夏にピアスを開ける場合、最も大きな悩みになりやすいのが水辺のレジャーです。旅行や夏休みの予定がある人は、穴を開ける日だけでなく、泳いだり温泉に入ったりできる時期まで考えておく必要があります。
国内の浜口皮ふ科形成外科天王寺では、感染リスクを考慮し、ピアスホールが安定するまでプール、銭湯、温泉、サウナなどを控えるよう案内しています。クリーブランド・クリニックも、治癒するまでプールや温水浴槽を避けるよう勧めています。
プールはいつから入っていい?プールは、ピアスホールが十分に治癒するまで控えるのが基本です。
消毒されたプールであっても、傷口にとって無菌の環境ではありません。また、水に長時間浸かることで傷口が刺激される可能性もあります。
耳たぶの場合、初期の治癒には約6〜8週間が目安になりますが、この期間が経過しただけで必ず泳げるわけではありません。赤みや痛み、分泌物が残っている場合は延期し、施術した医療機関に確認しましょう。
特に夏休みの旅行でプールに入る予定があるなら、旅行直前にピアスを開けるのはおすすめできません。
海水浴はいつから?海なら消毒されていないから危険?海水浴も、傷口が治るまでは控えましょう。
「海水には塩分があるから、傷口の消毒になる」という考え方は誤りです。自然の海水は滅菌された水ではなく、さまざまな微生物が存在します。海に入った後に真水で洗い流せば問題ないというものでもありません。
また、砂浜で遊ぶと砂や汚れが耳に付着する可能性があります。日焼け止めや整髪料がピアスホールに入り込むことにも注意が必要です。
海水浴を毎年楽しみにしている人は、海に行く予定が終わってから穴を開ける方法も検討してください。
温泉・銭湯・サウナはいつから?温泉や銭湯も、ピアスホールが安定するまでは利用を控えるのが安全です。
温泉は施設によって泉質や成分が異なり、皮膚への刺激になる場合があります。また、共同浴場は多くの人が利用する場所であり、治癒途中の傷口をあえてさらす必要はありません。
サウナについても、高温環境で大量に汗をかくことによる刺激や、タオル・マットなどが耳に触れることによる摩擦に注意が必要です。
一方、施術当日のシャワーについては、国内の医療機関でも当日から可能と案内する例があります。シャワーと、長時間の水中への浸漬や共同浴場の利用は区別して考えましょう。施術先の指示がある場合はそちらを優先してください。
夏のレジャーとピアスの再開目安- 自宅でのシャワー:当日から可能とする医療機関が多い。患部をこすらず、十分にすすぐ。
- プール:傷口が完全に治癒するまで控える。
- 海水浴:傷口が完全に治癒するまで控える。
- 温泉・銭湯:ホールが安定するまで控える。
- サウナ:腫れや炎症が落ち着き、ホールが安定するまで控える。
重要なのは、カレンダー上の日数だけで判断しないことです。耳たぶと軟骨では治癒期間が違います。特に軟骨ピアスを夏に開けた場合は、その年の夏のレジャーだけでなく、秋冬の予定まで考慮する必要があります。
【ピアスホールの腫れ・赤み・膿】化膿したときの対処法

ピアスを開けた直後は、多少の赤みや痛み、軽い腫れが見られることがあります。しかし、症状が強くなったり、長引いたりする場合は注意が必要です。
正常な治癒過程と感染症のサイン英国NHSによると、開けてから最初の数週間は、軽い痛みやかゆみ、周囲の赤み、淡い色の分泌物が乾いてできるかさぶたなどが見られる場合があります。これらは必ずしも感染を意味しません。
一方、次のような症状が出た場合は、感染症を疑う必要があります。
- 耳たぶや軟骨が強く腫れている。
- 触れると熱を持っている。
- 痛みや赤みが時間とともに強くなっている。
- 黄色や緑色、白色の膿が出ている。
- 出血や分泌物が続いている。
- 発熱、悪寒、全身のだるさがある。
特に軟骨部分は、耳たぶと比べて血流が少なく、感染によって深刻なトラブルにつながることがあります。強い痛みや腫れがある場合は、様子を見続けずに受診してください。
金属アレルギーによる赤みやかゆみにも注意感染症と間違えやすいのが金属アレルギーによる接触皮膚炎です。
金属アレルギーの場合、ピアスが触れる部分を中心に、かゆみ、赤み、湿疹、水ぶくれなどが現れることがあります。厚生労働省の2025年版手引きでも、ピアスによる接触皮膚炎や、炎症後に結節が生じるケースが説明されています。
この場合、消毒を繰り返しても原因が解決するとは限りません。使用している金属や消毒薬が刺激になっている可能性もあるため、皮膚科で原因を確認することが大切です。
腫れや膿が出た場合にやってはいけないことトラブルが起きた際に避けたい行動は、次のとおりです。
- 膿を指で無理に押し出す。
- 自己判断でファーストピアスを外す。
- アルコールなどの強い消毒薬を何度も使用する。
- 腫れている部分を強く押したり、ピアスを回したりする。
- 症状がある状態でプールや海水浴に行く。
特に、ピアスを自分の判断で外すことには注意が必要です。英国NHSは、感染が疑われる場合も、医師から指示されない限りジュエリーを外さないよう案内しています。感染した状態で外すべきかどうかは、医師の診察を受けて判断してください。
発熱や悪寒を伴う場合、急激に腫れが広がる場合、ピアスが皮膚に埋まり込んでいる場合は、早急な医療対応が必要です。皮膚科や形成外科を受診し、状態に応じた治療を受けましょう。
【ピアスを夏に開けること】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:夏にピアスを開けると化膿しやすいですか?
A1:夏だから必ず化膿しやすいというわけではありません。ただし、発汗や蒸れ、手で触る習慣、プールや海水浴などによって、傷口に刺激や汚れが加わる機会が増えます。適切な洗浄と乾燥を続け、衛生管理を徹底することが大切です。
Q2:夏に耳たぶのピアスを開けたら、プールは何週間後から入れますか?
A2:耳たぶの初期の治癒目安は約6〜8週間ですが、必ずその時期に泳げるわけではありません。傷口が完全に治り、赤みや痛み、分泌物がなくなっていることが前提です。施術した医療機関にも確認しましょう。
Q3:ファーストピアスはいつ外してもいいですか?
A3:耳たぶの場合、少なくとも6週間程度は外さずに装着するよう案内する医療機関があります。ただし、ホールの安定にはさらに時間がかかる場合があります。6週間経過したという理由だけで自己判断で交換せず、施術先の指示に従ってください。
Q4:汗をかいたら毎回ピアスを消毒した方がいいですか?
A4:毎回消毒する必要があるとは限りません。汗が気になる場合は、清潔な流水で優しく洗い流し、清潔なガーゼなどで水分を取ってください。消毒薬は刺激やかぶれの原因になることもあるため、使用する場合は医療機関の指示に従いましょう。
Q5:夏にピアスを開けるなら耳たぶと軟骨のどちらがおすすめですか?
A5:初めてピアスを開ける人は、比較的治癒期間が短い耳たぶから検討する方法があります。耳たぶは約6〜8週間が初期の治癒目安ですが、軟骨は6〜12か月程度かかる場合があります。どちらも感染や炎症のリスクがあるため、希望するデザインだけでなく、生活習慣やケアできる期間も考慮してください。
夏にピアスを開けること自体は問題ありません。ただし、汗や皮脂、蒸れ、金属アレルギー、プールや海水浴など、夏ならではの注意点があります。
耳たぶの初期の治癒には約6〜8週間、軟骨部分には6か月〜1年程度かかる場合があります。ファーストピアスを早く外したり、ホールが安定する前に温泉やサウナ、プールなどを利用したりすることは避けましょう。
失敗を防ぐために押さえておきたい判断基準は、次の4つです。
- 施術前:医療機関で相談し、肌質や金属アレルギーの可能性に合ったファーストピアスを選ぶ。
- 施術直後:必要以上に触らず、洗浄と乾燥を毎日続ける。
- レジャーの予定:プール、海水浴、温泉、サウナを控えられる期間を確保する。
- 異常が出たとき:赤みや腫れ、痛み、膿などを放置せず、皮膚科や形成外科に相談する。
夏休みや旅行に合わせてピアスを開けたい人ほど、施術日を急いで決めないことが大切です。レジャーの予定を先に確認し、十分なケア期間を確保できる日を選びましょう。季節に左右されず、正しい方法で管理することが、きれいで安定したピアスホールにつながります。
参考資料:厚生労働省「金属アレルギー診療と管理の手引き2025」、公益社団法人日本皮膚科学会「接触皮膚炎診療ガイドライン」、米国皮膚科学会(AAD)、英国NHS、クリーブランド・クリニック、北山武田病院、浜口皮ふ科形成外科天王寺などの医療情報・公式案内。