2026年の全米オープンで、大坂なおみは第13シードとして出場し、アナスタシア・ザハロワ、カテリナ・シニアコバ、エリーズ・メルテンスを破って4回戦(ベスト16)に進出した。しかし、9月7日のエレナ・リバキナ戦では1-6、4-6で敗れ、準々決勝進出を逃している。
今大会で注目されたのは、強豪相手に見せた勝負強さだけではない。メルテンス戦では長引くアキレス腱の痛みを抱えながら約2時間38分の激戦を制し、リバキナ戦では相手の圧倒的な攻撃力に苦しんだ。2018年、2020年の全米オープン優勝から6年を経た2026年、大坂はどこまで復活を遂げたのか。大会全4試合のスコア、敗因、負傷の影響、最新ランキングと今後の動向を整理する。
【大会結果】大坂なおみは全米オープン2026で4回戦進出、リバキナに敗れる

2026年の全米オープン女子シングルスで、大坂なおみは第13シードとして本戦に臨んだ。初戦から3試合を勝ち抜き、4回戦では第2シードのエレナ・リバキナと対戦した。
最終的な成績は3勝1敗、ベスト16。2025年大会の準決勝進出には届かなかったものの、グランドスラムで再び安定して勝ち上がる力を示した大会だった。
大会を通じた勝ち上がりのポイント初戦のアナスタシア・ザハロワ戦では、2セットともタイブレークにもつれる展開を経験した。続くシニアコバ戦でも第2セットを落とし、3セット目で勝負を決めている。
そして3回戦のメルテンス戦は、今大会最大の試練となった。脚の痛みがプレーに影響するなか、最終セットを7-5で取り切ったことは、精神面と試合運びの成長を示す結果だった。
一方、4回戦のリバキナ戦では序盤から主導権を握られた。大坂が本来得意とする攻撃的なストロークを十分に発揮できず、ストレート負けを喫している。
【全試合スコア】ザハロワ、シニアコバ、メルテンス、リバキナとの対戦結果
大坂なおみの2026年全米オープンにおける全試合結果は次のとおりだ。スコアは大坂側から表記している。
| ラウンド・日付 | 対戦相手 | 試合スコア | 結果 |
|---|---|---|---|
| 1回戦・9月1日 | アナスタシア・ザハロワ | 7-6(6)、7-6(3) | 勝利 |
| 2回戦・9月3日 | カテリナ・シニアコバ | 6-2、5-7、6-1 | 勝利 |
| 3回戦・9月5日 | エリーズ・メルテンス | 6-3、3-6、7-5 | 勝利 |
| 4回戦・9月7日 | エレナ・リバキナ | 1-6、4-6 | 敗退 |
9月1日の初戦で対戦したのは、ロシアのアナスタシア・ザハロワだった。
大坂は第1セット、第2セットともにタイブレークにもつれる接戦を強いられたが、要点で集中力を発揮。7-6(6)、7-6(3)でストレート勝ちを収めた。
スコアだけを見れば2セット連取だが、決して簡単な試合ではない。大会序盤から接戦を経験したことは、その後の長時間の試合に向けた実戦的なテストにもなった。
2回戦:カテリナ・シニアコバに6-2、5-7、6-1で勝利9月3日の2回戦では、チェコのカテリナ・シニアコバと対戦した。
第1セットは6-2で大坂が先取。しかし、第2セットは5-7で落とし、勝負は最終セットに持ち込まれた。
ここで大坂は立て直しに成功。第3セットを6-1で奪い、3回戦進出を決めた。
この試合で評価したいのは、セットを失った後にプレーを修正できた点だ。序盤の勢いだけに頼らず、最終セットで再び攻撃のリズムを取り戻したことは、勝ち上がりを支える重要な要素だった。
3回戦:エリーズ・メルテンスに6-3、3-6、7-5で勝利9月5日のメルテンス戦は、今大会の大きな山場だった。
大坂は第1セットを6-3で先取したものの、第2セットは3-6で落とした。第3セットも簡単には決着せず、試合時間は2時間38分に及んだ。
加えて、大坂はこの試合でアキレス腱の痛みを抱えていた。第3セットの途中にはトレーナーを呼んで治療を受けている。
それでも大坂は試合を投げなかった。終盤に流れを引き寄せ、最終セットを7-5で獲得。4回戦進出を決めた。
WTA公式サイトの試合レポートによれば、大坂は3度のマッチポイントを逃した後、4度目のチャンスで勝利を確定させた。ウィナー39本に対してアンフォーストエラー41本という数字からも、攻守の安定感を欠きながら粘り抜いた試合だったことが分かる。
4回戦:エレナ・リバキナに1-6、4-6で敗退9月7日の4回戦では、カザフスタンのエレナ・リバキナと対戦した。
リバキナは当時の第2シード。強烈なサーブと深いストロークを武器にする選手であり、大坂にとっても簡単な相手ではなかった。
第1セットはわずか22分で終了し、大坂は1-6で落とした。第2セットでは多少持ち直したものの、リバキナのサーブと攻撃を崩せず4-6で敗れた。
これにより、大坂の2026年全米オープンは4回戦で終了した。
【敗因分析】リバキナ戦の1-6、4-6はなぜ生まれたのか
今回の敗戦を単純に脚の痛みだけで説明することはできない。試合内容を振り返ると、リバキナの高い攻撃精度と、大坂が得意なラリーの主導権を握れなかったことが大きい。
第1セットからリバキナのサーブに苦戦全米オープン公式の試合レポートによれば、リバキナは試合全体で29本のウィナーを記録。ファーストサーブからのポイント獲得も31ポイント中27ポイントに達した。
大坂も試合序盤に時速122マイル(約196キロ)のサービスエースを記録したが、その後のサービスゲームではダブルフォルトが重なった。
特に第2サービスの場面ではリバキナに攻め込まれ、ベースライン後方で守備に回る時間が長くなった。大坂が先に攻撃を仕掛けるという本来の展開を作れなかったことが、第1セットの大差につながった。
相手の攻撃を受け続ける展開になった大坂の強みは、相手のボールを早いタイミングで捉え、強烈なフォアハンドとバックハンドで主導権を奪うことだ。
しかし、リバキナは深いショットで左右に大坂を動かし、短くなったボールを前に出て仕留める展開を繰り返した。
大坂がブレークポイントを得た場面でも、リバキナはサービスエースでピンチを切り抜けている。相手のサーブを崩せなければ、大坂が自分のサービスゲームにかける負担も大きくなる。
数字から見える両者の差試合統計では、大坂のサービスエースは2本、リバキナは7本。ダブルフォルトは大坂が5本、リバキナが1本だった。
ブレークポイントの成功率も大坂が0%(0/1)、リバキナが37.5%(3/8)。大坂は相手のサービスゲームを攻略できず、自分のサービスゲームではプレッシャーを受け続けた。
つまり、今回の敗因は単なるショットの調子の問題ではない。相手のサービスをどれだけ早く読み、リターンから攻撃へ移行できるかという、試合全体の構造で後手に回ったことにある。
【脚の痛みと負傷】アキレス腱の不調は大坂なおみのプレーにどう影響した?
2026年の全米オープンで見逃せないのが、大坂なおみの脚のコンディションだ。
大会公式サイトは9月6日付の記事で、大坂が長引くアキレス腱の痛みを抱えていたことを報じた。本人も芝シーズン以来、違和感が続いていると説明している。
メルテンス戦でトレーナーを呼ぶ場面も特に症状が目立ったのが3回戦のメルテンス戦だった。
第3セットでトレーナーによる処置を受けた大坂は、コンディションが万全とはいえない状態で試合を続行した。それでも終盤の勝負どころでは攻撃的なプレーを取り戻し、勝利を手にしている。
全米オープン公式サイトのインタビュー記事では、本人が次のように説明している。
“I wouldn’t say it’s a big injury, but it’s been something that I’ve been dealing with since grass season.”
日本語にすると、「大きなけがとは言わないけれど、芝のシーズンからずっと付き合っている問題」という趣旨だ。
この発言から読み取れるのは、一度の試合で突然発生した痛みというより、一定期間続いていた身体的な問題だったということだ。
6月のバートホンブルク大会での負傷との関係2026年6月のバートホンブルク大会では、カロリナ・ムホバとの決勝で大坂が途中棄権している。WTAの大会記録では、スコアは1-6、0-1で終了した。
当時は右足の負傷による棄権と報じられており、全米オープンで問題となったアキレス腱の不調と、すべてを同一の負傷として扱うことはできない。
ただし、芝シーズンから全米オープンまで身体的な問題が続いていたことは、長期的なコンディション管理を考えるうえで重要な材料だ。
リバキナ戦の敗北は負傷だけが原因ではない脚の痛みがフットワークや踏み込みに影響した可能性はある。しかし、リバキナ戦では相手のサーブ、ショット精度、攻撃の組み立てそのものが非常に優れていた。
負傷だけを敗因とするのではなく、身体的なコンディションと技術的な相性の両方を考える必要がある。
大坂にとって今後の課題は、試合中の瞬間的なパフォーマンスだけでなく、連戦や長時間の試合を通じて高い出力を維持できる身体づくりとコンディション調整にある。
【優勝歴とその後】2018年・2020年の全米オープン制覇から2026年まで
大坂なおみを全米オープンの歴史と結びつける最大の理由は、2018年と2020年に女子シングルスを制した実績だ。
WTA公式記録によれば、大坂はグランドスラム通算4度の優勝経験を持ち、そのうち2回が全米オープン。残る2回は2019年と2021年の全豪オープンだ。
2018年:セリーナ・ウィリアムズを破って初優勝2018年9月、大坂は決勝でセリーナ・ウィリアムズと対戦。6-2、6-4で勝利し、自身初のグランドスラムタイトルを獲得した。
日本女子選手として初めて四大大会のシングルスを制した歴史的な優勝でもある。20歳で世界的なトップ選手を破ったことで、大坂の名前は一気に世界中に広まった。
2020年:ビクトリア・アザレンカを破って2度目の優勝2020年大会では、決勝でビクトリア・アザレンカと対戦した。
第1セットを1-6で落とす苦しいスタートだったが、第2セットを6-3、第3セットを6-3で取り返し、逆転優勝を果たしている。
この優勝は、劣勢から試合を立て直す精神的な強さを示したものでもあった。
歴代優勝後の全米オープン成績2度の優勝以降、大坂の全米オープンでの成績は毎年同じではない。WTA公式の大会記録を整理すると、次のようになる。
| 年 | 成績 | 主な対戦・結果 |
|---|---|---|
| 2018年 | 優勝 | セリーナ・ウィリアムズに勝利 |
| 2019年 | 4回戦 | ベリンダ・ベンチッチに敗退 |
| 2020年 | 優勝 | ビクトリア・アザレンカに逆転勝利 |
| 2021年 | 3回戦 | レイラ・フェルナンデスに敗退 |
| 2022年 | 1回戦 | ダニエル・コリンズに敗退 |
| 2023年 | 出場なし | 大会記録なし |
| 2024年 | 2回戦 | カロリナ・ムホバに敗退 |
| 2025年 | 準決勝 | アマンダ・アニシモワに敗退 |
| 2026年 | 4回戦 | エレナ・リバキナに敗退 |
この推移から分かるのは、優勝後に成績が一直線に下降したわけではないということだ。
2021年、2022年は早期敗退が続いた一方、2025年には準決勝まで進出。2026年もベスト16に入り、再び上位進出を狙える位置まで戻ってきた。
特に2025年の準決勝進出は大きい。過去の優勝実績だけでなく、現在のツアーでもトップレベルの選手と競えることを証明した大会だった。
【2026年最新成績】世界ランキングと今後の試合予定・最新動向
全米オープン後の大坂なおみは、2026年シーズン後半もツアーに出場している。
WTA公式プロフィールの2026年11月5日更新データでは、シングルス世界ランキングは16位、今季の勝敗は31勝13敗。シーズンのシングルスタイトル獲得数は0となっている。
2026年の四大大会成績2026年のグランドスラム4大会を振り返ると、以下のような結果になった。
- 全豪オープン:3回戦進出
- 全仏オープン:4回戦進出
- ウィンブルドン:準々決勝進出
- 全米オープン:4回戦進出
特にウィンブルドンでは、当時の世界ランキング1位アリーナ・サバレンカを破って準々決勝に進出した。芝コートでもトップ選手を倒せる力を示したことは、2026年シーズンの大きな収穫だ。
全米オープン後は北京、東京でプレー9月の全米オープン後、大坂は9月末から10月にかけて開催された中国オープンにも出場した。
マリア・ティモフェーエワ、サラ・ベイレクを破って4回戦に進んだが、カロリナ・ムホバに5-7、6-1、6-7(7)で敗れている。
10月の東レ・パンパシフィック・オープンでは第7シードとして出場。10月27日の初戦でジャスミン・パオリーニを6-3、7-6(4)で破った。
しかし、10月29日の2回戦では18歳のミア・ポハンコワに3-6、5-7で敗退。東京大会が2026年の直近の公式戦となっている。
引退の可能性は?本人の発言から読み取れること10月25日付のロイター通信は、大坂が自身の将来や競技生活について率直に語ったことを報じた。
大坂は、今後どれくらいプレーを続けるのか考えることがあると認める一方、タイトルを再び争うための準備は整いつつあるとの認識を示している。
“I genuinely don't feel like I'm that far off.”
これは「自分の目指す状態から、そこまで遠く離れているとは感じていない」という趣旨の発言だ。
引退について考えることがあるという発言はあったものの、引退を決断したという発表ではない。競技を続けながら、将来の方向性を考えている段階と受け止めるのが適切だ。
次の試合予定はいつ?2026年11月5日時点では、次戦の大会名や試合日時について確定した情報は確認できない。
直近の試合は10月29日の東京大会2回戦であり、今後の出場予定はWTAの公式エントリーや大会ドローの発表が判断材料となる。
現状では、次の3点が今後の注目ポイントだ。
- アキレス腱を含めた身体のコンディションがどこまで回復するか。
- リバキナのような強力なサーブを持つ選手に対し、リターンから主導権を取れるか。
- 2027年シーズンに向けて、グランドスラムで優勝争いに戻れる状態を作れるか。
【よくある質問】大坂なおみの全米オープン2026に関するFAQ
Q1:大坂なおみは全米オープン2026で何回戦まで進出しましたか?
A1:4回戦(ベスト16)まで進出しました。ザハロワ、シニアコバ、メルテンスを破り、4回戦で第2シードのリバキナに1-6、4-6で敗れました。
Q2:大坂なおみとリバキナの試合スコアは?
A2:2026年9月7日の4回戦で、リバキナが6-1、6-4で勝利しました。大坂は第1セットから相手の強力なサーブと攻撃的なストロークに苦しみました。
Q3:大坂なおみは脚を負傷していたのですか?
A3:はい。全米オープンでは長引くアキレス腱の痛みが報じられました。特にメルテンスとの3回戦ではトレーナーによる処置を受けています。それでも最終セットを7-5で制しました。
Q4:大坂なおみは全米オープンで何回優勝していますか?
A4:2018年と2020年の2回です。2018年はセリーナ・ウィリアムズ、2020年はビクトリア・アザレンカを決勝で破りました。
Q5:大坂なおみの2026年最新世界ランキングは?
A5:WTA公式プロフィールの2026年11月5日更新データでは16位です。全米オープン出場時は第13シードでした。
Q6:大坂なおみは引退するのですか?
A6:2026年11月5日時点で引退発表はありません。本人は将来について考えることがあると語っていますが、再びタイトルを争うことへの意欲も示しています。
Q7:大坂なおみの次の試合はいつですか?
A7:2026年11月5日時点では次戦の日程は確定していません。直近の公式戦は10月29日の東レ・パンパシフィック・オープン2回戦です。
大坂なおみの2026年全米オープンは、4回戦敗退という結果に終わった。しかし、ザハロワ、シニアコバ、メルテンスを破ってベスト16に進出したことは、現在の実力を評価するうえで見逃せない。
特にメルテンス戦ではアキレス腱の痛みを抱えながら接戦を制し、最後まで勝負を諦めない姿勢を見せた。一方、リバキナ戦ではサーブとリターンの差が明確になり、トップ選手との対戦で改善すべき課題も浮き彫りになった。
2018年、2020年に全米オープンを制した実績は今も色あせない。2025年には準決勝に進出し、2026年もベスト16を確保。ウィンブルドンではサバレンカを破るなど、復活に向けた材料は着実に増えている。
【プロの結論】
今後の大坂なおみを評価する際には、単純な勝敗や世界ランキングだけで判断するべきではない。注目すべきなのは、次の3つの要素だ。
- 身体の安定性:アキレス腱などの不調を管理し、長時間の試合を連続して戦えるか。
- サーブとリターンの精度:リバキナのような強力なサーバーに対して、先手を取れるか。
- 勝負どころの再現性:メルテンス戦で見せた粘り強さを、強豪との試合でも安定して発揮できるか。
2018年と2020年の優勝を知るファンにとって、再びニューヨークの頂点に立つ大坂の姿は大きな期待だろう。2026年は完全復活の年と断定できる段階ではないが、グランドスラムで上位進出を狙える力を取り戻しつつある。
次のシーズンでどのような進化を見せるのか。身体の回復とプレーの安定性を両立できるかが、大坂なおみの今後を占う最大の焦点となる。