芦田愛菜といえば、子役時代の代表作として真っ先に『マルモのおきて』を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。2011年4月にフジテレビ系で始まった同作で、芦田愛菜は主人公の笹倉薫を演じ、鈴木福との息の合った演技や主題歌「マル・マル・モリ・モリ!」のダンスで幅広い世代から人気を集めた。
共演した阿部サダヲが演じる高木護、双子の弟・笹倉友樹を演じた鈴木福、そして人間の言葉を話す犬のムック。作品を彩った出演者たちの関係性や、2011年の放送期間、最終回、スペシャル版、視聴率を振り返ると、単なる子役ブームでは説明できない作品の魅力が見えてくる。2026年11月現在の芦田愛菜の活動も含めて整理する。
【2011年放送】芦田愛菜は『マルモのおきて』で笹倉薫役を演じた

『マルモのおきて』は、2011年4月24日から7月3日までフジテレビ系の日曜21時枠で放送されたホームドラマだ。全11話で構成され、制作はフジテレビ、制作著作は共同テレビが担当した。
芦田愛菜が演じたのは、笹倉薫という6歳の女の子。鈴木福が演じる笹倉友樹の双子の姉で、父親を亡くした後、弟と一緒に父親の親友だった高木護のもとで暮らすことになる。
『マルモのおきて』のあらすじ主人公の高木護は、文具メーカー「あけぼの文具」のお客様相談室に勤務する独身男性。親友の笹倉純一郎が亡くなったことをきっかけに、残された双子の子供、薫と友樹の存在と向き合うことになる。
当初、双子は親戚に引き取られることになるが、離ればなれになることを望まない2人の姿を見た護は、親友の子供たちを引き取る決意を固める。
こうして始まったのが、血のつながらない大人と子供2人による共同生活だ。
加えて、薫と友樹が出会った犬のムックも家族の一員となる。人間の言葉を話すというファンタジー要素を取り入れながら、3人と1匹が日常の問題を乗り越え、少しずつ本当の家族のような関係を築いていく。
双子が護を「マルモ」と呼び間違えたことから生まれた愛称が作品タイトルにつながっている。毎回の出来事を通して、新しい「家族のおきて」が生まれる構成も特徴だ。
芦田愛菜が演じた笹倉薫の人物像薫は、しっかり者で責任感の強い女の子だ。弟の友樹を守ろうとする気持ちが強く、幼いながらも周囲に気を配る一面を持っている。
しかし、いつも強く振る舞っているわけではない。父親を亡くした寂しさや、新しい生活への戸惑いを抱えながら、少しずつ護との信頼関係を築いていく。
芦田愛菜の演技で印象的なのは、子供らしい無邪気さと、年齢以上にしっかりした薫の性格を両立させている点だ。弟を気遣う表情、護に甘える場面、感情を抑えきれなくなる場面など、物語の変化に応じた演技が作品の軸になっている。
【キャスト一覧】鈴木福・阿部サダヲら主要出演者と役柄の関係
『マルモのおきて』の魅力は、芦田愛菜と鈴木福だけにあるわけではない。阿部サダヲを中心に、比嘉愛未、世良公則、伊武雅刀ら個性豊かな俳優が出演し、子供たちを取り巻く人間関係を丁寧に描いていた。
フジテレビの番組情報に掲載された出演者・キャラクター情報をもとに、主要キャストを整理する。
| 登場人物 | 出演者 | 役柄・作品内での関係 |
|---|---|---|
| 笹倉薫 | 芦田愛菜 | 双子の姉。しっかり者で弟を大切にする女の子 |
| 笹倉友樹 | 鈴木福 | 薫の双子の弟。素直で優しい性格 |
| 高木護 | 阿部サダヲ | 双子を引き取り、親代わりとなる独身男性。マルモと呼ばれる |
| ムック | ムック(犬) | 人間の言葉を話すミニチュア・シュナウザー |
| 畑中彩 | 比嘉愛未 | 護が暮らすアパートの大家の娘 |
| 畑中陽介 | 世良公則 | 彩の父親。居酒屋「クジラ」の店主 |
| 鮫島勇三 | 伊武雅刀 | 護の勤務先に関係する人物 |
| 真島孝則 | 小柳友 | あけぼの文具の同僚 |
| 塩沢民子 | 千葉雅子 | あけぼの文具の同僚 |
| 尾崎凛花 | 外岡えりか | あけぼの文具の関係者 |
| 牧村かな | 滝沢沙織 | あけぼの文具の関係者 |
| 笹倉純一郎 | 葛山信吾 | 薫と友樹の父親で、護の親友 |
| 青木あゆみ | 鶴田真由 | 薫と友樹の母親 |
作品を振り返る際に押さえておきたいのが、芦田愛菜と鈴木福の関係だ。
ドラマでは双子の姉弟を演じているが、これはあくまで役柄上の設定であり、実際の兄妹ではない。2人は同じ2004年生まれの子役として共演し、自然な掛け合いによって薫と友樹の関係を表現した。
また、阿部サダヲも単なる保護者役ではなく、最初は子供との生活に戸惑いながら、次第に父親のような存在へと変わっていく護をコミカルかつ温かく演じている。
子供たちの純粋な感情と、大人側の不器用さがぶつかり合うことで、物語に笑いと感動の両方が生まれていた。
【最終回とスペシャル版】2011年から2014年まで続いた物語
連続ドラマは2011年7月3日に最終回を迎えた。最終話のタイトルは「おきてを守ったからずっと楽しかったよ。マルモありがとう、そしてさようなら」。
最終回では、護が職場の元上司から開発部への復帰を打診される。双子との暮らしを続けるなかで、自分の仕事や将来についても考えなければならなくなった護の姿が描かれる。
一方、薫と友樹にとって護は、すでに単なる父親の友人ではない。日常の積み重ねによって築かれた3人の関係が、最終回の大きな見どころとなった。
2011年10月9日には最初のスペシャル版を放送連続ドラマの好評を受け、2011年10月9日には『マルモのおきて スペシャル』が放送された。
スペシャル版では、再び一緒に暮らす護、薫、友樹、ムックの夏休みが描かれる。護が大学時代の後輩が経営する山梨のぶどう園を訪れ、そこで出会う子供たちとの交流も物語の中心となる。
護が急きょ東京へ戻ることになり、双子は不安を感じながらも、離れていても家族であるという考えを信じて行動する。連続ドラマで育まれた家族の絆を、別の環境で確かめる内容だ。
2014年9月28日にはスペシャル版が再登場さらに2014年9月28日には『マルモのおきてスペシャル 2014』が放送された。
この作品では薫と友樹が小学4年生になり、10歳を迎えた姿が描かれる。学校の課題として自分の生い立ちを振り返ることになった2人は、母親のあゆみに自分たちが生まれた頃の話を聞きに行く。
薫は将来の夢として歌って踊れるアイドルに憧れ、芸能事務所からスカウトされる。一方、友樹も虫に夢中になる日々を送りながら、護に秘密を打ち明ける。
そして護は、双子の将来を考え、母親のあゆみのもとへ2人を帰すべきなのか悩み始める。子供たちの成長と、家族の形が変化していく可能性を描いた続編となっている。
【主題歌の人気】「マル・マル・モリ・モリ!」が社会現象になった理由
『マルモのおきて』を語るうえで欠かせないのが、主題歌「マル・マル・モリ・モリ!」だ。
歌唱名義は「薫と友樹、たまにムック。」。芦田愛菜、鈴木福、そして犬のムックによるユニットとして楽曲を披露した。
ユニバーサルミュージックの公式作品情報によると、オリジナル版のCDシングルは2011年5月25日に発売された。ドラマの放送とともに楽曲への注目も高まり、子供から大人まで楽しめる歌と振り付けが広く知られるようになった。
ダンスと歌がドラマの外にも広がった人気の理由は、楽曲そのものの親しみやすさだけではない。芦田愛菜と鈴木福が劇中のキャラクターとして歌って踊る演出が、ドラマの世界観と一体化していたことが大きい。
振り付けを覚えて家族や友人と一緒に踊れるため、ドラマを見ていない人にも楽曲の存在が伝わりやすかった。テレビ番組での披露や関連企画も、作品の認知度を押し上げた。
2014年のスペシャル版では、歌詞と振り付けを新しくした「マル・マル・モリ・モリ! 2014」も制作された。2014年9月24日に発売され、オリジナル版も収録されたことがユニバーサルミュージックの公式発表に記録されている。
つまり、この主題歌は単なるドラマの挿入要素ではなく、作品の認知度を高め、視聴者が参加できる楽しさを生み出した重要なコンテンツだった。
【視聴率を検証】最終回23.9%を記録した人気の理由
『マルモのおきて』は、放送開始後に視聴率を伸ばした作品としても知られている。
オリコンが2011年7月4日に報じた最終回の平均視聴率は23.9%。瞬間最高視聴率は27.5%で、いずれもビデオリサーチ調べ、関東地区の数字だ。
また、ファミリー劇場の作品紹介では、連続ドラマ全11話の平均視聴率は15.8%と紹介されている。
初回から最終回まで注目度が上昇オリコンの報道によれば、初回の平均視聴率は11.6%だった。その後、徐々に数字を伸ばし、第5話以降はすべて15%以上を記録。最終回では大きく数字を伸ばした。
この推移から読み取れるのは、初回の話題性だけで終わらず、継続視聴につながった作品だったということだ。
『マルモのおきて』が幅広い世代に支持された3つの理由1. 子供と大人の両方が楽しめる物語
薫と友樹の成長を描く一方で、護自身も子供との生活を通して変化していく。子供には冒険やユーモアが、大人には仕事と家庭の両立や人間関係というテーマが響く構成だった。
2. 阿部サダヲと芦田愛菜・鈴木福の組み合わせ
大人のコミカルな演技と、子供たちの自然な表情が対照的で、作品全体に独特のテンポが生まれていた。特に、護が子供たちに振り回される場面は、ホームドラマとしての親しみやすさにつながっている。
3. 主題歌による作品外への広がり
ドラマの視聴者が楽曲やダンスにも関心を持つことで、作品に触れる入口が増えた。テレビドラマと音楽を組み合わせた展開が、家族で楽しめるコンテンツとしての強みを生み出した。
特に、家族で安心して見られる作品を探している人や、2010年代初頭のテレビドラマの雰囲気を楽しみたい人には、現在も視聴する価値がある。
【撮影秘話と子役時代】芦田愛菜の代表作として残る理由
芦田愛菜は『マルモのおきて』に出演する以前から、演技力の高い子役として知られていた。
所属事務所の公式プロフィールには、2010年のドラマ『Mother』で演じた道木怜南役をはじめ、『マルモのおきて』の笹倉薫役、2012年の『ビューティフルレイン』の木下美雨役、2014年の『明日、ママがいない』のポスト役などが掲載されている。
そのなかでも『マルモのおきて』は、芦田愛菜の名前を幅広い視聴者に浸透させた作品の一つだ。
鈴木福が振り返った撮影当時の芦田愛菜撮影当時の様子については、2021年10月に放送されたテレビ朝日系『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』で、鈴木福が共演時の思い出を振り返っている。
デイリースポーツの報道によると、鈴木は当時の芦田について、撮影中によく転ぶほど活発だったと回想した。また、ロケバスの中でも本を読んでいたことや、人体模型で遊んでいたことなど、子供時代の意外な一面も紹介している。
こうしたエピソードからは、ドラマで見せていたしっかり者の薫とはまた違う、当時の芦田愛菜本人の活発な姿がうかがえる。
DVDにはメイキングや撮影関連映像も収録ユニバーサルミュージックが販売したDVD-BOXには、本編全11話に加え、155分の特典映像が収録されている。
特典には『マルモのおきて』のメイキング、ムックの技やハプニング集、クランクアップ映像、出演者のインタビューなどが含まれる。ドラマ本編だけでは見られない撮影現場の雰囲気を知るための資料としても価値がある。
特に、阿部サダヲ、芦田愛菜、鈴木福らのインタビューは、作品をもう一度見返す際に注目したいポイントだ。
子役から俳優へと広がったキャリア芦田愛菜のキャリアを振り返ると、『マルモのおきて』は子役時代の重要な転換点として位置づけられる。
2010年の『Mother』では、複雑な境遇に置かれた少女を演じ、繊細な表現力が話題となった。翌2011年の『マルモのおきて』では、明るさや家族との日常を表現する演技で新たな魅力を見せた。
さらに2012年の『ビューティフルレイン』では主演を務め、その後も『明日、ママがいない』『星の子』『メタモルフォーゼの縁側』『最高の教師』『さよならマエストロ』など、映画・ドラマの両方で出演歴を重ねている。
子役時代のイメージだけにとどまらず、作品ごとに異なる役柄に挑戦してきたことが、現在の俳優としての活動につながっている。
【2026年最新】芦田愛菜の現在と『マルモのおきて』の再放送情報
2026年11月5日時点で、芦田愛菜は22歳。2004年6月23日生まれで、現在も俳優としてテレビドラマや映画などに出演している。
所属事務所の公式プロフィールには、映画『ミステリー・アリーナ』の一子役や、ドラマ『片想い』の主演・菅原優衣役などが掲載されている。
2026年10月からは『南田南弁護士は天才肌』で主演2026年の新たな出演作として注目されるのが、カンテレ・フジテレビ系の連続ドラマ『南田南弁護士は天才肌』だ。
2026年10月19日に放送が始まった同作で、芦田愛菜は主人公の南田南を演じている。自閉スペクトラム症の新人弁護士が、周囲との関係やさまざまな問題に向き合いながら成長していく物語だ。
カンテレの公式サイトでは、放送開始前のコメントや制作発表会見の内容も公開されている。2026年10月16日の会見記事では、芦田が役づくりや撮影現場での話し合いについて語ったことが紹介されている。
6歳の薫を演じていた2011年と比較すると、現在は大人の俳優として、複雑な人物像を表現する役にも取り組んでいることが分かる。
『マルモのおきて』の再放送はいつ?再放送については、フジテレビの公式再放送番組ページで確認できる。
同ページに掲載されている直近の放送情報は、2025年4月15日13時50分から14時48分までの第11話だ。次回の放送日時については、情報が入り次第掲載するという案内になっている。
したがって、2026年11月5日時点では、同ページ上で新たな再放送日時は発表されていない。過去に放送された実績があっても、次の再放送日が確定しているわけではない点に注意したい。
また、フジテレビの番組ページにはFODで過去の放送回を配信する案内も掲載されている。実際に視聴する場合は、配信対象や公開期間をサービス上で確認するのが確実だ。
【よくある誤解】『マルモのおきて』について知っておきたい事実
芦田愛菜と鈴木福は本当の双子なのか?
実際の双子ではない。ドラマの中で笹倉薫と笹倉友樹という双子を演じた共演者同士だ。
『マル・マル・モリ・モリ!』は芦田愛菜のソロ曲なのか?
ソロ曲ではない。芦田愛菜と鈴木福、犬のムックによるユニット「薫と友樹、たまにムック。」の楽曲として発表された。
『マルモのおきて』は2011年の連続ドラマだけなのか?
連続ドラマのほか、2011年10月のスペシャル版と2014年9月のスペシャル版がある。双子の成長に合わせて物語が続いているため、作品を通して見ると登場人物の変化も楽しめる。
2026年も続編が放送されているのか?
2026年11月時点で、フジテレビの公式番組情報に新たな連続ドラマや続編の放送決定は掲載されていない。芦田愛菜が別作品で活躍していることと、『マルモのおきて』の続編が制作されることは別の話だ。
【プロの結論】『マルモのおきて』は芦田愛菜の原点を知るうえで欠かせない作品
『マルモのおきて』が2011年の放送から長く記憶されている理由は、芦田愛菜や鈴木福の人気だけではない。血縁関係のない人々が、日々の生活を通じて家族になっていく過程を、笑いと涙の両方で描いたことにある。
芦田愛菜にとっても、笹倉薫役は重要な代表作だ。『Mother』で見せた繊細な演技とは異なる、明るくしっかりした少女の姿を表現し、幅広い視聴者にその存在を印象づけた。
加えて、鈴木福との共演、阿部サダヲのコミカルな演技、ムックの存在、「マル・マル・モリ・モリ!」のダンスが一体となったことで、ドラマを超えた人気につながった。
これから初めて視聴する人には、まず2011年の連続ドラマ全11話を見て、その後に2011年と2014年のスペシャル版へ進む順番がおすすめだ。登場人物の関係性や成長を自然に理解できる。
一方、芦田愛菜の現在の演技力に興味がある人は、2026年の主演作『南田南弁護士は天才肌』と見比べてみると面白い。子役時代の笹倉薫から現在の俳優としての表現まで、その歩みを一つのキャリアとして捉えられる。
『マルモのおきて』は、懐かしい子役ドラマという枠に収まらない。芦田愛菜の出発点を振り返り、家族をテーマにしたホームドラマの魅力を再発見できる作品として、2026年の今も見る価値がある。
主な参照資料