日教組とは、「日本教職員組合」の略称で、全国の教員や学校職員によって構成される教職員の労働組合の連合体です。1947年6月8日に結成され、教職員の待遇改善、労働環境の整備、教育条件の向上、教育政策への提言などを主な活動としています。日本労働組合総連合会(連合)に加盟する、日本最大規模の教職員労働組合連合体です。
2026年現在、日教組をめぐる注目点の一つが組織規模の変化です。厚生労働省の2025年労働組合基礎調査によると、組合員数は18万7,000人で、前年から9,000人減少しました。一方、教育研究全国集会や学校の働き方改革、教育予算の拡充を求める活動などは継続しています。政治活動についても、連合との関係や政党への政策要請、組織内候補をめぐる動きなど、理解しておきたい論点があります。
【基本解説】日教組とは?正式名称・目的・組織の仕組みをわかりやすく解説

日教組の正式名称は日本教職員組合(Japan Teachers' Union、JTU)です。
全国の教員や学校職員が参加する組織であり、各都道府県の教職員組合などが集まって構成されています。個々の学校の教職員が直接すべての活動を決めるのではなく、地域や職場の組織を通じて意見を集約し、全国的な運動や政策提言につなげる仕組みです。
日教組は日本労働組合総連合会(連合)に加盟しています。連合は民間企業や公務部門など、幅広い産業・職種の労働組合が参加する日本最大の労働組合の全国組織です。
そのため、日教組は教育分野の課題だけでなく、公務員の労働条件、社会保障、男女平等、雇用政策など、労働者全体に関係する問題にも取り組んでいます。
日教組の目的は何か?日教組が1947年の結成時に掲げた目的には、教育の民主化、研究の自由、平和と自由を重視する民主国家の建設、教職員の経済的・社会的・政治的地位の確立などがあります。
現在の活動を整理すると、主な目的は次の4つに分類できます。
- 教職員の待遇改善:賃金、手当、勤務時間、休暇、雇用条件などを改善する。
- 教育環境の整備:教職員の定数確保、少人数学級、教育予算の拡充などを求める。
- 教育の自主性と研究の自由:教育現場の実情や教員の専門性を尊重した教育政策を提言する。
- 平和・人権・民主主義の推進:子どもの権利や平和教育、差別のない教育環境の実現に取り組む。
重要なのは、日教組が単に教員の給与アップだけを目的とした組織ではないという点です。労働組合としての活動と、教育のあり方に関する政策提言を並行して行っています。
日教組は公立学校の教員だけの組織なのか日教組は公立学校の教職員を中心に組織されていますが、教員だけで構成されているわけではありません。学校事務職員や学校栄養職員など、教育現場で働くさまざまな職種も活動の対象です。
また、公立学校の教職員団体への加入状況を調べる文部科学省の調査と、厚生労働省の労働組合基礎調査は、調査対象や集計方法が異なります。公立学校の教職員団体としての側面と、全国的な労働組合としての側面を分けて理解すると、日教組の規模や活動を正確に把握できます。
【歴史】日教組の結成は1947年!誕生の経緯と全教との分裂
戦後の教育改革と1947年の結成日教組が結成されたのは、第二次世界大戦が終わって間もない1947年(昭和22年)6月8日です。
戦後の日本では、教育制度の大幅な改革が進められていました。教員の生活や労働条件も厳しい状況にあり、全国の教職員が連携して待遇改善や教育制度のあり方について意見を発信する必要性が高まっていました。
こうした背景から、全日本教員組合協議会(全教協)、教員組合全国連盟(教全連)、全国大学高専教職員組合の3団体が合同し、日本教職員組合が誕生しました。
結成当初は約55万人の組合員を擁する大規模な全国組織でした。戦後の教育制度が形づくられる過程で、教職員の意見を集約する重要な役割を担っていきます。
1980年代から1990年代にかけて組織が分裂日教組の歴史を理解するうえで大きな転換点となるのが、1989年から1991年にかけての組織分裂です。
当時、労働運動の全国組織を再編する動きが進み、1989年には日本労働組合総連合会(連合)が結成されました。日教組の連合加盟をめぐって、組織内部では意見が対立します。
連合への加盟に反対する反主流派は1989年11月に全日本教職員組合協議会(全教)を結成しました。その後、1991年3月6日に全教として組織を統一します。
一方、日教組は1990年に連合へ加盟しました。この一連の動きによって、戦後の教職員運動を代表してきた日教組の組織構造は大きく変わりました。
1995年以降は教育行政との対話・協調路線へ1990年代半ばになると、日教組は文部省(現在の文部科学省)などの教育行政との関係を見直していきます。
日教組の公式な歴史説明によると、1995年には、それまでの対立関係から、意見の違いを認めながら協議や提言を行うパートナーシップを重視する方向へ転換しました。
教育政策に対して一律に反対するだけではなく、現場の意見を政策に反映させることを重視するようになった点は、組織の歴史における重要な変化です。
日教組の歴史を年表で整理- 1947年6月8日:3つの教職員団体が合同し、日本教職員組合を結成。
- 1984年2月:日教連と新教組が統一し、全日本教職員連盟(全日教連)が結成される。
- 1989年11月:日教組の反主流派が全日本教職員組合協議会(全教)を結成。
- 1990年:日教組が日本労働組合総連合会(連合)に加盟。
- 1991年3月6日:全教が組織統一し、全日本教職員組合として発足。
- 1995年:日教組が教育行政との対立から、対話・協調を重視する方向へ転換。
- 2025年:第74次教育研究全国集会を開催し、教育実践や教職員の労働環境について議論。
- 2026年1月:第75次教育研究全国集会を三重県で開催。
このように、日教組は戦後の教育改革とともに誕生し、組織分裂や労働運動の再編を経て、現在の姿になりました。
【活動内容】日教組は何をしている?教研集会・待遇改善・働き方改革の実態
1.教職員の待遇改善と労働条件の交渉日教組の中心的な活動の一つが、教職員の待遇改善です。
教員の仕事は授業だけではありません。教材研究、成績処理、保護者対応、生徒指導、学校行事、部活動、各種会議など、業務は多岐にわたります。
こうした業務負担に対して、日教組は賃金や手当の改善、教職員の増員、勤務時間の適正な管理などを求めています。
2025年3月の日教組中央委員会では、長時間労働の是正に向けて、業務削減、人員増、給特法の廃止・抜本的見直しを主要な要求として掲げました。
また、教員だけではなく、事務職員や学校栄養職員、臨時・非常勤職員などの労働条件改善も取り組みの対象としています。
2.教育研究全国集会(教研集会)の開催日教組の活動を象徴するものが、毎年開催される教育研究全国集会(全国教研)です。
全国各地の教職員が教育実践の報告を持ち寄り、授業方法、子どもの権利、学校運営、人権教育、平和教育などについて研究・討議する場です。
単なる組合員の会合ではなく、実際の学校現場で行われた教育実践を共有し、教育の質を高めることを目的としています。
2026年1月には第75次教育研究全国集会が開催されました。日教組の公式発表によると、1月16日のオンライン全体集会には全国から約2,700人が視聴し、1月24日から25日まで三重県で行われた分科会と合わせて、延べ約8,000人が参加しました。
分科会は24分野に分かれ、506本の教育実践リポートをもとに討議が行われました。学校の働き方改革、外国につながる子どもの学び、平和教育、男女共同参画なども主要なテーマになっています。
この教研集会は、日教組が労働条件の改善だけでなく、教育内容や教育実践にも積極的に関わっていることを示す活動です。
3.学校の働き方改革を求める運動学校の働き方改革は、2026年の日教組にとっても重要な課題です。
教員の長時間労働は、教職員自身の健康だけでなく、授業準備や子どもと向き合う時間にも影響します。教員不足や未配置の問題が続けば、残された教職員の業務負担がさらに増えるという悪循環も生まれます。
日教組が求めている主な対策は次のとおりです。
- 学校業務そのものの削減と見直し
- 教職員定数の改善と必要な人員の確保
- 持ち帰り業務を含めた勤務時間の正確な把握
- 時間外勤務の適正な管理
- ハラスメント対策や労働安全衛生体制の整備
- 給特法の廃止または抜本的な見直し
ここで注目したいのが、2025年6月に成立した給特法等改正法です。
この法律では、学校の働き方改革をさらに推進することに加え、教職調整額を従来の給与月額の4%から2031年度までに10%へ段階的に引き上げる仕組みなどが盛り込まれました。2026年度から毎年度1ポイントずつ引き上げる予定です。
ただし、給与改善だけで長時間労働が解消するわけではありません。日教組は引き続き業務削減や教職員定数の改善を求めており、制度改正を実際の職場環境の改善につなげられるかが焦点です。
4.教育政策への提言と社会活動日教組は、教育予算、少人数学級、子どもの権利、インクルーシブ教育、ジェンダー平等、平和教育など、幅広い政策課題について提言しています。
2026年度版の「政策制度要求と提言」も公表しており、現場の教職員への調査や研究結果を踏まえ、教育制度の改善を求めています。
また、国際的な教職員組織であるEducation International(EI)にも加盟しています。国内だけでなく、海外の教育関係者との交流や国際的な教育課題への取り組みも活動の一部です。
こうした活動から、日教組は教職員の労働組合であると同時に、教育政策に意見を届ける社会的な団体としての性格も持っていることがわかります。
【2026年最新データ】日教組の組合員数18万7,000人と全教・全日教連の違い
2025年労働組合基礎調査で18万7,000人に2026年に日教組の組織規模を確認するうえで重要なのが、厚生労働省の2025年労働組合基礎調査です。
労働政策研究・研修機構(JILPT)が2026年4月に公表した日教組の動向に関する記事では、同調査に基づく組合員数を18万7,000人と紹介しています。前年の調査と比較すると9,000人の減少です。
日教組は2026年3月18日の臨時大会で、組織拡大・強化と学校の働き方改革を当面の重点課題に設定しました。新規加入を増やすための声かけ運動などにも取り組んでいます。
組合員数の減少は一時的な変化ではありません。文部科学省の教職員団体調査でも、日教組への加入率は長期的な低下傾向にあります。2024年10月1日時点の加入率は18.8%で、48年連続の低下となりました。
ここで注意したいのは、18万7,000人という数字と、文部科学省が公表する19万868人という数字は、調査の基準日や対象が異なることです。両者を同じ調査の結果として混同してはいけません。
日教組・全教・全日教連の違いを比較教職員の組合を調べていると、日教組以外にも「全教」「全日教連」という名称を目にします。いずれも教職員が参加する全国組織ですが、結成の経緯や加盟する全国組織が異なります。
| 比較項目 | 日教組 | 全教 | 全日教連 |
|---|---|---|---|
| 正式名称 | 日本教職員組合 | 全日本教職員組合 | 全日本教職員連盟 |
| 結成年 | 1947年6月8日 | 1991年3月6日 | 1984年2月26日 |
| 結成の経緯 | 戦後の教職員団体が合同 | 日教組の分裂を経て発足 | 日教連と新教組などの組織統一 |
| 全国組織との関係 | 連合に加盟 | 全労連に加盟 | 特定の全国労組ナショナルセンターには加盟しない |
| 主な活動の特徴 | 待遇改善、教育政策への提言、教育研究、平和運動 | 労働条件改善、教育研究、憲法や子どもの権利を重視した教育活動 | 教職員の専門性や教育条件の改善を重視 |
| 文科省調査の加入者数 | 190,868人 | 24,445人 | 15,673人 |
※加入者数は文部科学省の令和6年度調査(2024年10月1日現在)による公立学校の教職員団体への加入者数。厚生労働省の2025年労働組合基礎調査による日教組の18万7,000人とは、調査対象や基準日が異なります。
日教組と全教の違いは何か日教組と全教は、戦後の教職員運動を背景に持つ組織ですが、1989年の労働運動再編をめぐる対立から別々の組織になりました。
日教組は連合に加盟し、教育行政との対話や政策提言、労働条件の改善などを進めています。
一方の全教は、日教組の連合加盟に反対した反主流派を中心に結成され、全労連に加盟しています。憲法や子どもの権利条約を基礎とした教育、平和や民主主義の擁護、教職員の労働条件改善などを活動の柱にしています。
両者は教職員の待遇改善や教育条件の整備という共通課題を持っていますが、労働運動の歴史や全国組織との関係、教育政策への姿勢に違いがあります。
日教組と全日教連の違いは何か全日教連は、正式名称を全日本教職員連盟といい、1984年に結成された全国組織です。
その前身には、日教組の運動方針に批判的な教職員などが関係した日本教職員連盟(日教連)や日本新教職員組合連合(新教組)があります。
日教組との大きな違いは、組織の成り立ちと労働運動の位置づけです。日教組が連合に加盟する労働組合の連合体であるのに対し、全日教連は特定の全国労組ナショナルセンターに加盟しない独立した教職員団体です。
なお、全日教連と全教は名前が似ていますが、同じ組織ではありません。全日教連は1984年、全教は1991年に発足しており、結成の経緯も異なります。
団体を見分けるときは、名称だけで判断せず、正式名称、結成年、加盟する全国組織の3点を確認することが有効です。
【政治活動の実態】日教組の政治的立場と連合・政党との関係
日教組は政治活動をしているのか日教組は政治活動を行っています。ただし、その内容は単純な政党支持だけではありません。
教育制度や労働条件に関する要求を政府や国会議員、政党に伝え、法律や予算の見直しを求める活動も政治活動に含まれます。
具体的には、教育予算の拡充、教職員定数の改善、少人数学級の推進、教員の長時間労働の是正などについて、政治家や政党との意見交換を行っています。
日教組の政治的立場を理解するうえでは、こうした政策要請と、選挙における候補者支援を分けて見る必要があります。
連合との関係と政党への働きかけ日教組は1990年に連合へ加盟しました。連合は労働者の賃金や雇用、社会保障などに関する政策実現を目指す全国組織であり、日教組はその一員として活動しています。
政党との関係では、立憲民主党との連携が確認できる事例があります。
2025年9月、立憲民主党の公式発表によると、野田佳彦代表が日教組第114回定期大会に出席しました。野田代表は、日教組組合員の支援を受けて参議院選挙に出馬した組織内候補などの当選に謝意を示し、今後も日教組との連携を強化する考えを述べています。
さらに2026年10月29日には、立憲民主党が日教組から教職員定数の改善、教育予算の拡充、学校の働き方改革に関する要請を受け、意見交換を行ったと発表しました。
こうした事例から、日教組が政治家や政党と連携し、教育政策の実現を目指していることがわかります。
ただし、日教組と特定政党は同一組織ではありません。日教組は労働組合であり、政党は選挙や議会活動を通じて政策を実現する政治組織です。両者の関係を理解する際には、この違いを押さえておく必要があります。
日教組の政治的立場は左派・リベラルなのか日教組は一般に、平和主義、憲法や子どもの権利の尊重、教育の自主性、ジェンダー平等などを重視する団体として認識されています。
こうした政策的な特徴から、政治的にはリベラル・中道左派に近いと評価されることがあります。
特に、平和教育や安全保障政策、国旗・国歌の取り扱い、教育行政による学校現場への統制などは、日教組の政治的立場をめぐる議論で繰り返し取り上げられてきたテーマです。
一方、日教組の活動を単純に特定の政治思想だけで説明することはできません。賃金改善や人員確保といった労働政策は、政治的な立場を超えて多くの教職員に関係する課題です。
また、全国組織の運動方針と、各都道府県の組織や個々の組合員の考え方が必ずしも一致するわけではありません。
日教組と教育政策の関係日教組は教育政策を決定する政府機関ではありません。しかし、教育現場で働く教職員の意見を集約し、政策決定に関わる機関へ届ける役割を担っています。
具体的には、教育予算や教員定数、学習指導要領、学校運営、教員の研修制度、子どもの権利などについて要求や提言を行います。
その意見が実際の制度に反映されるかどうかは、政府や文部科学省の判断、国会での審議、予算編成、自治体の運用などによって決まります。
つまり、日教組の政治活動は、教育政策を直接決める権限ではなく、教育現場の意見を政策決定過程に届けるための働きかけと理解するとわかりやすいでしょう。
【評判と批判】日教組が批判される理由と実際の評価を検証
批判される理由1:政治活動と教育の政治的中立性日教組に対する代表的な批判の一つが、政治活動と教育の政治的中立性をめぐる問題です。
教員は子どもたちに教育を行う立場であり、学校教育では特定の政治的立場を一方的に押し付けないことが大切です。
そのため、教職員の組織が政党や政治家と連携することについて、学校教育への政治的影響を懸念する意見があります。
特に、日教組が選挙で組織内候補を支援したり、特定の政治課題について意見を発信したりすることは、批判の対象になりやすい部分です。
ただし、教職員が労働条件や教育政策について政治的な意見を持ち、適法な範囲で活動すること自体と、授業で児童・生徒に特定政党への支持を求めることは別の問題です。
批判される理由2:国旗・国歌や平和教育をめぐる対立日教組は歴史的に、教育行政による一律的な指導や、学校現場への強い統制に対して慎重な姿勢を示してきました。
特に国旗・国歌の取り扱いや平和教育は、教育の自主性を重視する立場と、学校教育における統一的な指導を重視する立場が対立しやすいテーマです。
批判する側からは、日教組の姿勢が国の教育方針と対立し、教育現場に混乱をもたらすのではないかという指摘があります。
一方、日教組側は、教員の専門性や子どもの人権、教育の自由を尊重する立場から、学校現場の実情を踏まえた制度運用を求めています。
この問題は、単に日教組が賛成か反対かという二択ではなく、学校教育における国の関与と現場の自主性をどこまで認めるかという、教育制度全体に関係する論点です。
批判される理由3:過去の労働運動や組織分裂の歴史日教組は戦後の労働運動において、政府や教育行政と激しく対立した時期がありました。
特に、1989年の組織分裂につながった連合加盟をめぐる対立や、教育政策への反対運動などは、現在の日教組に対する評価にも影響を与えています。
過去の対立的な労働運動の印象が強く残っているため、日教組を現在も同じ姿勢の組織として捉える人もいます。
しかし、日教組は1995年以降、教育行政との対話や協調を重視する方向へ変化してきました。歴史的な活動と現在の運動方針を区別して評価することが大切です。
日教組への肯定的な評価もある一方、日教組を評価する立場からは、教職員が個人では改善を求めにくい労働環境について、組織的に声を上げられることがメリットとして挙げられます。
教員不足や長時間労働、非正規教職員の待遇、学校の安全衛生などは、個々の教員が一人で解決することが難しい問題です。
こうした課題について、日教組は全国の教職員の意見を集約し、国や自治体に改善を求めています。
また、教育研究全国集会を通じて、全国の教員が実践を共有し、授業や学校運営について議論する機会を設けている点も評価されています。
組合員数の減少が示す日教組の課題日教組にとって、現在大きな課題となっているのが組織の縮小です。
2025年の労働組合基礎調査による18万7,000人という数字は、前年から9,000人減少した結果です。2026年3月の臨時大会でも、組織拡大・強化が重点課題として掲げられました。
文部科学省の調査でも、日教組への加入率は長期的に低下しています。2024年10月時点では18.8%であり、新規採用教職員の加入率も16.8%でした。
この数字からは、日教組の組織力が以前より弱まっていることが読み取れます。
ただし、組合員数の減少だけを理由に、活動そのものの必要性がなくなったと判断することはできません。重要なのは、現在の教職員が組合に何を求めているのか、組織がその期待に応えられているのかという点です。
待遇改善や働き方改革など、教職員にとって身近な課題で具体的な成果を示せるかどうかが、今後の日教組の評価を左右するでしょう。
【よくある質問】日教組とは何かに関する疑問を解決(FAQ)
Q1:日教組とは何の略ですか?
A1:日本教職員組合の略称です。1947年6月8日に結成された教職員の労働組合の連合体で、全国の教員や学校職員が参加しています。日本労働組合総連合会(連合)に加盟しています。
Q2:2026年現在、日教組の組合員数は何人ですか?
A2:2025年労働組合基礎調査に基づく人数は18万7,000人です。前年から9,000人減少しています。なお、文部科学省の2024年10月1日現在の調査では、日教組への加入者は190,868人でした。調査対象と基準日が異なるため、数字を直接比較する際には注意が必要です。
Q3:日教組と全教・全日教連は何が違うのですか?
A3:日教組は1947年結成で連合に加盟しています。全教は日教組の分裂を経て1991年に結成され、全労連に加盟しています。全日教連は1984年に結成された独立した教職員団体です。結成年、組織の成り立ち、加盟する全国組織が異なります。
Q4:日教組は特定の政党を支持していますか?
A4:日教組は政党そのものではありませんが、教育政策や労働政策の実現に向けた政治活動を行っています。政党への政策要請や意見交換、選挙における組織内候補の支援なども活動に含まれます。具体的な連携関係は、時期や候補者、政策課題ごとに確認する必要があります。
Q5:日教組は学校の授業内容を決めているのですか?
A5:いいえ。日教組には全国の学校の授業内容や学習指導要領を決定する権限はありません。教育政策に対する提言や教育研究活動を行いますが、正式な制度や学習指導要領の決定は、政府や文部科学省などの権限に基づいて行われます。
Q6:日教組はなぜ批判されることがあるのですか?
A6:主な理由は、政治活動、国旗・国歌をめぐる議論、平和教育、過去の教育行政との対立などです。一方で、教職員の待遇改善や長時間労働の是正、教育研究活動を評価する意見もあります。批判と評価の両方を踏まえて判断することが大切です。
日教組とは、1947年に結成された日本教職員組合の略称であり、教職員の待遇改善と教育環境の向上を目指す全国的な労働組合の連合体です。
2026年現在、厚生労働省の2025年労働組合基礎調査に基づく組合員数は18万7,000人。組織規模は縮小傾向にありますが、学校の働き方改革や教育予算の拡充、教職員定数の改善などに取り組んでいます。
日教組を正しく理解するためには、次の3つの判断基準が重要です。
- 第一に、歴史と現在を分けて考えること。 戦後の対立的な労働運動の時代と、1995年以降の対話・協調を重視する時代では、活動の方向性に変化があります。
- 第二に、労働組合としての活動と政治活動を区別すること。 教職員の待遇改善、教育政策への提言、政党や候補者との連携は、それぞれ異なる性格を持っています。
- 第三に、組織の主張だけでなく実際の成果を見ること。 教員の長時間労働、教職員不足、待遇改善、教育環境の整備などについて、どのような変化を実現できたかが評価の基準になります。
日教組は、単純に政治的な賛否だけで評価できる団体ではありません。労働組合として教職員の権利を守る役割と、教育政策に影響を与えようとする社会的な役割を併せ持っています。
2026年以降は、給特法改正後の学校現場の変化、教職員の待遇改善、教育予算の拡充、そして組織の再建が大きな焦点になります。日教組の活動を評価する際には、歴史的なイメージだけにとらわれず、最新の統計と具体的な政策提言、実際の教育現場への影響を総合的に見ることが重要です。