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【竹書房との関係】なぜ出版社が漫画の標的になったのか?

伊部 拓海 伊部 拓海 • 更新: • 公開: • 読了約 16 分
目次

『ポプテピピック』と竹書房の関係を理解するには、まず作品の出版上の立場を押さえる必要があります。

竹書房は単に作中に登場する企業ではありません。作品を掲載し、単行本を刊行してきた実際の出版社です。

作者の大川ぶくぶは、竹書房が運営するウェブ漫画サイト「まんがライフWIN」で本作を連載。つまり、漫画の世界では出版社が破壊されている一方、現実の世界では出版社が作品を世に送り出していたという、非常に珍しい関係が成立していました。

この構図こそが、竹書房ネタの面白さを生み出しています。

大川ぶくぶとはどんな漫画家?

大川ぶくぶは、『ポプテピピック』の作者です。

同作の特徴は、かわいらしいキャラクターデザインと、予想を裏切る過激なギャグの組み合わせにあります。

- 作者:大川ぶくぶ
- 代表作:『ポプテピピック』
- 掲載開始:2014年11月
- 初期掲載媒体:竹書房「まんがライフWIN」
- 作品形式:4コマ漫画
- 主な登場人物:ポプ子、ピピ美

作品では、漫画・アニメ・ゲーム・インターネット文化など、幅広いジャンルのパロディーが扱われます。

特定のジャンルに限定せず、さまざまな作品の表現やお約束を大胆に取り込むことが特徴です。

竹書房は本当に作者と対立していた?

検索すると、出版社との確執や編集部への怒りが破壊の理由だったという説明を見かけます。

しかし、作品の演出と現実の人間関係は分けて考える必要があります。

2015年11月12日、竹書房自身が発表した単行本・LINEスタンプのプレスリリースには、出版社を殴って破壊する最終回が話題になっていることが記されています。

加えて、まんがライフWIN編集部のメッセージとして、次の文章も紹介されました。

「ご愛読ありがとうございました!みなさまの応援によって今後もし復活するようなことがあれば、またすぐに打ち切りたい。」

これは出版社側まで作品のブラックユーモアに乗っていたことを示す、興味深い資料です。

実際に竹書房は作品の単行本化を進め、関連グッズも販売しています。少なくとも、破壊描写を現実の出版社との深刻な対立の証拠として解釈する根拠はありません。

【竹書房破壊の元ネタ】「竹書房ゥァーッ」はどこから生まれた?

ポプテピピック竹書房

竹書房破壊ネタの原点は、漫画のファーストシーズン最終盤にあります。

発端は2015年11月の最終回

『ポプテピピック』のファーストシーズンでは、連載終了を思わせる展開が描かれました。

その象徴となったのが、ポプ子が竹書房の建物を破壊する場面です。

2015年11月に公開された「15-1」が、この有名な竹書房破壊回に当たります。

ITmediaのねとらぼによる当時の報道では、この回で最終回と打ち切りが発表され、その後「15-11」まで更新されたうえで連載が終了したと説明されています。

ところが、作品はそこで終わりませんでした。

2016年2月にはセカンドシーズンとして復活。

最終回を宣言して出版社を破壊した漫画が、同じ出版社のウェブ漫画サイトで再び連載されるという展開そのものが、作品のギャグをさらに強烈なものにしました。

「竹書房ゥァーッ」の意味とは?

この言葉は、竹書房という実在の企業名と、ポプ子の激しい叫びを組み合わせた表現です。

通常の企業名の呼び方とは違い、叫び声のように語尾が崩れているところに特徴があります。

意味を整理すると、次のようになります。

- 「竹書房」:実際に作品を出版している会社。
- 「ゥァーッ」:怒りや勢いを表現する、誇張された叫び声。
- 全体の意味:竹書房を攻撃するポプ子の暴走を象徴するギャグ。

特別な略語や出版社の公式スローガンではありません。

このセリフが印象に残るのは、かわいらしいポプ子の外見と、出版社の建物を破壊するという過激な行動の落差が大きいからです。

なぜ竹書房を破壊する設定が面白いのか?

要点は、漫画の登場人物が自分の作品を掲載している出版社に攻撃を仕掛けるという、メタフィクション的な構造です。

通常の漫画では、出版社は読者の目に触れない制作・流通側の存在です。

ところが『ポプテピピック』では、その出版社を漫画の世界に登場させ、物語の標的にしています。

しかも、現実には竹書房が作品を刊行し続けているため、漫画内の破壊と現実の出版活動が対照的に映ります。

この二重構造が、単なる建物破壊ギャグを作品全体の看板ネタへと押し上げたのです。

【ポプテピピックの年表】連載開始からアニメ第2期、2026年まで

作品と出版社の関係は、漫画の連載だけでなく、アニメ化や掲載媒体の変化にも表れています。

特に重要なのは、2018年のアニメ化によって竹書房ネタが漫画を読まない視聴者にも広がったことです。

作品・関係者・出来事の相関表
時期・対象 内容 竹書房との関係
2014年11月 連載開始 まんがライフWINで配信
2015年11月 ファーストシーズン最終回 竹書房破壊ギャグが話題に
2016年2月 セカンドシーズン開始 同サイトで連載復活
2018年1月 アニメ第1期開始 原作出版社としてクレジット
2018年4月 ニコニコ超会議 竹書房ビル破壊アトラクション
2022年10月 アニメ第2期開始 竹書房・キングレコード表記
2025年11月 竹コミへ移転 掲載媒体を変更
2026年5月 SEASON NINE刊行 竹書房から単行本発売
2026年10月 竹コミ1周年 SEASON TENも公開中

2018年:アニメ第1期で竹書房ネタが映像化

テレビアニメ第1期は、2018年1月から3月まで放送されました。

アニメ制作を担当したのは神風動画です。

本作では、原作の過激な表現だけでなく、AパートとBパートで同じ映像を使用しながら声優を変更するという独特の構成も話題になりました。

竹書房破壊ネタも原作の象徴的な要素としてアニメに登場しています。

加えて、2017年7月に公開されたアニメのキービジュアルにも、すでに竹書房ネタが取り入れられていました。

穏やかな和室の風景の中で、「竹書房」と書かれた看板が真っ二つに割れているというデザインです。

アニメ放送前から、出版社破壊が作品の重要なイメージとして扱われていたことが分かります。

2018年4月:ニコニコ超会議で竹書房ビルを破壊?

このネタが現実のイベントにまで広がった象徴的な出来事が、ニコニコ超会議2018です。

MANTANWEBの報道によると、幕張メッセの「超アニメエリア」に、竹書房のビルを模したアトラクションが登場しました。

その内容は、スポンジのような素材で作られたビルを来場者がちぎって壊し、持ち帰るというもの。

漫画の中の出版社破壊が、実際に参加できるイベント企画へと変わったのです。

さらに翌29日には、キングレコードのビルも登場する予定として報じられました。

ここには、作品のパロディーを現実のイベント運営側も楽しむという、独特のエンターテインメント性が表れています。

2022年:アニメ第2期でも独自の演出を継続

第2期の『ポプテピピック TVアニメーション作品第二シリーズ』は、2022年10月から12月まで放送されました。

制作体制は第1期から変化し、スペースネコカンパニーと神風動画の共同制作となっています。

キングレコードの公式発表によると、第2期でもAパートとBパートで声優を変更する手法が継続されました。

また、オープニングに実写映像や特撮風の演出を取り入れるなど、従来のテレビアニメの形式に収まらない表現も特徴でした。

竹書房は原作の出版社として、キングレコードはアニメの製作・音楽制作側として、それぞれ異なる立場で作品に関わっています。

【2026年最新情報】竹コミへの移転とシーズン10の現在

2026年現在の『ポプテピピック』を語るうえで見逃せないのが、掲載サイトの変更です。

2025年11月に「まんがライフWIN」から竹コミへ

2025年10月23日、オリコンニュースは、作品の掲載場所が変更されることを報じました。

それまで掲載されていた「まんがライフWIN」から、竹書房の新しいウェブ漫画サイト「竹コミ」へ移転するという発表です。

移転日は2025年11月1日。

大川ぶくぶの公式Xで発表された告知も、ポプ子からの意味不明な声明文という、本作らしいユーモアを含んだものでした。

告知では、シーズン9を11月1日から更新再開する予定と説明されていました。

2026年5月:SEASON NINEの単行本発売

2026年5月15日には、『ポプテピピック SEASON NINE』が竹書房から発売されました。

版元ドットコムの書誌情報では、次のように記録されています。

- 著者:大川ぶくぶ
- 出版社:竹書房
- 発売日:2026年5月15日
- 判型:A5判
- ページ数:96ページ
- 価格:1,100円(税込)

また、発売に合わせて「打ち切り記念」のよみくじキャンペーンも実施されました。

抽選賞品はオリジナルメリケンサック。作品らしいブラックユーモアを感じさせる企画です。

2026年10月:シーズン10も公開中

加えて、竹書房が2026年10月15日に発表した公式プレスリリースでは、竹コミのオープン1周年を記念するキャンペーンが告知されました。

その中で『ポプテピピック』について、シーズン10も公開中と紹介されています。

つまり、2026年11月現在、作品はシーズン9で終了したわけではありません。

掲載サイトを移しながら、新しいシーズンへと展開しています。

竹書房を破壊するギャグを描いていた作品が、現在も竹書房運営のウェブ漫画サイトで連載されている。この関係は、作品の歴史を振り返るうえでも非常に象徴的です。

【誤解を検証】竹書房破壊の真相とポプテピピックの面白さ

ここまでの経緯から、インターネット上で見かける疑問についても整理できます。

竹書房との関係で間違えやすいポイント

1. 本当に出版社とのトラブルがあったのか?

作品内では打ち切りや出版社への怒りが表現されていますが、現実の深刻な対立を裏付ける公的な資料は確認できません。

むしろ竹書房自身が破壊ネタを宣伝に取り込み、単行本や関連商品を販売してきました。

2. 竹書房は実際に倒産したのか?

いいえ。作中で建物が壊されることと、現実の企業経営は無関係です。

2026年10月にも竹書房は竹コミ1周年の公式発表を行っています。

3. アニメ化によって竹書房との関係が切れたのか?

いいえ。アニメ化後も竹書房は原作出版社として作品に関わっています。第1期・第2期の著作権表記にも竹書房の名前が記載されています。

4. 「竹書房ゥァーッ」は出版社の公式キャッチコピーなのか?

いいえ。ポプ子の破壊行動を象徴する漫画内の表現です。

【プロの結論】竹書房破壊はメタフィクションを活用した高度なギャグ

『ポプテピピック』の竹書房破壊ネタが長く語られる理由は、単純な暴力表現だけではありません。

その面白さは、作品の外側にある現実の出版構造を、作品の内側に持ち込んだところにあります。

通常、漫画の出版社は読者にとって裏方です。しかし、本作は出版社を実名で登場させ、主人公に破壊させることで、漫画制作の仕組みそのものを笑いの対象にしました。

ここには、次の3つの仕掛けがあります。

- メタフィクション:作品を出版する会社を作品世界の登場対象にする。
- セルフパロディー:打ち切りや最終回という出版業界の出来事をギャグに変える。
- 現実との連動:出版社自身がそのネタを宣伝やイベントに活用する。

特に重要なのは、竹書房が単なる悪役ではなく、作品の成立を支える現実のパートナーでもあるという点です。

この関係を理解すると、竹書房破壊は単なる過激なギャグではなく、作品と出版社が一緒になって成立させてきた独特の文化的な仕掛けとして見えてきます。

【ポプテピピックと竹書房】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:ポプテピピックで竹書房が破壊される理由は何ですか?

A1:2015年11月のファーストシーズン最終回で、ポプ子が連載終了を思わせる展開の中で竹書房の建物を破壊したことが発端です。出版社との現実の確執を示すものではなく、連載元を題材にしたメタフィクション的なギャグです。

Q2:「竹書房ゥァーッ」の元ネタは何ですか?

A2:『ポプテピピック』のファーストシーズン最終回に登場するポプ子の叫びです。竹書房という企業名に激しい叫び声を組み合わせた表現で、出版社破壊ネタの象徴となっています。

Q3:ポプテピピックの作者は誰ですか?

A3:漫画家の大川ぶくぶです。2014年11月から竹書房の「まんがライフWIN」で4コマ漫画として連載を開始しました。

Q4:ポプテピピックのアニメは何期までありますか?

A4:テレビアニメ第1期は2018年、第2期は2022年に放送されました。2019年にはテレビスペシャルも制作されています。

Q5:ポプテピピックは2026年現在も連載していますか?

A5:はい。2025年11月に掲載サイトを竹コミへ移転し、2026年10月の竹書房公式発表ではシーズン10も公開中と紹介されています。

Q6:竹書房とキングレコードの違いは何ですか?

A6:竹書房は原作漫画の出版社で、キングレコードはテレビアニメの企画・製作や音楽制作を担当する企業です。神風動画はアニメーション制作会社であり、それぞれ役割が異なります。

『ポプテピピック』で竹書房が破壊される描写は、実在する出版社を漫画のネタにしたシュールギャグです。

2015年11月の最終回で生まれた出版社破壊の演出は、「竹書房ゥァーッ」という象徴的な叫びとともに作品を代表するネタになりました。

その後、2018年のアニメ第1期、2022年の第2期を経て、ニコニコ超会議では実際に竹書房ビルを破壊できるアトラクションまで登場しています。

さらに2025年には竹コミへ掲載媒体を移転し、2026年にはシーズン9の単行本発売とシーズン10の公開へと展開しました。

作品内では破壊され続ける竹書房が、現実には作品を出版し続けている。

この矛盾こそが、『ポプテピピック』と竹書房の関係を象徴する最大の面白さです。

単なる出版社いじりにとどまらず、漫画の連載、アニメ化、イベント、宣伝まで巻き込んだ独自のエンターテインメントとして、今後も語り継がれていくでしょう。

参考資料:竹書房公式プレスリリース、キングレコード公式発表、スペースネコカンパニー作品情報、MANTANWEB、ITmediaねとらぼ、オリコンニュース、リアルサウンド、版元ドットコム。

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コンテンツディレクター 伊部 拓海
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映画・ドラマ担当。公開資料と一次報道を照合し、ネタバレの扱いには線引きルールを設けています。

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