2026年2月18日、日本の政治を左右する総理大臣指名選挙が第221回国会(特別会)で行われ、高市早苗氏が第105代内閣総理大臣に指名された。衆議院では投票総数464票のうち354票を獲得して初回投票で指名が決定。一方、参議院では初回投票で123票にとどまり、過半数に1票届かなかったため、中道改革連合の小川淳也氏との決選投票に進んだ。最終的に高市氏が125票、小川氏が65票を獲得し、参議院でも高市氏が指名された。
そもそも総理大臣指名選挙とは、誰が、どのような条件で日本の首相を選ぶ制度なのか。なぜ国民が直接投票するのではなく、衆議院と参議院の国会議員が投票するのか。また、両院で異なる人物が選ばれた場合、どちらの結果が優先されるのか。2026年2月18日の実際の投票結果と日本国憲法第67条を軸に、制度の全体像を解説する。
【2026年最新】総理大臣指名選挙の結果は?高市早苗氏が第105代首相に選出

2026年2月18日、第221回国会の特別会が召集され、衆議院と参議院の本会議で内閣総理大臣の指名が行われた。
この日は衆院総選挙後の新たな国会であり、憲法第70条に定められた内閣総辞職の規定も関係する重要な節目だった。総選挙後、初めて国会が召集されると、内閣は総辞職し、新たな総理大臣の指名を経て政権の体制を整えることになる。
衆議院では高市早苗氏が354票を獲得衆議院本会議では、記名投票による総理大臣指名選挙が実施された。
投票総数は464票。過半数の基準は233票だった。高市早苗氏は354票を獲得し、必要な過半数を大きく上回った。
主な候補者の得票は次のとおり。
- 高市早苗氏:354票
- 小川淳也氏:50票
- 玉木雄一郎氏:28票
- 神谷宗幣氏:15票
- 安野貴博氏:11票
- 田村智子氏:4票
- 河村たかし氏:1票
- 奥田ふみよ氏:1票
高市氏は初回投票で過半数を獲得したため、衆議院では決選投票を行わず、そのまま指名が決定した。
衆議院本会議の公式会議録にも、投票総数464票、過半数233票、高市氏354票という結果が記録されている。
参議院では小川淳也氏との決選投票に注目を集めたのは参議院の投票だった。
参議院の初回投票では、投票総数246票に対して過半数は124票。高市氏は123票を獲得したものの、あと1票足りなかった。
小川淳也氏は58票で2番目の得票となり、両氏が決選投票に進んだ。
決選投票の結果は、高市氏125票、小川氏65票。無効票48票、白票8票という内訳だった。
この結果、高市氏が参議院でも指名された。
ここで押さえておきたいのは、衆議院では初回投票で決着し、参議院では決選投票によって決着したという違いだ。同じ候補者を選ぶ手続きでも、両院の議席構成や投票結果によって展開が変わる。
【総理大臣指名選挙の仕組み】誰が投票し、過半数はどう決まる?
総理大臣指名選挙は、国会議員が首相にふさわしい人物を選ぶための正式な手続きだ。
根拠となるのは日本国憲法第67条である。
内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。
つまり、首相になれるのは原則として国会議員であり、国会の議決によって指名される。一般国民が候補者に直接投票する大統領選挙とは根本的に異なる。
投票は衆議院と参議院で別々に実施日本の国会は、衆議院と参議院の二院制を採用している。
総理大臣指名選挙では、それぞれの議院が独立して投票を実施する。衆議院議員は衆議院で、参議院議員は参議院で投票する仕組みだ。
投票は候補者の氏名を記載する記名投票で行われる。各議院の規則に基づき、原則として1回目の投票で過半数を獲得した人物が指名される。
過半数に届かなければ決選投票初回投票で誰も過半数を獲得できなかった場合、得票数が最も多かった上位2人による決選投票が行われる。
このとき、3位以下の候補者は決選投票に進めない。上位2人のうち、より多くの票を獲得した人物が指名される。
重要なのは、初回投票と決選投票では判定の仕組みが異なる点だ。
- 初回投票:投票総数の過半数を獲得する必要がある。
- 決選投票:上位2人のうち、より多くの票を獲得した人物が選ばれる。
例えば、投票総数246票の場合、初回投票の過半数は124票となる。123票では指名されず、決選投票に進む必要がある。
2026年2月18日の参議院で高市氏が経験したのは、まさにこのケースだった。
【衆参両院の投票結果を比較】高市早苗氏と小川淳也氏の得票数一覧
2026年の首相指名選挙を理解するには、衆議院と参議院の数字を分けて確認することが欠かせない。
特に参議院では、初回投票と決選投票の結果を混同しやすい。公式記録をもとに、主要な関係者と投票結果を整理した。
| 項目・関係者 | 投票結果・事実 | 政治的・制度的な位置付け |
|---|---|---|
| 第221回国会 | 2026年2月18日召集 | 総理大臣指名選挙が実施された特別会 |
| 衆議院 | 高市氏354票、投票総数464票 | 過半数233票を獲得し、初回投票で指名 |
| 参議院・初回 | 高市氏123票、小川氏58票、投票総数246票 | 過半数124票に届かず決選投票へ |
| 参議院・決選投票 | 高市氏125票、小川氏65票 | 高市氏が得票多数で指名 |
| 小川淳也氏 | 参議院初回58票、決選65票 | 高市氏と決選投票を争った候補者 |
| 高市早苗氏 | 衆議院354票、参議院決選125票 | 第105代内閣総理大臣に指名 |
| 天皇による任命 | 2026年2月18日 | 国会の指名に基づく憲法上の国事行為 |
検索する際に混乱しやすいのが、高市氏の参議院での得票数だ。
123票は初回投票、125票は決選投票の得票数であり、数字が食い違っているわけではない。
初回投票では、高市氏が123票、小川氏が58票を獲得した。しかし、どちらも過半数の124票に届かなかった。
そこで上位2人による決選投票が実施され、高市氏が125票、小川氏が65票となった。残る48票は無効票、8票は白票だった。
なお、決選投票の制度上の判定基準は、単純な過半数の再計算ではなく、上位2人のうち多数を得た者を指名するというものだ。
この区別を理解すると、2026年の参議院の結果を正確に読み解ける。
【憲法第67条を解説】衆議院と参議院の指名が異なる場合はどうなる?
総理大臣指名選挙で特に重要なのが、衆議院と参議院で異なる候補者が選ばれた場合の扱いだ。
両院は別々に投票するため、政治状況によっては衆議院が候補者Aを、参議院が候補者Bを指名する可能性がある。
こうした事態に備えて、日本国憲法第67条第2項には衆議院の議決を優先するための規定が設けられている。
両院協議会で意見が一致しなければ衆議院の議決が優先衆議院と参議院が異なる人物を指名した場合、まず両院協議会を開いて意見の調整を図る。
それでも意見が一致しない場合には、衆議院の議決が国会の議決となる。
また、衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて10日以内に参議院が指名の議決をしなかった場合も、衆議院の議決が優先される。
衆議院の優越は無条件ではないここで誤解してはいけないのは、衆議院が常に参議院の投票結果を無視できるわけではないという点だ。
衆議院の優越が適用されるのは、憲法第67条第2項が定める条件を満たした場合である。両院協議会による調整や、参議院が10日以内に議決しない場合という具体的な条件が存在する。
また、2026年2月18日の実際の指名選挙では、参議院の決選投票でも高市氏が選ばれた。そのため、両院の指名が食い違う事態にはならなかった。
この点は、衆議院の結果が参議院の決選投票を直接無効にしたという誤った理解を防ぐうえでも重要だ。
【なぜ国民は直接選べない?】総理大臣指名選挙と国政選挙の違い
「首相を決める選挙なのに、なぜ国民は投票できないのか」という疑問は、総理大臣指名選挙を理解するうえで避けて通れないテーマだ。
その答えは、日本が採用している議院内閣制にある。
国民は国会議員を選び、国会議員が首相を指名する日本では、国民が選挙によって衆議院議員と参議院議員を選出する。
そして、選ばれた国会議員が国会で内閣総理大臣を指名する。国民の意思は、国会議員の選出を通じて首相の選定に反映される仕組みだ。
つまり、国民が首相を直接選べないからといって、政治的な選択に参加できないわけではない。
衆議院選挙や参議院選挙で、どの政党や候補者に議席を与えるかが、その後の首相指名に影響する。
大統領制との違いは何かアメリカなどが採用する大統領制では、大統領を選出するための独立した選挙制度が設けられている。
一方、日本の議院内閣制では、内閣総理大臣の選出と内閣の存立が国会の信任に結び付いている。
首相は国会議員の中から指名され、内閣は国会に対して連帯して責任を負う。加えて、衆議院で内閣不信任決議が可決された場合には、衆議院の解散または内閣総辞職が必要になる。
このように、首相個人への直接的な国民投票ではなく、国会を通じた政治的責任を重視する点が日本の制度の特徴だ。
政党の党首選挙と首相指名選挙は別物もう一つ混同されやすいのが、政党の代表者や総裁を選ぶ党内選挙と、国会で行われる総理大臣指名選挙の違いである。
例えば、自民党総裁選挙で勝利した人物が、そのまま自動的に内閣総理大臣になるわけではない。
総裁選はあくまで政党内部の代表者選出手続きであり、首相になるためには憲法第67条に基づく国会の指名が必要となる。
そのため、政党の党首選挙で勝利しても、国会での議席状況や他党との連携によっては、首相指名の結果が異なる可能性がある。
【内閣総理大臣の指名と天皇による任命】選挙後は何が起きる?
国会で首相に指名された人物が、正式に内閣総理大臣として任命されるまでには、もう一つ重要な手続きがある。
それが、憲法第6条に定められた天皇による内閣総理大臣の任命だ。
天皇は国会が指名した人物を任命する日本国憲法第6条には、次のように規定されている。
天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
ここで重要なのは、天皇が独自の判断で首相候補者を選ぶわけではないという点だ。
首相を誰にするかを決めるのは国会であり、天皇は国会の指名に基づいて任命を行う。憲法第4条も、天皇は国政に関する権能を有しないと定めている。
したがって、総理大臣指名選挙と天皇による任命は、同じ意味の手続きではない。
- 国会:内閣総理大臣となる人物を指名する。
- 天皇:国会の指名に基づいて内閣総理大臣を任命する。
内閣総理大臣に指名された人物は、組閣を進め、国務大臣を選ぶ。
憲法第68条では、内閣総理大臣が国務大臣を任命すること、そして国務大臣の過半数は国会議員から選ばれなければならないことが定められている。
その後、宮中で内閣総理大臣の親任式と国務大臣の認証式が行われ、新しい内閣が発足する。
2026年2月18日には高市氏の任命に続いて第2次高市内閣が発足した。首相官邸の公式記録にも、同日の親任式、国務大臣の認証式、初閣議などの経緯が掲載されている。
つまり、首相指名選挙は単独で完結する政治イベントではなく、新しい内閣を成立させるための一連の手続きの出発点なのである。
【プロの結論】歴代内閣総理大臣の指名選挙から読み解く3つのポイント
総理大臣指名選挙を理解するためには、単純に誰が何票を獲得したかを見るだけでは不十分だ。
票数の背景には、国会の議席構成、政党間の協力関係、二院制の制度的な特徴が存在する。
1. 得票数は政権基盤の強さを読み解く材料になる2026年2月18日の衆議院では、高市氏が354票を獲得した。投票総数464票に対して約76.3%に当たる数字であり、初回投票で圧倒的な差をつけた。
一方、参議院では123票で初回投票の過半数に届かなかった。
この違いは、衆議院と参議院の議席構成や政党間の支持関係が同じではないことを示している。
首相指名選挙の結果を分析する際には、衆議院の得票だけでなく、参議院での得票状況も確認する必要がある。
2. 同じ人物でも歴代総理大臣の代数は変わる歴代内閣総理大臣の一覧を見ると、高市早苗氏は第104代と第105代の両方に登場する。
第104代は2025年10月21日から2026年2月18日までの第1次高市内閣。第105代は2026年2月18日に発足した第2次高市内閣である。
同一人物が続けて首相を務める場合でも、内閣の交代や新たな首相指名によって代数が進むことがある。
そのため、歴代総理大臣を調べる際には、人物名だけでなく、何代目としていつ指名されたのかを確認することが大切だ。
3. 首相指名選挙では参議院の動きも無視できない衆議院には憲法上の優越が認められているが、参議院の存在意義がなくなるわけではない。
参議院の投票結果は、政党間の支持関係や政策協議の状況を知るうえで重要な情報となる。
今回の高市氏の指名では、参議院の初回投票で過半数に1票届かなかったことが、決選投票という展開を生んだ。
衆議院で354票を獲得した一方、参議院では小川氏との決選投票になった。この違いは、二院制が単なる形式ではなく、実際の政治判断に影響を与える制度であることを示している。
情報を見極めるために確認したい3つの基準総理大臣指名選挙に関するニュースやSNS上の情報を読むときは、次の3点を確認すると誤解を防ぎやすい。
- 初回投票か決選投票か:同じ人物でも投票回によって得票数が異なる。
- 衆議院か参議院か:両院の投票結果は別々に集計される。
- 指名か任命か:国会による指名と天皇による任命は異なる手続きである。
特に2026年の選挙では、参議院の123票と125票の違い、衆議院の354票の意味、そして衆議院の優越が適用される条件を区別することが、正確な理解につながる。
総理大臣指名選挙に関するよくある質問(FAQ)
Q1:総理大臣指名選挙は誰が投票するの?
A1:衆議院議員と参議院議員が、それぞれの議院で投票する。一般国民が首相候補者に直接投票する制度ではない。
Q2:総理大臣指名選挙で過半数を取れなかったらどうなる?
A2:初回投票で過半数を獲得した候補者がいない場合、得票上位2人による決選投票を実施する。決選投票では、より多くの票を得た候補者が指名される。
Q3:2026年2月18日の首相指名選挙で高市早苗氏は何票を獲得した?
A3:衆議院では354票を獲得して初回投票で指名された。参議院では初回投票123票、決選投票125票だった。決選投票では小川淳也氏の65票を上回った。
Q4:衆議院と参議院で違う人物が選ばれたらどうなる?
A4:両院協議会を開いて調整する。それでも意見が一致しない場合や、所定の期間内に参議院が議決しない場合には、憲法第67条第2項により衆議院の議決が国会の議決となる。
Q5:天皇が総理大臣を選んでいるの?
A5:違う。首相を指名するのは国会である。天皇は憲法第6条に基づき、国会の指名を受けた人物を任命する。
Q6:同じ高市早苗氏なのに第104代と第105代があるのはなぜ?
A6:第104代は2025年10月21日に発足した第1次高市内閣、第105代は2026年2月18日に発足した第2次高市内閣に対応するため。同じ人物でも新たな内閣の成立に伴って代数が変わることがある。
総理大臣指名選挙は、日本国憲法第67条に基づき、国会議員の中から内閣総理大臣を指名する制度である。
2026年2月18日の第221回国会では、高市早苗氏が衆議院で354票を獲得。参議院では初回投票で123票にとどまったものの、小川淳也氏との決選投票で125票を獲得し、第105代内閣総理大臣に指名された。
今回の選挙から理解しておきたいのは、初回投票と決選投票の違い、衆議院と参議院の関係、そして国会による指名と天皇による任命の違いだ。
日本では国民が首相を直接選ぶのではなく、国会議員を選び、その国会議員が首相を指名する議院内閣制を採用している。だからこそ、衆議院選挙や参議院選挙でどの政党や候補者が支持を得るかは、次の政権を左右する重要な意味を持つ。
今後の政治ニュースを読む際も、単なる候補者の得票数だけでなく、両院の議席構成や政党間の協力関係、憲法上の手続きを併せて確認することが、首相指名選挙の本質を理解するための判断基準となる。
主な根拠資料: 衆議院本会議録、参議院公報、首相官邸の歴代内閣一覧、日本国憲法、衆議院規則、参議院規則。