2026年11月現在、ファン・アラーノが所属しているのは、ブラジル・ペルナンブーコ州レシフェを本拠地とするスポルチ・レシフェ(Sport Club do Recife)です。
移籍の流れを整理すると、2025年末にG大阪との契約が満了し、同年12月26日にセアラーSCへの加入が発表されました。その後、2026年8月10日にスポルチ・レシフェが獲得を正式発表しています。
セアラーSCからスポルチへの移籍はなぜ実現した?セアラーでは2026年シーズンに27試合出場、3得点、1アシストを記録。攻撃的MFとしてプレーし、ブラジル復帰後も一定の存在感を示していました。この数字はスポルチが加入発表時に公表したものです。
ところが8月、セアラーとの契約を解消し、スポルチへ移籍する展開になります。
ブラジルのスポーツメディア「ge」によると、セアラーとの契約解除に伴う補償は、アラーノ自身が契約満了までに受け取る予定だった報酬を放棄する形で整理されました。また、スポルチ加入に際しては給与を10%引き下げる条件を受け入れたと報じられています。
スポルチの公式発表では、今回の獲得は移籍金を伴わない契約で、クラブが選手の経済的権利の100%を保有する形です。
当初の契約期間は2027年2月28日まで。さらに2027年末、2028年末までの自動延長条項が設けられています。最初の延長については、クラブまたは選手が継続を希望しない場合、相手方に100万レアルを支払う条件も公表されました。
つまり、短期間の穴埋め補強というより、スポルチが中期的な戦力として獲得した契約内容です。
2026年の最新出場成績ブラジルサッカー連盟(CBF)の選手記録ページでは、2026年の出場記録として40試合・2得点が掲載されています。10月31日の試合まで反映された記録です。
一方、スポルチ加入時点でクラブが紹介したセアラーでの数字は27試合・3得点・1アシスト。大会別の集計範囲が異なるため、両者を単純に足し合わせることはできません。
日本時代と比べると、ブラジル復帰後は出場機会を得ながら、新しいチームで役割を確立している段階です。今後はスポルチでの先発定着と、得点・アシストの継続的な積み上げが評価のポイントになります。
【経歴・移籍年表】インテルナシオナルから鹿島、G大阪、ブラジル復帰まで

ファン・アラーノは1996年9月2日生まれ、ブラジル・クリチバ出身の選手です。2026年11月現在は30歳。身長172cm、体重69kg、右利きのMFとして登録されています。
プロキャリアはブラジルの名門インテルナシオナルから始まり、コリチーバFCを経て2020年に日本へ。鹿島アントラーズで約2年半プレーした後、2022年夏にG大阪へ移籍しました。
キャリアの主要な転換点を整理すると、次のようになります。
この経歴で注目したいのは、鹿島とG大阪の両方で複数シーズンにわたってプレーしたことです。短期間の助っ人外国人という枠に収まらず、日本の異なるクラブ文化と戦術に適応してきました。
また、2019年のコリチーバ時代にはブラジル全国選手権セリエBで昇格を経験しています。スポルチが2026年の獲得発表で、この経験を紹介したことからも、ブラジル国内での実績が再評価されていることが分かります。
なお、インテルナシオナルとコリチーバは単なる経歴上の通過点ではありません。ブラジルで育った選手としての基礎を形成し、その後の日本でのプレーにつながった重要なクラブです。
【鹿島アントラーズ時代】2020~2022年の成績と評価を検証
アラーノが日本でのキャリアをスタートさせたのは2020年1月です。鹿島アントラーズはブラジルでプレーしていたアラーノを獲得し、攻撃的MFとして起用しました。
鹿島時代の年度別J1成績年度別のリーグ戦記録を見ると、加入初年度から出場機会を獲得していたことが分かります。
| シーズン | J1出場 | 得点 |
|---|---|---|
| 2020年 | 30試合 | 4得点 |
| 2021年 | 27試合 | 3得点 |
| 2022年 | 12試合 | 1得点 |
| 合計 | 69試合 | 8得点 |
出典:サッカーキング掲載の年度別リーグ戦記録。大会別の公式記録には集計時点による差があります。
特に2020年は30試合に出場して4得点、7アシストを記録。ゴールだけでなく、味方の得点を生み出す働きも見せました。
2021年も27試合・3得点・3アシストと継続的に数字を残しています。2022年は12試合・1得点という成績でしたが、シーズン途中の7月にG大阪へ移籍しました。
鹿島からG大阪への移籍はなぜ起きた?2022年7月31日、鹿島はアラーノのG大阪への完全移籍を発表しました。
当時のアラーノは鹿島で一定の出場実績を積んでいたものの、新たな挑戦を選択。本人も移籍に際して、新しいチャレンジをしたいという趣旨のコメントをクラブを通じて発表しています。
G大阪は当時、J1残留を争う厳しい状況にありました。アラーノには攻撃面だけでなく、運動量や献身性を含めたチームへの貢献が期待されていました。
この移籍は、単に出場機会を求めた移籍というより、異なる環境で自分の能力を発揮するためのキャリア上の選択だったと考えられます。
【ガンバ大阪時代】103試合出場!2023年の活躍と2025年退団の真相
G大阪でのアラーノは、鹿島時代とは異なる役割を担いました。2022年7月の加入後、攻撃の組み立てや前線への飛び出し、守備への切り替えなど、チーム全体に関わる働きを見せています。
G大阪での年度別J1成績| シーズン | 出場 | 得点 |
|---|---|---|
| 2022年 | 11試合 | 1得点 |
| 2023年 | 28試合 | 7得点 |
| 2024年 | 20試合 | 1得点 |
| 2025年 | 27試合 | 1得点 |
| 合計 | 86試合 | 10得点 |
最も印象的だったのは2023年です。J1で28試合に出場して7得点を記録し、G大阪のチーム得点王となりました。
守備だけを担当するMFではなく、ゴール前へ入り込んで得点に絡める選手として評価を高めたシーズンです。
また、2024年と2025年には副主将を務めました。これはクラブ内での役割を考えるうえで見逃せないポイントです。ピッチ上の数字だけでなく、チームを支える立場も担っていました。
2025年末の退団はなぜ?2025年12月5日、G大阪はアラーノの契約満了を正式発表しました。本人の契約は2025年シーズン限りで終了し、翌年からチームを離れることになりました。
2025年のJ1リーグでは27試合に出場して1得点。Football LABの年度別データでは13試合に先発し、7アシストも記録しています。
一方、2025年10月7日には左膝蓋腱炎と診断されたことがクラブから発表されました。負傷による離脱もシーズン終盤の状況に影響した要素です。
ただし、契約満了の公式発表でクラブが示した理由は契約期間の終了であり、負傷だけを退団理由と断定することはできません。
G大阪での最後のシーズンまで27試合に出場していることを踏まえると、単純に戦力外となって出場機会を失った選手として整理するのも正確ではありません。
G大阪退団時の本人コメント「ガンバ大阪でともに働くことができた3年半すごく幸せでした、クラブの為に自分に出せる全ての物を出し切ることができました。本当にありがとうございました。」
このコメントはG大阪の公式発表に掲載されたものです。3年半にわたって所属したクラブとサポーターへの感謝を伝えており、本人にとっても日本での時間が大きな意味を持っていたことがうかがえます。
G大阪での公式戦通算成績は103試合・11得点・15アシスト。合計26回の直接的な得点関与を記録しました。
【プレースタイル・評価】ファン・アラーノは何が優れたMFなのか?
アラーノのポジションはMFです。攻撃的MFを中心に、サイドのポジションでもプレーできる柔軟性を持っています。
身長172cmと大柄ではありませんが、技術を生かしたボールコントロールやパス、味方との連係を通じて攻撃に参加するタイプです。
1. パスで攻撃を前進させる能力スポルチが2026年8月の加入発表で紹介したデータには、アラーノのパス能力を示す数字があります。
ブラジルのセリエBで出場時間450分以上のMF34人を比較したデータでは、次のような結果が紹介されました。
| 指標 | 成績 |
|---|---|
| 最終3分の1へのパス成功率 | 88% |
| シュートの枠内率 | 50% |
| ロングパス成功率 | 74% |
| 前方へのパス成功率 | 77% |
特に注目したいのは、敵陣の深い位置へボールを届けるパスの精度です。
単純にボールを保持するだけではなく、味方を前進させるパスを選択できることが強みです。攻撃の停滞を解消する役割や、前線の選手を生かす仕事に適しています。
2. チャンスメークとゴール前への関与2025年の日本リーグでのデータについても、スポルチは40人のMFを対象にした比較結果を紹介しています。
- 90分当たりの成功した縦方向のパス:0.5本
- 90分当たりのキーパス:0.6本
- 90分当たりの相手ペナルティーエリア内でのタッチ:3.4回
- アシスト:7回
- 90分当たりのシュートにつながるパス:1.4本
これらの数字は、アラーノが中盤でパスを配るだけでなく、相手ゴールに近い位置まで進出して攻撃に関与していたことを示しています。
2023年にG大阪で7得点を挙げた実績とも整合する特徴です。ゴールを狙う能力と、周囲の選手を生かす能力の両方を持っている点が評価材料になります。
3. 攻守に走れる献身性アラーノは技術型のMFである一方、運動量も特徴です。
G大阪時代の報道では、攻守両面でエネルギーを注ぐプレースタイルが評価されていました。攻撃時には前線へ顔を出し、守備時には自陣へ戻ってチームを助ける働きが期待される選手です。
また、サイドでもプレーできるため、チーム事情や試合展開に応じてポジションを調整できます。この複数ポジションへの対応力は、ブラジル復帰後も武器になるでしょう。
ファン・アラーノの評価・評判を強みと課題で整理| 評価項目 | 評価できるポイント |
|---|---|
| パス能力 | 前方へのパスや最終局面への配球 |
| 攻撃参加 | 得点・アシストの両方に関与 |
| 運動量 | 攻守の切り替えに参加できる |
| ポジション適性 | 攻撃的MF、サイドに対応 |
| 課題 | コンディション維持と継続的な得点力 |
一方で、弱点として考慮すべきなのは、得点数の安定性とコンディションです。
G大阪では2023年に7得点を記録したものの、2024年と2025年のJ1ではそれぞれ1得点でした。また、2024年には左ハムストリング肉離れ、2025年には左膝蓋腱炎が公表されています。
こうした負傷歴を踏まえると、シーズンを通じて安定した出場時間を確保できるかが、今後の評価を左右します。
総合的には、アラーノは得点だけで評価するストライカー型ではなく、パス・運動量・攻撃参加を組み合わせてチームに貢献するMFです。
【Jリーグ通算成績】鹿島とG大阪で残した数字を比較
日本で7シーズンを過ごしたアラーノ。鹿島とG大阪での成績を合わせて見ると、選手としての特徴がより明確になります。
鹿島とG大阪の比較| 項目 | 鹿島アントラーズ | ガンバ大阪 |
|---|---|---|
| 在籍期間 | 2020~2022年7月 | 2022年7月~2025年 |
| J1出場 | 69試合 | 86試合 |
| J1得点 | 8得点 | 10得点 |
| 公式戦全体 | 複数大会に出場 | 103試合 |
| 特徴 | 日本での適応と攻撃参加 | チーム得点王、副主将 |
年度別リーグ戦記録を合算すると、J1通算は155試合・18得点です。
鹿島では加入初年度から30試合に出場して4得点。G大阪では2023年に7得点を挙げるなど、クラブごとに違った形で貢献してきました。
G大阪での公式戦103試合という数字は、J1リーグだけでなくカップ戦などを含むため、J1の86試合とは区別する必要があります。
G大阪のAFCチャンピオンズリーグ2優勝との関係もう一つ注意したいのが、G大阪のAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)優勝です。
G大阪は2025/26シーズンのACL2を制し、2026年5月17日の決勝でアル・ナスルに1対0で勝利しました。
ただし、アラーノは2025年末にG大阪を退団しており、優勝決定時にはクラブに所属していません。G大阪の優勝実績と、アラーノ個人の在籍期間・タイトル実績は分けて考える必要があります。
2025年9月にはACL2の試合にも出場し、イースタン戦では宇佐美貴史のゴールをアシストしています。大会序盤のチームへの貢献は確認できますが、退団後の優勝をそのまま本人の個人成績として扱うのは適切ではありません。
この点は、選手個人の実績とクラブの後年の成績が混同されやすい部分です。
【よくある質問】ファン・アラーノの現在に関するFAQ
Q1:ファン・アラーノは2026年現在どこのチームに所属していますか?
2026年11月現在、ブラジルのスポルチ・レシフェに所属しています。2026年8月10日に正式加入が発表されました。
Q2:ファン・アラーノはなぜガンバ大阪を退団したのですか?
2025年12月5日に契約満了が発表され、2025年シーズン限りで退団しました。クラブは契約満了を理由として発表しており、負傷のみを退団理由とする公式説明はありません。
Q3:ファン・アラーノの鹿島アントラーズ時代の成績は?
年度別のJ1記録では、2020年が30試合4得点、2021年が27試合3得点、2022年が12試合1得点です。合計69試合8得点となります。
Q4:ファン・アラーノのG大阪時代の成績は?
G大阪では公式戦通算103試合に出場し、11得点15アシストを記録しました。特に2023年はJ1で7得点を挙げ、チーム得点王となりました。
Q5:ファン・アラーノのポジションとプレースタイルは?
主なポジションはMFです。攻撃的MFを中心にサイドでもプレーでき、パス精度、チャンスメーク、運動量を生かした攻守両面への貢献が持ち味です。
Q6:ファン・アラーノは日本に戻ってくる可能性がありますか?
2026年11月現在、日本復帰を示す公式発表はありません。現在はスポルチ・レシフェとの契約下にあり、まずはブラジルでのプレーが注目されます。
ファン・アラーノは鹿島アントラーズとガンバ大阪で合計7シーズンを過ごし、J1通算155試合18得点という実績を残しました。
鹿島では日本のサッカーへの適応力を示し、G大阪では2023年のチーム得点王、副主将という立場まで経験。公式戦103試合に出場したことは、日本で長く信頼を得ていた証拠の一つです。
2025年末のG大阪退団後はセアラーSCへ移籍し、2026年8月からはスポルチ・レシフェで新たな挑戦を開始しました。ブラジル復帰後も出場機会を得ており、30歳を迎えた現在はキャリアの新しい段階に入っています。
今後の注目要点は、スポルチでの先発定着、得点・アシストの積み上げ、そしてコンディションの維持です。
日本で培ったパスワークと攻守の献身性をブラジルの舞台でどこまで発揮できるのか。鹿島・G大阪時代を知るファンにとっても、引き続き追いかけたい選手です。