2026年11月現在、日本の暴力団は構成員の減少が続いている。警察庁が2026年に公表した「令和7年における組織犯罪の情勢」によると、2025年末時点の暴力団構成員と準構成員等を合わせた勢力は、前年比1,200人減の1万7,600人。統計を確認できる中で過去最少を更新した。一方、暴力団と関係する匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)の活動や、詐欺、薬物、恐喝などの資金獲得活動は依然として警察の重要な捜査対象となっている。
そもそも暴力団とは、単に集団で行動する犯罪者を指す言葉ではない。暴力団対策法では、構成員が集団的・常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれのある団体と定義されている。指定暴力団、暴力団構成員、準構成員、半グレとの違いを理解するには、法律上の定義と実際の組織構造を分けて考える必要がある。
この記事では、暴力団の定義と歴史、2025年末の最新勢力、指定暴力団の一覧、資金源と実態、暴力団排除条例の役割、被害を受けた場合の相談先まで、2026年の公的資料を基に整理する。
【基本知識】暴力団とは?法律上の定義と暴力団対策法の役割

暴力団の定義を理解するうえで、最初に確認したいのが「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」、通称・暴力団対策法(暴対法)である。
同法第2条第2号では、暴力団を次のように定義している。
「その団体の構成員(その団体の構成団体の構成員を含む。)が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体」
ここで重要なのは、構成員全員が直接暴力を振るっている必要はないという点だ。
組織として暴力的不法行為を助長する性質を持っているかどうかが、法律上の判断に関係する。
つまり、暴力団は個々の犯罪者を単純に集めた集団ではなく、組織的な結び付きや威力を利用して不法行為を行うことを背景とした集団として位置付けられている。
暴力団対策法はいつ成立・施行された?暴力団対策法は1991年5月15日に公布され、1992年3月1日に施行された。
法律の目的は、暴力団員による不当な要求を規制するとともに、対立抗争などから市民生活を守り、被害を予防することにある。
主な仕組みは次のとおり。
- 指定暴力団の指定
- 暴力的要求行為の禁止
- 不当要求に対する中止命令
- 再発防止命令
- 対立抗争に伴う危険への対策
- 暴力追放運動推進センターの活動支援
特に重要なのが、公安委員会による指定制度だ。
一定の要件を満たす暴力団について、都道府県公安委員会が指定暴力団として指定する。指定を受けると、所属する構成員による一定の不当要求行為などに対して、暴対法に基づく規制や行政命令を適用できる。
ただし、暴対法は暴力団への所属そのものを一律に犯罪として処罰する法律ではない。組織の威力を示した不当要求など、法律が定める行為を規制することが中心となっている。
指定暴力団と一般的な暴力団は何が違う?指定暴力団とは、暴対法に基づいて都道府県公安委員会から指定を受けた暴力団を指す。
暴力団という言葉が組織の性質を表すのに対し、指定暴力団は法律上の指定を受けた団体という違いがある。
また、指定には原則3年間の有効期間があり、引き続き要件を満たす場合には再指定される。
指定暴力団に関する情報は、警察庁や各都道府県警察が公表している。団体の名称だけでなく、指定の有効期間や基準日にも注意したい。
【2026年最新データ】暴力団勢力は1万7,600人!構成員・準構成員の違いと指定暴力団一覧
2025年末の暴力団勢力は過去最少警察庁の「令和7年における組織犯罪の情勢」によると、2025年末時点の全国の暴力団構成員等は1万7,600人だった。
前年末の1万8,800人から1,200人減少し、21年連続で減少している。
内訳は次のとおり。
- 暴力団構成員:約9,400人
- 準構成員等:約8,200人
- 合計:約1万7,600人
暴力団対策法が施行された1992年末の約9万600人と比較すると、勢力は大幅に縮小している。
ただし、人数が減少したからといって、暴力団による犯罪や資金獲得活動がなくなったわけではない。
警察庁は、組織の活動を不透明化し、資金獲得方法を多様化することで、人的・経済的な基盤を維持しようとする動きがあると分析している。
暴力団構成員と準構成員の違い暴力団構成員と準構成員等は、警察の統計上も区別されている。
暴力団構成員は、暴力団という組織に所属する正式な構成員を指す。
一方、準構成員等は、暴力団員ではないものの、暴力団と関係を有する者を指す。
例えば、暴力団の威力を背景に暴力的不法行為を行うおそれがある者や、資金・武器などを提供して組織の維持や運営に協力する者が該当し得る。
準構成員は単に組織内の地位が低い人を意味するわけではない。正式な構成員かどうかと、組織との関係性によって区別される。
暴力団に関係する主要団体の勢力警察庁の2025年末の統計では、六代目山口組、神戸山口組、絆會、池田組、住吉会、稲川会の主要6団体に所属する構成員等は合計約1万2,500人で、全国の暴力団構成員等の71.0%を占めている。
主要団体に勢力が集中していることも、日本の暴力団情勢の特徴だ。
2026年の指定暴力団一覧指定暴力団の数は、指定の有効期間や再指定などによって変動する。
警察庁の令和7年の組織犯罪情勢に掲載された一覧表では、2026年3月12日までに官報公示された25団体が掲載されている。一方、2026年5月末時点の静岡県警察の公表資料では24団体となっている。
以下は、後者の2026年5月末時点の公表資料に基づく一覧である。
1. 六代目山口組
2. 稲川会
3. 住吉会
4. 五代目工藤會
5. 旭琉會
6. 八代目会津小鉄
7. 六代目共政会
8. 八代目合田一家
9. 四代目小桜一家
10. 五代目浅野組
11. 道仁会
12. 二代目親和会
13. 双愛会
14. 三代目侠道会
15. 太州会
16. 極東会
17. 二代目東組
18. 松葉会
19. 四代目福博会
20. 二代目浪川会
21. 神戸山口組
22. 絆會
23. 関東関根組
24. 池田組
暴力団をめぐる問題では、正式な構成員、周辺者、指定制度、排除活動などが相互に関係している。
| 主体・制度 | 法律上・社会的な位置付け | 関連する関係性 |
|---|---|---|
| 暴力団 | 暴力的不法行為等を助長するおそれのある団体 | 組織全体の基本概念 |
| 暴力団構成員 | 暴力団に正式に所属する者 | 組織の構成員 |
| 準構成員等 | 暴力団員以外の関係者 | 資金提供や組織運営への協力など |
| 指定暴力団 | 公安委員会が指定した暴力団 | 暴対法による規制の対象 |
| 準暴力団・半グレ | 暴力団に準ずる集団などを表す概念 | 暴力団と密接な関係を持つ場合もある |
| 匿名・流動型犯罪グループ | 中核人物の匿名化と実行犯の流動化が特徴 | 暴力団との人的・資金的なつながりも確認されている |
| 暴力追放運動推進センター | 暴力団排除を支援する公益的団体 | 被害相談や排除活動を支援 |
この関係を理解するうえで注意したいのは、準構成員と準暴力団は同じ意味ではないことだ。
準構成員は暴力団との関係を持つ個人を示す区分であり、準暴力団は暴力団に準ずる集団を示す警察実務上の概念である。
【資金源と実態】暴力団は何で稼ぐ?みかじめ料と暴力的要求行為の仕組み
暴力団の資金源は従来型と新しい手法に分かれる暴力団の活動を支える大きな要素が資金獲得活動だ。
従来から知られているものには、次のような行為がある。
- 覚醒剤などの違法薬物の密売
- 賭博やノミ行為
- 恐喝や不当な金品要求
- みかじめ料や用心棒代の徴収
- 違法な金融取引
加えて、近年は犯罪の手口が多様化している。
警察の公表資料では、詐欺、窃盗、違法薬物の販売、建設業や人材派遣業などの事業活動への関与、企業への不当な金銭要求なども問題として挙げられている。
暴力団の活動は、必ずしも外見から分かるような違法行為だけに限られない。一般の経済活動を装いながら、組織の維持や運営に資金を流す構造にも注意が必要だ。
2025年の検挙状況から見える犯罪の実態警察庁によると、2025年中に暴力団構成員等が検挙された人数は7,335人だった。前年より914人、11.1%減少している。
主な罪種別の検挙人員は次のとおり。
- 覚醒剤取締法違反:1,478人
- 傷害:938人
- 詐欺:875人
- 窃盗:617人
- 麻薬取締法違反:530人
- 恐喝:385人
これらは警察による検挙人員であり、実際の犯罪発生件数や犯罪収益の総額を示す数字ではない。
それでも、薬物犯罪や詐欺、窃盗などが暴力団関連犯罪の重要な捜査対象となっていることが分かる。
みかじめ料とは?飲食店などに要求される金銭みかじめ料とは、暴力団が縄張り内で営業する飲食店や事業者などに対し、挨拶料、場所代、用心棒代などの名目で要求する金品のことだ。
例えば、次のような名目が使われることがある。
- 毎月の挨拶料
- 店舗の場所代
- 用心棒代
- 営業上のトラブルを防ぐための費用
- 地域の付き合いを理由とした金銭
名称が何であっても、暴力団の威力を背景に不当に金銭を要求する行為は問題となる。
特に、支払いを断った際に営業への妨害や嫌がらせをほのめかすケースでは、単なる商取引とは性質が異なる。
暴力団に金銭を渡すことは、組織の資金基盤を維持することにもつながる。要求を受けた場合は、個人や店舗だけで解決しようとせず、警察や暴力追放運動推進センターに相談することが重要だ。
暴力的要求行為とは?暴対法第9条の27類型暴力団対策法第9条では、指定暴力団員が所属する組織の威力を示して行う一定の不当要求を、暴力的要求行為として禁止している。
禁止される行為は27類型に整理されている。
代表例は次のとおり。
- 人の弱みにつけ込んで金品を要求する行為
- 寄付金や賛助金などを不当に要求する行為
- 不当な下請け参入を要求する行為
- みかじめ料を要求する行為
- 用心棒料などを要求する行為
- 高利債権の不当な取り立て
- 不当な示談介入
- 因縁をつけて金品を要求する行為
- 不当な公共事業への参入要求
こうした行為が確認された場合、公安委員会は必要に応じて中止命令や再発防止命令を発出できる。
重要なのは、相手が直接暴力を振るわなくても、暴力団の威力を示して不当な要求を行えば、法律上の問題となり得る点だ。
【徹底比較】暴力団と半グレ・匿名流動型犯罪グループは何が違う?
半グレとは?暴力団とは異なる組織形態「半グレ」は、一般的に暴力団に所属しないものの、集団で暴力や犯罪に関与する者たちを指す俗称として使われている。
警察は、暴力団のような明確な組織構造を持たず、先輩・後輩や友人・知人などの関係を基盤に集団を形成し、暴力団との密接な関係がうかがわれる集団などを「準暴力団」と位置付けてきた。
暴力団との大きな違いは、組織の構造や構成員の結び付きにある。
暴力団は、組長などの統制の下で階層的に構成されることが多い。一方、半グレと呼ばれる集団は、比較的緩やかな人間関係で結び付いている場合がある。
ただし、半グレという言葉は法律上の正式な組織区分ではない。すべての集団が同じ性質を持つわけでもない。
匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)とは?匿名・流動型犯罪グループは、通称「トクリュウ」と呼ばれる。
警察庁が示す特徴は、主に次の2点だ。
1. 犯罪収益を吸い上げる中核人物が匿名化されている。
2. SNSや求人サイトなどを通じて実行犯がその都度募集され、メンバーが流動的に入れ替わる。
従来型の暴力団とは異なり、明確な組織名や固定された構成員を把握しにくいことが特徴となっている。
主な資金獲得活動には、特殊詐欺、組織的な強盗・窃盗、薬物密売、違法なスカウト行為などがある。
暴力団・半グレ・トクリュウの違いそれぞれの特徴を整理すると、次のようになる。
暴力団
- 組織の上下関係が明確な場合が多い。
- 組長などを中心とした階層構造を持つ。
- 組織の威力を背景とした資金獲得活動を行う。
- 暴対法による指定制度がある。
半グレ・準暴力団
- 法律上の正式な暴力団とは異なる。
- 先輩・後輩、友人・知人などの関係で集団を形成する。
- 暴行、傷害、恐喝などに関与する集団もある。
- 暴力団との関係が確認される場合もある。
匿名・流動型犯罪グループ
- 中核人物が匿名化されている。
- SNSや求人サイトなどを通じて実行犯を募集する。
- 犯罪ごとにメンバーや役割が変わる。
- 詐欺、強盗、窃盗、薬物犯罪など多様な資金獲得活動を行う。
ここで注意したいのが、暴力団と匿名・流動型犯罪グループを完全に独立した存在として考えないことだ。
警察庁の令和7年版警察白書では、トクリュウの中核的人物に暴力団構成員や元構成員が含まれるケース、暴力団に資金が流れるケース、両者が共謀して犯罪を行うケースが確認されている。
加えて、暴力団が匿名・流動型犯罪グループを実質的に傘下に置き、犯罪行為を分担させることで、資金獲得活動の多様化や組織実態の不透明化を図る状況も警察庁の分析で指摘されている。
2025年にトクリュウによるものとみられる主な資金獲得犯罪で検挙された人員は6,679人に上る。
この数字はトクリュウの構成員総数ではなく、関連するとみられる資金獲得犯罪の検挙人員である。
暴力団の勢力が縮小する一方、犯罪組織の形態が変化していることを示す重要なデータだ。
【反社会的勢力の見分け方】暴力団排除条例と企業・市民を守る仕組み
反社会的勢力は外見だけで判断できない反社会的勢力とは、暴力や威力、詐欺的な手法などを利用して経済的利益を追求する集団や個人を広く捉えた概念である。
暴力団だけでなく、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標榜ゴロ、政治活動標榜ゴロ、特殊知能暴力集団なども含まれ得る。
そのため、暴力団と反社会的勢力は完全に同じ意味ではない。
また、服装、髪型、入れ墨、高級車などの外見的特徴だけで反社会的勢力かどうかを判断することはできない。
実際に注意したいのは、相手の属性だけでなく、要求や取引の内容だ。
例えば、次のような状況は警戒する必要がある。
- 暴力団や有力者との関係を強調して威圧する。
- 寄付金や賛助金などの名目で繰り返し金銭を要求する。
- 契約内容や支払いの根拠を明確にしない。
- 正規の請求書や領収書を出さず現金を要求する。
- 断ると営業妨害や嫌がらせをほのめかす。
- 第三者名義の口座などへの送金を求める。
- 法的な責任の範囲を超える要求を繰り返す。
これらは確認すべき行動上の兆候であり、個別の行為だけで相手を反社会的勢力と断定できるわけではない。
金融庁の監督指針でも、反社会的勢力を判断する際には、暴力団などの属性要件と、暴力的・不当な要求などの行為要件の双方に着目する考え方が示されている。
暴力団排除条例は全国47都道府県で施行暴力団排除条例は、暴力団と市民・企業・行政機関との関係を遮断するための重要な制度だ。
警察庁の資料によると、2011年10月までに全国47都道府県で施行された。
条例の基本的な考え方は、警察だけに暴力団排除を任せるのではなく、自治体、企業、市民、関係団体が協力して暴力団の活動基盤をなくすことにある。
主な仕組みは次のとおり。
1. 暴力団への利益供与の禁止
暴力団の威力を利用する目的や、組織の維持・運営に協力する目的で金品などを提供することを規制する。
2. 公共事業からの排除
自治体などが発注する公共工事や各種契約から暴力団関係者を排除する。
3. 暴力団排除条項の導入
企業が契約書に、相手方が暴力団関係者であると判明した場合の契約解除などを定める。
4. 不動産取引における排除
暴力団事務所として利用されることを知りながら不動産取引を行うことなどを規制する。
5. 青少年への教育と保護
学校や地域社会で暴力団への加入防止や排除に関する啓発活動を行う。
条例の具体的な内容や罰則、努力義務の範囲は都道府県によって異なる。
暴力団排除条項とは?企業間の契約でよく使われるのが、暴力団排除条項だ。
これは、取引相手が暴力団員や暴力団関係企業などに該当する場合に、契約を締結しない、または契約後に関係が判明した場合に解除できるようにする条項である。
例えば、次のような内容が盛り込まれる。
- 契約相手が暴力団関係者ではないことを表明する。
- 暴力団関係者との関係を持たないことを約束する。
- 暴力団関係者であると判明した場合に契約を解除できる。
- 暴力団による不当要求や業務妨害を禁止する。
こうした契約上の仕組みは、暴力団が企業活動や不動産取引などを通じて資金を得ることを防ぐ役割を果たす。
暴力団排除は、単に犯罪を取り締まるだけでなく、組織に資金や活動場所を提供しない社会的な仕組みでもある。
【被害を受けたら】暴力団に関する相談窓口と具体的な対処法
暴力団から不当な要求を受けた場合、最も避けたいのは一人で対応しようとすることだ。
相手の要求に応じて金銭を支払ったり、個人的な約束をしたりすると、要求が繰り返される可能性がある。
警察庁は、暴力団問題について早期の相談や通報が重要だとしている。
暴力団に関する主な相談先1. 警察・110番
脅迫、暴力、押しかけなど、現在進行中の危険や緊急性のある事件・事故は110番に通報する。
2. 警察相談専用電話・#9110
緊急の事件・事故ではないものの、暴力団からの要求や不審な接触について相談したい場合に利用できる。
発信地を管轄する警察本部などの相談窓口につながる。
3. 全国暴力追放運動推進センター
暴力団排除に関する相談や被害防止の支援を行う公益的な団体だ。
各都道府県にも暴力追放運動推進センターが設置されている。
4. 匿名通報ダイヤル
暴力団や匿名・流動型犯罪グループが関与する犯罪などについて、匿名で情報提供できる制度である。
電話による受付番号は0120-924-839。通報対象や受付方法については、警察庁の最新案内を確認したい。
不当要求を受けたときの具体的な対応実際に要求を受けた場合は、次の対応が基本となる。
① 相手の要求にその場で応じない
金銭の支払いや契約、個人的な約束を即決しない。恐怖を感じても、安易に相手の要求を受け入れないことが重要だ。
② 記録や証拠を保管する
日時、場所、相手の言動、要求された金額、電話やメッセージの履歴、契約書、振込記録などを可能な範囲で保存する。
ただし、証拠を集めるために危険な相手へ接触したり、無理に撮影したりする必要はない。
③ 警察や暴追センターへ相談する
相手の要求が違法かどうか分からない場合でも、相談してよい。
被害が大きくなる前に専門機関へ情報を共有することが大切だ。
④ 弁護士などの専門家と連携する
企業間取引や不動産契約、金銭トラブルなどが関係している場合は、警察だけでなく弁護士への相談も検討したい。
相手と直接対決することや、個人の判断だけで関係を断とうとすることは避け、安全を確保しながら専門機関の支援を受けることが望ましい。
暴力団排除の基本原則暴力団排除の考え方を簡潔に表す言葉として、警察が掲げる次の原則がある。
- 暴力団を利用しない。
- 暴力団を恐れない。
- 暴力団に金を出さない。
これは市民だけでなく、企業や自治体にも共通する基本姿勢だ。
暴力団の資金源や活動基盤を断つことは、被害を未然に防ぎ、地域社会の安全を守ることにつながる。
【暴力団とは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:暴力団とは法律上どのような団体ですか?
A1:暴力団対策法第2条では、構成員が集団的または常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体と定義されています。単に複数人で集まっているだけでは、法律上の暴力団とは判断されません。
Q2:暴力団構成員と準構成員の違いは何ですか?
A2:暴力団構成員は組織に正式に所属する者です。準構成員等は、正式な構成員ではないものの、暴力団の威力を背景に不法行為を行うおそれがある者や、資金・武器の提供などを通じて組織の維持・運営に協力する者を指します。
Q3:2026年最新の暴力団勢力は何人ですか?
A3:警察庁が2026年に公表した2025年末の統計では、暴力団構成員と準構成員等を合わせて1万7,600人です。内訳は構成員約9,400人、準構成員等約8,200人で、過去最少を更新しました。
Q4:暴力団と半グレは同じですか?
A4:同じではありません。暴力団は組織構造や構成員の結び付きが比較的明確な集団です。一方、半グレは暴力団に所属しないものの、集団で犯罪に関与する者などを指す俗称です。警察は一部の集団を準暴力団として位置付けています。
Q5:暴力団から金銭を要求された場合はどこに相談すればよいですか?
A5:緊急の危険がある場合は110番、緊急性のない相談は警察相談専用電話#9110を利用できます。全国暴力追放運動推進センターや都道府県の暴力追放運動推進センターにも相談できます。
2026年の暴力団情勢を理解するうえで、最も重要な数字は、2025年末時点の構成員等1万7,600人という過去最少の勢力だ。
暴力団対策法の施行、警察による取締り、暴力団排除条例の全国的な整備、企業や市民による関係遮断などが、長期的な勢力縮小を支えてきた。
一方で、組織の弱体化と犯罪リスクの消滅は同じではない。
暴力団の資金獲得活動は多様化し、準暴力団や匿名・流動型犯罪グループとの人的・資金的なつながりも確認されている。従来の組織構造だけに注目していては、現在の組織犯罪の実態を十分に把握できない。
【プロの結論】数字の減少だけで安心せず、資金と関係性を見る暴力団排除を考える際に大切なのは、組織の人数だけではなく、資金の流れと社会との接点に注目することだ。
読者が押さえておきたい判断基準は3つある。
1. 法律上の定義を理解する: 暴力団、指定暴力団、準構成員、準暴力団、トクリュウはそれぞれ異なる概念である。
2. 不当な要求に応じない: みかじめ料や不当な賛助金など、暴力団の威力を背景にした要求を個人や企業だけで抱え込まない。
3. 公的な相談先を活用する: 警察、暴力追放運動推進センター、弁護士などと連携し、被害を防ぐ。
暴力団の勢力が減少していることは、長年にわたる社会全体の排除活動の成果でもある。しかし、犯罪組織が形を変えて活動を続ける以上、対策を緩めることはできない。
暴力団排除の基本は、組織を利用せず、資金を提供せず、不当な要求を社会全体で拒絶することにある。正しい法律知識と相談先を知っておくことが、自分自身や家族、地域、企業を守る第一歩となる。
主な公的根拠・参照資料
- 警察庁「令和7年における組織犯罪の情勢」:2025年末の勢力、検挙人員、主要団体の統計。
- 警察庁・静岡県警察:指定暴力団の指定状況と2026年5月末の一覧。
- 暴力団対策法・e-Gov法令検索:第2条の定義、第9条の暴力的要求行為。
- 警察庁「令和7年版警察白書」:匿名・流動型犯罪グループと暴力団の関係。
- 警察庁・都道府県警察:暴力団排除条例、相談窓口、27類型の不当要求行為。