寒い季節になると、手足の冷えや朝起きたときの寒さが気になり、食事で体を内側から温めたいと考える人も多いのと考えられます。体が温まる食べ物として知られる生姜、唐辛子、根菜類には、それぞれ異なる栄養面の特徴や働きがあります。また、具だくさんの鍋料理やスープ、温かい飲み物を取り入れることも、食事中や食後の温かさを感じるための身近な方法です。
ただし、食べると熱く感じる食品が、必ずしも深部体温を持続的に上昇させるわけではありません。2026年時点で確認できる農林水産省の資料や栄養学・食品科学の研究を踏まえ、体が温まる仕組み、食材の選び方、朝食や夕食への取り入れ方、食べ過ぎによる注意点まで詳しく解説します。
【基礎知識】体が温まる食べ物には何がある?食後に温かさを感じる仕組み

体が温まる食べ物を選ぶとき、最初に知っておきたいのが、食事によって温かさを感じる仕組みです。
食事による温かさには、主に食品そのものの温度、食べ物に含まれる成分による感覚的な刺激、消化・吸収に伴うエネルギー消費という複数の要素が関係しています。
1. 食事誘発性熱産生によって体内で熱が生まれる食事をすると、消化管が働き、栄養素の消化・吸収や代謝が進みます。この過程でエネルギーが消費され、一部が熱として放出されます。この働きは食事誘発性熱産生(DIT)と呼ばれています。
厚生労働省の健康情報サイト「e-ヘルスネット」によると、標準的な身体活動レベルの人では、1日の総エネルギー消費量の内訳は、おおむね次のようになっています。
- 基礎代謝量:約60%
- 食事誘発性熱産生:約10%
- 身体活動量:約30%
つまり、食事は栄養を補給するだけでなく、体内で熱が生まれる過程にも関係しています。ただし、特定の食材を食べるだけで基礎代謝が大幅に上がるわけではありません。
2. 温かい料理は食後の温感につながる温かいスープや鍋料理を口にすると、口腔や消化管で温度が感知され、食後に温かさを感じます。
2012年に日本食品科学工学会誌に掲載されたスープの温度に関する研究では、健康な女子大学生13人を対象に、70℃の温かいスープ、10℃の冷たいスープ、70℃のお湯を比較しました。その結果、温かいスープとお湯を摂取した直後には、冷たいスープよりも温感や口腔温度の上昇が確認されています。
ただし、この研究で示されたのは主に摂取直後の温感です。温かい飲食物を口にすれば、全身の深部体温が長時間上昇するという意味ではありません。
3. 香辛料による刺激で温かく感じる生姜や唐辛子などの辛味成分は、温度そのものとは異なる仕組みで熱感に関係します。
例えば、唐辛子のカプサイシンは、熱や痛みの感覚に関係するTRPV1という受容体を刺激します。そのため、実際の食品温度以上に口の中が熱く感じられることがあります。
こうした感覚的な温かさと、体内で実際に生み出される熱は区別して考える必要があります。
【食材ランキング】体を温める食べ物おすすめ7選!栄養と特徴を比較
体を温める食材ランキングを考える際には、単純に辛い食品を上位にするのではなく、温かい料理に使いやすいこと、栄養バランスを整えやすいこと、日常的に続けやすいことも判断材料になります。
以下は、科学的に体温上昇効果を順位づけしたものではなく、毎日の食事で温かい献立を作る際の実用性を基準にしたおすすめランキングです。
第1位:生姜|温かい料理に取り入れやすい代表的な食材生姜は、体を温める食材として広く知られています。辛味成分のジンゲロールやショウガオールが特徴で、薬味から飲み物、鍋料理まで幅広く利用できます。
すりおろした生姜を味噌汁に加えたり、豚肉や鶏肉と一緒に煮込んだりすると、香りと辛味を生かした食事になります。
生姜の働きについては後述しますが、加熱・乾燥によって成分の構成が変化する点も知っておきたいポイントです。
第2位:ごぼう・にんじん|食物繊維やビタミンを補える根菜類根菜類は、煮物、豚汁、ポトフなど、温かい料理に使いやすい食材です。
ごぼうには食物繊維が含まれ、文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」では、生のごぼう100g当たりの食物繊維総量は5.7gとされています。
にんじんにはβ-カロテンが豊富です。加熱調理によって食べやすくなり、油を使った料理とも相性がよいため、炒め物やスープに活用できます。
第3位:唐辛子|カプサイシンによる刺激が特徴唐辛子には、辛味成分のカプサイシンが含まれています。口の中に熱さを感じさせるほか、エネルギー代謝への影響も研究されています。
ただし、摂取によるエネルギー消費への影響は大きいものではなく、辛い料理を食べれば冷え性が改善するという確かな根拠にはなりません。
味噌汁やスープに少量の唐辛子を加えるなど、食べやすい範囲で利用するのが現実的です。
第4位:かぼちゃ・さつまいも|エネルギー源になる根菜・いも類かぼちゃやさつまいもは、炭水化物を含む食材です。主食や副菜に取り入れることで、食事からエネルギーを補給できます。
かぼちゃにはβ-カロテンなどの栄養素が含まれ、さつまいもには食物繊維も含まれています。
特に寒い日の朝食には、かぼちゃのポタージュや蒸したさつまいもなど、温かく食べられるメニューが便利です。
第5位:豚肉・鶏肉・魚|たんぱく質を補える主菜肉や魚は、筋肉や体の組織をつくるために必要なたんぱく質の供給源です。
食事誘発性熱産生は栄養素によって異なり、たんぱく質は糖質や脂質と比べて、消化・代謝に伴うエネルギー消費の割合が高い栄養素として知られています。
豚肉と根菜を合わせた豚汁や、鶏肉と白菜を煮込んだ鍋料理なら、たんぱく質と野菜を一度に取り入れられます。
第6位:玉ねぎ・長ねぎ|汁物や鍋料理に欠かせない野菜玉ねぎや長ねぎは、加熱することで甘味や香りが引き立ちます。鍋料理、味噌汁、スープなどに加えることで、野菜を無理なく食べられます。
これらの野菜自体に、持続的な体温上昇をもたらすと確認された特別な作用があるわけではありません。温かい献立を充実させる食材として活用しましょう。
第7位:大豆・豆腐|植物性たんぱく質を補給できる豆腐、納豆、大豆などは、植物性たんぱく質を補給できる食品です。
湯豆腐、豆乳鍋、味噌汁などに利用でき、肉や魚が少ない食事にも取り入れやすい特徴があります。
毎日の食事では、特定の食材に偏るよりも、こうした食品を組み合わせることが大切です。
おすすめ食材の特徴と使い方を一覧で比較| 食材・食品 | 主な特徴 | おすすめの食べ方 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 生姜 | ジンゲロール、ショウガオールなどの辛味成分 | 生姜湯、味噌汁、鍋 | 大量摂取による胃への刺激 |
| ごぼう | 食物繊維が豊富 | 豚汁、煮物、スープ | 食べ過ぎによるおなかの張り |
| にんじん | β-カロテンを含む | ポトフ、炒め物、スープ | 油やほかの食材とのバランス |
| 唐辛子 | カプサイシンによる辛味刺激 | 鍋、スープ、薬味 | 胃腸への刺激 |
| かぼちゃ | 炭水化物、β-カロテンなど | ポタージュ、煮物 | 食事全体のエネルギー量 |
| さつまいも | 炭水化物、食物繊維 | 蒸し芋、スープ | 食べる量と消化の負担 |
| 豚肉・鶏肉・魚 | たんぱく質の供給源 | 鍋、煮込み料理 | 脂質や塩分の摂り過ぎ |
| 豆腐・大豆 | 植物性たんぱく質 | 湯豆腐、豆乳鍋、味噌汁 | ほかの主菜との組み合わせ |
この比較から分かるのは、温かい食事を作るうえで、生姜や唐辛子だけに頼る必要はないということです。根菜類やたんぱく質食品を組み合わせれば、温かさと栄養の両方を意識した献立を作れます。
【生姜と唐辛子を解説】温め効果の違いと正しい食べ方
体を温める食材として特に名前が挙がるのが、生姜と唐辛子です。どちらも辛味を持っていますが、成分や体への作用は異なります。
生姜の温め効果はジンゲロールとショウガオールがポイント生姜に含まれる代表的な辛味成分は、ジンゲロールです。
農林水産省の公式Q&Aでは、生姜の辛味成分について、ジンゲロールが血行や温感に関係すること、加熱や乾燥によってショウガオールへの変化が生じることが説明されています。
それぞれの特徴を整理すると、次のようになります。
- ジンゲロール:生の生姜に多く含まれる辛味成分。生姜特有の刺激的な風味を生み出す。
- ショウガオール:生姜を加熱・乾燥する過程で生成される成分。生姜の温感に関係する成分として研究されている。
生姜は、生のまますりおろして薬味にする方法と、加熱して料理に使う方法の両方が楽しめます。
生姜を使ったおすすめの食べ方4選1. 生姜入り味噌汁
いつもの味噌汁に少量のすりおろし生姜を加えるだけで、香りのある一品になります。豆腐、わかめ、長ねぎなどを合わせれば、栄養面でも充実します。
2. 生姜湯
すりおろした生姜や薄切り生姜を温かいお湯に加える飲み方です。好みに応じてレモンや少量のはちみつを加えると飲みやすくなります。砂糖やはちみつを多く入れ過ぎないようにしましょう。
3. 生姜と豚肉の炒め物
豚肉と生姜、玉ねぎを一緒に炒めれば、たんぱく質を含む主菜になります。ご飯や野菜のおかずと組み合わせると、日常的な食事に取り入れやすくなります。
4. 生姜入り鍋料理
鶏肉、白菜、きのこ、豆腐などを煮込み、仕上げに生姜を加えます。辛味が強くなり過ぎないよう、少量から調整するのがポイントです。
唐辛子のカプサイシンはどのように働く?唐辛子の辛味を生み出す代表的な成分がカプサイシンです。
カプサイシンは、熱刺激を感知するTRPV1受容体に作用します。そのため、実際に食品の温度が高くなくても、口の中が熱くなったように感じます。
カプサイシンとエネルギー代謝の関係については、人を対象にした研究のメタ分析もあります。2012年に発表されたレビューでは、カプサイシンなどの摂取によってエネルギー消費や脂肪酸化が増加する可能性が示されました。ただし、その影響の大きさは小さいと報告されています。
したがって、唐辛子は料理の風味や温感を楽しむための食材として利用するのが適切です。冷え性の改善や体脂肪の減少を目的に、無理して辛い食品を食べる必要はありません。
唐辛子を使うときのポイント- 味噌汁やスープに少量の一味唐辛子を加える。
- 鍋料理に輪切り唐辛子を少し入れる。
- 辛味の強い料理を毎食続けない。
- 胃腸に刺激を感じたら摂取を控える。
辛さに強い人でも、摂取量を増やせば温め効果が比例して高まるわけではありません。食べやすさを優先することが大切です。
【鍋・スープ・飲み物】体が温まるおすすめ料理と飲み方
食材の種類だけでなく、調理方法も温かさを感じるための大切な要素です。特に鍋料理やスープは、複数の食材を一度に摂取できるため、冷えが気になる日の献立に向いています。
体を温めたい日におすすめの鍋料理5選1. 生姜入り鶏鍋
鶏肉、白菜、長ねぎ、きのこ、豆腐を組み合わせた鍋です。生姜を加えると風味が豊かになり、たんぱく質と野菜をまとめて摂取できます。
2. 根菜たっぷりの豚汁鍋
豚肉、大根、にんじん、ごぼう、こんにゃくなどを使います。根菜の食物繊維を補えるほか、豚肉からたんぱく質も摂取できます。
3. 豆乳鍋
豆乳、豆腐、白菜、きのこ、鶏肉などを使った鍋です。まろやかな味わいで、辛い料理が苦手な人にも向いています。
4. キムチ鍋
唐辛子を使った辛味のある鍋です。豚肉、豆腐、白菜、きのこなどを組み合わせれば、食べ応えのある献立になります。塩分や辛味の摂り過ぎには注意しましょう。
5. 石狩鍋
鮭、白菜、にんじん、長ねぎ、きのこなどを味噌仕立てで煮込む料理です。魚のたんぱく質と野菜を一緒に摂取できます。
体が温まるスープ・汁物のおすすめ4選豚汁:豚肉と根菜類を組み合わせた定番の汁物です。ごぼう、大根、にんじん、里芋などを入れると具だくさんになります。
野菜たっぷりミネストローネ:玉ねぎ、にんじん、キャベツ、豆類などをトマトと煮込む料理です。野菜をまとめて摂取できます。
かぼちゃのポタージュ:かぼちゃを柔らかく煮て、牛乳などと合わせます。朝食や軽食にも使いやすいメニューです。
生姜入り鶏スープ:鶏肉、長ねぎ、きのこ、生姜を煮込むシンプルな料理です。主菜と汁物を兼ねた一品としても便利です。
体が温まる飲み物は何がおすすめ?飲み物は、調理の手間が少なく、日常生活に取り入れやすいのがメリットです。
- 生姜湯:生姜の香りと辛味を楽しめる飲み物。
- 白湯:温かい水分を手軽に補給できる。
- ほうじ茶:香ばしい風味があり、温かくして飲みやすい。
- ルイボスティー:カフェインを避けたい人の飲み物の選択肢。
- ホットミルク:たんぱく質やカルシウムを補給できる。
- 温かい豆乳:植物性たんぱく質を取り入れられる。
- 野菜スープ:水分と野菜を一緒に摂取できる。
ただし、飲み物の温度が高過ぎると口の中をやけどする危険があります。熱湯をそのまま飲むのではなく、無理なく飲める温度まで冷ましてから楽しみましょう。
【冷え対策の実践編】朝食・昼食・夕食で温かい食事を続ける方法
体が温まる食べ物を毎日の生活に取り入れるなら、特別な健康食品を購入するより、普段の献立を少し工夫する方法がおすすめです。
農林水産省と厚生労働省が示す食事バランスガイドでも、主食・副菜・主菜などを組み合わせた食事が基本とされています。
朝食におすすめの温かい食べ物朝は、寝ている間に食事をしていない状態から、1日の活動に必要な栄養を補給するタイミングです。
冷たい飲み物だけで済ませるのではなく、温かい料理を一品加えると、食事の満足感も得やすくなります。
おすすめの朝食メニュー
- ご飯+豆腐とわかめの味噌汁+焼き鮭
- 全粒粉パン+温野菜スープ+ゆで卵
- おかゆ+生姜入り鶏スープ
- 蒸しさつまいも+温かい豆乳+卵料理
- かぼちゃのポタージュ+チーズトースト
朝食を抜きがちな人は、まず味噌汁やスープなど、準備しやすい温かい食品から始めてもよいでしょう。
昼食は主食・主菜・副菜をそろえる昼食では、活動に必要なエネルギーとたんぱく質、野菜をバランスよく補給しましょう。
例えば、温かいうどんに鶏肉、卵、きのこ、長ねぎを加えると、麺だけの食事よりも栄養バランスを整えやすくなります。
外食の場合は、ラーメンや丼物だけで済ませるのではなく、野菜のおかずやたんぱく質を含む副菜を追加する方法もあります。
夕食は鍋料理や具だくさんスープを活用夕食には、複数の食材を組み合わせられる鍋料理がおすすめです。
白菜、長ねぎ、にんじん、ごぼう、きのこ、豆腐、肉や魚を一つの鍋に入れれば、主菜と副菜をまとめて準備できます。
味付けは、味噌、だし、しょうゆなどを基本にし、唐辛子や生姜は好みに合わせて加えます。塩分の摂り過ぎを防ぐため、鍋の汁をすべて飲み干す必要はありません。
体を温める食材と冷やす食材の比較はどう考える?食材には「体を温めるもの」「体を冷やすもの」という分類が紹介されることがあります。これは伝統的な食養生などで用いられてきた考え方ですが、現代の栄養学では、個々の食材を一律に体温上昇・下降の食品として分類することはできません。
例えば、きゅうりやトマトなど水分の多い野菜を食べたからといって、それだけで体の深部温度が継続的に低下するわけではありません。
一方、冷たい飲み物や料理は、摂取直後の口腔内や体感温度に影響する場合があります。
食材の性質だけで判断するのではなく、次のような基準で選ぶとよいでしょう。
- 温かい料理:スープ、鍋、煮物など、温かい状態で食べられるメニュー。
- エネルギー源:ご飯、パン、いも類などの主食。
- たんぱく質源:肉、魚、卵、大豆製品。
- 野菜類:根菜、葉物野菜、きのこなど。
- 水分補給:水、お茶、汁物など。
冷たい野菜や果物を一律に避ける必要はありません。栄養バランスを保ちながら、温かい料理を上手に組み合わせることが大切です。
【注意点】生姜や香辛料の摂り過ぎは逆効果?冷え対策の落とし穴
体を温めたいからといって、特定の食材を大量に摂取することはおすすめできません。生姜や唐辛子には、それぞれ摂取量に応じた注意点があります。
生姜の食べ過ぎは胃への刺激に注意生姜は香辛料として適量を料理に利用する分には取り入れやすい食品ですが、大量に摂取すると胃腸に刺激を与える可能性があります。
農林水産省の生姜に関するQ&Aでも、胃への刺激が強いため食べ過ぎに注意するよう案内されています。
特に、空腹時に濃い生姜湯を大量に飲んだり、生姜の粉末やサプリメントを必要以上に摂取したりすることは避けましょう。
唐辛子のカプサイシンは胃腸への負担になることがある唐辛子を大量に食べると、口や胃腸に強い刺激が生じる場合があります。
米国のPoison Controlが紹介するカプサイシンの注意情報でも、過剰な摂取によって吐き気、腹痛、下痢、嘔吐などが起こる可能性が説明されています。
辛いものを食べた後に腹痛や胃の不快感が出る人は、無理に摂取を続けないようにしましょう。
鍋料理やスープは塩分にも気を配る鍋料理やスープは温かい食事を取り入れるうえで便利ですが、味噌やしょうゆ、鍋つゆなどの調味料によって塩分が多くなることがあります。
特に、市販の鍋つゆやインスタントスープを頻繁に利用する場合は、栄養成分表示の食塩相当量を確認しましょう。
だし、きのこ、長ねぎ、玉ねぎなどのうま味や風味を活用すれば、塩分を増やし過ぎずに満足感のある味付けにできます。
食事だけでは改善しない冷えもある冷えが長期間続く場合や、以前より急に寒さを感じるようになった場合は、食生活だけで解決しようとしないことも大切です。
寒さへの過敏な反応には、貧血、甲状腺機能低下症、血管の問題、レイノー現象などが関係することがあります。
米国国立医学図書館のMedlinePlusでも、寒さへの耐性が低下する背景として、こうした健康上の問題が挙げられています。
冷えに加えて、強い疲労感、めまい、動悸、手足の色の変化などがある場合や、日常生活に支障が出るほど冷えが強い場合は、医療機関に相談しましょう。
【体が温まる食べ物】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:体を温める食べ物で最もおすすめなのは何ですか? A1:生姜、根菜類、たんぱく質を含む肉・魚・大豆製品などがおすすめです。特に、生姜入りの豚汁や根菜たっぷりの鍋料理なら、温かさと栄養バランスの両方を意識できます。
Q2:生姜は生と加熱したもののどちらが体を温めますか? A2:生の生姜にはジンゲロールが含まれ、加熱や乾燥によってショウガオールへの変化が起こります。両方に特徴があるため、薬味や生姜湯、煮込み料理など用途に合わせて使い分けるとよいでしょう。ただし、どちらが深部体温を持続的に高めるかについては、十分な人での研究結果が確立していません。
Q3:冷え性の人は朝食に何を食べるとよいですか? A3:温かい味噌汁やスープに、ご飯、卵、魚、豆腐などを組み合わせた朝食がおすすめです。忙しい日は、温かい豆乳やスープを一品追加する方法もあります。
Q4:唐辛子を食べると体温は上がりますか? A4:カプサイシンが熱刺激に関係する受容体を刺激するため、口の中や体表で熱さを感じることがあります。ただし、感覚的な熱さと深部体温の上昇は別のものです。唐辛子を食べれば冷え性が治るというわけではありません。
Q5:体を冷やす食べ物は避けたほうがよいですか? A5:必ずしも避ける必要はありません。きゅうりやトマトなどの野菜、果物にも必要な栄養素が含まれています。冷たい料理が苦手な場合は、スープや煮物など温かい調理方法を選ぶとよいでしょう。
Q6:体が温まる飲み物を毎日飲んでも大丈夫ですか? A6:白湯、ほうじ茶、温かい豆乳などは日常的な水分補給に取り入れられます。生姜湯や甘い飲み物は、胃への刺激や糖分の摂取量に気を配りましょう。熱過ぎる飲み物も避けてください。
体が温まる食べ物には、生姜、唐辛子、ごぼう、にんじん、かぼちゃ、さつまいもなど、さまざまな種類があります。それぞれ含まれる栄養素や特徴が異なるため、目的や好みに合わせて組み合わせることが大切です。
特に日常生活に取り入れやすいのは、生姜入りの味噌汁、根菜たっぷりの豚汁、鶏肉と野菜の鍋料理、かぼちゃのスープなどです。こうした料理なら、温かい食事を楽しみながら、たんぱく質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維などを補えます。
一方、生姜や唐辛子には胃腸への刺激があり、たくさん食べれば温め効果が高まるわけではありません。また、食材による一時的な温感と、体の深部温度を持続的に高めることは区別する必要があります。
【プロの結論】冷え対策の食事で重視したいのは、特定の食材に頼ることではなく、主食・主菜・副菜をそろえた食事を無理なく続けることです。温かい汁物に根菜やたんぱく質を加え、生姜や香辛料は適量を楽しむ。この組み合わせが、毎日の食生活に取り入れやすい実践的な方法です。
食事を見直しても強い冷えが続く場合は、生活環境や体調にも目を向け、必要に応じて医療機関で相談しましょう。毎日の食卓から、無理のない冷え対策を始めてみてください。