「富士山はいつ噴火するのか」「2026年中に噴火する可能性はあるのか」。日本を代表する活火山である富士山について、こうした疑問や不安を抱く人は少なくない。最後に噴火したのは1707年の宝永噴火であり、2026年現在、すでに319年が経過している。300年以上噴火していないという事実は、次の噴火が近いことを意味するのだろうか。
2026年11月5日時点の気象庁の観測情報では、富士山の噴火警戒レベルは1(活火山であることに留意)で、9月の火山活動解説資料でも特段の活動変化や噴火の兆候は認められていない。一方、火山噴火の時期を何年何月と正確に予測することは、現在の科学技術でも困難だ。宝永噴火の歴史、火山性地震などの前兆、2021年改定のハザードマップ、2025年に公表された首都圏の広域降灰対策を踏まえ、富士山噴火の可能性と2026年に必要な備えを詳しく解説する。
【2026年最新】富士山噴火はいつ起きる?予測できない理由と現在の可能性

最初に押さえておきたいのは、富士山の次の噴火がいつ起きるかについて、科学的に確定した予測は存在しないという点だ。
富士山は現在も活動を続ける活火山であり、将来的に再び噴火する可能性がある。しかし、2026年、2027年、2030年など特定の年を指定して噴火を予告できる段階にはない。
2026年11月現在の富士山の火山活動気象庁が公開している「火山活動の状況(富士山)」によると、2026年11月5日時点の噴火予報は噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)となっている。
直近1週間以内に発表された臨時の火山情報はなく、現在の警戒事項も特に示されていない。
加えて、2026年9月の火山活動解説資料では、次のような観測結果が報告されている。
- 山頂付近の監視カメラで噴気は確認されていない。
- 火山性地震の発生は少なく、地震活動は低調に推移している。
- 火山性微動や浅部の低周波地震は観測されていない。
- GNSSなどの地殻変動観測で、火山活動によるとみられる特段の変化は認められていない。
気象庁は、この期間の富士山について、火山活動に特段の変化はなく静穏に経過し、噴火の兆候は認められないと評価している。
なお、2026年9月分の資料には、10月分の火山活動解説資料を11月10日に発表する予定と記載されている。そのため、11月5日時点で確認できる最新の定期資料は9月分となる。
ただし、噴火警戒レベル1は噴火の可能性が完全になくなったことを意味しない。富士山が活火山であることを踏まえ、継続的な情報確認が必要な段階だ。
富士山噴火の可能性と確率は何%なのか富士山噴火の可能性を調べると、30年周期や300年周期といった数字を見かけることがある。しかし、これらを根拠に2026年の噴火確率を算出することはできない。
火山噴火には、一定の間隔で規則正しく繰り返すという性質がない。過去の噴火間隔は数十年の場合もあれば、100年以上に及ぶ場合もある。地質記録の蓄積から長期的な活動傾向を分析することはできても、次の噴火日を割り出すことは別の問題だ。
2022年に衆議院の調査資料に掲載された、藤井敏嗣・東京大学名誉教授による寄稿論文では、過去5,600年間に確認された富士山の噴火は約180回と整理されている。その内訳は、小規模86回、中規模82回、大規模7回だ。
単純集計では小規模と中規模が全体の大部分を占めるものの、この割合が次の噴火の規模や確率を直接示すわけではない。噴火の規模や間隔には不規則性があるためだ。
2026年時点で、富士山が何年何月に噴火するか、年間の噴火確率が何%なのかを確定的に示す公的な予測値はない。「300年以上噴火していないから、今年必ず噴火する」という判断は科学的な予測とは異なる。
【最後の噴火を検証】宝永噴火(1707年)から319年、何が起きたのか
富士山の噴火を考えるうえで欠かせないのが、最後の大規模噴火となった1707年の宝永噴火だ。
江戸時代に発生したこの噴火は、現在の富士山の南東斜面に新しい火口を形成し、広範囲に火山灰や軽石を降らせた。火口周辺だけでなく、当時の江戸にも降灰が及んだ記録が残っている。
1707年12月16日に始まった宝永噴火気象庁の火山活動履歴や火山噴火予知連絡会の富士山ワーキンググループの報告によると、宝永噴火が始まったのは1707年12月16日午前10時から正午ごろ。現在の宝永山付近に当たる南東斜面に宝永火口が形成された。
噴火は一度で終わらず、断続的に続いた。気象庁の2025年4月の降灰予測に関する報告書では、1708年1月1日未明に噴火が停止するまで、約16日間にわたって活動が続いたと整理されている。
この噴火では、軽石やスコリア、火山灰が大量に放出され、噴煙は高度10数kmに達した。火山灰は上空の風に運ばれ、富士山から遠く離れた関東地方にも降り積もった。
宝永噴火の降灰量が示す広域被害2025年に気象庁が公表した「広域に降り積もる火山灰対策に資する火山灰予測情報のあり方」では、当時の史料に基づく降灰の状況が紹介されている。
- 火口から約10km離れた静岡県小山町:約300cm
- 火口から約50km離れた神奈川県伊勢原市:約30cm
- 火口から約120km離れた千葉県市原市:約8cm
これらは当時の地域ごとの降灰記録であり、現在の噴火で同じ厚さの火山灰が降ると確定しているわけではない。しかし、富士山の大規模噴火が山麓だけの問題ではないことを示す重要な歴史資料だ。
宝永噴火では、噴火前に鳴動や地震活動が確認されていた。気象庁の火山活動履歴には、噴火の1〜2か月前から山中で有感地震が発生し、十数日前から地震活動が活発化した経過も記録されている。
ただし、この歴史的な経過が次の噴火でも同じように再現される保証はない。
300年周期で噴火するという説は正しいのか宝永噴火から300年以上が経過したことを理由に、「富士山は300年周期で噴火する」「次の噴火はすでに予定時期を過ぎている」と説明する情報がある。
しかし、富士山の噴火履歴を確認すると、噴火間隔は一定ではない。平安時代には比較的短い間隔で噴火が記録されている一方、その後は長い空白期間も存在する。
東京大学名誉教授の藤井敏嗣氏も、衆議院の調査資料に掲載された論文で、火山噴火の長期的な間隔は不規則であり、過去の履歴だけから次の噴火時期を予測することは困難だと論じている。
つまり、319年間の空白は防災上の注意を促す材料ではあるが、噴火のカウントダウンを示す数字ではない。
【前兆はどこまで分かる?】火山性地震と気象庁の監視体制
噴火の時期を事前に特定できない一方、火山活動の変化を観測する技術は進歩している。富士山では気象庁を中心に、大学や研究機関、自治体などが連携し、地震活動や地殻変動などを継続的に観測している。
富士山噴火の前兆として注目される現象マグマが地下から地表に向かって上昇すると、周辺の岩盤に力が加わり、地震や地殻変動が発生する場合がある。噴火の切迫性を評価するうえで、特に重要なのが次の現象だ。
- 火山性地震:地下の岩石が破壊されたり、マグマや火山ガスなどが移動したりする際に発生する地震。
- 低周波地震:通常の地震とは異なる周波数特性を持ち、地下の流体の動きなどと関連する場合がある。
- 火山性微動:火山内部の流体移動などに伴って発生する、比較的長く続く振動。
- 地殻変動:マグマの移動や蓄積に伴って山体が膨張したり、地面が隆起・沈降したりする現象。
- 噴気の変化:火口周辺の噴気や温度など、地表の状態に変化が現れること。
これらの現象が複数の観測点で確認され、時間とともに変化する場合には、火山活動の高まりを示す可能性がある。
ただし、火山性地震が発生したからといって、必ず噴火するわけではない。反対に、異常が確認されない期間が続いているからといって、将来の噴火リスクがなくなるわけでもない。
24時間の監視を支える観測機関と設備山梨県が公開している富士山ハザードマップ関連FAQによると、富士山は気象庁の常時観測火山に指定され、365日・24時間体制で監視されている。観測データは気象庁だけでなく、大学や研究機関などとの連携によって共有されている。
| 観測主体・機関 | 主な観測手段・情報 | 確認する内容 | 防災上の役割 |
|---|---|---|---|
| 気象庁 | 地震計、遠望カメラ、火山観測データ | 火山性地震、噴気、火山活動の変化 | 噴火警報・予報や噴火警戒レベルの発表 |
| 防災科学技術研究所 | 地震観測、関連する観測データ | 山体周辺の地震活動 | 火山活動の総合的な把握を支援 |
| 東京大学地震研究所などの大学 | 地震・火山に関する研究観測 | 地下のマグマ活動や火山活動の特徴 | 火山現象の科学的な分析 |
| 国土地理院 | GNSSなどの地殻変動観測 | 山体の膨張・収縮、地盤の変化 | 火山活動に伴う地殻変動の把握 |
| 山梨県・神奈川県などの研究機関 | 地震計、傾斜計、ひずみ計、全磁力計、空振計など | 地震、地盤、地下の熱、噴火に伴う現象 | 地域の火山防災情報の充実 |
こうした観測網によって、地下のマグマの動きや山体の変化を複数の角度から調べられる。ただし、観測データから噴火の発生日を確実に割り出せるわけではない。
噴火警戒レベル1〜5の意味気象庁の噴火警戒レベルは、火山活動の状況と必要な防災対応を結びつけた5段階の指標だ。
- レベル1:活火山であることに留意。
- レベル2:火口周辺規制。
- レベル3:入山規制。
- レベル4:高齢者等避難。
- レベル5:避難。
富士山は2026年11月5日時点でレベル1となっている。レベルが上がった場合は、対象地域や規制範囲、避難対象者などが火山活動の状況に応じて示される。
また、2026年6月26日に山梨県東部・富士五湖で発生した地震についても、山梨県や富士吉田市は、地震と富士山噴火を直接結びつける科学的根拠はなく、火山活動の活発化を示す変化も確認されていないとして注意を呼びかけた。
地震の発生日時や震度だけを根拠に「富士山噴火が近い」と判断することは適切ではない。気象庁が公表する火山活動の総合評価を確認する必要がある。
【富士山ハザードマップ】溶岩流と火山灰はどこまで届く?首都圏への影響
富士山噴火の被害を考える際には、噴火口の近くで発生する現象と、遠方まで影響する現象を分けて理解することが大切だ。
2021年3月、富士山火山防災対策協議会は、最新の地質調査や研究成果を反映した富士山ハザードマップを改定した。静岡県の2026年3月更新ページでも、この改定版が防災対策の基礎資料として掲載されている。
2021年改定で想定範囲が広がった理由改定の背景には、過去の噴火口の位置や噴出物の量について、新たな知見が得られたことがある。
特に重要なのは、過去の噴火履歴を従来の約3,200年前から約5,600年前までさかのぼって調査した点だ。新たな火口跡の発見や地形データの精度向上によって、従来の想定より広い範囲を対象にシミュレーションできるようになった。
溶岩流のシミュレーションでは、小規模・中規模・大規模の3段階に分けて計252通りのケースを検討。大規模噴火の溶岩噴出量についても、従来の約7億立方メートルから約13億立方メートルへと見直された。
その結果、溶岩流の到達可能性がある地域が広がり、富士吉田市や富士宮市の市街地近くにも想定火口が設定された。神奈川県を含む7市5町が新たに火山災害警戒地域に加わった。
なお、ハザードマップに描かれた範囲は、特定の日時に実際に被害が発生することを示すものではない。過去の噴火実績や地形をもとに、複数の条件を設定して計算した可能性の範囲である。
溶岩流はどこまで到達する可能性があるのか溶岩流は、火口から流れ出した高温のマグマが地形の低い場所へ向かって進む現象だ。
流下方向は噴火口の位置や地形、噴出量によって変わる。富士山の山頂から一方向に流れるとは限らず、山腹の異なる場所に新たな火口が形成される可能性も考慮しなければならない。
特に注意が必要なのは、富士吉田市や富士宮市など、過去の火口跡が市街地の近くに確認されている地域だ。噴火口の位置によっては、溶岩流が市街地に到達するまでの時間が短くなる可能性がある。
ただし、溶岩流の影響範囲は主に富士山周辺の地域に関係する。首都圏全体に溶岩が流れ込むという意味ではない。
火山灰は東京・神奈川・千葉にも降る可能性がある首都圏で特に警戒されているのが広域降灰だ。
宝永噴火では、火山灰が東方向へ広がり、江戸を含む関東地方に降り積もった。現代でも、噴煙の高さや風向き、風速によっては、東京、神奈川、千葉などに降灰が及ぶ可能性がある。
2025年3月に内閣府が公表した「首都圏における広域降灰対策ガイドライン」では、富士山の大規模噴火を想定し、火山灰による交通やライフラインへの影響を整理している。
主な影響は次のとおりだ。
- 鉄道:微量の降灰でも地上を走る路線の運行が停止する可能性がある。
- 道路:火山灰が厚く積もると、車両の走行が困難になる。乾燥時10cm以上、降雨時3cm以上では二輪駆動車が通行不能になる想定が示されている。
- 電力:降雨時に火山灰が電線設備の絶縁性能を低下させ、停電につながる可能性がある。
- 水道:水源の水質悪化や、停電による給水機能への影響が考えられる。
- 通信:火山灰の付着や停電によって通信障害が起こる可能性がある。
- 航空:火山灰が存在する空域では、航空機の迂回や運航への影響が想定される。
特に都市部では、鉄道の運休や道路の通行障害が起きると、通勤・通学だけでなく物流にも影響が広がる。火山灰そのものによる直接的な生命の危険が比較的小さい地域でも、日常生活が長期間制限される可能性がある。
つまり、富士山噴火のリスクは山麓の住民だけに限らない。首都圏に住む人も、降灰による交通・電力・水道への影響を想定しておく必要がある。
【富士山火山避難基本計画】噴火したらどこへ逃げる?避難方法を解説
富士山周辺の避難対策は、2021年のハザードマップ改定を受けて見直された。
2023年3月29日には、富士山火山防災対策協議会が「富士山火山避難基本計画」を承認。従来の富士山火山広域避難計画を改め、噴火現象の特徴や地域ごとの危険性に応じた避難の基本方針を示した。
避難対象地域は3県27市町村富士山の火山災害警戒地域は、山梨県・静岡県・神奈川県の3県にまたがる27市町村で構成される。
新しい避難基本計画では、避難対象エリアを従来の5区分から6区分に見直した。火口からの距離や噴火現象の到達時間などを踏まえ、地域ごとに避難開始のタイミングや方法を定める考え方だ。
すべての住民が一斉に同じ方向へ避難する計画ではない。火口に近い地域や、噴石・火砕流などの危険が高い地域では、噴火前からの避難が重視される。
噴火現象によって避難のタイミングが異なる富士山噴火で想定される主な現象と、基本的な対応は次のように整理できる。
- 大きな噴石:火口周辺に短時間で飛来する危険があるため、対象地域では噴火前の避難が重要。
- 火砕流:高温のガスや火山噴出物が高速で流下する。発生後の避難が困難なため、事前避難が基本となる。
- 融雪型火山泥流:積雪期の噴火で雪が融け、谷筋などを流下する可能性がある。危険地域では自治体の指示に従った避難が必要。
- 溶岩流:火口の位置や流下予測に応じて、地域ごとに避難開始時期と避難先が設定される。
- 広域降灰:生命に直結する危険がない場合は、可能な限り屋内で生活を継続することが基本となる。
特に溶岩流の影響を受ける地域では、全住民が自家用車で一斉に移動すると、深刻な渋滞が起こる可能性がある。
避難基本計画では、道路を限られた資源と捉え、避難行動要支援者を優先する考え方が盛り込まれている。観光客などについても、住民の避難と重ならないよう帰宅・移動の時期を調整する方針だ。
首都圏では避難よりも自宅待機が基本になる場合があるここで注意したいのが、富士山噴火による降灰が予想される場合、首都圏の住民全員が一斉に避難するわけではないという点だ。
内閣府が2025年3月にまとめた広域降灰対策ガイドラインでは、基本的な住民行動をできる限り降灰域内にとどまり、自宅などで生活を継続することとしている。
火山灰は地震や火砕流のように瞬時に大きな破壊力を及ぼす現象とは異なる。人口が集中する首都圏で大量の住民が一斉に移動すると、かえって交通や避難所の混乱を招く可能性があるためだ。
ただし、建物倒壊の危険がある場合、土石流の危険地域にいる場合、自宅での生活を継続できない場合などは避難が必要となる。
避難するか、自宅にとどまるかは、火山灰の予測だけで自己判断せず、自治体の避難情報や公的機関の発表を確認して決めることが大切だ。
【2026年に実践したい防災対策】富士山噴火に備えて準備するもの
富士山噴火は発生日時を予測できないからこそ、警報が出てから準備を始めるのではなく、平常時から備えておくことが重要だ。
特に首都圏では、降灰によって交通や物流が停止し、食料品や日用品を普段どおり購入できなくなる可能性がある。日常生活を維持するための備蓄を優先したい。
家庭で用意しておきたい備蓄品内閣府や自治体の防災情報では、一般的な災害備蓄に加え、火山灰への対策用品を準備するよう呼びかけている。
- 飲料水:家族の人数に応じた十分な量を確保する。
- 食料:保存期間の長い食品や調理の必要が少ない食品を備蓄する。
- 簡易トイレ:断水や下水設備への影響に備える。
- 防塵マスク:火山灰を吸い込まないための対策用品。
- 保護ゴーグル:火山灰が目に入るのを防ぐ。
- 常備薬・救急用品:日常的に使用する薬や衛生用品を確保する。
- モバイルバッテリー:停電時の情報収集や連絡手段を確保する。
- 懐中電灯・携帯ラジオ:停電時や通信障害時に備える。
- 掃除用品:ほうき、スコップ、ゴミ袋、交換用フィルターなど。
備蓄量については、最低3日分、可能なら7日分以上を目安に、家庭の状況に合わせて準備したい。宝永噴火では約16日間噴火活動が続いた歴史があることから、余裕を持った備蓄が望ましい。
火山灰が降り始めたときの行動火山灰が降っている場合は、できる限り屋内で過ごし、不要不急の外出を控える。
- 窓やドアを閉め、室内への火山灰の侵入を防ぐ。
- 換気口などから灰が入り込まないよう対策する。
- 屋外に出る必要がある場合は、防塵マスクとゴーグルを着用する。
- コンタクトレンズは避け、眼鏡を使用する。
- 火山灰が積もった道路での自動車の運転をできるだけ避ける。
- 火山灰が目に入った場合は、こすらず水で洗い流す。
- 清掃時もマスクとゴーグルを使用し、灰を吸い込まないようにする。
火山灰は細かな粒子であり、吸い込むと呼吸器に刺激を与える。また、目に入ると痛みや炎症を引き起こす可能性がある。
雨どいや排水管に火山灰が詰まることもあるため、清掃時には排水設備への流入にも注意したい。屋根の上での作業は転落や屋根の損傷につながる危険があるため、無理に行わないことが重要だ。
富士山から離れた地域でも確認したい3つの情報富士山周辺以外に住んでいる人も、次の情報を普段から確認できるようにしておきたい。
- 気象庁の火山活動情報:噴火警戒レベルや火山活動解説資料を確認する。
- 居住自治体の防災情報:避難情報、降灰への対応、避難所の開設状況を確認する。
- 自宅周辺のハザードマップ:溶岩流、土石流、降灰など、自分の生活圏で想定される災害を把握する。
家族が別々の場所にいるときの連絡方法や集合場所も決めておくと、災害時の混乱を減らせる。勤務先や学校から自宅までの移動手段についても、鉄道が止まった場合を想定しておきたい。
【富士山噴火いつ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:富士山は2026年中に噴火する可能性がありますか?
A1:2026年11月5日時点で、2026年中の噴火を示す科学的な予測は公表されていない。気象庁の噴火警戒レベルは1で、2026年9月の定期観測資料でも噴火の兆候は認められていない。ただし、将来の噴火の可能性がなくなったわけではない。
Q2:富士山は300年周期で噴火するのでしょうか?
A2:300年周期で規則正しく噴火するという科学的な法則は確認されていない。富士山の噴火間隔は歴史的に不規則であり、宝永噴火から319年経過したことだけを理由に次の噴火時期を判断することはできない。
Q3:富士山が噴火したら東京にも火山灰が降りますか?
A3:噴火の規模や風向き、風速によっては東京を含む首都圏にも火山灰が到達する可能性がある。宝永噴火では江戸にも大量の降灰があった。現代では鉄道、道路、電力、水道、通信などへの影響が懸念されている。
Q4:富士山噴火の前兆として地震が増えるのでしょうか?
A4:マグマの上昇などに伴って火山性地震や低周波地震が増加する場合がある。また、地殻変動や噴気の変化も重要な観測対象だ。ただし、地震が発生しただけで噴火が近いと判断することはできない。
Q5:富士山が噴火した場合、首都圏の住民も避難する必要がありますか?
A5:必ずしも全員が避難する必要はない。2025年の内閣府ガイドラインでは、広域降灰が発生した場合、原則として可能な限り自宅などで生活を継続する方針が示されている。ただし、建物倒壊や土石流などの危険がある場合は、自治体の指示に従って避難する必要がある。
富士山噴火はいつ起きるのか。その答えは、2026年11月現在も科学的には特定できない。最後の噴火である1707年の宝永噴火から319年が経過しているものの、300年という数字が次の噴火を約束するわけではない。
気象庁の2026年9月の観測資料では、火山性地震は低調で、噴気や地殻変動にも特段の変化は認められていない。噴火警戒レベルも1が継続している。一方、富士山は将来的な噴火の可能性を持つ活火山であり、監視と防災対策を続ける必要がある。
2021年に改定された富士山ハザードマップや2023年の富士山火山避難基本計画、2025年の首都圏における広域降灰対策ガイドラインは、噴火時の被害と対応を具体的に考えるための重要な資料だ。
【プロの結論】
富士山噴火に関する情報を判断するときは、次の3つを基準にしたい。
- 「2026年に必ず噴火する」など、具体的な年月日を断定する予言を信頼しない。
- 地震の発生回数だけではなく、気象庁による火山活動の総合評価と噴火警戒レベルを確認する。
- 自宅周辺のハザードマップを把握し、降灰対策用品と生活物資を平常時から備蓄する。
噴火の発生時期を正確に知ることはできなくても、被害を減らすためにできることはある。富士山の近くに住む人だけでなく、首都圏を含む広い地域の住民が、自分の生活圏にどのような影響が及ぶのかを理解しておくことが大切だ。
恐怖をあおる予言に振り回されるのではなく、気象庁や自治体の公式情報を確認し、科学的な観測と現実的な防災対策に基づいて行動する。それが、富士山噴火という長期的な自然災害リスクに向き合うための最も確かな方法である。
主な情報源・根拠資料
- 気象庁「富士山 火山活動解説資料(令和8年9月)」
- 気象庁「富士山 有史以降の火山活動」
- 静岡県「富士山ハザードマップ(令和3年3月改定)」
- 静岡県「富士山火山避難基本計画(令和5年3月)」
- 内閣府「首都圏における広域降灰対策ガイドライン(令和7年3月)」
- 藤井敏嗣氏「富士山噴火に係る現状と対策」(衆議院調査資料、2022年)