2026年現在、ソフトバンクグループ創業者の孫正義氏の年収はいくらなのか。実は、2026年6月22日に提出されたソフトバンクグループの有価証券報告書には、孫氏の役員報酬が1億円と記載されている。しかし、この金額だけで孫氏の経済力を判断することはできない。保有株式から得られる配当収入や、株価上昇によって変動する資産額は、役員報酬とは別の仕組みで形成されているからだ。
2026年版のフォーブス日本長者番付では、孫氏の推定資産額は12兆7000億円で日本1位に返り咲いた。年間1億円の役員報酬と、10兆円を超える資産。この大きな差を生み出しているのは何なのか。ソフトバンクグループの2026年3月期有価証券報告書、株主総会資料、配当発表、フォーブスの公開データをもとに、給与・配当・総所得・資産額の違いを整理する。
【2026年最新】孫正義の年収は1億円!有価証券報告書で判明した実態

孫正義氏の2026年最新の役員報酬を確認するうえで、最も重要な資料がソフトバンクグループ株式会社の第46期有価証券報告書だ。
対象となるのは、2025年4月1日から2026年3月31日までの2026年3月期。同社が2026年6月22日に提出した有価証券報告書には、孫氏の連結報酬等の総額として1億円(100百万円)が記載されている。
したがって、一般的に「孫正義の年収」として紹介される役員報酬の公表額は、2026年時点で1億円ということになる。
1億円は基本給だけではない注目したいのは、1億円の内訳だ。報告書によると、孫氏の報酬は次のように構成されている。
- 基本報酬:1200万円
- 賞与:8800万円
- 株式報酬:0円
- その他:0円
つまり、固定的な基本報酬は1200万円で、残る8800万円は賞与として計上されている。
「孫正義は年収1億円」と聞くと、毎月約833万円の固定給を受け取っているような印象を持つかもしれない。しかし、公開資料が示しているのは、基本報酬と賞与を合算した年間の報酬総額である。
また、有価証券報告書の該当欄は、在任期間中の連結報酬等の総額が1億円以上である役員を対象に記載する仕組みだ。したがって、個人の全収入や全資産を網羅した数字ではない。
1億円は孫氏のすべての収入ではないここで区別しておきたいのが、役員報酬と個人の総所得だ。
役員報酬は、企業の取締役として受け取る報酬である。一方、株式を所有していれば配当金を受け取る可能性があり、保有資産の価値が上昇すれば含み益も増える。
これらは会計上も税務上も異なる性質を持つ。役員報酬が1億円だからといって、孫氏の年間の経済的利益が1億円に限定されるわけではない。
【配当収入の実態】孫正義は保有株式からいくら受け取るのか
孫正義氏の経済力を理解するうえで、役員報酬以上に注目したいのがソフトバンクグループの株式保有と配当収入だ。
2026年6月24日開催の第46回定時株主総会に向けた招集通知では、2026年3月31日時点の大株主情報が公表されている。
その資料によると、孫氏本人の保有株式は1,703,007千株(約17億300万株)。持株比率は29.88%で、筆頭株主となっている。
約17億株を保有する大株主2026年1月1日には、ソフトバンクグループの普通株式について1株を4株にする株式分割が実施された。そのため、2026年3月末の保有株式数は分割後の株数で表示されている。
加えて、同社の大株主一覧には孫アセットマネージメント合同会社も記載されており、その保有数は1億1025万6000株、持株比率は1.93%だ。
ただし、孫氏本人の保有分と法人名義の保有分は区別する必要がある。法人名義の株式を、そのまま孫氏個人の所有株式として扱うことはできない。
2026年3月期の配当金から収入規模を考えるソフトバンクグループが2026年4月28日に公表した期末配当の内容では、2026年3月期の期末配当は分割後換算で1株当たり5円50銭。中間配当は分割前の1株当たり22円だった。
株式分割を考慮すると、2026年3月期の年間配当は1株当たり11円相当となる。
ここで、3月末の孫氏の保有株式約17億300万株を基準に、年間11円の配当を受け取ると仮定して計算してみよう。
約17億300万株 × 11円 = 約187億3300万円
これは、3月末の保有株式数を年間を通じて維持したと仮定した参考計算だ。実際の配当受取額は、中間配当と期末配当それぞれの権利確定日時点の保有株式数などによって変わる。
有価証券報告書には214億8000万円の配当支払も記載さらに注目すべきなのが、2026年3月期の有価証券報告書に記載された関連当事者との取引だ。
同報告書では、「孫正義(孫アセットマネージメント合同会社他10社)」という関連当事者に対して、ソフトバンクグループから214億8000万円の配当金が支払われたことが記載されている。
これは非常に大きな金額だが、孫氏本人だけに支払われた配当金ではない。本人が議決権の過半数を保有する会社などを含めた関連当事者への支払額である。
したがって、この214億8000万円を孫氏個人の配当所得や手取り収入と断定することはできない。それでも、孫氏と関係会社が保有する株式から生まれる配当の規模を理解する重要な公開データだ。
【数字で比較】孫正義の年収・配当・資産額の関係を整理
ここまでの情報を整理すると、孫氏の経済力には大きく分けて4つの要素がある。
それぞれの金額は意味が異なるため、同じ「収入」として合算しないことが大切だ。
| 関係・項目 | 2026年の公開データ | 意味と注意点 |
|---|---|---|
| 孫正義氏とソフトバンクグループの役員報酬 | 1億円 | 基本報酬1200万円と賞与8800万円の合計 |
| 孫正義氏の保有株式 | 約17億300万株 | 2026年3月31日時点。持株比率29.88% |
| 孫氏と関係会社への配当金 | 214億8000万円 | 関連当事者への支払合計であり、個人の所得額ではない |
| 孫氏の推定資産額 | 約12兆7000億円 | フォーブス日本長者番付2026の推定純資産 |
| ソフトバンクグループの2026年3月期純利益 | 約5兆23億円 | 親会社の所有者に帰属する連結純利益。孫氏個人の収入ではない |
この表から分かるのは、孫氏の役員報酬と株式を中心とした資産形成が、まったく異なる規模の経済活動であるということだ。
特に、企業の利益と個人の所得を混同しないことが重要になる。ソフトバンクグループが5兆円を超える純利益を計上したとしても、その全額が孫氏に帰属するわけではない。
同様に、関連当事者への配当支払額も、そのまま個人の可処分所得になるわけではない。誰が受け取り、どの法人に帰属し、どのような税務処理が行われるかによって実際の経済的な意味は変わってくる。
【資産額12兆7000億円】孫正義の保有株式と世界長者番付
役員報酬が1億円である一方、孫正義氏の推定資産額は兆円単位に達する。
フォーブス・ジャパンが2026年6月9日に公表した日本長者番付2026によると、孫氏の推定純資産は800億ドル(約12兆7000億円)。日本人富豪のランキングで1位となった。
前年の順位は2位であり、2021年以来、4年ぶりの首位奪還だった。
資産額が急増した背景にはAI投資がある2026年の資産増加を考えるうえで外せないのが、ソフトバンクグループによるAI関連投資だ。
フォーブスの分析では、孫氏の純資産は前年から518億ドル増加し、184%の伸びを記録した。背景には、世界的なAI関連銘柄への期待やソフトバンクグループの株価上昇、OpenAIへの大規模投資などがある。
ソフトバンクグループの2026年3月期決算では、売上高が約7兆7987億円、親会社の所有者に帰属する純利益が約5兆23億円となった。
特に投資事業の成果が大きく、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資利益は約6兆6386億円に達している。
こうした投資成果が企業価値や株価に反映されると、大株主である孫氏の保有資産にも大きな影響が及ぶ。
世界長者番付と日本長者番付は基準日が違う孫氏の世界的な順位については、ランキングの基準日にも注意したい。
2026年3月11日に公表されたフォーブス世界長者番付2026では、2026年3月1日時点の資産額を基準に、孫氏は世界36位、推定資産515億ドルと紹介された。
一方、6月公表の日本長者番付では、5月22日の市場終了時点の株価と為替レートを基準に800億ドルと評価されている。
この2つの金額は、基準日が異なるため単純に比較できない。株価や為替が動く上場企業の大株主は、数カ月の間に推定資産額やランキングが大きく変わることがある。
孫正義の資産は現金だけではない約12兆7000億円という資産額は、銀行口座に同額の現金があるという意味ではない。
フォーブスの長者番付は、株式保有情報や年次報告書、証券取引所の情報、アナリストなどのデータをもとに推定する純資産ランキングだ。上場株式については株価の変動が評価額に反映される。
そのため、ソフトバンクグループの時価総額が上昇すれば、孫氏の保有株式の評価額も増える。反対に株価が下落すれば、実際に株式を売却していなくても推定資産額は減少する。
ここが、毎年の役員報酬と兆円単位の資産額が大きく異なる理由の一つだ。
【年収推移とランキング】孫正義の報酬はなぜ資産額と比例しない?
孫正義氏の年収を調べる際には、役員報酬の推移と資産額の推移を分けて考える必要がある。
役員報酬は会社との報酬契約や報酬方針に基づいて決定される。一方、資産額は保有株式の市場評価や投資先の価値などによって変動する。
役員報酬は基本報酬と賞与で構成される2026年3月期の報酬は、基本報酬1200万円、賞与8800万円という構成だった。
この数字から分かるのは、孫氏の役員報酬が固定給だけで構成されていないことだ。賞与が報酬総額の大部分を占めている。
また、過年度の報酬額を比較する際には、対象会社や連結報酬の範囲、株式報酬の有無なども確認する必要がある。単に報酬総額だけを並べると、実際の報酬構造を見誤る可能性がある。
年収ランキングと資産ランキングは別物孫氏は日本長者番付で1位に返り咲いたが、これは年収ランキングではない。
フォーブスが公表する長者番付は、年間給与や賞与のランキングではなく、保有資産などをもとにした推定純資産のランキングだ。
したがって、「日本で最も年収が高い人物」「世界で最も給料が高い経営者」といった意味で1位になったわけではない。
孫氏のように企業の創業者であり、大株主でもある人物の場合、役員報酬よりも株式の価値変動が資産全体に与える影響の方が大きい。
ソフトバンクグループの企業価値が重要な理由孫氏の資産額を考えるうえでは、ソフトバンクグループの時価総額や投資ポートフォリオも重要な要素となる。
同社は通信事業だけを展開する企業ではなく、投資持株会社として、AI、半導体、テクノロジー関連企業などへの投資を行っている。
2026年にはOpenAIへの大型投資が注目を集めたほか、Armなどの保有資産も企業価値を考えるうえで重要な存在だ。
ただし、投資先の評価額が上昇したからといって、その金額がすぐに現金化されるわけではない。投資利益には評価益と実現益があり、資産価値と現金収入は区別する必要がある。
【年収の本当の姿】役員報酬・配当・総所得・資産額の違い
孫正義氏の年収を正しく理解するためには、4つの経済指標を整理することが欠かせない。
①役員報酬:会社から受け取る報酬役員報酬は、取締役として会社から受け取る基本報酬や賞与などを指す。2026年3月期の孫氏の場合は1億円だ。
これは有価証券報告書で確認できる最も明確な報酬額であり、一般的な意味での「年収」に最も近い数字である。
②配当収入:株主として受け取る利益の分配配当収入は、株式を保有している株主に対して企業が利益剰余金などから支払うものだ。
役員として働いた対価ではなく、株主として株式を所有していることによって発生する収入である。
孫氏の場合、ソフトバンクグループの大株主であるため、配当政策や保有株式数が配当収入に大きく関係する。
③総所得:個人に帰属する収入の合計総所得を正確に算出するには、役員報酬、個人に帰属する配当所得、その他の所得などを把握する必要がある。
しかし、有価証券報告書は個人の確定申告書ではない。孫氏本人のすべての所得や税引き後の手取り額を示す資料ではないため、公開された役員報酬と関連当事者への配当支払額だけで総所得を確定することはできない。
④資産額:保有する財産の評価額資産額は、保有株式やその他の財産などから負債を差し引いた純資産を基礎に評価するものだ。
孫氏の2026年の推定資産額約12兆7000億円は、このカテゴリーに属する。
資産が12兆円あっても、年間に12兆円の収入が発生しているわけではない。保有する株式の評価額が増えた場合、その増加分は必ずしも現金収入として実現していないからだ。
株式配当の仕組みを理解すると年収の誤解が解ける株式配当の基本的な仕組みは、企業が配当を決議し、権利確定日に株式を保有している株主に対して、保有株式数に応じた金額を支払うというものだ。
例えば、1株当たり11円の年間配当がある株式を100万株保有していれば、税引き前の配当金は1100万円となる。
株式を大量に保有している場合、役員としての給与とは別に、大きな配当収入が発生する可能性がある。
ただし、配当金は企業の業績や配当方針によって変更される。株価上昇による含み益も、株式を売却しない限り原則として現金収入にはならない。
【プロの結論】孫正義の年収を調べるときに見るべき3つの数字
孫正義氏の年収を調べる読者が押さえておきたいのは、単純な報酬総額だけでは経済力の全体像を把握できないという点だ。
今回の公開資料からは、次の3つの判断基準が見えてくる。
- 役員報酬を知りたい場合:有価証券報告書の「連結報酬等の総額」を確認する。
- 株式からの収入を知りたい場合:保有株式数、配当基準日、1株当たり配当金を確認する。
- 経済力や資産規模を知りたい場合:フォーブスなどの純資産ランキングと、その評価基準日を確認する。
特に重要なのは、会社の利益、役員報酬、配当収入、資産評価額を混同しないことだ。
ソフトバンクグループが過去最高水準の利益を計上しても、その金額がすべて孫氏の個人所得になるわけではない。また、フォーブスが推定する資産額も、現金として自由に使える金額を示すものではない。
2026年の孫氏の経済力を理解するには、経営者としての報酬だけでなく、創業者・大株主としての立場まで含めて見る必要がある。
【孫正義の年収】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:孫正義の2026年の年収はいくらですか?
A1:2026年3月期のソフトバンクグループ有価証券報告書に記載された連結報酬等の総額は1億円です。基本報酬1200万円、賞与8800万円で構成されています。
Q2:孫正義の配当収入はいくらですか?
A2:有価証券報告書には、2026年3月期に孫氏本人と孫アセットマネージメント合同会社などの関連当事者に支払われたソフトバンクグループの配当金として214億8000万円が記載されています。ただし、関係会社を含む合計額であり、孫氏個人の配当所得とは異なります。
Q3:孫正義の資産額は2026年現在いくらですか?
A3:フォーブス日本長者番付2026では800億ドル、約12兆7000億円と推定され、日本1位にランクインしています。これは2026年5月22日の市場終了時点の株価と為替レートを基準にした評価額です。
Q4:孫正義は日本で最も年収が高い人物ですか?
A4:2026年のフォーブス日本長者番付で1位ですが、これは年収ではなく推定純資産のランキングです。日本で最も年収が高い人物と断定できるデータではありません。
Q5:孫正義の保有株式は何株ですか?
A5:ソフトバンクグループの2026年3月31日時点の資料では、孫氏本人の保有株式は約17億300万株で、持株比率は29.88%です。2026年1月の4対1の株式分割後の株数です。
Q6:孫正義の年収と資産額はなぜこれほど違うのですか?
A6:年収は主に役員報酬などの年間収入を指しますが、資産額は保有株式などの財産価値を含むためです。孫氏の場合、大株主としての株式評価額が資産全体に大きく影響しています。
2026年の公開資料から分かった孫正義氏の経済力を整理すると、役員報酬は1億円、基本報酬は1200万円、賞与は8800万円だった。
一方、ソフトバンクグループの大株主として約17億300万株を保有し、関連当事者への配当金支払額は214億8000万円に達している。加えて、フォーブス日本長者番付2026では推定資産額約12兆7000億円で日本1位となった。
つまり、孫氏の経済力を理解するうえで、役員報酬1億円だけを見るのは不十分だ。企業経営による報酬、株主としての配当、保有株式の評価額という3つの側面を分けて考える必要がある。
今後もAI関連投資、OpenAIとの関係、Armをはじめとする投資先の企業価値、ソフトバンクグループの株価によって、孫氏の推定資産額は変動する可能性がある。
孫正義の年収を正しく理解するための答えは「役員報酬1億円」と「株式を中心とする巨額の資産形成」を分けて捉えること。この違いこそが、2026年の孫正義氏の経済力を読み解く最大のポイントだ。