World Curlingが公開する女子の国別ランキングは、加盟競技団体(Member Association)単位で評価する公式ランキングだ。
2026年11月5日時点で確認できる上位5か国は次のとおり。
| 順位 | 国・地域 | ポイント | 前回比 |
|---|---|---|---|
| 1位 | スイス | 84.651 | 変動なし |
| 2位 | カナダ | 77.442 | 変動なし |
| 3位 | スウェーデン | 61.977 | 1ランク上昇 |
| 4位 | 韓国 | 45.256 | 1ランク下降 |
| 5位 | 日本 | 31.442 | 変動なし |
スイスは84.651ポイントで首位。2026年3月にカナダ・カルガリーで開催された世界女子カーリング選手権でも優勝し、国際大会での実績を示した。
同大会の決勝では、クセニア・シュワラー率いるスイスがカナダを7対5で破っている。
特筆すべきは、スイスが単に過去の実績で上位にいるだけではないことだ。2026年世界選手権の優勝という直近の成果もあり、国別ランキングとチーム別ランキングの双方で存在感を示している。
2位:カナダ女子カーリング代表カナダは77.442ポイントで2位。
カーリングの伝統国として、国内大会から国際ツアーまで競技層の厚さが特徴だ。2026年世界選手権ではケリー・エイナーソン率いるチームが準優勝。決勝まで勝ち進み、スイスと優勝を争った。
チーム別ランキングでもエイナーソンが3位、ホーマンが6位に入っている。複数の強豪チームが存在する点は、カナダの競技力を考えるうえで重要だ。
3位:スウェーデン女子カーリング代表スウェーデンは61.977ポイントで3位。前回比では1ランク上昇した。
2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックでは、アンナ・ハッセルボリ率いるスウェーデンが女子カーリングで金メダルを獲得。スイスとの決勝を6対5で制した。
加えて、チーム別ランキングではイザベラ・ウラノーが5位、ハッセルボリが8位。代表レベルだけでなく、チーム単位でも複数の強豪が存在する。
4位:韓国女子カーリング代表韓国は45.256ポイントで4位。
国別順位ではスウェーデンに抜かれたものの、チーム別ランキングではキム・ウンジ率いる韓国チームが1位に立っている。
この結果は、韓国の女子カーリングが国際大会の実績だけでなく、年間を通したチーム競争でも高い水準にあることを示している。
5位:日本女子カーリング代表日本は31.442ポイントで5位。
スイス、カナダ、スウェーデン、韓国に続く位置を維持している。
ただし、5位という国別順位だけで日本の競技力を判断するのは早計だ。チーム別ランキングでは日本の複数チームが上位に入り、国際ツアーで競争力を示している。
日本の現在地を評価する際には、国別5位という数字と、個々のチームが獲得しているポイントを分けて考えたい。
【女子カーリングチーム別世界ランキング】2026年11月の最新トップ10

国別ランキングとは別に、選手たちが所属するチームの成績を評価するのがWorld Curling Team Ranking System(WCTRS)だ。
このランキングはWorld Curlingが公式に採用する仕組みで、実際のランキングリストの管理はCurlingZoneが担当している。したがって、CurlingZoneの女子チームランキングは単なるファンサイト独自の順位ではなく、公式WCTRSに関係するデータとして扱われる。
2026年11月5日の女子チームランキング| 順位 | チーム・スキップ | 所属国・地域 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1位 | キム・ウンジ | 韓国 | 349.4 |
| 2位 | クセニア・シュワラー | スイス | 314.8 |
| 3位 | ケリー・エイナーソン | カナダ | 302.2 |
| 4位 | アリーナ・ペーツ | スイス | 299.3 |
| 5位 | イザベラ・ウラノー | スウェーデン | 260.3 |
| 6位 | レイチェル・ホーマン | カナダ | 253.5 |
| 7位 | Miku Nihira | 日本 | 252.7 |
| 8位 | アンナ・ハッセルボリ | スウェーデン | 241.1 |
| 9位 | Miyu Ueno | 日本 | 239.7 |
| 10位 | キム・ギョンエ | 韓国 | 236.1 |
| 13位 | 藤澤五月 | 日本 | 214.6 |
出典:CurlingZone「World Curling Team Rankings 2026/27」、2026年11月5日付。要点は小数第1位に丸めた数値。
このランキングで目を引くのは、韓国のキム・ウンジが首位に立っていることだ。
加えて、スイスのシュワラーとペーツが2位、4位に並び、カナダのエイナーソンとホーマンも3位、6位に位置している。
一方、日本勢も健闘している。
- Miku Nihira:7位
- Miyu Ueno:9位
- 藤澤五月:13位
- 北澤育恵:14位
- 小林未奈:15位
日本から複数チームが上位15位に入っている点は見逃せない。
日本は国別5位でありながら、チーム単位ではトップ10に2チームを送り込んでいる。 国別順位だけでは見えない日本女子カーリングの競争力が表れている。
【国別順位とチーム別順位を比較】世界ランキングから見える勢力図
ここまでのデータを整理すると、国別ランキングとチーム別ランキングには興味深い違いがある。
| 国・地域 | 国別順位 | チーム別の主な順位 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| スイス | 1位 | シュワラー2位、ペーツ4位 | 世界選手権優勝、複数の上位チーム |
| カナダ | 2位 | エイナーソン3位、ホーマン6位 | 選手層の厚さ |
| スウェーデン | 3位 | ウラノー5位、ハッセルボリ8位 | 五輪金メダル |
| 韓国 | 4位 | キム・ウンジ1位、キム・ギョンエ10位 | チーム別首位 |
| 日本 | 5位 | Miku Nihira7位、Miyu Ueno9位、藤澤13位 | 複数チームが上位進出 |
最も分かりやすい例がスイスと韓国だ。
スイスは国別ランキング1位だが、チーム別ランキングの1位は韓国のキム・ウンジ。スイスのシュワラーは2位、ペーツは4位となっている。
これは矛盾ではない。
国別ランキングは、その国の競技団体が国際大会で積み重ねてきた実績を評価する。一方、チーム別ランキングは、登録されたチームごとの大会結果を評価する。
つまり、国全体として強いことと、特定の1チームが最も多くのポイントを獲得していることは別の話なのだ。
レイチェル・ホーマンが6位でもカナダが2位である理由カナダのレイチェル・ホーマンは、女子カーリング界を代表するトップスキップの一人だ。
しかし、2026年11月5日付のチーム別順位では6位。国別ランキングではカナダが2位となっている。
この違いは、カナダの競技層の厚さを考えると理解しやすい。
エイナーソンが3位に位置しており、ホーマンだけに国の競技力が依存しているわけではない。国別ランキングは、特定のスター選手の順位をそのまま反映するものではないのである。
【世界ランキングのポイント算出方法】国別とチーム別の違いを解説
ランキングを正しく理解するには、ポイントの算出方法を知ることが欠かせない。
World Curlingが採用しているのは、国別ランキングとチーム別ランキングで異なる2つの評価方式だ。
1. 国別ランキングのポイント算出方法国別ランキングでは、加盟競技団体が各シーズンの大会結果に応じてポイントを獲得する。
対象となる主な実績は、世界選手権や予選大会などの結果だ。冬季オリンピックが開催されるシーズンには、オリンピックに出場した加盟団体に追加ポイントが付与される。
また、過去の実績をいつまでも同じ価値で評価するわけではない。
World Curlingの公式説明では、過去4シーズンのポイントに次の重み付けを行う。
| 実績の時期 | ポイントの評価割合 |
|---|---|
| 当該シーズン | 100% |
| 1シーズン前 | 75% |
| 2シーズン前 | 60% |
| 3シーズン前 | 40% |
4シーズン分の実績を合算し、獲得可能な最大ポイントに対する割合を算出して順位を決定する仕組みだ。
この方式のメリットは、直近の大会だけでなく、長期的な競技力も評価できることにある。
例えば、ある国が一度の世界選手権で好成績を収めても、それだけで長年上位にいる国を簡単に逆転できるわけではない。
反対に、過去に強かった国でも、成績が低迷すれば過去のポイントの価値が減り、徐々に順位を落とす可能性がある。
2. チーム別ランキングのポイント算出方法チーム別ランキングでは、世界選手権、国内選手権、グランドスラム・オブ・カーリング、国際ツアーなど、対象となる大会の結果をポイントに換算する。
重要なのは、すべての大会で同じポイントが付与されるわけではないことだ。
大会の参加チームの強さや規模、競技上の重要性などを考慮する「Strength of Field Multiplier(SFM)」が使用される。
2026-2027シーズンの基本要点は次のとおり。
| 大会順位 | 基本ポイント |
|---|---|
| 優勝 | 7.50 |
| 準優勝 | 5.50 |
| 3~4位 | 4.25 |
| 5~8位 | 3.00 |
実際の獲得要点は、これらの基本ポイントに大会のSFMを反映して決まる。例えば、同じ優勝でも参加チームの競技レベルなどによって獲得要点は異なる。
3. 2026-2027シーズンはポイントの繰越にも注目2026年11月5日時点のWCTRSは、当該シーズンの上位4大会の結果と、2025-2026シーズンのポイントの50%を組み合わせる段階にある。
シーズンの進行に合わせて、当年の集計対象となる大会数が増え、前シーズンのポイントの割合は段階的に減少する。
最終的には当該シーズンの上位8大会の結果が対象となり、前シーズンの要点は0%になる。
また、2026-2027シーズンからは、総合ランキングに加えて、Champion Series、Elite Series、Challenger Seriesという3つの大会シリーズ別ランキングも設けられた。
この変更によって、単純な総合順位だけでなく、大会の競技レベルやカテゴリーごとの成績も把握しやすくなっている。
注意したいのは、国別ランキングの84.651ポイントと、チーム別ランキングの349.4ポイントを直接比較できないこと。 両者は評価対象も算出方式も違うため、数字の大小で競技力を比較するのは適切ではない。
【日本女子カーリングの世界順位】藤澤五月・吉田知那美の実績と現在地
日本女子カーリングを語るうえで、藤澤五月と吉田知那美の存在は欠かせない。
2人は日本女子カーリングを国際舞台で印象づけてきた選手であり、2026年の世界選手権でも日本代表チームの一員としてプレーした。
2026年世界選手権の日本代表メンバー2026年のBKT世界女子カーリング選手権で、日本チームは次のメンバー構成だった。
| 役割 | 選手 |
|---|---|
| スキップ | 藤澤五月 |
| サード/バイススキップ | 吉田知那美 |
| セカンド | 鈴木夕湖 |
| リード | 吉田夕梨花 |
| リザーブ | 小穴桃里 |
大会公式情報を掲載するCurling Canadaの選手紹介でも、このメンバー構成が確認できる。
日本は世界選手権4位、予選リーグ9勝3敗2026年3月の世界選手権で、日本は予選リーグを9勝3敗の3位で通過した。
決勝トーナメントではスウェーデンとの3位決定戦に進んだものの、最終的な順位は4位だった。
優勝はスイス、準優勝はカナダ、3位はスウェーデン。日本は強豪国に迫る成績を残した。
加えて、吉田知那美は大会参加選手の投票によって選ばれるフランセス・ブロディ賞を受賞した。
この賞は、技術だけでなく、正直さ、フェアプレー、友情、スポーツマンシップなど、カーリングの伝統的な価値を体現した選手に贈られるものだ。
日本は国別5位でもチーム別の上位進出が可能日本の特徴は、複数のチームが国際ツアーでポイントを獲得していることだ。
2026年11月5日のランキングでは、Miku Nihiraが7位、Miyu Uenoが9位、藤澤五月が13位。
この結果から、日本の女子カーリングは特定の代表チームだけでなく、複数のチームが世界ランキングで競争していることが分かる。
ただし、チーム別ランキングは登録メンバーを基準に管理されるため、選手個人の順位と同じ意味ではない。チーム構成や登録状況によって、順位の見え方も変わる。
日本女子カーリングの今後を判断するには、藤澤や吉田といった経験豊富な選手の実績だけでなく、上位に進出している他チームの成績にも注目したい。
【女子カーリング世界ランキング歴代推移】2006年から続く評価制度
World Curlingの国別世界ランキングは、2006年に導入された。
その後、ランキングは過去4シーズンの成績を反映する仕組みとして運用されてきた。
歴代推移を読み解く際には、単純な順位の上下だけでなく、次の3点を見る必要がある。
1. 一時的な好成績と継続的な強さは異なる世界選手権で優勝したからといって、その国がすぐに長期間の世界ランキング首位を確保するとは限らない。
過去の大会実績も評価されるため、継続的に上位へ進出する国が有利になりやすい。
2. オリンピック開催年は順位変動に注目2026年はミラノ・コルティナ冬季オリンピックが開催された年だ。
オリンピック出場国には国別ランキングの追加ポイントが付与されるため、世界選手権だけでなく五輪の結果も重要になる。
2026年の女子カーリングでは、スウェーデンがアンナ・ハッセルボリの活躍で金メダルを獲得した。国別ランキングでもスウェーデンが3位に浮上している。
3. 日本は上位国を追うだけでなく、国内の競争力も重要日本が世界ランキング5位を維持するには、世界選手権などでの代表チームの好成績に加えて、国際ツアーで継続的に結果を残すチームを増やすことも大切だ。
チーム別ランキングで日本勢が複数上位に入っていることは、国全体の競技力を底上げするうえで明るい材料となる。
【カーリング女子世界ランキング】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の女子カーリング世界ランキングで日本は何位?
A1:World Curlingの国別女子ランキングでは、日本は5位、31.442ポイント。スイス、カナダ、スウェーデン、韓国に続く順位だ。
Q2:2026年の女子カーリング世界ランキングで1位のチームは?
A2:2026年11月5日付のCurlingZoneの女子チームランキングでは、韓国のキム・ウンジ率いるチームが1位。349.4ポイントを獲得している。
Q3:レイチェル・ホーマンは世界ランキング何位?
A3:2026年11月5日時点の女子チームランキングでは6位、253.5ポイント。カナダの国別順位は2位だが、国別順位とチーム別順位は別の評価方式で決まる。
Q4:国別ランキングとチーム別ランキングはどちらが正しい?
A4:どちらも正しい。ただし、国の競技力を知りたいならWorld Curlingの国別ランキング、個々のチームの成績を知りたいならWCTRSのチーム別ランキングを見る必要がある。
2026年11月5日時点の女子カーリング世界ランキングを整理すると、国別ではスイスが1位、日本は5位。チーム別では韓国のキム・ウンジが首位で、日本勢もMiku Nihiraが7位、Miyu Uenoが9位、藤澤五月が13位に入っている。
2026年の世界選手権ではスイスが優勝し、日本は4位。冬季オリンピックではスウェーデンが金メダルを獲得した。こうした結果からも、女子カーリングの世界勢力図は一国だけが突出する構造ではなく、スイス、カナダ、スウェーデン、韓国、日本がそれぞれ異なる強みを持って競い合っていることが分かる。
【プロの結論】世界ランキングを見るときの3つの判断基準- 国際大会での国の実力を知りたい人: World Curlingの国別ランキングを見る。
- 注目選手や強豪チームを追いたい人: CurlingZoneが管理するWCTRSの女子チームランキングを見る。
- 日本の将来性を判断したい人: 国別5位という数字だけでなく、日本勢のチーム別順位や世界選手権での成績も確認する。
特に重要なのは、ランキングの数字だけで最強チームを決めつけないことだ。ポイントには過去の成績や大会の規模、参加チームの強さも反映される。
日本女子カーリングが世界の頂点を狙ううえでは、藤澤五月や吉田知那美ら経験豊富な選手の実績と、新たに上位へ進出するチームの成長を合わせて見る必要がある。
国別5位は日本の現在地を示す数字であり、チーム別ランキングの上位進出は、その先にある可能性を示す数字でもある。 今後の世界選手権や国際ツアーで日本勢がどこまで順位を伸ばせるかが、次の大きな注目点となる。