深緑野分(ふかみどり・のわき)は、歴史ミステリー、戦争小説、幻想ファンタジー、ホラーなど、幅広いジャンルを手がける日本の小説家です。2010年に短編「オーブランの少女」が第7回ミステリーズ!新人賞で佳作に入選し、2013年に同作を収録した短編集でデビュー。『戦場のコックたち』『ベルリンは晴れているか』『スタッフロール』など、文学賞の候補に選ばれた作品を次々と発表してきました。
2026年現在は、代表作の文庫化に加え、『この本を盗む者は』の劇場アニメ化によっても注目されています。特に2025年12月26日の映画公開、2026年10月28日のBlu-ray発売は、作品世界が書籍の枠を越えて広がった近年の大きな動きです。読み方やプロフィール、作家としての経歴、直木賞との関係、代表作のあらすじから初めて読むおすすめ本まで整理します。
【まず知りたい】深緑野分の読み方・プロフィール・現在

基本プロフィール
深緑野分(ふかみどり・のわき)
- 職業:小説家・推理作家
- 生年:1983年
- 出身地:神奈川県
- 作家活動開始:2010年
- 単行本デビュー:2013年
- デビュー作:『オーブランの少女』
- 主なジャンル:ミステリー、歴史小説、ファンタジー、ホラー
プロフィール:東京創元社・集英社の著者紹介など。
初めて名前を見た人が迷いやすいのが、最後の「野分」という漢字です。
正しい読み方は、ふかみどり・のわきです。
「野分」は古語にも登場する言葉で、秋に吹く強い風を意味します。一般的な人名の読み方とは異なるため、「ふかみどりのぶん」「しんりょくのわけ」などと誤読されることもあります。
本人のnoteでも「ふかみどりのわき」と読み方を明記しています。
深緑野分の経歴と作家になるまで深緑野分は神奈川県出身。東京創元社の著者プロフィールでは、1983年生まれと紹介されています。
作家になるまでの歩みで特徴的なのは、2010年の新人賞入選から、実際に短編集が刊行される2013年までに時間がかかっていることです。
2016年の「WEB本の雑誌」のインタビューでは、本人がデビュー決定後の時期を振り返り、単行本が出るまでに時間がかかったことを語っています。
また、海外文学やミステリーへの幅広い関心も作品の背景にあります。シャーリイ・ジャクスン、カトリーヌ・アルレー、キャロル・オコンネルなどの作家を読んできたことが、インタビューで紹介されています。
こうした読書経験は、密室的な空間、心理的な恐怖、予想を裏切る構成など、初期作品の特徴にもつながっています。
2026年現在は何をしている?2026年11月現在も、深緑野分は小説家として活動しています。
本人のnoteでは、小説だけでなくエッセイ、書評、コメントなどの仕事についても紹介。映画や自身の作品に関連する発信も続いています。
近年の動きを見ると、単著の新刊を次々に刊行するだけではなく、既刊作品の文庫化、アンソロジーへの参加、映像化など、作品の届け方が広がっていることが分かります。
特に『この本を盗む者は』の劇場アニメ化は、2026年の活動を語るうえで見逃せないトピックです。
【2010年から2026年まで】深緑野分の経歴と文学賞歴を年表で整理
深緑野分の作家人生を理解するうえで重要なのは、2010年の新人賞佳作入選、2015年の初長編刊行、そして2018年以降の歴史ミステリーやエンターテインメント作品による評価です。
主な転換点を時系列で整理します。
深緑野分の年代別キャリア・作品年表2010年、短編「オーブランの少女」が第7回ミステリーズ!新人賞で佳作に入選しました。
この賞は東京創元社が主催するミステリー分野の新人賞です。
当時の受賞者一覧を見ると、同じ回では美輪和音の「強欲な羊」が受賞作となり、深緑野分の「オーブランの少女」は明神しじまの作品とともに佳作として掲載されています。
ここで押さえたいのは、深緑野分が同賞の大賞受賞者としてデビューしたわけではないという点です。正確には佳作入選を経て、2013年に短編集を刊行した作家です。
初長編『戦場のコックたち』で直木賞候補へ2015年8月28日に刊行された『戦場のコックたち』は、深緑野分にとって初めての長編小説です。
作品の評価は高く、第154回直木賞候補に選ばれたほか、2016年本屋大賞でも上位に入りました。
新人賞の佳作入選から数年で、文学賞の候補作を生み出す作家へと成長したことが分かります。
『ベルリンは晴れているか』で評価をさらに確立2018年刊行の『ベルリンは晴れているか』は、第160回直木賞候補となった作品です。
2019年本屋大賞では第3位、第9回Twitter文学賞の国内編では第1位を獲得。『このミステリーがすごい!2019年版』でも国内編第2位に選ばれています。
この作品によって、深緑野分の名前はミステリー読者だけでなく、歴史小説や一般文芸を読む層にも広く知られるようになりました。
【代表作を徹底紹介】深緑野分の作品一覧とあらすじ・読みどころ
深緑野分の代表作を理解するには、作品を発表順に追うだけでなく、それぞれのジャンルとテーマを比較することが大切です。
戦争、歴史、青春、幻想、映画制作と、作品ごとに舞台や題材は大きく異なります。
1. 『オーブランの少女』:作家としての原点
刊行:2013年
出版社:東京創元社
ジャンル:短編ミステリー・幻想ミステリー
2010年の新人賞佳作入選作を表題作とする全5編の短編集。
表題作の舞台は、色鮮やかな花々が咲く美しい庭園オーブランです。
庭園の女管理人が殺害され、その妹も後に命を絶つという事件が発生。事件の後、管理人の妹が残した日記を手にした作家が、庭園に隠された過去を読み解いていきます。
物語の中心にあるのは、美しい場所の裏側に隠された恐ろしい秘密です。
閉ざされた空間、少女たちの過去、日記によって少しずつ明らかになる真相など、後の作品にも通じる深緑野分らしい構成を楽しめます。
おすすめの読者: 短編ミステリーや、少し不穏で幻想的な物語が好きな人。
2. 『戦場のコックたち』:直木賞候補となった初長編
刊行:2015年
出版社:東京創元社
ジャンル:戦争小説・青春ミステリー
第154回直木賞候補、第18回大藪春彦賞候補。
物語の舞台は第二次世界大戦中のヨーロッパです。
1944年、19歳のティムはアメリカ軍のコック兵として戦場に赴きます。彼と仲間たちは、戦闘だけでなく食事の準備という重要な役割を担いながら、戦地で次々と不思議な出来事に遭遇します。
一見すると小さな謎ですが、その背後には戦争という極限状態ならではの事情が隠されています。
この作品の魅力は、戦闘そのものを描くだけでなく、食事や仲間との会話、日常的な違和感を通して戦争を描いている点です。
銃とフライパンという対照的な道具が象徴するように、戦争の中にも人間の暮らしが存在することを伝えます。
おすすめの読者: 戦争文学、歴史ミステリー、仲間との人間ドラマが好きな人。
3. 『分かれ道ノストラダムス』:1999年の終末思想と青春
刊行:2016年
出版社:双葉社
ジャンル:青春ミステリー
2019年には双葉文庫から文庫版が刊行。
舞台は、ノストラダムスの予言による世界の終わりが信じられていた1999年。
高校生のあさぎは、かつて好きだった少年の三回忌で彼の日記を受け取ります。その日記をきっかけに、少年が死なずに済んだ可能性を探り始めます。
ところが、調査を進めるうちに、宗教団体をめぐる不穏な動きや陰謀に巻き込まれていきます。
単なる青春小説ではなく、終末思想が人々の心理や行動に与える影響も描いた作品です。
おすすめの読者: 1990年代の空気感、青春群像劇、社会的な背景を持つミステリーが好きな人。
4. 『ベルリンは晴れているか』:歴史とミステリーが融合した代表作
刊行:2018年
出版社:筑摩書房
ジャンル:歴史ミステリー
第160回直木賞候補、2019年本屋大賞第3位。
深緑野分の代表作を一冊挙げるなら、この作品を外すことはできません。
物語は1945年7月、第二次世界大戦でドイツが敗戦した直後のベルリンから始まります。
主人公はドイツ人少女アウグステ。彼女の恩人にあたる男性が、米国製の歯磨き粉に含まれた毒によって不審な死を遂げます。
米軍の兵員食堂で働くアウグステ自身にも疑いの目が向けられる中、彼女は陽気な泥棒とともに、恩人の甥へ訃報を届ける旅に出ます。
この作品の読みどころは、戦争が終わったからといって、人々の苦しみや対立が消えるわけではないという現実を描いているところです。
敗戦国の市民、占領する側の兵士、過去を背負った人々。それぞれの立場が交錯する中で、事件の真相が少しずつ明らかになります。
歴史的な背景と本格的な謎解きの両方を楽しめる作品です。
おすすめの読者: 第二次世界大戦後のヨーロッパ、歴史ミステリー、重厚な長編小説が好きな人。
5. 『この本を盗む者は』:本の世界を旅するファンタジー
刊行:2020年
出版社:KADOKAWA
ジャンル:ファンタジー・冒険ミステリー
2021年本屋大賞ノミネート、キノベス!2021第3位。
主人公は、本の街・読長町に暮らす高校生の御倉深冬です。
曾祖父が収集した膨大な蔵書を保管する巨大な書庫「御倉館」を管理する一家に生まれながら、深冬自身は本が好きではありません。
そんなある日、御倉館から本が盗まれたことで、街全体が物語の世界へと変貌します。
原因は、本にかけられた呪い「ブックカース」。深冬は不思議な少女・真白とともに、本泥棒を捕まえる冒険へ出発します。
物語の世界を旅するという仕掛けを通じて、読書の楽しさや本が持つ想像力を描いている点が特徴です。
おすすめの読者: ファンタジー、冒険小説、読書をテーマにした物語が好きな人。
6. 『カミサマはそういない』:ホラーとSFの短編集
刊行:2021年
出版社:集英社
ジャンル:短編ミステリー・ホラー・SF
2024年に集英社文庫から刊行。
全7編を収録した短編集です。
無人の遊園地で目を覚ました人物が不気味な出来事に遭遇する「潮風吹いて、ゴンドラ揺れる」や、戦争中の見張り塔を舞台にした「見張り塔」など、現実から少しずれた世界を描いています。
恐怖を単純な怪異として描くのではなく、人間の選択や絶望、かすかな希望と結びつけている点が印象的です。
長編とは異なる作風を知りたい読者にも適しています。
7. 『スタッフロール』:映画制作の裏側を描いた直木賞候補作
刊行:2022年
出版社:文藝春秋
ジャンル:エンターテインメント長編
第167回直木賞候補。2025年3月に文庫化。
『スタッフロール』は、映画制作を支える人々の情熱と葛藤を描いた作品です。
物語には、1980年代のハリウッドで働く特殊造形師マチルダと、現代のロンドンで活動するCGクリエイターのヴィヴという、時代の異なる2人の女性が登場します。
マチルダは男性優位の映画業界で、自分の技術を認めてもらうために奮闘します。一方、ヴィヴも自分の才能や仕事への自信を失い、葛藤を抱えています。
2人を結びつけるのは、映画の特殊効果という共通の世界です。
特に注目したいのは、アナログの特殊造形とデジタルのCGを対立する技術としてだけでなく、互いに影響し合いながら映画表現を発展させる存在として描いている点です。
文藝春秋のインタビューでは、深緑野分自身が映画の特殊効果や、作品の表舞台に名前が残らない裏方の仕事への関心を語っています。
おすすめの読者: 映画、映像技術、クリエイターの仕事、仕事に対する情熱を描いた物語が好きな人。
8. 『空想の海』:多彩な発想を楽しめる短編集
刊行:2023年
出版社:KADOKAWA
ジャンル:幻想小説・SF・ミステリー
2025年11月25日に角川文庫版が刊行。
『空想の海』は、デビュー10周年記念作品集として刊行された全11編の短編集です。
ミステリー、児童文学、幻想ホラー、掌編小説など、さまざまなジャンルの作品が収められています。
異なる言葉を話す4人の子どもたちが暮らす家を描く「緑の子どもたち」や、不思議な現象をめぐる学者たちの物語「空へ昇る」など、発想の幅広さを楽しめます。
『この本を盗む者は』に関連する書き下ろし短編も収録されているため、同作を読んだ人にもおすすめです。
【直木賞候補は3回】深緑野分の評判と作品が評価される理由
深緑野分について調べる人が特に気にするのが、直木賞との関係です。
結論からいうと、深緑野分は直木賞を受賞した作家ではなく、これまでに3作品が候補に選ばれた作家です。
ただし、直木賞だけが評価の基準ではありません。本屋大賞やミステリー関連のランキングでも実績を残しています。
深緑野分の直木賞候補作品| 作品 | 直木賞 | その他の主な評価 |
|---|---|---|
| 『戦場のコックたち』 | 第154回 | 2016年本屋大賞第7位 |
| 『ベルリンは晴れているか』 | 第160回 | 2019年本屋大賞第3位、Twitter文学賞国内編第1位 |
| 『スタッフロール』 | 第167回 | 2022年上半期の候補作 |
この3作品は、それぞれ違うジャンルを扱っています。
- 『戦場のコックたち』:第二次世界大戦を背景にした青春ミステリー
- 『ベルリンは晴れているか』:敗戦直後のベルリンを舞台にした歴史ミステリー
- 『スタッフロール』:映画制作の現場を描く創作と仕事の物語
同じ作家が異なる題材で直木賞候補に選ばれていることは、作品世界の幅広さを示す実績です。
読者や文学界からの評判は?深緑野分の評価を考える際、注目したいのは次の3点です。
1. 歴史的背景とミステリーを両立させる構成力
『ベルリンは晴れているか』では、第二次世界大戦直後の政治的・社会的な混乱を物語の土台にしています。
歴史的な状況を単なる背景として置くのではなく、登場人物の行動や事件の謎に結びつけていることが特徴です。
2. 目立たない人々に焦点を当てる視点
『戦場のコックたち』では兵士の中でもコックという役割に、『スタッフロール』では映画の特殊効果を担当する裏方に焦点を当てています。
歴史や映画の主役として語られにくい人々を、物語の中心に置く発想が共通しています。
3. ジャンルを限定しない物語づくり
歴史ミステリーからファンタジー、ホラー、SFまで、扱うジャンルが広いことも特徴です。
そのため、作品によって読後感がかなり違います。重厚な歴史小説を期待して『この本を盗む者は』を読む場合と、幻想的な物語を期待して『ベルリンは晴れているか』を読む場合では、印象が変わるでしょう。
朝日新聞の『スタッフロール』インタビューでも、特殊造形とCGという異なる技術を、それぞれ芸術や技術を支える存在として描いた意図が紹介されています。
【誤解に注意】直木賞受賞者ではなく候補作家ネット検索では「深緑野分 直木賞」というキーワードがよく見られます。
しかし、候補入りと受賞は別の実績です。
2016年の『戦場のコックたち』、2019年の『ベルリンは晴れているか』、2022年の『スタッフロール』は、いずれも候補に選ばれましたが、受賞作にはなっていません。
一方、2019年のTwitter文学賞国内編第1位など、別の文学賞では実際に順位を獲得しています。
こうした賞歴を区別して見ることが、深緑野分の実績を正しく理解するポイントです。
【初めて読むならどれ?】深緑野分のおすすめ本と選び方
代表作が多い深緑野分ですが、初めて読む人は何から手に取ればよいのでしょうか。
作品ごとにジャンルや読み味が異なるため、自分が好きなテーマに合わせて選ぶのがおすすめです。
最初の一冊におすすめ:『戦場のコックたち』
戦争、料理、仲間との友情、日常の謎が一つになった作品。深緑野分の物語づくりの魅力を幅広く体験できます。
歴史ミステリーが好き:『ベルリンは晴れているか』
第二次世界大戦直後のヨーロッパを舞台にした重厚な長編。歴史的背景と謎解きをじっくり楽しみたい人向けです。
ファンタジーが好き:『この本を盗む者は』
本の世界を冒険する設定が魅力。読書好きにも、普段あまり小説を読まない人にも入りやすい作品です。
短編から試したい:『オーブランの少女』
5編の物語を収録。短い時間で作家の構成力や幻想的な雰囲気を味わえます。
仕事や創作の物語が好き:『スタッフロール』
映画制作の裏側やクリエイターの葛藤を描いた作品。仕事に対する情熱や才能について考えたい人に向いています。
| 読者の好み | おすすめ作品 | 選ぶ理由 |
|---|---|---|
| 本格的な歴史ミステリー | ベルリンは晴れているか | 歴史と謎解きの両立 |
| 戦争と人間ドラマ | 戦場のコックたち | 戦場の日常と仲間の絆 |
| 幻想的な冒険 | この本を盗む者は | 本の世界を旅する展開 |
| 短編・ホラー | オーブランの少女 | 不穏な雰囲気と意外な真相 |
| 仕事・映画・創作 | スタッフロール | 映画制作の裏側と葛藤 |
個人的な選び方としては、最初から長編を読むことに抵抗がある人には『オーブランの少女』、深緑野分の代表的な作風を一冊で知りたい人には『戦場のコックたち』をおすすめします。
なお、どの作品も同じ雰囲気ではありません。歴史小説のような重厚さを期待する人がファンタジー作品を選ぶと、印象が違う可能性があります。購入前に出版社のあらすじを確認すると安心です。
【2026年最新】『この本を盗む者は』の映画化と深緑野分の今後
2026年の深緑野分を語るうえで大きな話題となっているのが、『この本を盗む者は』の劇場アニメーション化です。
『この本を盗む者は』は2025年12月26日に劇場公開原作は、2021年本屋大賞にノミネートされた同名小説です。
劇場アニメーションでは、福岡大生が監督を務め、中西やすひろが脚本を担当。アニメーション制作は、かごかん(株式会社かごめかんぱにー)が手がけています。
主なキャストは次のとおりです。
| 登場人物 | 担当声優 |
|---|---|
| 御倉深冬 | 片岡凜 |
| 真白 | 田牧そら |
| 御倉ひるね | 東山奈央 |
| 御倉あゆむ | 諏訪部順一 |
| 与謝野蛍子 | 伊藤静 |
| 御倉たまき | 朴璐美 |
劇場公開日は2025年12月26日。原作の本の世界を巡る冒険が、映像表現によって新たな形で描かれました。
2026年10月28日にはBlu-rayが発売映画の展開は劇場公開だけにとどまりません。
KADOKAWAの公式商品情報によると、Blu-rayは2026年10月28日発売です。
本編は約85分で、映像特典や特製ブックレットなども収録されています。
原作小説を読んでから映像版を楽しむ方法もあれば、映画をきっかけに原作を手に取る方法もあります。
物語の世界観を別の表現で楽しめるため、原作ファンにとっても興味深い展開です。
近年の刊行状況と今後の注目点2025年には、次のような刊行も確認できます。
- 『スタッフロール』:2025年3月5日に文春文庫版が刊行。
- 『空想の海』:2025年11月25日に角川文庫版が刊行。
- 『旅する小説』:2025年9月刊行のアンソロジーに参加。
- 『すばらしき新式食 SFごはんアンソロジー』:2025年4月刊行のアンソロジーに参加。
こうした動きから見えてくるのは、深緑野分の作品が特定のジャンルや読者層に限定されていないことです。
戦争を描いた作品が歴史ミステリーとして読まれ、映画制作を扱った作品が仕事小説として読まれ、ファンタジー作品が映像作品として展開される。
題材を変えながらも、人間の情熱や葛藤、社会の中で目立たない存在に光を当てる姿勢は一貫しています。
今後も新作の刊行だけでなく、既刊作品の映像化や再評価、アンソロジーへの参加などに注目したい作家です。
【深緑野分に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:深緑野分は何と読みますか?
A1:ふかみどり・のわきと読みます。本人のnoteでも読み方が紹介されています。
Q2:深緑野分は直木賞を受賞していますか?
A2:直木賞の受賞歴はありません。『戦場のコックたち』『ベルリンは晴れているか』『スタッフロール』の3作品が、それぞれ第154回、第160回、第167回の候補に選ばれています。
Q3:深緑野分を初めて読むなら、どの本がおすすめですか?
A3:作家の代表的な作風を知りたいなら『戦場のコックたち』がおすすめです。歴史ミステリーが好きなら『ベルリンは晴れているか』、ファンタジーが好きなら『この本を盗む者は』から読むとよいでしょう。
深緑野分は、2010年の第7回ミステリーズ!新人賞佳作入選を出発点に、2013年の『オーブランの少女』で単行本デビューした小説家です。
その後、『戦場のコックたち』『ベルリンは晴れているか』『スタッフロール』が直木賞候補となり、2019年のTwitter文学賞国内編第1位など、複数の文学賞やランキングでも評価されてきました。
代表作を振り返ると、戦争、歴史、青春、ファンタジー、映画制作と、題材の幅広さが際立ちます。
特に注目したいのは、物語の中心から少し離れた場所にいる人々の仕事や人生、葛藤を丁寧に描いていることです。兵士の中のコック、映画制作の裏方、戦後の街を生きる少女など、作品ごとに異なる人物を通して、人間の生き方を描いています。
2026年には『この本を盗む者は』の劇場アニメBlu-rayも発売され、作品の楽しみ方はさらに広がりました。
【プロの結論】
初めて深緑野分を読むなら、作家の個性を幅広く感じられる『戦場のコックたち』を第一候補にするのがおすすめです。一方、歴史ミステリーなら『ベルリンは晴れているか』、映像や創作の世界に関心があるなら『スタッフロール』が適しています。
直木賞の受賞歴だけで作家を評価するのではなく、作品ごとのテーマや文学賞での実績、ジャンルの広がりまで見ることが、深緑野分の魅力を理解する近道です。