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【県内総生産と何が違う?】1人当たり県民所得ランキングも比較

黒田 宗一郎 黒田 宗一郎 • 更新: • 公開: • 読了約 10 分
目次

都道府県の経済力を比較するとき、もう一つ注目したいのが「1人当たり県民所得」です。県内総生産が地域全体の経済規模を示すのに対し、1人当たり県民所得は人口で割った所得水準を示します。

2023年度の上位は、東京都636万8,000円、愛知県415万円、静岡県382万2,000円、福井県364万2,000円、栃木県355万5,000円でした。経済規模の大きさだけでなく、人口当たりの所得水準にも地域差が表れています。

1人当たり県民所得の最下位は沖縄県

47位は沖縄県の231万5,000円です。46位の鳥取県は261万1,000円、45位の宮崎県は269万5,000円でした。

興味深いのは、県内総生産で最下位だった鳥取県と、1人当たり県民所得で最下位だった沖縄県が異なることです。

沖縄県は県内総生産では34位ですが、1人当たり県民所得では47位です。地域全体の生産規模と、人口当たりの所得水準は別の指標であることがよく分かります。

県民所得は平均年収や平均給与ではない

ここで注意したいのが、県民所得を住民の平均年収と同じものとして扱わないことです。

県民所得には、雇用者報酬だけでなく、企業所得や財産所得なども含まれます。つまり、企業の利益も計算に入るため、1人当たり県民所得が高いからといって、その地域で働く人の給与が必ず高いとは限りません。

実際に、2023年度の1人当たり県民所得では大阪府は11位の345万円ですが、1人当たり県民雇用者報酬では5位の513万9,000円です。比較する指標によって順位が変わります。

給与水準を知りたい場合は、賃金構造基本統計調査などの賃金統計や、県民経済計算の1人当たり県民雇用者報酬を確認する方が適切です。経済規模を知りたいのか、住民の所得水準を知りたいのかによって、使うデータを選ぶ必要があります。

【都道府県GDPランキングの推移】2022年度から何が変わった?

gdpランキング都道府県

都道府県別GDPランキングは、毎年度同じ順位になるわけではありません。産業の生産量、設備投資、物価、雇用、消費などの変化によって、経済規模や成長率は動きます。

2022年度から2023年度に起きた上位の変化

最も分かりやすい変化が、愛知県と大阪府の順位逆転です。

2022年度は大阪府が43兆1,477億円、愛知県が43兆653億円でした。ところが2023年度には愛知県が46兆911億円、大阪府が44兆9,924億円となり、愛知県が2位に浮上しました。

東京都は2022年度の約120兆3,000億円から2023年度の約125兆円へと拡大し、首位を維持しています。上位3都府県の経済規模は引き続き大きく、東京と中京圏、関西圏が日本経済の主要な拠点となっています。

2023年度の経済環境もランキングに影響

2023年度の日本経済では、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが2023年5月に5類へ移行し、社会経済活動の正常化が進みました。

企業収益は全体として好調だった一方、円安による輸入物価の上昇が企業や家計に影響しました。名目賃金の伸びが物価上昇に追いつかず、個人消費は力強さを欠く状況も見られています。

こうした環境では、価格上昇の影響を受けやすい名目GDPだけを見ていると、地域経済の実際の成長を見誤る可能性があります。製造業の生産活動が強かった愛知県と、サービス産業や都市機能が集積する東京都では、経済規模を押し上げる要因も異なります。

歴代ランキングを比較するときの注意点

都道府県GDPの歴代ランキングや長期推移を調べる場合は、年度だけでなく統計の基準も確認する必要があります。

県民経済計算は、国際的な経済統計の基準や推計方法の見直しに伴って、過去の数値が遡及改定されることがあります。そのため、過去に公表されたランキングと最新のランキングを単純に並べると、実際の経済活動の変化と統計上の改定が混在する可能性があります。

今回の2023年度統計は、平成23年度から令和5年度までの系列をまとめたものです。長期比較をする際には、同じ公表系列に収録された過年度の数値を使うと、比較条件をそろえやすくなります。

また、2023年度の統計表には一部計数の修正情報も掲載されています。経済分析やレポート作成に利用する場合は、内閣府の最新版と修正情報を併せて確認することが大切です。

【プロの結論】都道府県別GDPランキングから分かる地域経済の実力

今回のランキングから読み取れる要点は、経済規模、経済成長率、所得水準の3つを分けて評価する必要があることです。

東京都は圧倒的な経済規模を持ち、金融・保険業や専門サービスなどの集積が強みです。愛知県は製造業の成長が経済を押し上げ、大阪府は関西の商業・サービス・製造業を支える拠点として存在感を維持しています。

一方、福井県は実質成長率で全国1位となりました。GDPの総額では40位ですが、成長率では首位です。これは経済規模が小さい地域でも、年度ごとの産業活動によって高い成長を実現できることを示しています。

ランキングを利用する際は、目的に応じて次のように指標を選ぶと、数字の意味を取り違えにくくなります。

- 地域の経済規模や市場の大きさを比較するなら、名目県内総生産。
- 物価上昇を除いた経済の成長を調べるなら、実質経済成長率。
- 人口当たりの所得水準を比較するなら、1人当たり県民所得。
- 働く人の報酬水準を比較するなら、1人当たり県民雇用者報酬。
- 産業の強みを分析するなら、経済活動別県内総生産。

企業の進出先を検討する人は、GDPの順位だけで判断せず、製造業、卸売・小売業、情報通信業などの産業別データも確認するべきです。転職や移住を検討する人なら、1人当たり県民所得だけでなく、実際の賃金、雇用機会、生活コストも比較する必要があります。

大切なのは、ランキングの順位を地域の優劣と結びつけないことです。人口が少なくても特定の産業に強みを持つ県はありますし、経済規模が大きくても実質成長率が低い年度もあります。

【都道府県別GDPランキング】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:2026年最新の都道府県別GDPランキングで1位はどこですか?
A1:東京都です。内閣府の2023年度県民経済計算によると、名目県内総生産は125兆185億円で、全国1位となっています。

Q2:愛知県と大阪府はどちらがGDPランキングで上ですか?
A2:2023年度は愛知県が2位、大阪府が3位です。愛知県は46兆911億円、大阪府は44兆9,924億円でした。2022年度は大阪府が上だったため、2023年度に順位が逆転しています。

Q3:都道府県別GDPの最下位はどこですか?
A3:2023年度の名目県内総生産では鳥取県が47位で、1兆9,930億円です。ただし、1人当たり県民所得の最下位は沖縄県であり、指標によって最下位の地域は異なります。

Q4:名目GDPと実質GDPはどちらを見ればよいですか?
A4:経済規模を金額で比較するなら名目GDP、物価変動を除いた成長の勢いを調べるなら実質GDPが適しています。両方を確認すると、物価上昇による見かけ上の成長と実際の経済活動の変化を区別できます。

Q5:1人当たり県民所得は平均年収と同じですか?
A5:同じではありません。1人当たり県民所得には、給与などの雇用者報酬に加え、企業所得や財産所得も含まれます。住民の平均給与を知るための統計とは区別してください。

Q6:2023年度の実質経済成長率が最も高い都道府県はどこですか?
A6:福井県です。実質経済成長率は11.7%で全国1位でした。名目GDPの規模が大きい東京都や愛知県とは、異なる順位になっています。

Q7:2026年時点で最新の都道府県GDPは何年度のデータですか?
A7:2026年11月6日時点では、内閣府が2026年11月5日に公表した2023年度(令和5年度)の県民経済計算が、47都道府県を網羅した最新の比較データです。2026年度のGDPではない点に注意してください。

2026年11月6日時点の最新データである2023年度の県民経済計算では、東京都が125兆185億円で首位となり、愛知県が46兆911億円で2位、大阪府が44兆9,924億円で3位となりました。

特に注目すべきなのは、愛知県が大阪府を逆転したことです。製造業の成長が愛知県の経済規模を押し上げ、名目・実質の両面で力強い結果を残しました。

一方、実質経済成長率では福井県が全国トップとなり、1人当たり県民所得では東京都が首位、沖縄県が最下位となっています。経済規模だけでは見えない各地域の特徴も明らかになりました。

都道府県の経済力を正確に理解するには、名目GDP、実質成長率、1人当たり県民所得を組み合わせて見ることが欠かせません。今後のランキングを比較する際も、内閣府の公表年度、統計基準、改定情報を確認しながら、地域経済の変化を追っていくことが重要です。

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コンテンツディレクター 黒田 宗一郎
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グルメ・レシピ担当。材料と手順は必ず再現検証し、出典を明記します。

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