西純矢は2001年9月13日生まれ、広島県出身。身長184cm、体重99kgの右投右打で、2026年は25歳を迎えた。
阪神タイガースの公式選手プロフィールと日本野球機構(NPB)の選手データでは、現在の登録ポジションは外野手。2019年ドラフト1位で入団した当初の投手登録から変更されている。
2025年11月14日、阪神球団は西純矢との育成選手契約に合意したと公式発表した。背番号は従来の15から120へ変更。戸井零士も同時に育成契約となり、背番号121が与えられている。
育成契約は通常の支配下選手契約とは異なり、一軍公式戦に出場するには支配下登録への移行が必要になる。したがって、2026年の一軍出場なしという記録は、単純に二軍で結果を残せなかったというだけではなく、契約上の立場も関係している。
2026年シーズン終了時点で、NPBの公式個人年度別成績にも一軍公式戦の出場記録はない。現在の西純矢は、支配下復帰を目指して野手としての実績を積み上げる段階にある。
【右肘手術の経緯】投手としての復活を目指した西純矢に何が起きたのか

西純矢のキャリアが大きく変わったきっかけは、2025年2月の右肘手術だった。
2025年2月28日、右肘関節鏡視下関節鼠摘出術を受ける2025年春季キャンプでは、右肘の状態を詳しく調べる必要が生じ、2月17日に検査のため帰阪。その後、2月28日に右肘関節鏡視下関節鼠摘出術を受けた。
阪神球団は同日、手術を終えて大阪府内の病院を退院したことを公式発表している。
球団を通じて発表された本人のコメントでは、チームの力になりたいと考えていたシーズンだっただけに悔しさがあること、リハビリを続けて再びマウンドに戻りたいという思いが示されていた。
当初は投手としての復帰を目指していた。しかし、2025年シーズン中に一軍・二軍とも実戦復帰を果たせなかった。手術後のリハビリだけでなく、投球パフォーマンスを実戦レベルまで戻すことにも時間を要した。
2025年10月、球団からの打者転向の打診を受け入れる転機は2025年10月10日に訪れた。
阪神の竹内孝行球団副本部長が、西純矢に対する野手転向の打診を本人が受け入れたことを明らかにした。翌11日から二軍練習で野手としてのトレーニングを始めることも発表された。
球団側が注目したのは、投手としての能力だけではなかった。登板時に見せていた豪快なスイングや鋭い打球、高校時代から評価されていた打撃のポテンシャルが判断材料になった。
2025年10月の報道では、投手としての来季構想から外れ、打撃を生かした新たな道に進むことが伝えられていた。これは本人が突然投手を辞めたというよりも、球団の提案を受けて新しい可能性に挑戦する決断だった。
そして11月14日、育成契約への変更が正式に発表された。投手としての復活を目指していた2025年は、野手として再出発するシーズンへの準備期間となった。
【経歴と転換点】創志学園高校から2019年ドラフト1位、投手時代の実績
西純矢の野球人生を理解するうえで、創志学園高校時代と阪神入団後の実績は欠かせない。投手としての評価が高かった一方、打撃にも以前から注目すべき実績があった。
創志学園高校時代は投打で存在感を発揮西純矢は岡山県の創志学園高校でプレーし、高校通算25本塁打を記録した強打の投手だった。
特に注目されたのが、2年夏の甲子園大会だ。創成館高校との1回戦では16奪三振の完封勝利を挙げ、全国的な注目を集めた。
さらにU18日本代表にも選ばれ、国際大会では投打の両面で活躍。U18ワールドカップでは2本塁打を放ったと報じられている。
こうした経歴を見ると、2025年の野手転向はまったく新しい能力を一から身につける挑戦ではない。高校時代から持っていた打撃能力を、プロの野手として通用する水準まで引き上げる取り組みと捉えられる。
阪神入団後の主な経歴と関係者・球団との関係西純矢のキャリアに関わる主な人物・組織と転換点を整理すると、次のようになる。
特に重要なのは、投手時代の実績が決して乏しかったわけではないことだ。NPBの公式年度別成績によると、一軍通算37試合に登板し、12勝7敗、防御率3.23を記録している。
2022年には6勝3敗、防御率2.68、2023年には5勝2敗をマークした。高卒選手として着実に経験を積んでいた時期があったからこそ、投手から野手への転向は大きな決断だったといえる。
【2026年二軍成績を分析】打率.228、OPS.542の数字が示す課題
西純矢の2026年シーズンを評価するうえで、最も重要なのがファーム公式戦の打撃成績だ。
野手転向1年目という事情を考慮する必要はあるものの、数字だけを見ると、一軍を目指すにはまだ改善すべき部分が残っている。
2026年ファームの打撃成績出典:プロ野球データプラス、プロ野球データ系成績資料。2026年シーズン終了時の集計。
打率以上に気になるのは出塁率と長打力打率.228という数字だけなら、野手転向1年目の成績として一定の経験を積んだとも見られる。しかし、より詳しく分析すると、課題が浮かび上がる。
最初に、出塁率は.270。打率との差は.042にとどまり、四球による出塁が少ない。174打席で四球は6個であり、打席の中で相手投手に球数を投げさせたり、四球を選んだりする能力を高める余地がある。
続いて、長打率は.272、OPSは.542。高校時代に25本塁打を記録した強打者というイメージを考えると、パワーをプロの試合で十分に発揮できているとはいえない。
加えて、三振は52個。打席数に対する割合は約29.9%で、変化球への対応やストライクゾーンの見極めが今後の課題になる。
つまり、西純矢に求められているのは単に打率を上げることだけではない。出塁能力、長打力、コンタクト能力を同時に改善し、相手バッテリーが警戒する打者になることだ。
野手転向1年目のシーズンを本人はどう受け止めたのか2026年9月28日の報道では、ファーム公式戦の全日程終了に伴い、西純矢の野手転向1年目も終了したと伝えられた。
本人は、対戦を重ねるにつれて相手投手の攻め方が変わり、変化球への対応に難しさを感じたという趣旨のコメントを残している。
また、目指す打者像として「怖さのあるバッターになりたい」と語った。投手時代に自分が対戦して嫌だった、思い切り振ってくる打者を目標にしている点は興味深い。
投手として培った経験を打撃に生かす発想は、野手転向後の成長を考えるうえで重要だ。投手がどのような場面で打者を打ち取りたいのかを理解していることは、配球の読みや打席での準備にもつながる可能性がある。
【外野手転向の理由】なぜ阪神は西純矢の打撃に可能性を見たのか
西純矢の野手転向について、単純に右肘を手術したから打者になったと理解するのは正確ではない。
背景には、投手としての実戦復帰が実現しなかったことに加え、球団が以前から評価していた打撃能力がある。
理由1:投手としての復帰が実現しなかった2025年2月の手術後、リハビリを続けていたものの、同年の実戦復帰はかなわなかった。2024年も一軍登板は4試合にとどまっており、投手としての成績を立て直す必要があった。
球団にとっても、投手として復活する可能性だけに期待し続けるのか、別のポジションで能力を生かすのかという判断が必要になった。
野手転向は、長期的なリハビリの状況とチーム編成を踏まえた再出発だったと考えられる。
理由2:高校時代から評価されていた長打力創志学園高校時代の通算25本塁打、U18ワールドカップでの2本塁打は、打撃能力を示す実績だ。
プロ入り後も投手として打席に立ち、一軍通算49打数11安打、打率.224、1本塁打、9打点を残している。
この数字は野手としての実力を証明するにはサンプルが小さい。ただし、投球練習や守備練習を中心に過ごす投手が、限られた打席で本塁打を放っていたことは、球団が可能性を感じる材料になったとみられる。
理由3:外野手として強肩と身体能力を生かせる可能性2026年11月2日には、秋季安芸キャンプでブルペン入りしたことがスポニチアネックスによって報じられた。
投手時代の経験を生かし、外野手としての肩を強化する狙いがあるとみられている。これは投手復帰を意味するものではなく、現在の登録ポジションは引き続き外野手だ。
外野手にとって肩の強さは大きな武器になる。走者の進塁を抑える送球や、本塁・三塁への返球など、投手経験で培った腕の使い方が生きる場面もある。
ただし、外野守備は肩の強さだけで成立するものではない。打球判断、落下地点への移動、捕球姿勢、送球の正確性など、専門的な守備技術も求められる。打撃と守備の両面で成長できるかが今後の焦点だ。
【復活の可能性と今後の展望】支配下復帰、一軍出場への条件は?
西純矢の2027年以降を考えるうえで、重要なのは投手時代の実績にとらわれすぎず、野手としてどこまで成長できるかを評価することだ。
課題1:打率の安定と長打力の両立2026年の打率.228、OPS.542は、支配下復帰を目指すうえで十分なアピール材料とは言いにくい。
ただし、野手転向1年目であることも考慮したい。投手から野手へ転向すると、打撃フォームの確立だけでなく、毎試合の打席に向けた準備、相手投手の分析、変化球への対応など、投手時代とは異なる能力が必要になる。
今後は打率だけでなく、長打率と出塁率の改善も見たい。特に本塁打が生まれるかどうかは、強打者としての将来性を判断する材料になる。
課題2:外野守備を実戦レベルに引き上げる高校時代や投手時代の身体能力が高くても、プロの外野手としてすぐに通用するとは限らない。
守備範囲、打球への反応、フェンス際の処理、正確な送球など、実戦で評価される項目は多い。肩の強さを生かしながら、外野手として安定したプレーを続けられるかが問われる。
2026年11月のブルペン入りは、こうした外野守備の強化という観点からも注目できる動きだ。
課題3:育成契約から支配下登録へのステップ最終的に一軍公式戦へ出場するには、育成契約から支配下選手契約への移行が必要になる。
そのためには、ファームで継続的に出場機会を得て、打撃と守備の両方で球団にアピールすることが重要だ。
2025年11月の契約更改時には、まず二軍でスタメン出場できるようになりたいという目標を掲げていた。2026年には61試合に出場しており、実戦経験を積むという意味では一歩前進した。
ただ、次の段階では出場試合数だけでなく、レギュラーとして起用されるだけの安定した成績が必要になる。打撃成績の改善と守備の完成度を同時に高められるかが、支配下復帰への判断材料となるだろう。
【プロの結論】西純矢の復活を判断する3つのポイント今後の動向を追うファンが注目したいのは、次の3点だ。
- 打撃成績の改善:打率だけでなく、出塁率、長打率、OPS、本塁打数が上向くか。
- 外野手としての完成度:守備範囲や送球の正確性を含め、試合で安心して起用できる選手になるか。
- 支配下登録への進展:二軍で継続して結果を残し、球団から支配下復帰の機会を得られるか。
西純矢の強みは、投手として一軍で12勝を挙げた経験と、高校時代から評価されてきた打撃のポテンシャルを持っていることだ。一方、野手としてはまだ実績が十分とはいえず、育成契約からの再出発という厳しい立場にいる。
2027年以降に注目すべきなのは、単発の好成績や練習中の柵越えだけではない。試合を通じて打撃の確実性と長打力を示し、守備でも信頼を得られるかどうかだ。
投手時代の12勝という実績は消えない。しかし、これからの西純矢を評価する基準は、外野手としてどれだけ成長できるかに移っている。
【西純矢の現在に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:西純矢は2026年現在、阪神を退団したのですか?
いいえ。2025年11月14日に阪神との育成選手契約が発表されており、2026年は背番号120の外野手としてプレーしています。
Q2:西純矢はなぜ投手から外野手に転向したのですか?
2025年2月に右肘の手術を受けた後、シーズン中に実戦復帰できなかったことが大きな背景です。球団が高校時代からの打撃能力やプロでの打撃センスを評価し、野手転向を打診。本人が受け入れました。
Q3:西純矢の2026年二軍成績は?
ファーム公式戦61試合に出場し、打率.228、37安打、0本塁打、10打点、OPS.542でした。
Q4:西純矢は2026年に一軍の試合に出場しましたか?
いいえ。NPBの公式年度別成績では、2026年の阪神一軍公式戦出場はありません。育成選手であるため、まず支配下登録への移行が必要です。
Q5:西純矢の投手時代の通算成績は?
NPB公式記録では、一軍通算37試合に登板し、12勝7敗、防御率3.23、164回1/3を投げて107奪三振を記録しています。
Q6:西純矢は投手に復帰する可能性がありますか?
2026年11月2日の秋季キャンプではブルペン入りが報じられています。ただし、外野手としての肩の強化が狙いとみられており、投手復帰が決まったという発表はありません。現在の登録ポジションは外野手です。
西純矢は2019年ドラフト1位で阪神に入団し、2022年には6勝、2023年には5勝を挙げた実績を持つ投手だった。しかし、2025年2月の右肘手術と実戦復帰の遅れを経て、同年10月に野手転向を決断。11月には育成契約となり、背番号120で新たなスタートを切った。
2026年は外野手として61試合に出場したものの、打率.228、10打点、OPS.542、0本塁打という結果に終わり、一軍公式戦への出場もなかった。
それでも、野手転向1年目に実戦経験を積み、秋季キャンプでは打撃練習やブルペンでの肩の強化に取り組んでいる。高校時代からの長打力と投手として培った身体能力を、プロの外野手としてどこまで生かせるかが今後の焦点だ。
西純矢の再起を判断するうえで重要なのは、過去のドラフト1位という肩書ではなく、これからのファームでの成績と守備力、そして支配下登録につながる継続的な成長である。
投手として積み上げた12勝を胸に、今度は打者として一軍の舞台を目指す。背番号120から再び甲子園の一軍公式戦へ。その挑戦が実を結ぶか、2027年シーズンに向けた動きから目が離せない。
主な参照資料:阪神タイガース公式サイト、NPB公式個人年度別成績、日刊スポーツ、スポニチアネックス、プロ野球データプラス。