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【歴史問題】徴用工・慰安婦・竹島問題はなぜ解決しないのか

高杉 葵 高杉 葵 • 更新: • 公開: • 読了約 17 分
目次

日韓関係が安定しにくい最大の理由は、植民地支配の歴史をめぐる認識と、戦後処理に対する法的な立場の違いにある。

両国は1965年に国交を正常化したが、歴史問題が完全に消えたわけではない。日本政府は国交正常化時の協定によって財産・請求権問題は解決済みとの立場を取る。一方、韓国では個人の損害賠償請求権や被害者の救済をめぐる司法判断が続いている。

日韓関係の歴史と対立の経緯

現在の対立を理解するには、1910年から1945年までの日本による朝鮮半島の植民地支配、その後の国交正常化、そして2010年代以降の外交摩擦を時系列で整理する必要がある。

時期 主な出来事 現在への影響 1910~1945年 日本による朝鮮半島の植民地支配 歴史認識、戦時動員、慰安婦問題などの根本的背景 1965年 日韓基本条約と請求権・経済協力協定による国交正常化 戦後の日韓関係の法的・外交的基盤 2015年 慰安婦問題をめぐる日韓合意 両政府は最終的かつ不可逆的な解決を確認したが、その後も反発が残る 2016年 日韓GSOMIA締結 安全保障上の情報共有制度が成立 2018~2019年 韓国大法院の徴用工判決と日本の輸出管理措置をめぐる対立 外交・経済・安全保障に摩擦が波及 2023年 韓国政府が第三者弁済方式を発表し、GSOMIAも正常化 日韓関係改善の大きな転換点 2026年 首脳外交と経済安保協力が進展する一方、徴用工訴訟や竹島問題が継続 協力と対立が同時進行する関係に

この年表から分かるのは、日韓関係の改善と悪化が交互に起きてきたことだ。安全保障や経済の必要性が高まれば協力が進む一方、歴史問題や国内政治が絡むと関係が急速に悪化する構造がある。

徴用工問題と日韓関係:2026年も続く司法上の対立

徴用工問題は、日韓関係を揺るがしてきた代表的な懸案だ。特に大きな転機となったのが、2018年10月と11月の韓国大法院による判決である。

韓国大法院は日本企業に対し、植民地支配下で働いた韓国人の原告への損害賠償を命じた。対象企業には新日鉄住金(現・日本製鉄)や三菱重工業などが含まれていた。

日本政府は、1965年の日韓請求権協定によって請求権問題は完全かつ最終的に解決しており、韓国の司法判断は協定に反するとの立場を取っている。一方、韓国の司法判断では、個人が不法行為による精神的損害について請求する権利は消滅していないという考え方が示されてきた。

2023年3月、韓国政府は日本企業ではなく韓国の政府系財団が賠償金相当額を支払う第三者弁済方式を発表した。日本政府はこの措置を日韓関係の正常化に向けた動きとして評価した。

しかし、この方式に対しては、加害企業による直接賠償を求める原告や遺族から反対意見が出た。すべての被害者が同じ考えを持っているわけではない。2024年には第三者弁済を受け入れる被害者が現れる一方、直接賠償を求める訴訟も続いた。

加えて、2026年10月20日にはソウル中央地裁の控訴審が三菱マテリアルに対し、韓国人被害者5人への合計9,900万ウォンの賠償を命じた。8月12日には韓国大法院が日本製鉄に対する別の遺族側の賠償請求を認める判断を確定させている。

つまり、2023年の外交的な関係改善策によって、すべての司法上の争いが終わったわけではない。2026年も新たな判決が出ており、徴用工問題は日韓関係の潜在的な火種として残っている。

慰安婦問題と歴史認識:2015年の日韓合意で解決したのか

慰安婦問題は、日本の植民地支配や戦時下の人権問題と結びついた、日韓双方にとって非常に繊細な外交課題である。

2015年12月28日、日韓両政府は外相会談で合意を発表した。日本政府は当時の軍当局の関与を踏まえ、慰安婦として多くの女性が尊厳を傷つけられた問題について責任を痛感するとの認識を示し、安倍晋三首相による謝罪と反省を表明した。また、日本政府が10億円を拠出し、韓国側の財団を通じて被害者支援を行うことになった。

日本政府は、この合意によって慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されたという立場を維持している。一方、韓国では合意への不満や被害者の意向をめぐる議論が続き、政治問題として再浮上することがあった。

2025年4月25日には、元慰安婦の遺族が日本政府に損害賠償を求めた訴訟で、韓国の清州地裁が原告側に有利な判断を示した。日本政府は国家免除の原則などを理由に強く抗議し、2015年合意と1965年の請求権協定に基づく立場を改めて示した。

この問題では、政府間の合意、被害者個人の救済、司法判断という異なるレベルの問題が重なっている。外交文書上の合意が成立していても、社会全体の歴史認識や被害者の納得まで一度に解決するわけではない。

竹島問題・独島問題の真相:なぜ外交対立が繰り返されるのか

竹島は日本が使用する名称であり、韓国では独島(トクト)と呼ばれる。島根県隠岐の島町に属する日本海上の島々で、日本と韓国の双方が領有権を主張している。

日本政府は竹島を日本固有の領土と位置づけ、韓国による占拠は国際法上認められないとの立場を取る。韓国政府は独島を歴史的・地理的・国際法的に韓国固有の領土と主張し、実効支配を続けている。

この対立は、単に島の面積や資源をめぐる争いではない。日本による植民地支配の歴史とも結びついており、韓国国内では国家主権と歴史認識の象徴として扱われる側面が強い。

2026年にも外交摩擦は発生した。2月22日、島根県の「竹島の日」関連行事に韓国政府が抗議し、日本大使館の外交官を呼び出した。4月10日には日本の外交青書における領有権主張に韓国が抗議。さらに8月4日、日本の「令和8年版防衛白書」が竹島に関する日本政府の立場を記載したことに対し、韓国政府が撤回を求めた。

8月には韓国の海洋調査船による周辺海域での活動をめぐって日本政府が抗議する出来事も起きた。両国の主張は現在も一致していない。

竹島問題を考える際に重要なのは、日本側の主張と韓国側の主張を区別して理解することだ。相手国の主張が存在するという事実と、その主張が法的に正しいかどうかは別の問題である。領土問題が発生した際には、感情的な反応だけでなく、歴史資料、条約、国際法上の論点を確認する姿勢が必要になる。

【外交姿勢を検証】韓国は反日国家なのか?李在明政権の対日政策

韓国は敵か味方か

韓国は反日国家なのか。この疑問に答えるには、韓国の外交政策と韓国社会の対日感情を分けて考える必要がある。

韓国の外交政策は、政権の政治的立場、米国との関係、北朝鮮情勢、対中・対露関係、国内世論などに影響される。日本に対する政策も、政権が変われば優先順位や交渉姿勢が変わる可能性がある。

李在明大統領の対日外交は何を重視しているのか

李在明大統領は2025年6月に韓国大統領に就任した。日本との関係では、歴史問題に関する韓国側の立場を背景に持ちながらも、経済や安全保障など実務的な協力を進める外交が2026年の首脳会談で確認されている。

2026年1月と5月の高市首相との会談では、北朝鮮への対応や日米韓の安全保障協力、経済安全保障、エネルギー、供給網などが議題になった。

これは、李在明政権が日本との関係を歴史問題だけで判断しているわけではないことを示す。ただし、韓国国内では歴史問題を重視する世論や被害者支援を求める声も存在するため、政権が外交上の合意を国内でどこまで維持できるかは別の課題だ。

韓国の対日政策が政権交代で変わる理由

日韓関係が不安定になりやすい背景には、韓国の民主政治における政権交代と外交政策の継続性という問題がある。

韓国では大統領の権限が強く、政権交代によって対日外交の優先順位が変わることがある。歴史問題で譲歩する姿勢は国内で政治的批判を受ける可能性があり、首脳同士が合意しても、その後の国内政治によって実行が難しくなることもある。

ただし、これは韓国だけの特殊な現象ではない。日本でも政権交代や世論の変化によって外交政策が修正されることはある。日韓関係の安定には、首脳間の個人的な信頼だけでなく、政権が変わっても維持できる制度や実務協力が必要だ。

韓国人全体が日本を嫌っているという認識は正しいのか

韓国政府の外交姿勢と韓国国民一人ひとりの考え方を同一視するのは適切ではない。

歴史問題や領土問題について日本に厳しい考えを持つ人がいる一方、日本の文化、旅行、食品、ファッション、アニメ、音楽などに関心を持つ人もいる。政治的な対立があっても、文化交流や人的交流が続くのはそのためだ。

同じことは日本側にも当てはまる。韓国の外交政策に批判的な人がいる一方、韓国の文化や企業、観光地に好意的な人も多い。

したがって、「韓国人は全員反日」「日本人は全員嫌韓」といった一括りの理解では、実際の社会を正確に捉えられない。政府の行動、司法判断、世論、個人の交流は、それぞれ別の視点から見るべきだ。

【プロの結論】日本にとって韓国は重要な味方か?現実的な判断基準

ここまでの安全保障、経済、歴史、外交の動向を整理すると、日本にとって韓国は敵ではなく、国益が一致する分野では積極的に協力すべき重要な隣国である。

ただし、韓国を無条件の味方と考えることにも問題がある。国家間の関係は友情だけで成り立つものではない。外交上の合意、国際法、経済的利益、安全保障上の必要性によって動いている。

日本にとって韓国が重要な味方となる3つの分野

1.北朝鮮への抑止と安全保障

北朝鮮の核・ミサイル開発は日本と韓国の双方に影響する。ミサイル警戒情報の共有、日米韓の共同訓練、サイバー脅威への対応などでは、韓国との協力を維持することが日本の安全保障上の利益につながる。

2.半導体・重要鉱物・エネルギーの供給網

半導体や先端技術、原油、LNG、重要鉱物の供給を安定させるには、日韓企業や政府間の協力が役立つ。2026年のSCPAやエネルギー協力は、こうした必要性から生まれた具体的な取り組みだ。

3.地域の安定と国際的な発言力

日本と韓国は、ともに米国との協力を重視するインド太平洋地域の主要国である。両国が連携すれば、北朝鮮問題だけでなく、海洋安全保障、経済安全保障、国際的なルール形成でも協力の余地が広がる。

日本が韓国に対して警戒すべき3つのポイント

1.歴史問題の再燃

徴用工や慰安婦問題では、外交合意があっても韓国の司法判断や国内政治によって再び対立が表面化する可能性がある。日本は合意の履行を求めると同時に、外交ルートで問題を管理する必要がある。

2.領土問題での対立

竹島をめぐる対立は、両国の外交関係が改善しても解消されていない。日本は領有権に関する立場を明確に維持しながら、偶発的な衝突や不必要な緊張の拡大を防ぐ対応が必要だ。

3.政権交代による政策変更

韓国の国内政治が変われば、対日外交の方針が修正される可能性がある。特定の大統領との個人的な関係だけに依存せず、実務協議や協定、企業間の関係を積み上げることが重要になる。

日本が取るべき現実的な外交戦略

日本が目指すべきなのは、韓国を敵と決めつけることでも、すべての問題で譲歩することでもない。

安全保障では北朝鮮の脅威に対処するための協力を継続する。経済では相互利益がある分野で供給網を強化し、過度な依存を避けるため調達先の多様化も進める。歴史問題では1965年協定や2015年合意などの外交上の基盤を尊重し、合意の履行を求める。領土問題では日本の立場を一貫して主張し、国際法に基づく対応を続ける。

この4つを同時に進めることが、感情に左右されない外交の基本となる。

韓国との関係を考える際には、相手国が友好的か敵対的かという印象だけでなく、具体的な行動と日本への影響を見ることが大切だ。外交上の協力が実際に進んでいるのか、合意が履行されているのか、日本企業や国民にどのような利益・不利益が生じているのか。この視点があれば、過度な期待や不必要な敵視を避けられる。

韓国は敵か味方かに関するよくある質問(FAQ)

Q1:韓国は日本の敵国なのですか?

A1:韓国は日本の敵国ではない。両国は国交を正常化している隣国であり、経済・安全保障・文化など幅広い分野で交流している。ただし、竹島や歴史問題などでは対立が続いており、正式な相互防衛条約を結んだ軍事同盟国でもない。協力相手であると同時に、政策によっては利害が対立する国だ。

Q2:韓国は北朝鮮問題で日本の味方ですか?

A2:北朝鮮の核・ミサイル問題では、日本と韓国は共通の安全保障上の利益を持っている。GSOMIAによる軍事情報保護や日米韓の共同訓練、外交協議などを通じて協力している。ただし、韓国には南北対話を重視する政策的な事情もあり、日本とすべての判断が一致するわけではない。

Q3:徴用工問題は2026年現在、解決していますか?

A3:外交関係の改善は進んでいるが、司法上の争いは続いている。2023年に韓国政府が第三者弁済方式を発表したものの、直接賠償を求める訴訟が残っている。2026年にも日本企業に賠償を命じる韓国の司法判断が出ており、完全に解決したとはいえない。

Q4:GSOMIAは現在も有効ですか?

A4:有効である。2016年に締結され、2019年に韓国政府が終了を通告したものの、その効力は停止された。2023年3月には韓国政府が完全正常化を通知しており、2026年も日韓の安全保障協力を支える枠組みとなっている。

Q5:竹島と独島は同じ島ですか?

A5:同じ島々を指す名称である。日本では竹島、韓国では独島と呼ぶ。日本政府と韓国政府はそれぞれ領有権を主張しており、韓国が実効支配を続けている。両国の主張は2026年現在も一致していない。

Q6:日本にとって韓国と中国では、どちらが重要ですか?

A6:単純な順位付けはできない。韓国は北朝鮮問題や日米韓安全保障協力、半導体分野で重要な隣国である。一方、中国は日本にとって非常に大きな貿易相手国であり、経済・安全保障の両面で影響力を持つ。両国では日本が向き合う課題の性質が異なるため、それぞれに適した外交政策が必要だ。

2026年の日韓関係を検証すると、韓国を単純に敵か味方かで分類することには無理がある。

高市早苗首相と李在明大統領のシャトル外交は継続し、北朝鮮への安全保障協力、半導体や重要鉱物の供給網、エネルギー安全保障など、両国が協力する理由は明確になっている。11月2日の日韓次官戦略対話や10月30日の日米韓外相会合も、その流れを裏付けている。

その一方で、徴用工問題は韓国の司法判断が続き、慰安婦問題も2015年の合意をめぐる解釈や訴訟が残る。竹島問題についても、2026年に外交抗議が繰り返されている。

日本にとって必要なのは、韓国を過度に信頼することでも、感情的に敵視することでもない。協力できる分野では協力し、対立する問題では日本の国益と法的立場を守る。そのうえで、相手の政策や行動を継続的に検証することだ。

韓国は日本にとって、敵ではなく、協力が不可欠でありながら警戒と交渉も必要な重要な隣国である。この現実を理解することが、2026年以降の日韓関係を見誤らないための最も重要な判断基準となる。

主な参照資料:日本国外務省「外交青書2026」「日韓首脳会談」発表資料、日本経済産業省・韓国産業通商資源部の共同発表、韓国外交部、韓国大法院関連報道、JETRO貿易統計、聯合ニュース。

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高杉 葵

アイドル・グラビア担当。所属事務所の公式発表を一次情報とし、憶測は書きません。

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