「結婚保証人とは何をする人なのか」「婚姻届の証人を頼まれたけれど、借金や結婚後のトラブルまで責任を負うのだろうか」と疑問に感じている人は少なくありません。結婚保証人という言葉は一般的に使われていますが、法律上の正式な制度名ではありません。通常は、婚姻届に署名する2名の証人を指しています。
2026年11月現在、民法第739条により、婚姻届には成年の証人2名以上が必要です。2022年4月の成年年齢引き下げによって、日本法上の成年年齢は20歳から18歳になりました。証人は親族や友人だけでなく、一定の条件を満たす外国人でも可能です。加えて、証人には配偶者の借金を支払うような保証人の責任はありませんが、虚偽の婚姻届に関与した場合には、民事・刑事上の問題が生じる可能性があります。
【基本知識】結婚保証人とは?婚姻届の証人との違いを解説

結婚保証人とは、結婚する2人の婚姻意思を確認する立場として、婚姻届の証人欄に署名する人を指す一般的な呼称です。
ただし、法律上の正式な名称は「証人」です。民法第739条第2項では、婚姻の届出について、当事者双方と成年の証人2人以上が署名した書面などによって行うことを定めています。
つまり、証人は結婚する2人の身元や経済力を保証する人ではありません。婚姻届が本人たちの意思に基づくものであることを確認するために設けられた第三者です。
この違いを理解しておけば、証人を依頼されたときに必要以上に不安を感じることはありません。
婚姻届の証人と一般的な保証人は何が違う?最も大きな違いは、法律上引き受ける役割と責任です。
賃貸借契約や借入契約などでいう保証人は、主たる債務者が支払いを履行しない場合に、その債務を履行する責任を負う立場です。民法第446条には、保証人の責任と保証契約の方式が定められています。
一方、婚姻届の証人は、婚姻という身分関係に関する届出の意思を確認する立場です。結婚した2人の住宅ローン、生活費、結婚式費用などを支払う契約を結ぶわけではありません。
名前に「保証」という文字が含まれるため混同されがちですが、両者は法的性質がまったく異なります。
婚姻届に証人が必要な法的根拠婚姻届の証人については、主に次の法律が関係しています。
- 民法第739条:婚姻の届出方法と成年の証人2名以上の署名について規定。
- 民法第740条:婚姻届を受理する際の法的要件を規定。
- 戸籍法第74条:婚姻届に記載して届け出る事項について規定。
法務省の婚姻届手続案内でも、成年の証人2名の署名が必要であること、押印は任意であることが示されています。
なお、婚姻届は単なる結婚の報告書ではありません。市区町村への届出によって法律上の婚姻が成立するため、本人たちの意思と届出の真正性を確認する仕組みが設けられています。
【人数と年齢】婚姻届の証人が2人必要な理由と18歳以上の条件
なぜ証人は2人必要なのか婚姻届に証人が2人必要なのは、民法第739条第2項が成年の証人2人以上という形式を定めているためです。
この制度の趣旨は、婚姻という重要な身分行為について、当事者双方に本当に婚姻する意思があることを第三者によって確認し、その意思の確実性を担保することにあります。
証人が1人ではなく2人とされているのは、法律が複数の第三者による確認を届出の方式として採用しているためです。
ただし、証人を夫側から1人、妻側から1人選ばなければならないという決まりはありません。2人とも新郎側の親族でも、新婦側の友人でも、条件を満たしていれば問題ありません。
婚姻届の証人は18歳以上ならなれる2026年現在、日本法上の成年年齢は18歳です。そのため、日本法上の成年者であれば、18歳や19歳でも婚姻届の証人になれます。
この基準が変わったのは、2022年4月1日に施行された民法改正です。それ以前は成年年齢が20歳だったため、古い解説や自治体の案内には20歳以上と記載されたものが残っている場合があります。
現在の年齢条件を整理すると、次のとおりです。
- 17歳以下:日本法上の成年者ではないため、原則として証人になれない。
- 18歳・19歳:日本法上の成年者であり、証人になれる。
- 20歳以上:日本法上の成年者であり、証人になれる。
なお、成年年齢の引き下げは、婚姻届の証人に関する条件だけでなく、契約などに関する民法上の成年年齢にも関係する改正です。
外国人が証人になる場合の成年年齢に注意外国籍の人も婚姻届の証人になることができます。ただし、外国人の場合は成年年齢の判断に注意が必要です。
相模原市の案内では、外国籍の証人について、その人の本国法によって成年年齢が異なることが説明されています。つまり、日本人の証人と同じ感覚で一律に18歳以上と判断するのは避けた方がよいでしょう。
外国人の友人に依頼する場合は、本人の国籍や成年年齢、記入方法について、婚姻届を提出する市区町村の戸籍担当窓口に事前確認すると安心です。
【依頼相手】婚姻届の証人は誰に頼む?親族・友人・外国人の条件
親や兄弟などの親族でも問題ない婚姻届の証人は、結婚する本人たち以外の成年者であれば、親族でも問題ありません。
実際に依頼先としてよく検討されるのは、両親、兄弟姉妹、祖父母、叔父・叔母などの親族です。
親に依頼することを義務付ける法律はありませんが、結婚の意思をよく理解している家族にお願いすることは、自然な選択肢の一つです。
友人・知人・職場関係者でも可能親族以外にも、次のような人に依頼できます。
- 学生時代から付き合いのある友人
- 職場の同僚や上司
- 長年付き合いのある知人
- 結婚を応援してくれている友人夫婦
- 成年の外国籍の友人
証人になるために、結婚式への出席や親族との面識が必要なわけではありません。また、特定の職業や収入、資産を持っている必要もありません。
立場別に見る証人の条件と依頼先依頼相手を選ぶ際は、次の関係別の条件を参考にしてください。
| 依頼する相手 | 証人になれるか | 確認事項・注意点 |
|---|---|---|
| 父母 | 可能 | 成年者であり、当事者の婚姻意思を確認できること |
| 兄弟姉妹 | 可能 | 18歳以上の成年者であること |
| 祖父母・親戚 | 可能 | 親族関係による制限は原則ない |
| 友人・知人 | 可能 | 当事者双方の婚姻意思を確認できること |
| 職場の上司・同僚 | 可能 | 成年者であり、本人が署名すること |
| 外国人 | 可能 | 本国法上の成年年齢や必要書類を確認する |
| 17歳以下の人 | 原則不可 | 日本法上の成年者ではない |
| 婚姻する当事者本人 | 不可 | 証人は当事者以外の第三者である必要がある |
証人選びで最も大切なのは、単に署名を引き受けてくれるかどうかではありません。
婚姻届の証人には、当事者双方の婚姻意思を確認する役割があります。そのため、2人が自分たちの意思で結婚することを理解し、安心して署名を依頼できる人を選ぶのが適切です。
また、親族や友人に事情を知られたくない場合は、無理に依頼する必要はありません。証人代行サービスなどの選択肢もあります。
【記入方法】婚姻届の証人欄の署名・書き方と印鑑の必要性
証人欄に記入する基本項目婚姻届の証人欄には、一般的に次の項目を記入します。
- 氏名・署名
- 生年月日
- 住所
- 本籍
- 外国籍の場合は国籍など、自治体が指定する事項
具体的な記入欄は婚姻届の様式によって確認してください。広島市の2026年8月更新の案内でも、証人の署名、生年月日、住所、本籍について説明されています。
署名は必ず証人本人が自筆する証人欄で特に注意したいのが署名です。
氏名の署名は、証人本人が自分で記入する必要があります。新郎や新婦が証人の代わりに署名することは避けてください。
記入する際は、黒インクまたは黒のボールペンを使用し、鉛筆や消せるインクのペンは使わないようにします。
また、氏名や住所、生年月日などは、住民票や戸籍に関する情報と照合して正確に記入することが大切です。
証人の印鑑は任意で必須ではない婚姻届の証人欄にある押印欄については、現在、押印は任意です。
2021年9月1日から戸籍届書の押印義務が廃止され、証人も署名があれば押印しなくても届出ができます。
そのため、証人が印鑑を持っていない場合でも、印鑑を用意するために手続きを遅らせる必要はありません。
ただし、押印したい場合は任意で押すことも可能です。押印欄がある古い様式を使用している場合も、提出先の自治体の最新案内に従ってください。
記入ミスを防ぐためのチェックポイント証人欄に不備があると、婚姻届の受理に影響する場合があります。提出前に次の点を確認しましょう。
- 証人が2名分そろっているか。
- 証人本人が自筆で署名しているか。
- 生年月日が正しいか。
- 住所が正確に記載されているか。
- 本籍や国籍の記入に誤りがないか。
- 修正液や修正テープを使用していないか。
遠方に住んでいる人に依頼する場合は、郵送でのやり取りに余裕を持たせましょう。提出日を決めている場合は、記入不備による再提出の可能性も考慮して準備することが大切です。
【責任と法律】婚姻届の証人に金銭的責任はある?虚偽届出と損害賠償
結婚後の借金や生活費を支払う義務はない婚姻届の証人になったからといって、結婚する2人の借金や生活費を負担する義務が発生するわけではありません。
例えば、次のような費用について、証人という立場だけを理由に支払いを求められることはありません。
- 夫婦が組んだ住宅ローン
- 配偶者のカードローンや借入金
- 結婚式や披露宴の費用
- 新婚旅行の費用
- 結婚後の家賃や生活費
- 離婚時の慰謝料や財産分与
これらは婚姻届の証人として署名することとは別の法律関係です。
もちろん、証人自身が別途保証契約を結んだ場合などは、その契約に基づく責任が問題になります。しかし、通常の婚姻届の証人欄への署名だけで、そのような保証契約が成立するわけではありません。
証人には婚姻意思を確認する法律上の責任がある一方で、証人に何の責任もないという理解も正確ではありません。
武蔵野市の公式案内では、証人は届出が当事者双方の合意によるものであることを確認する義務があると説明されています。
例えば、結婚する2人のうち一方からだけ依頼され、もう一方の意思を確認しないまま、合意が成立しているものとして署名した場合は注意が必要です。
その届出が虚偽であり、戸籍に事実と異なる記載がなされたことで相手方に精神的苦痛などの損害が生じた場合、証人に損害賠償責任が生じる可能性があります。
広島市の2026年8月更新の案内でも、証人には当事者の意思を確認すべき法律上の義務があり、これに反した場合に民事上の損害賠償責任を負うことがある旨が紹介されています。
つまり、通常の結婚に伴う金銭的責任はありませんが、虚偽の届出に加担した場合まで責任を免れるわけではありません。
虚偽の婚姻届に署名すると刑事責任を問われる可能性も婚姻届を利用した虚偽の届出は、単なる記入ミスとは異なります。
例えば、本人に婚姻意思がないのに、第三者が本人の同意を得ずに婚姻届を作成・提出し、戸籍に事実と異なる記載をさせた場合には、刑法上の問題が生じる可能性があります。
刑法第157条の公正証書原本不実記載等罪は、公務員に虚偽の申立てをして戸籍簿などに不実の記載をさせた場合を対象としています。
2026年5月21日以降の拘禁刑制度の施行後、同条の法定刑は5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。
また、戸籍法第134条には、戸籍に記載・記録する必要のない事項について虚偽の届出をした場合などの罰則があり、1年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金が定められています。どの罪が適用されるかは、虚偽の内容や届出の方法によって異なります。
証人についても、虚偽の届出であると知りながら積極的に協力した場合などは、具体的な関与の内容に応じて法的責任が問題になる可能性があります。
証人を引き受ける前に確認すべきこと証人を依頼された場合は、少なくとも次の点を確認しておくと安心です。
- 結婚する2人の双方に婚姻意思があるか。
- 本人たちが自分の意思で届出を進めているか。
- 署名する婚姻届が正式な書類であるか。
- 自分の氏名や住所などが正確に記入されているか。
内容を十分に理解できない場合や、本人の意思に疑問がある場合は、安易に署名しないことが大切です。
【証人がいない場合】婚姻届の証人代行サービスの費用と注意点
証人を頼める人がいない場合はどうする?家族との関係やプライバシーの問題、友人との距離、転居などの事情から、婚姻届の証人を頼める人が見つからないケースもあります。
その場合に検討できるのが、婚姻届の証人代行サービスです。
行政書士事務所などが提供する民間サービスでは、条件を満たす成年者が証人となり、婚姻届に署名するサービスを扱っています。
証人を依頼する相手がいないからといって、婚姻届の証人欄を空欄にしたまま提出することはできません。正式な手続きを進めるには、必要な証人を確保する必要があります。
婚姻届の証人代行費用はいくら?証人代行サービスの料金は、提供事業者や郵送方法、対応スピードなどによって異なります。
2026年に公開されている民間サービスの料金例では、2名分の証人代行について、次のような価格が確認できます。
- ふたば証人代行サービス:証人2名分2,300円。
- 行政書士による証人代行サービスの一例:通常コース2名分4,400円、お急ぎコース5,900円。
これらは各事業者が設定している民間サービスの料金であり、法律で定められた統一料金ではありません。郵送料や追加対応の有無なども含めて比較する必要があります。
なお、婚姻届の提出そのものは、法務省の案内でも手数料無料とされています。証人代行費用は、行政機関に支払う婚姻届の手数料ではなく、民間事業者に支払うサービス料金です。
証人代行を利用するときの注意点代行サービスを利用する場合は、料金だけで決めず、次の項目を確認してください。
- 実際に署名する証人が成年者であること。
- 証人本人が正しく署名する仕組みになっていること。
- 郵送費や追加料金が明確であること。
- 個人情報の管理方法が明示されていること。
- 記入不備があった場合の対応が明確であること。
- 提出予定日に間に合う返送スケジュールであること。
特に重要なのは、他人の名前を借りて署名するような不適切なサービスを利用しないことです。証人本人が自分の意思で署名するという基本を守る必要があります。
また、外国籍の人が当事者となる場合や、特殊な事情がある場合は、利用予定のサービスだけで判断せず、提出先の市区町村にも必要事項を確認しましょう。
【2026年最新】婚姻届の証人制度で知っておきたい変更点と実務上の注意
成年年齢は2022年から18歳に変更2026年時点で特に注意したいのは、成年年齢に関する古い情報です。
2022年4月1日の民法改正施行によって成年年齢が18歳になったため、従来の20歳以上という説明は現在の日本法上の一般的な証人条件とは一致しません。
結婚式の準備記事や古い自治体FAQを参照する場合は、情報の更新日を確認してください。
押印義務は2021年に廃止もう一つの重要な変更は、戸籍届書への押印義務の廃止です。
2021年9月1日から、婚姻届の届出人や証人の押印は任意になりました。現在は、証人本人による署名が必要であり、印鑑を持っていないことだけを理由に証人になれないわけではありません。
2026年の自治体案内を確認する重要性2026年には、各自治体も婚姻届の記入方法や証人に関する案内を更新しています。
例えば、川崎市は2026年5月22日に証人欄の記入方法を更新し、本人による自署、18歳以上という条件、押印任意の取り扱いを案内しています。
広島市も2026年8月25日更新のFAQで、証人の条件や記入項目、当事者の意思確認に関する注意点を掲載しています。
こうした自治体の案内からも、証人制度の基本的な法的枠組みは全国共通である一方、外国籍の証人の確認書類や具体的な記入方法などは、提出先の自治体に確認する必要があることが分かります。
【結婚保証人とは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:結婚保証人と婚姻届の証人は同じ意味ですか?
A1:一般的には同じ意味で使われます。ただし、法律上の正式な名称は「婚姻届の証人」です。一般的な契約における保証人とは異なり、結婚する2人の婚姻意思を確認する役割を担います。
Q2:婚姻届の証人は18歳でもなれますか?
A2:日本法上の成年者であれば18歳でも証人になれます。2022年4月1日から成年年齢が18歳に引き下げられたためです。ただし、外国籍の人は本国法上の成年年齢などを確認する必要があります。
Q3:婚姻届の証人は親や兄弟でも問題ありませんか?
A3:問題ありません。父母、兄弟姉妹、祖父母などの親族でも、条件を満たせば証人になれます。友人や職場の同僚などでも可能です。
Q4:婚姻届の証人になると借金や離婚の責任を負いますか?
A4:通常は負いません。証人になったことだけで、夫婦の借金、住宅ローン、生活費、離婚時の慰謝料などを支払う義務は発生しません。ただし、虚偽の届出に加担した場合は、損害賠償や刑事責任が問題になる可能性があります。
Q5:婚姻届の証人に印鑑は必要ですか?
A5:必要ありません。2021年9月1日から押印は任意になっています。証人本人による署名が必要です。
Q6:婚姻届の証人を外国人に依頼できますか?
A6:可能です。ただし、外国籍の証人は本国法上の成年年齢や氏名・国籍の記入方法、必要書類などを確認してください。提出先の市区町村への事前相談がおすすめです。
Q7:婚姻届の証人代行サービスを利用できますか?
A7:条件を満たす成年者が実際に証人として署名する民間サービスを利用する方法があります。費用や本人確認、個人情報の取り扱い、返送日数などを確認して選んでください。
結婚保証人とは、一般的に婚姻届の証人を意味する言葉です。法律上は民法第739条に基づく制度であり、結婚する2人の意思を確認するために成年の証人2名以上が必要とされています。
2026年現在、日本法上の成年年齢は18歳で、証人には両親や兄弟姉妹、友人、知人などを選ぶことができます。外国人も条件を満たせば証人になれます。また、証人欄への押印は任意であり、本人による署名が基本です。
最も大切なのは、証人と一般的な保証人を混同しないことです。婚姻届の証人になっただけで、夫婦の借金や結婚後の生活費を支払う義務はありません。ただし、当事者の婚姻意思を確認する役割があるため、虚偽の届出に安易に協力すると損害賠償や刑事責任の問題につながる可能性があります。
証人を依頼する側は、信頼できる成年者に余裕を持ってお願いすること。依頼される側は、本人たちの婚姻意思を確認したうえで署名すること。そして証人が見つからない場合は、適切な民間サービスも検討することが、安心して婚姻届を提出するための基本です。
婚姻届の記入方法や外国籍の証人に関する必要書類は自治体によって案内が異なる場合があります。提出前には、必ず届出先の市区町村の最新情報を確認しましょう。