「作りたい女と食べたい女は気持ち悪い」という検索ワードが気になり、作品の内容や評判を調べている人もいるのと考えられます。NHK夜ドラとして実写化された本作は、料理好きの野本さんと食べることが好きな春日さんの交流を描く一方、女性同士の恋愛や性的マイノリティー、ジェンダー表現など、さまざまな社会的テーマを扱っています。そのため、温かなグルメ作品として楽しむ人がいる一方、恋愛展開や物語の方向性に違和感を覚える人もいます。
2026年11月現在、原作漫画はシリーズ累計100万部を突破し、コミックス第6巻も発売。連載も続いています。では、なぜ一部の読者や視聴者から批判されるのでしょうか。野本さんと春日さんの関係、レズビアンの描写、原作漫画とドラマの違い、過去の批判や炎上騒動、最新の評判を整理します。
【なぜ気持ち悪いと言われる?】批判される4つの理由

『作りたい女と食べたい女』に対する否定的な感想は、必ずしも一つの理由から生まれているわけではありません。
作品の方向性、恋愛描写、登場人物の言動、社会的テーマの扱いなど、異なる観点から評価が分かれています。
1. グルメ漫画だと思っていたら女性同士の恋愛が始まった最初に挙げられるのが、作品のジャンルに対する期待とのギャップです。
物語の出発点は、料理をたくさん作りたい野本さんと、たくさん食べたい春日さんの出会いです。
野本さんは一人暮らしで少食のため、自分が作った料理を十分に楽しめないという悩みを抱えています。そんなとき、同じマンションに住む春日さんの食べっぷりを思い出し、夕食に誘ったことから二人の交流が始まります。
序盤は、料理を囲む穏やかな日常や、誰かと一緒に食事をする喜びが中心です。
そのため、料理漫画や女性同士の友情を期待していた読者の中には、野本さんの恋心が明確になっていく展開に戸惑う人もいます。
特に、恋愛要素を求めずに作品を読み始めた人にとっては、途中から物語の印象が変わったように感じられるのでしょう。
ただし、同性同士の恋愛は突然追加された無関係な設定ではありません。作品の初期から描かれてきた二人の関係性を発展させる重要な要素です。
2. 女性同士の恋愛描写に抵抗を感じる人がいる野本さんが春日さんに抱く感情は、単なる友情ではなく恋愛感情です。
異性同士の恋愛を想定していた視聴者や、同性同士の恋愛を題材にした作品に慣れていない読者にとっては、こうした展開そのものが新鮮である一方、受け入れにくい場合もあります。
一方で、同性同士の恋愛を描くこと自体を不快とする評価と、脚本や人物描写に対する具体的な批判は分けて考える必要があります。
性的指向を理由に登場人物の恋愛を否定することは、作品の演出や構成を批評することとは異なります。
3. 社会的なメッセージが強く感じられる本作は、食事や恋愛だけを描く作品ではありません。
女性に対する固定観念、性的マイノリティーへの偏見、日常生活に潜む生きづらさなども物語に取り入れています。
例えば、女性だから料理をするべきという価値観や、恋愛・結婚に関する周囲からの期待などです。
こうしたテーマに共感する人にとっては、登場人物の日常を通じて社会の問題を考えられる点が魅力になります。
反対に、娯楽作品には複雑な社会問題をあまり持ち込んでほしくないという人には、説明的な会話やテーマの強さが気になることもあります。
4. 登場人物の行動や物語のテンポが合わないもう一つの評価要点は、人物の行動や物語の進み方です。
本作は、二人が急速に恋愛関係へ進むのではなく、食事や会話を重ねながら少しずつ距離を縮めていく構成になっています。
このゆっくりした展開を心地よいと感じる人もいれば、展開が遅い、会話が説明的、人物の心理描写が理想化されていると感じる人もいます。
つまり、否定的な評価には、性的指向への抵抗感とは別に、純粋な作品の好みや演出への批評も含まれています。
【野本さんと春日さんの関係】レズビアン描写はなぜ注目された?
本作の評価を理解するうえで欠かせないのが、主人公二人の関係性です。
野本さんと春日さんは、単に料理を一緒に楽しむ隣人ではありません。お互いの価値観や生活習慣を知り、少しずつ信頼を深めていく関係です。
野本ユキは春日十々子への恋心に気づく野本ユキは料理が好きな女性です。
しかし、一人暮らしで食べられる量には限界があり、作りたい料理を思う存分作れないことに不満を感じていました。
春日十々子と出会ったことで、料理を作る楽しさを改めて実感します。
そして、食事を共にする時間が増えるにつれ、春日さんに対する気持ちが友情だけではないことに気づきます。
シーズン2では、野本さん自身がレズビアンであることを受け止め、春日さんへの恋愛感情と向き合う姿が描かれます。
ここで重要なのは、野本さんの性的指向が物語のすべてではないことです。
彼女には料理が好きという個性があり、仕事や日常生活で感じる悩みもあります。恋愛は、その人生を構成する一つの大切な要素として描かれています。
春日十々子は野本さんの気持ちにどう向き合う?春日さんは、豪快な食べっぷりが特徴的な女性です。
一方で、他人との距離感やコミュニケーションについては慎重な一面もあります。
野本さんとは異なる性格や生活習慣を持っていますが、一緒に食べる時間を通じて信頼関係を築いていきます。
二人の関係で特徴的なのは、相手の価値観を無理に変えようとしないところです。
恋愛においても、相手の気持ちを尊重しながら関係を深めていく姿勢が描かれています。
百合漫画としての評価本作は、一般的な恋愛漫画とは少し異なる特徴を持っています。
恋愛の駆け引きや劇的な事件よりも、日常生活の積み重ねや、二人で食事をする時間を大切にしています。
また、性的マイノリティーの人物を特別な存在として切り離すのではなく、仕事や食事、友人関係などを持つ生活者として描いている点も特徴です。
そのため、百合漫画として読む場合も、恋愛の進展だけではなく、生活を共にする相手との関係性や、自分らしく生きることに注目すると作品の意図が理解しやすくなります。
【原作漫画とNHKドラマの違い】キャスト・人物関係を比較
『作りたい女と食べたい女』は、漫画とドラマの両方で展開されています。
原作は、ゆざきさかおみが描く同名漫画です。2021年1月からカドコミで連載が始まり、KADOKAWAのit COMICSから単行本が刊行されています。
ドラマ版はNHK総合の夜ドラ枠で放送されました。
主要人物とキャストの関係一覧| 登場人物 | 演じる俳優 | 役柄・物語上の位置づけ |
|---|---|---|
| 野本ユキ | 比嘉愛未 | 料理好き。春日への恋心に気づく主人公 |
| 春日十々子 | 西野恵未 | 食べることが好き。野本の大切な相手 |
| 南雲世奈 | 藤吉夏鈴 | 食事に困難を抱える女性 |
| 矢子可菜芽 | ともさかりえ | 野本がSNSを通じて知り合うレズビアンの女性 |
| 佐山千春 | 森田望智 | 野本の周囲にいる女性の一人 |
| 時期 | 放送内容 | 話数 |
|---|---|---|
| 2022年11月29日〜12月14日 | シーズン1 | 全10話 |
| 2024年1月29日〜2月29日 | シーズン2 | 全20話 |
シーズン1では、野本さんと春日さんの出会いから関係が深まるまでが中心です。
シーズン2では、野本さんが自分の恋心を自覚した後の展開に加え、南雲さんや矢子さんなど、新しい人物との交流も描かれます。
原作漫画とドラマの主な違い原作漫画は、登場人物の内面や日常の細かな変化を継続的に描ける媒体です。
一方、ドラマ版は限られた放送時間の中で物語を構成するため、場面の選択や展開の整理が行われています。
特にシーズン2では、恋愛だけでなく、異なる立場の女性たちが抱える問題や、互いに支え合う関係性が描かれています。
ドラマ版の特徴は、比嘉愛未と西野恵未の演技、食事の映像表現、会話の間合いです。
2022年のTVガイドWebのインタビューで、比嘉愛未は原作について、穏やかな物語の中にレズビアンや性的マイノリティー、自分らしさという深いテーマがあると受け止めたことを語っています。
また、映像化では料理のおいしそうな見せ方にも注目していたことが紹介されています。
【批判・炎上の真相】実際に何が問題になったのか
作品を調べると、「炎上」「批判」という関連ワードも見つかります。
ただし、作品の恋愛描写に対する感想、原作漫画の表現への批評、ドラマ制作上の問題は、それぞれ別の出来事です。
混同すると、作品全体が大きな不祥事を起こしたかのような誤解につながります。
2024年の第52話をめぐる批判原作漫画では、2024年6月14日に公開された第52話が、一部の読者の間で議論になりました。
このエピソードでは、野本さんが自身の性的指向をSNSで公表した後、否定的な反応やマイクロアグレッションに直面する展開が描かれています。
公開時には、性的指向のカミングアウトに対する攻撃的な反応を含むことについて、編集部・作者から注意書きも掲載されました。
この回について、一部の批評者は、作中の批判的なSNSユーザーの描き方が現実の作品批判者を想起させると指摘しました。
また、マイノリティーの当事者が作品に対して抱く意見を、物語の中でどう扱うべきかという問題も議論の対象になりました。
ただし、実在する批判者をモデルにしたという疑惑について、出版社が事実として認めた公表資料はありません。
この問題は、作品に対する一部の読者の批評として捉える必要があります。
NHKドラマのローストビーフ調理法問題もう一つ、実際に報道された出来事があります。
2022年12月、NHKドラマ第9回に登場したローストビーフの調理方法について、食品安全上の問題が指摘されました。
番組では、牛肉の塊を焼いた後、アルミホイルで包んで余熱を利用する調理方法が紹介されていました。
しかし、内閣府食品安全委員会が注意喚起していた方法であり、肉の内部温度が食中毒を防げる水準まで上昇しないおそれがありました。
これを受けてNHKは、公式サイトに掲載していたレシピを削除し、調理場面の一部を配信映像から修正しました。
2022年12月21日までにレシピの削除が行われ、その後、NHKは調理方法の確認が不十分だったことについて謝罪しています。
これは実際に発生した制作上の問題ですが、野本さんと春日さんの恋愛描写や原作のジェンダー表現とは別の問題です。
「炎上作品」という評価は正しいのか本作には批判的な意見が存在します。
しかし、批判があることと、作品全体が支持を失ったことは同じではありません。
2026年にはシリーズ累計100万部を突破し、最新刊も発売されています。
また、NHKドラマのレビューにも好意的な評価が継続して投稿されています。
そのため、「炎上したから人気がなくなった」「批判されたから作品として失敗した」と単純に判断することはできません。
【2026年最新の評判】100万部突破とドラマレビューから検証
2026年現在の作品の評価を考えるうえで、注目したいのが原作漫画の販売実績とドラマの視聴者レビューです。
原作漫画はシリーズ累計100万部を突破KADOKAWAは2026年6月15日、『作りたい女と食べたい女』のシリーズ累計100万部突破を発表しました。
同日には、約2年ぶりとなるコミックス第6巻も発売されています。
第6巻には第46話から第52話などが収録され、新生活を始めた野本さんと春日さんの姿が描かれています。
新しい家具や生活環境を整えながら、二人が日々の暮らしを築いていく内容です。
加えて、2026年10月23日にはカドコミで第59話が公開されています。11月27日には次回更新が予定されており、過去の休載情報だけを見て連載が終了したと判断するのは正確ではありません。
Filmarksのドラマ評価視聴者の評価を知る参考として、映画・ドラマレビューサイトFilmarksの掲載データもあります。
2026年11月初旬に確認できる表示では、次のようになっています。
| 対象 | 平均評価 | レビュー件数 |
|---|---|---|
| シーズン1 | 3.9 | 2,093件 |
| シーズン2 | 3.9 | 1,259件 |
いずれも5点満点の評価です。
シーズン2では、丁寧な人物描写や温かな雰囲気を評価する感想がある一方、シーズン1に比べて恋愛やLGBTQに関するテーマが強くなり、食事の場面が少なく感じられたという意見も見られます。
また、二人の関係性が理想化されている、人物同士のつながりにリアリティーを感じにくいという感想もあります。
これらのレビューは投稿者による評価であり、日本の視聴者全体を対象にした世論調査ではありません。
それでも、支持する人と物足りなさを感じる人の両方が存在することは読み取れます。
評判が分かれる理由は作品の二面性本作は、グルメ作品でありながら、女性同士の恋愛や社会的な問題も扱っています。
この二つの要素を魅力と感じる人には、他のグルメ漫画や恋愛ドラマとは異なる作品として評価されます。
一方、料理を中心にした癒やし系作品を期待する人には、社会的テーマや恋愛の比重が大きくなったことが不満につながる場合があります。
100万部突破という実績と、レビューに見られる賛否の両方を考えると、本作は幅広い読者を獲得しながら、作品の方向性についても議論を生んでいる作品です。
【プロの結論】この作品はどんな人におすすめ?
『作りたい女と食べたい女』を評価するときは、単純に「気持ち悪い」「面白い」という二択で判断するより、何を描いた作品として読むかを整理することが大切です。
おすすめできる人- 料理や食事を通じて人間関係が深まる物語が好きな人
- 女性同士の恋愛を丁寧に描いた百合作品を読みたい人
- LGBTQやジェンダー表現を扱う作品に関心がある人
- 恋愛だけでなく、日常生活や価値観の違いを描く作品が好きな人
- ゆっくり進む人間関係や穏やかな雰囲気を楽しみたい人
- 料理のレシピやグルメ描写を物語の中心に求める人
- 恋愛要素が少ない日常系漫画を期待している人
- 社会問題を扱う会話や説明的な演出が苦手な人
- ストーリーにテンポの速さや劇的な展開を求める人
第一に、同性同士の恋愛という設定と、脚本や演出への批評を切り分けることです。
第二に、原作漫画とドラマを同じ作品体験として扱わないことです。漫画では人物の心理や日常の積み重ねを読み取れますが、ドラマでは俳優の演技や映像表現が作品の印象を左右します。
第三に、検索ワードにある「気持ち悪い」という言葉だけで作品の評判を判断しないことです。否定的な感想の背景を確認し、具体的にどの描写が問題視されているのかを見る必要があります。
本作の魅力は、誰かと食べること、誰かのために料理を作ること、そして自分の気持ちを受け止めてもらうことを、日常の中で丁寧に描いている点にあります。
【よくある質問】作りたい女と食べたい女に関するFAQ
Q1:作りたい女と食べたい女はなぜ気持ち悪いと言われるのですか?
A1:女性同士の恋愛描写に抵抗を感じる人がいるほか、序盤のグルメ中心の雰囲気から社会的テーマや恋愛中心の展開へ変化することに戸惑う人もいるためです。演出やストーリー展開への批判と、同性同士の恋愛そのものへの偏見は区別する必要があります。
Q2:野本さんはレズビアンなのですか?
A2:はい。野本さんは自身がレズビアンであることを認識し、春日さんへの気持ちが恋愛感情であると気づきます。特にNHKドラマのシーズン2では、自身の性的指向や恋心と向き合う姿が描かれています。
Q3:作りたい女と食べたい女のドラマはシーズン2までありますか?
A3:あります。シーズン1は2022年11月29日から12月14日まで全10話、シーズン2は2024年1月29日から全20話で放送されました。主演は比嘉愛未と西野恵未です。
Q4:原作漫画は完結していますか?
A4:2026年11月現在、カドコミでは第59話まで公開されています。2026年6月にはコミックス第6巻が発売され、シリーズ累計100万部も突破しています。
Q5:作りたい女と食べたい女は百合漫画として評価が高いのですか?
A5:百合・ガールズラブの要素に加え、食事や女性同士の連帯、社会的な生きづらさを描く点が評価されています。一方、恋愛展開の比重や社会的テーマの扱いに対する好みは分かれます。Filmarksでもシーズン1・2ともに平均3.9の評価が掲載されています。
『作りたい女と食べたい女』が気持ち悪いと言われる背景には、女性同士の恋愛描写、グルメ作品から社会的テーマへ広がる物語の方向性、人物の行動や演出への好みなど、複数の要因があります。
一方で、NHKドラマはシーズン2まで制作され、原作漫画は2026年にシリーズ累計100万部を突破しました。コミックス第6巻の発売に加え、原作の連載も続いています。
つまり、否定的な感想が存在することは事実ですが、それだけで作品全体の評価を決めることはできません。
野本さんと春日さんの関係は、料理を通じた交流から始まり、恋愛や生活、社会との向き合い方へと広がっていきます。
この作品を楽しめるかどうかは、単なるグルメ漫画として読むのか、女性同士の恋愛を含む日常ドラマとして読むのかによっても変わります。
『作りたい女と食べたい女』は、好みが分かれる部分を持ちながらも、食事と人間関係、そして自分らしく生きることを描き続けている作品です。「気持ち悪い」という検索ワードだけにとらわれず、実際の物語とさまざまな評価を知ることが、作品の実態を理解する近道になります。
主な参考資料・確認先
- KADOKAWA公式作品情報・2026年6月15日付100万部突破発表
- NHKエンタープライズ・NHKドラマ関連情報
- TVガイドWeb・比嘉愛未インタビュー
- CINRA・作品のジェンダー表現に関する批評
- J-CASTニュース・NHKの調理方法訂正に関する報道
- Filmarks・シーズン1、シーズン2の視聴者レビュー