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【1】鼻幅4cmは広い?1996年の日本人女性の平均値と照合

滑原 圭介 滑原 圭介 • 更新: • 公開: • 読了約 16 分
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鼻幅4cmを評価するうえで重要な資料が、昭和大学医学部形成外科学教室の高野邦雄氏による1996年の研究「顔面規格写真を用いた成人女子の顔面計測」だ。昭医会誌第56巻第4号、393~401ページに掲載された論文である。

研究対象は、顔面に先天奇形や変形をきたす外傷歴のない日本人成人女性56人。年齢は18.8~22.4歳で、平均年齢は20.6歳だった。被験者の顔を正面から撮影し、写真を実物大に換算して各部位の幅を計測している。

この研究で報告された最大鼻翼幅の平均は40.0±2.70mm。4cmという数値は、まさにこの集団の平均値に当たる。したがって、鼻翼幅を正しい位置で測った結果が40mmだった場合、少なくとも同研究との比較では、平均的な範囲に位置する数値だ。

ここで注意したいのが「±2.70mm」の意味である。これは標準偏差であり、平均値の周囲にどれほど個人差があるかを示す指標だ。平均から1標準偏差の範囲を計算すると37.3~42.7mmとなる。ただし、これを医学的な正常範囲や美容上の合格ラインと解釈することはできない。

また、56人という比較的小規模な調査であり、20歳前後の女性が中心だ。日本人女性全体、全年齢層の最新の全国平均を示すものではない。それでも、鼻幅4cmを考える際の具体的な日本人女性の比較資料として価値がある。

【2】小鼻の幅の正しい測り方は?鼻翼幅の測定位置を解説

鼻幅4cm

鼻幅を比較するとき、最初に確認したいのが測定位置だ。同じ鼻でも、鼻の付け根、鼻先、小鼻の左右端では幅が異なる。測る場所が違えば、4cmという数値を研究データと比較できなくなる。

鼻翼幅は小鼻の最も外側から反対側まで

1996年の高野氏の研究で使われたのは「最大鼻翼幅」だ。測定点は、正面写真における左右の最外側鼻翼点。英語の解剖学用語ではAlare(アラーレ)と呼ばれる位置に相当する。

つまり、左右の小鼻が最も外側に張り出している地点を結んだ直線距離が鼻翼幅である。鼻の穴の内側の距離や、鼻先の丸みの幅を測るものではない。

自宅で測定する場合の手順

自分の鼻翼幅を確認する場合は、次の手順で測ると比較しやすい。

  1. 鏡の前で顔を正面に向け、視線をまっすぐにする。
  2. 口を閉じ、笑ったり鼻を膨らませたりしない自然な表情にする。
  3. 左右の小鼻の最も外側にある点を確認する。
  4. 柔らかい定規などを使い、左右の点を結ぶ水平距離を測る。
  5. 強く押し付けず、数回測って近い数値になるか確認する。

測定時に避けたいのは、鼻の皮膚を押し込むことだ。鼻翼は軟部組織でできているため、測定器具で圧迫すると実際の幅より小さく計測される可能性がある。

また、鼻幅と鼻翼幅を同じ意味で使うケースは多いものの、研究によっては鼻骨の幅や鼻腔の骨性部分など、別の構造を測定している。論文を比較する際には、測定点の定義まで確認したい。

【3】鼻幅の平均は男女で違う?日本人の最新研究と比較

鼻幅には男女差があるのだろうか。顔面計測の研究では、男性と女性で鼻を含む顔面形態に違いがあることが確認されている。ただし、男女の平均値を比較する場合も、年齢や体格、計測方法をそろえる必要がある。

日本人を対象にした研究では、1996年の女性56人の調査以降、3D顔面画像やCT画像を使った計測も行われている。

日本人の鼻幅を調べた主な研究
研究・発表年 対象・計測方法 主な結果と位置付け
高野邦雄氏・1996年 女性56人、平均20.6歳。顔面規格写真 最大鼻翼幅の平均40.0±2.70mm
小川氏ら・2015年 男女1,126人、19~60歳。3D顔面画像 日本人の鼻幅を含む大規模な顔面計測基準データを作成
今泉氏ら・2019年 男性500人、女性500人。3D顔面スキャン 鼻の形状の個人差と男女間の形態差を分析
松田氏ら・2023年 男性64人、女性82人。死後CT画像 総鼻幅と体格・性別による違いを分析

2015年の小川氏らによる研究は、科学警察研究所などの研究者が参加した大規模な顔面計測研究だ。19~60歳の日本人1,126人(男性865人、女性261人)の3D顔面画像を取得し、鼻幅や顔幅、内眼角間距離などを計測した。従来の小規模な調査と比べ、対象者数が大きい点が特徴である。

2019年の研究では、日本人成人1,000人(男性500人、女性500人)の3D顔面スキャンを分析。鼻や口を含む顔面形態について、男女間の形状の違いや個人差を主成分分析によって検証した。鼻の形状には高さと幅の比率、奥行き、左右非対称性など複数の変動要素があることが示されている。

2023年の研究では男性と女性にどの程度の差がある?

2023年7月に発表された松田春人氏らの研究「Simplified Formula for Estimating Nasal Dimensions for 3-Dimensional Facial Reconstruction among Japanese Adults」も参考になる。

日本人の死後CT画像146例(男性64人、女性82人、年齢58~105歳)を分析し、鼻の寸法を体格や性別ごとに比較した研究だ。

この論文で報告された総鼻幅(TNW)は、標準体型群で男性42.69±3.14mm、女性40.76±2.85mmだった。細身群では男性41.94±3.42mm、女性38.78±2.20mmとなっている。

これらの結果から、同じ研究内でも性別や体格によって鼻幅の平均が変わることが分かる。ただし、この研究は高齢者の死後CT画像を使った総鼻幅の計測であり、1996年の若年女性56人を対象とした最大鼻翼幅とは、測定条件も対象集団も異なる。数字をそのまま同一基準の平均値として比較することはできない。

2026年時点での読み方としては、1996年の40.0mmを女性の参考値として活用しつつ、2015年以降の3D研究によって、鼻幅には性別・体格・年齢・形状による多様性があることも押さえておきたい。

【4】鼻幅4cmの見た目は?顔幅・目頭間距離とのバランス

鼻幅4cmが広く見えるかどうかを考えるには、鼻だけを切り離して見るのではなく、顔全体との関係を確認する必要がある。

特に参考になるのが、1996年の高野氏の研究で計測された内眼角間距離と顔面横径だ。

目頭間距離と鼻翼幅はほぼ同じ

同研究では、左右の目頭を結ぶ内眼角間距離の平均は39.2mm、最大鼻翼幅の平均は40.0mmだった。

つまり、平均値同士を比較すると、鼻翼幅は目頭間距離とほぼ同じ大きさになる。研究で計算された内眼角鼻翼幅指数は98.1±8.52だった。

この指数は、内眼角間距離を最大鼻翼幅で割り、100を掛けたもの。平均的には、両者の幅がほぼ一致するという結果だ。

顔幅に対する鼻幅の割合

もう一つ注目したいのが、鼻翼幅の高さにおける顔面横径である。

研究では、鼻翼幅と同じ高さで測った顔面横径の平均は135.9mm。これに対する最大鼻翼幅の比率は29.5±1.65%だった。

簡単に整理すると、次のようになる。



1996年研究・日本人女性56人

40.0mm


最大鼻翼幅の平均



内眼角間距離

39.2mm




鼻翼幅

40.0mm




鼻翼幅/顔面横径

29.5%



顔面横径は鼻翼の高さで測定したもの。頬骨部分の顔幅とは異なる。

ここで重要なのは、29.5%という数値が頬骨から頬骨までの最大顔幅に対する割合ではないことだ。鼻翼の高さで顔の輪郭間を測った横径に対する割合である。

鼻幅に美人比率は存在する?

美容情報では、鼻幅と目頭間距離が一致すると美人に見えるという説明や、鼻の幅が顔幅の一定割合なら理想的という説明を見かける。

しかし、1996年の研究が示したのは、あくまで特定の日本人女性集団における形態的な平均値だ。美しさを評価した実験ではない。

顔の魅力を扱った研究では、鼻幅だけでなく、鼻の長さ、内眼角間距離、顔全体の配置など複数の要素が分析されている。例えば、2022年に発表されたアジア人・白人を含む5,500人の顔画像を使った研究でも、鼻幅と目頭間距離、鼻の長さの関係が検討された。

したがって、鼻幅4cmだから美人、あるいは4cmを超えたら美人ではないという判断には根拠がない。鼻の高さ、鼻先の形、小鼻の張り出し方、頬や口元との位置関係も見た目に影響する。

【5】鼻幅を写真で測ると誤差が出る?自撮りと実際の違い

鼻幅を自分で調べる人が見落としやすいのが、写真の撮影距離による見え方の変化だ。

スマートフォンのインカメラで顔を近距離から撮ると、実際の顔の形状とは異なる印象になることがある。特に鼻はカメラに近い位置にあるため、顔のほかの部分との大きさの比率が変わって見えやすい。

2018年の研究で示された自撮りの鼻の拡大

2018年にJAMA Facial Plastic Surgeryに掲載された「Nasal Distortion in Short-Distance Photographs: The Selfie Effect」では、カメラと顔の距離による鼻の見え方を数学モデルで検証した。

その結果、顔幅を一定にした比較では、撮影距離12インチ(約30.5cm)の自撮り画像は、遠距離からの正投影画像と比べて鼻が男性で約30%、女性で約29%大きく見えるというモデル上の結果が示された。一方、5フィート(約152cm)の距離では、見かけのサイズの差はほとんどなかった。

ただし、これは鼻全体の見え方と顔幅との比率を扱った研究であり、実際の鼻翼幅そのものが3割広がるという意味ではない。

加えて、2022年の別の研究では、12インチと18インチの自撮り画像を通常の臨床写真と比較した結果、鼻翼基部の幅そのものには有意な変化が認められなかった一方、鼻の長さや鼻と顔幅の比率には変化が見られた。測定する部位によって、写真の影響が異なることも分かる。

写真で測る場合のポイント

写真から鼻幅を比較するなら、次の条件をそろえることが望ましい。

- 顔とカメラを正面で向き合わせる。
- カメラの高さを目線に合わせる。
- 近距離の自撮りではなく、約1.5m程度離れて撮影する。
- 広角レンズによる極端な遠近感を避ける。
- 笑顔や鼻を膨らませた表情を避ける。
- 実寸に換算する場合は、写真内に寸法の分かる基準物を置く。

特に注意したいのは、スマートフォンの画面上で定規を当てて測っただけでは、実際のミリメートル数にはならないことだ。撮影倍率や画像のトリミング、顔の向きなどによって数値が変わる。

写真で4cmに見えたとしても、それが実際の鼻翼幅4cmを意味するとは限らない。自撮り写真だけで鼻の大きさを判断するのは避けたいところだ。

【6】【プロの結論】鼻幅4cmを判断するときに見るべき3つの基準

鼻幅4cmという数値を受け止める際に、押さえておきたい要点は3つある。

1. 40mmは日本人女性の研究上の平均値

1996年の研究では、日本人女性56人の最大鼻翼幅が平均40.0mmだった。4cmという数字は、この研究の平均と一致する。少なくとも、この資料を基準にして4cmを異常に広いと判断する理由はない。

2. 数字だけでは顔の印象を決められない

鼻翼幅と内眼角間距離の関係、鼻翼幅と顔面横径の比率、鼻の高さや奥行きなど、顔の印象には複数の形態的要素が関係する。鼻幅だけを取り出して美容上の評価を決めるのは適切ではない。

3. 比較するなら同じ測定条件にそろえる

最大鼻翼幅なのか、鼻の骨格上の幅なのか、写真の見かけの幅なのか。これらを混同すると、研究上の平均値との比較は成立しない。

自分の鼻幅を確認したい人は、左右の最外側鼻翼点を正確に測り、同じ条件で複数回確認するのが基本だ。美容施術を検討している場合も、単一の数値を目標にするのではなく、顔全体の形状や希望する仕上がりを医師と相談することが大切になる。

【鼻幅4cmに関するよくある質問(FAQ)】

Q1:鼻幅4cmは日本人女性の平均より広いですか?
A1:1996年の高野邦雄氏の研究では、日本人女性56人の最大鼻翼幅の平均は40.0mmでした。したがって、測定位置が同じなら4cmは平均値に相当します。ただし、全年齢の日本人女性を代表する最新の全国平均ではありません。

Q2:鼻翼幅40mmは男性と女性で同じ基準ですか?
A2:同じ基準とは限りません。日本人を対象にした3D計測やCT研究では、男女の顔面形態に違いが認められています。2023年のCT研究でも、標準体型群の総鼻幅は男性42.69mm、女性40.76mmでした。対象年齢や測定方法が異なるため、単純な男女共通基準にはできません。

Q3:小鼻の幅はどこからどこまで測ればよいですか?
A3:左右の小鼻の最も外側にある点、つまり最外側鼻翼点の間を直線で測ります。鼻の穴の内側や鼻先、鼻根部の幅ではありません。

Q4:鼻幅4cmは顔が大きく見える原因になりますか?
A4:鼻幅だけでは判断できません。顔幅や鼻の高さ、目頭間距離、鼻先の形状などとの組み合わせによって印象は変わります。4cmという数値だけで顔全体が大きく見えるとはいえません。

Q5:鼻幅4cmを超えたら広い鼻ですか?
A5:一律の医学的・美容的な境界線はありません。1996年の研究の標準偏差は2.70mmであり、個人差があることを示しています。平均を少し超えたからといって、広い鼻と決めつける必要はありません。

Q6:スマートフォンの自撮りで鼻幅を測っても正確ですか?
A6:近距離の自撮りでは遠近感によって鼻が大きく見えることがあります。実寸を確認するなら、正面から一定の距離を取って撮影し、寸法の分かる基準物で画像の縮尺を補正する必要があります。

鼻幅4cm(40mm)は、1996年に発表された日本人成人女性56人の顔面計測研究で報告された最大鼻翼幅の平均値と一致する。数値だけを見て、小鼻が広すぎると心配する必要はない。

一方、2015年以降の日本人を対象とした3D顔面計測や、2023年のCT研究からも、鼻の幅や形状には性別、体格、年齢などによる個人差があることが分かる。昔の研究の平均値を、現在のすべての人に当てはめることもできない。

鼻幅を正しく理解するためには、左右の最外側鼻翼点を測定すること、目頭間距離や顔幅との比率を確認すること、写真の遠近感による誤差を避けることが欠かせない。

鼻幅4cmは、少なくとも1996年の日本人女性の計測データでは平均的な数値である。 美しさを決める絶対的な数字ではなく、顔全体のバランスを考えるための一つの参考値として受け止めるのが妥当だ。

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コンテンツディレクター 滑原 圭介
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旅行・観光を担当。現地の公式観光資料と営業情報を確認してから記事にします。

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