2026年のFIFAワールドカップ北中米大会は、アメリカ・カナダ・メキシコの3カ国で開催され、日本時間では6月12日に開幕した。史上初めて48カ国が参加する全104試合の大会となり、日本国内ではNHK、日本テレビ系列、フジテレビ系列、DAZNがそれぞれ異なる形で中継・配信を担当した。大会は7月19日に現地時間で決勝を迎え、すでに全日程を終了している。
今回のW杯放送で大きな特徴となったのは、DAZNが国内唯一の全104試合ライブ配信を実現した一方、NHK BSプレミアム4Kも全試合を生中継・録画放送したことだ。加えて、日本代表戦はDAZNで無料ライブ配信され、NHK総合や日本テレビ、フジテレビでも注目カードが地上波放送された。各局の担当試合、日本時間の放送スケジュール、NHK ONEの見逃し配信、DAZNの料金と視聴条件を整理する。
【全体像】2026年W杯放送は地上波・BS・BS4K・DAZNの4つが中心

2026年大会の日本国内における放送・配信体制は、大きく分けてテレビ放送とインターネット配信の2種類だった。
テレビ放送ではNHKが中心的な役割を担い、民放では日本テレビ系列とフジテレビ系列が中継権を獲得。ネット配信ではDAZNが全104試合のライブ配信を担当した。
特に注目されたのが、地上波で放送されない試合もBS4KやDAZNで視聴できる体制だったことだ。
地上波だけでは全試合を見られなかったNHK総合はグループステージ19試合、決勝トーナメント15試合の合計34試合を生中継した。
日本テレビ系列は15試合、フジテレビ系列は10試合を担当。それぞれ日本代表戦や世界的な強豪国の対戦を組み込んだ編成となった。
一方、DAZNはテレビ局ごとに分かれていた放送カードを横断し、全104試合をライブ配信した。
つまり、地上波は注目カードを無料で楽しむための選択肢、DAZNは大会全体を追いかけるための選択肢という違いがあった。
BSとBS4Kは同じものではないBS放送については、NHK BSとNHK BSプレミアム4Kを区別する必要がある。
NHK BSでは日本代表戦を含む一部試合を生中継した。
対してNHK BSプレミアム4Kでは、大会全104試合を生中継または録画放送で編成。地上波で生中継された34試合については、BSプレミアム4Kでも同時生中継された。
このため、通常のBS放送だけで大会全試合を見られたわけではない。全試合をテレビの高精細映像で追いたい視聴者にとって、BSプレミアム4Kの存在は大きかった。
【放送局別】NHK・日本テレビ・フジテレビの担当試合と中継範囲
今回のW杯では、各放送局がそれぞれ異なる役割を担った。
NHKは大会全体の主要カードと日本代表戦、日本テレビは日本代表のグループステージ第2戦、フジテレビは日本代表の決勝トーナメント初戦を含む試合を担当した。
2026年W杯の放送・配信担当一覧| 放送・配信事業者 | 担当試合・放送範囲 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| NHK総合 | 34試合 | グループステージ19試合、決勝トーナメント15試合 |
| NHK BS | 日本代表戦など | 日本戦を含む一部試合を生中継 |
| NHK BSプレミアム4K | 全104試合 | 生中継・録画放送 |
| 日本テレビ系列 | 15試合 | グループステージ9試合、決勝トーナメント6試合 |
| フジテレビ系列 | 10試合 | グループステージ5試合、決勝トーナメント5試合 |
| DAZN | 全104試合 | 国内唯一の全試合ライブ配信 |
NHKはグループステージから決勝まで幅広い試合を担当した。
地上波の内訳は次のとおり。
- グループステージ:19試合
- 決勝トーナメント:15試合
- 合計:34試合
日本代表のグループステージでは、オランダ戦とスウェーデン戦をNHK総合で放送。チュニジア戦はNHK BSで中継された。
決勝トーナメントでは、日本代表が勝ち上がった場合の放送体制も考慮され、2回戦以降の日本戦は地上波で中継する予定だった。
NHKは大会期間中、デイリーハイライトや2分間の試合ハイライトなども展開した。
日本テレビ系列は15試合を担当日本テレビ系列は2018年ロシア大会以来、2大会ぶりにW杯の地上波中継に復帰した。
放送したのは計15試合で、グループステージ9試合、決勝トーナメント6試合という構成だった。
注目カードの一つが、6月21日の日本対チュニジア戦だ。
日本代表のグループステージ第2戦を全国ネットで生中継し、試合前後の関連番組も編成した。
また、日本テレビ系のスペシャルナビゲーターには竹内涼真が起用され、日本代表の戦いを盛り上げる関連企画も展開された。
フジテレビ系列は10試合を生中継フジテレビ系列は10試合を担当した。
グループステージ5試合、決勝トーナメント5試合という構成で、日本が決勝トーナメントに進出した場合の重要な試合も放送対象に含まれていた。
実際には6月30日、日本対ブラジルのラウンド32を生中継した。
同局は2002年日韓大会以降、7大会連続でW杯中継を担当。長年にわたるサッカー中継の実績を背景に、今大会でも地上波の重要な選択肢となった。
【日本代表戦】2026年W杯の放送日程と日本時間を振り返る
日本代表はグループFでオランダ、チュニジア、スウェーデンと対戦した。
グループステージは3試合とも日本時間の早朝から昼にかけて行われ、最後は決勝トーナメントのラウンド32でブラジルと対戦した。
日本代表の全4試合と放送局第1戦:日本対オランダ
- 日程:2026年6月15日(月)
- キックオフ:午前5時
- 中継:NHK総合、DAZN
- 結果:2対2の引き分け
グループステージ初戦はNHK総合が生中継を担当した。DAZNでもライブ配信され、平日の早朝から日本代表の戦いを視聴できる体制だった。
第2戦:日本対チュニジア
- 日程:2026年6月21日(日)
- キックオフ:午後1時
- 中継:日本テレビ系列、NHK BS、DAZN
- 結果:日本が4対0で勝利
この試合は日本テレビ系列の地上波中継が注目された一戦だった。
NHK BSも同時に中継を担当し、テレビでの視聴方法が複数用意された。
第3戦:日本対スウェーデン
- 日程:2026年6月26日(金)
- キックオフ:午前8時
- 中継:NHK総合、DAZN
- 結果:1対1の引き分け
グループステージ最終戦はNHK総合で放送された。日本代表はこの試合を終えてグループ2位となり、決勝トーナメントへ進出した。
ラウンド32:ブラジル対日本
- 日程:2026年6月30日(火)
- キックオフ:午前2時
- 中継:フジテレビ系列、NHK BS、DAZN
- 結果:ブラジルが2対1で勝利
決勝トーナメント初戦ではブラジルと対戦。日本は佐野海舟の得点で先制したものの、最終的には2対1で敗れ、今大会を終えた。
W杯放送時間は日本時間への変換に注意北中米大会では、開催国と日本の間に大きな時差があった。
そのため、日本のテレビ番組表では現地の日付と日本の日付が異なるケースが発生した。
例えば、日本対オランダ戦は現地時間では6月14日の開催だが、日本時間では6月15日午前5時のキックオフだった。
放送予定を確認するときは、必ず日本時間を基準にする必要がある。
特に深夜0時以降の試合は、テレビ番組表で前日深夜の番組として掲載される場合もあるため、日付だけで判断すると見逃す原因になる。
【DAZN】全104試合ライブ配信・日本代表戦無料視聴・料金を解説
2026年W杯の放送体制で最も大きな特徴となったのがDAZNの全試合配信だ。
DAZNは日本国内で全104試合の配信権を獲得し、グループステージから決勝まで全試合をライブ配信した。
テレビ局の放送カードに左右されず、大会全体を視聴できる点が最大の強みだった。
DAZNでは日本代表戦が無料だったDAZNが大会前に発表した内容では、日本代表の全試合が無料ライブ配信の対象となった。
加えて、準決勝2試合、3位決定戦、決勝も無料配信の対象に含まれた。
重要なのは、無料対象と有料対象の違いだ。
- 日本代表戦:無料ライブ配信
- 準決勝:無料ライブ配信
- 3位決定戦:無料ライブ配信
- 決勝:無料ライブ配信
- その他の試合:原則として対象プランへの加入が必要
無料視聴は有料契約をしていない利用者にも開放されていた。ただし、無料アカウントでのログインなど、利用条件はあった。
また、無料ライブ配信と有料契約者向けの見逃し配信は別の扱いである。無料対象の試合なら、すべての録画・見逃しコンテンツまで無料になるという意味ではない。
DAZNの料金はいくらだったのか大会期間中に全104試合を視聴する場合、基本的にはDAZN Standardが対象だった。
DAZN公式の2026年2月2日以降の料金案内では、次の料金体系が掲載されている。
| DAZNプラン | 料金(税込) | 主な視聴条件 |
|---|---|---|
| Standard月間 | 月額4,200円 | 月ごとの自動更新 |
| Standard年間一括 | 年額32,000円 | 12カ月分を一括払い |
| Standard年間月々払い | 月額3,200円 | 12カ月契約、総額38,400円 |
| Global | 月額980円 | Standardとは対象コンテンツが異なる |
| Baseball | 年額27,600円または月額2,300円 | W杯全104試合の視聴には別途対応が必要 |
なお、上記は2026年11月時点で確認できる料金体系であり、大会期間中のキャンペーン価格とは異なる場合がある。
特に注意したいのは、DAZN GlobalやBaseballがStandardと同じ視聴権を持つわけではないことだ。
大会当時、全104試合の視聴対象となったのはStandard。BaseballプランではWorld Cup Add-Onが必要となる案内だった。
DAZNで視聴する方法大会当時の基本的な視聴手順は次のとおり。
1. DAZNのアカウントを作成する。
2. メールアドレスなどを登録する。
3. 無料対象試合の場合は無料アカウントでログインする。
4. 全試合を視聴する場合は対象となる有料プランを契約する。
5. DAZNアプリやウェブブラウザーから試合を選択する。
対応デバイスはスマートフォン、タブレット、スマートテレビ、ゲーム機、パソコンなど。
また、大会期間中は日本語実況・解説付きの配信が提供され、マルチアングルやイマーシブビューなどの視聴機能も展開された。
ただし、2026年11月現在、大会はすでに終了している。これから契約する場合は、リアルタイムのW杯中継ではなく、利用可能なアーカイブや通常のスポーツコンテンツが目的になる。
【見逃し配信】NHK ONE・DAZN・BS4Kは何が違ったのか
リアルタイムで試合を見られない人にとって、見逃し配信の有無も要点だった。
今回の大会ではNHK ONEとDAZNがそれぞれ異なる形で見逃し視聴に対応した。
NHK ONEはNHK総合の中継と関連番組を配信NHK ONEは、NHKの番組をインターネットで視聴できるサービスだ。
2026年W杯では、NHK総合で放送された計34試合と大会期間中のハイライト番組について、同時配信と見逃し配信が実施された。
対象となった主なコンテンツは次のとおり。
- NHK総合のグループステージ中継
- NHK総合の決勝トーナメント中継
- デイリーハイライト
- 2分間の試合ハイライト
スマートフォンやパソコンなどから視聴できるため、テレビの前にいられない人にも便利な仕組みだった。
NHK ONEの利用には受信契約に関する条件がある。すでにNHKと受信契約を結んでいる世帯は、別途の契約や追加負担なしで利用できる。一方、受信契約がない世帯が対象サービスを利用する場合は、新たに受信契約が必要となる。
DAZNは全104試合の見逃し配信にも対応DAZNはライブ配信だけでなく、全104試合のフルリプレイや拡張ハイライトにも対応する案内を行っていた。
特に北中米大会は、日本時間の深夜や早朝に行われる試合が多かった。
そのため、ライブ視聴が難しい社会人や学生にとって、見逃し配信の存在は大きな意味を持った。
ただし、試合映像を端末にダウンロードして、インターネット接続なしで視聴する機能には対応していなかった。
BSプレミアム4Kはテレビで高精細映像を楽しむ選択肢NHK BSプレミアム4Kでは、全104試合を生中継または録画放送で編成した。
DAZNがインターネット配信を中心とするのに対して、BSプレミアム4Kは対応するテレビや受信設備を使って視聴する方式だ。
テレビの大画面でサッカーを楽しみたい人にとっては魅力的な選択肢だった。
なお、BSプレミアム4Kの録画放送と、NHK ONEの見逃し配信は別の仕組みである。録画機器を利用したい人は、受信環境や録画予約の条件も確認する必要があった。
【プロの結論】2026年W杯放送から見えた視聴スタイル別の選び方
今回のW杯では、地上波、BS、BS4K、インターネット配信が競合するだけでなく、それぞれの得意分野を補い合う構造が生まれた。
どのサービスが優れているかは、視聴したい試合数や利用環境によって変わる。
視聴目的別のおすすめ日本代表戦だけを楽しみたい人
地上波のNHK総合、日本テレビ、フジテレビ、NHK BSが選択肢となる。
DAZNでも日本代表戦は無料ライブ配信の対象だったため、有料契約をせずに視聴する方法も用意されていた。
海外の強豪国や決勝トーナメントも見たい人
全104試合をライブ配信したDAZNが適していた。
地上波の放送カードに含まれない試合まで追いかけられるため、海外サッカーのファンにとって利便性が高かった。
テレビの大画面で高精細映像を楽しみたい人
NHK BSプレミアム4Kが有力な選択肢だった。
ただし、対応する受信設備が必要となるため、事前の環境確認が欠かせない。
仕事や学校でリアルタイム視聴が難しい人
NHK ONEやDAZNの見逃し配信が便利だった。
ただし、無料配信と有料プランの対象範囲、配信期間は区別する必要がある。
DAZNの大会総括から見えた新しい観戦スタイルDAZNが大会終了後に公表した総括レポートによると、同サービスを通じた大会の視聴者は延べ6,700万人、総視聴数は4億5,000万を超えた。
加えて、DAZNの視聴データでは、日本代表戦以外の試合が全体の視聴の80%を占めたという。
ライブ視聴が54%だった一方、テレビでの視聴も41%を占めていた。
この数字から読み取れるのは、ネット配信がスマートフォンだけの視聴手段ではなく、テレビ画面を通じた観戦にも浸透していたことだ。
また、全国1,000カ所以上のパブリックビューイングには20万人以上が参加したとDAZNは発表している。
こうした結果は、日本代表戦だけでなく、世界各国の試合を楽しむ観戦スタイルが広がったことを示す材料となった。なお、これらはDAZNが公表した自社サービスの実績値である。
【W杯放送】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年W杯の全104試合をテレビで見ることはできた?
A1:NHK BSプレミアム4Kでは全104試合が生中継または録画放送された。地上波ではNHK総合34試合、日本テレビ系列15試合、フジテレビ系列10試合が中継された。DAZNでは全104試合がライブ配信された。
Q2:DAZNで日本代表戦を無料で見られた?
A2:見られた。大会期間中は日本代表の全試合が無料ライブ配信の対象だった。無料アカウントでログインして視聴する仕組みで、有料Standardプランへの加入は必要なかった。
Q3:NHK ONEでW杯の見逃し配信は見られた?
A3:見られた。大会期間中、NHK総合で放送した34試合と大会関連のハイライト番組が同時・見逃し配信された。ただし、NHK ONEには受信契約に関する利用条件がある。
Q4:日本代表の試合はどのテレビ局が担当した?
A4:グループステージ第1戦はNHK総合、第2戦は日本テレビ系列とNHK BS、第3戦はNHK総合が担当した。ラウンド32のブラジル戦はフジテレビ系列とNHK BSで中継された。
Q5:2026年W杯の放送は現在もライブで見られる?
A5:大会は2026年7月に終了しているため、現在はライブ中継を視聴できない。DAZNなどが提供する過去試合のリプレイやアーカイブについては、現在の契約条件と公開状況を確認する必要がある。
2026年FIFAワールドカップの日本国内向け放送は、NHK、日本テレビ系列、フジテレビ系列、DAZNがそれぞれの強みを生かす形で展開された。
NHK総合は34試合、日本テレビ系列は15試合、フジテレビ系列は10試合を担当。NHK BSプレミアム4Kは全104試合を放送し、DAZNは全試合のライブ配信を実現した。
特に注目すべきだったのは、日本代表戦がDAZNで無料配信されたことだ。全試合を楽しむための有料サービスと、日本代表戦を無料で視聴する方法が両立していた。
また、NHK ONEの同時・見逃し配信やDAZNのフルリプレイによって、深夜・早朝の試合をリアルタイムで見られない人にも視聴の選択肢が広がった。
今回の大会が示したのは、スポーツ中継の価値が単純な放送試合数だけでは決まらないということだ。地上波の視聴しやすさ、BS4Kの映像品質、ネット配信の網羅性、見逃し視聴の利便性。それぞれの特徴を理解することが、これからの大型スポーツ大会をより楽しむための判断基準になる。