なななな」への変更に象徴されるように、核となる芸風を残しながら、言葉や演出を更新し続けていることにあります。
「ななななー」を耳にしたときは、単なる懐かしいリズムとしてではなく、試行錯誤とコンビの継続が生み出した芸として楽しんでみてください。高木のラップと池谷のツッコミが続く限り、ジョイマンの笑いにはまだまだ新しい展開が期待できそうです。