最初に押さえておきたいのは、2019年4月4日の保釈時、ピエール瀧さん本人はケンタウロスの格好をしていなかったという事実です。
当日の瀧さんは黒いスーツと黒いネクタイ姿で東京湾岸署の正面玄関から登場しました。報道陣に向かって謝罪し、約30秒間にわたって頭を下げています。その周囲に集まっていたファンの中に、ケンタウロスの着ぐるみを着用した人物がいたのです。
2019年4月5日付のスポーツ紙報道でも、瀧さんがドイツでのパフォーマンス時に着用したケンタウロス姿を再現したファンが現場にいたことが紹介されています。
つまり、正確な関係は次のとおりです。
- ケンタウロスの元祖:電気グルーヴのライブで着用したピエール瀧さん
- 2019年の保釈現場:ケンタウロス姿で応援に来たファン
- 保釈された本人:黒いスーツ姿のピエール瀧さん
この3つの情報が混ざったことが、本人が保釈時に着ぐるみを着ていたという誤解につながっています。
なお、ケンタウロス姿の人物は瀧さんの家族や関係者として報道されたわけではありません。報道上はファンとして紹介されています。
【元ネタを追跡】電気グルーヴのドイツ公演と伝説のケンタウロス衣装

ケンタウロス衣装のルーツは、2019年の保釈騒動よりもずっと前にさかのぼります。
電気グルーヴがドイツの大型テクノイベント「MAYDAY」に出演した際、ピエール瀧さんが巨大なケンタウロスの着ぐるみを着てステージに登場したことが発端です。
ドルトムントのイベントで生まれた強烈なパフォーマンス瀧さんは2014年4月26日放送のTBSラジオ『たまむすび』で、このエピソードを自ら振り返っています。
舞台となったのはドイツのドルトムント。MAYDAYというテクノ音楽の大型イベントに電気グルーヴとして出演することになり、ステージで強烈な印象を残すために大きなケンタウロスの着ぐるみを用意したと説明しています。
「でっかいケンタウロスの着ぐるみというか、作って持って行って。」
これは当時のラジオ番組での瀧さん本人の発言です。衣装は日本から持ち込まれ、ドイツの税関では衣装だと説明するのに苦労したという裏話も語られています。
加えて、現地の若い観客から大きな反応があり、翌日のドルトムントの新聞にはケンタウロス姿の写真が掲載されたとのことです。
なぜ電気グルーヴのライブでケンタウロスだったのか2026年9月24日放送のJ-WAVE『GRAND MARQUEE』でも、電気グルーヴの石野卓球さんとピエール瀧さんが海外活動を振り返っています。
番組では、瀧さんがケンタウロスや宇宙人などの大掛かりな衣装を着用していたことが話題になりました。石野さんは、機材よりも瀧さんの衣装のほうが大きく、税関で説明が必要だったという趣旨のエピソードを披露しています。
加えて、衣装を着る理由について石野さんは、ステージ上で瀧さんがやることを探すためだったと説明しています。
これは電気グルーヴのステージにおける役割分担を理解するうえで興味深いポイントです。瀧さんは単に音楽を演奏するだけではなく、視覚的なインパクトやユーモアを担うパフォーマーでもありました。
つまり、ケンタウロスは保釈騒動のために作られた衣装ではありません。電気グルーヴが海外の観客に向けて展開してきた、独特のステージ表現の一つだったのです。
【2019年の時系列】逮捕から保釈、ケンタウロス騒動までを整理
ケンタウロス騒動を正しく理解するには、2019年3月から6月にかけての出来事を時系列で見る必要があります。
当時の報道によると、瀧さんは2019年3月12日にコカイン使用の疑いで逮捕され、4月2日に起訴されました。その2日後に保釈が認められ、東京湾岸署の前で謝罪することになります。
逮捕・保釈・判決の主要な経緯出典は日刊スポーツ、スポーツニッポン、デイリースポーツなどの当時の報道と、2019年6月の判決報道です。
東京湾岸署前にはどれくらいの人が集まっていた?保釈当日の現場には、大勢の報道陣とファンが集まっていました。
日刊スポーツの2019年4月8日の記事では、報道陣は約200人、ファンや野次馬は約30人と伝えられています。一方、スポーツニッポンはファンら約20人と報道しました。集計時点や数え方によって人数に差がありますが、少なくとも数十人規模の人々が集まっていたことが分かります。
その中には、瀧さんを応援する人だけでなく、厳しい言葉を投げかける人もいました。ケンタウロス姿のファンは、そうした緊張感のある現場でひときわ目立つ存在だったのです。
【笑いをこらえた理由】ケンタウロス2頭の真相とネットで広がった誤解
この騒動が単なる珍しいコスプレの話にとどまらず、長く語り継がれるネットミームになった理由の一つが、保釈時の瀧さんの表情です。
神妙な謝罪の場面と、場違いなほど強烈な応援スタイル保釈時の瀧さんは、報道陣の前で謝罪した後、深く頭を下げ続けました。デイリースポーツは、頭を下げていた時間を約25秒と報じています。
その場には、ケンタウロス姿のファンもいました。加えて、現場からは瀧さんを励ます声が飛んでいたことも報じられています。
真剣な謝罪の場面と、電気グルーヴのライブ衣装を再現したファンの姿。この強烈なギャップが、多くの人の記憶に残りました。
ピエール瀧が笑いをこらえていたという話は本当?ネット上では、瀧さんが頭を下げている最中に笑いをこらえていた、という解釈が広がりました。
特に、ケンタウロス姿のファンが「ケンタウロスがついてるぞー!」と声援を送ったという映像・投稿が話題になり、瀧さんの表情と結び付けられています。
ただし、本人が保釈時に笑いをこらえていた理由を公式に説明したという確かな記録は見当たりません。映像から表情を読み取ることはできますが、内心まで断定することはできません。
そのため、「ケンタウロスを見て笑いそうになった」という話は、現場の状況から生まれた有力なネット上の解釈として理解するのが適切です。
ケンタウロスが2頭いたという話の真相もう一つ有名なのが、「瀧さんが顔を上げたらケンタウロスが2頭に増えていた」というエピソードです。
2019年4月5日以降のSNS投稿には、ケンタウロスの着ぐるみ姿の人物が2人いたという内容が見られます。2024年以降のまとめ記事や2025年の再投稿でも、この2頭という表現が繰り返されています。
一方、当時の大手スポーツ紙の報道では、ケンタウロス姿のファンがいたことは確認できるものの、2人の人数や登場の瞬間を詳細に説明しているわけではありません。
整理すると、次のようになります。
- ケンタウロス姿のファンが保釈現場にいた:当時の報道で確認できる
- ケンタウロスが2頭いた:SNS投稿などで広まったエピソード
- 瀧さんが顔を上げた瞬間に2頭になった:ネット上で語られる印象的な表現
- 瀧さんがその場面で笑いをこらえていた:本人の説明による確定事実ではない
「2頭」という話は、この出来事を象徴するエピソードとして定着しました。実際の報道とSNS上の語りが重なり、より印象的なストーリーへと発展したわけです。
【画像・動画とネットミーム】なぜ2026年になっても語り継がれるのか
ケンタウロスピエール瀧の画像や動画が繰り返し話題になるのは、2019年の保釈映像そのものに強い視覚的インパクトがあるためです。
通常、著名人の保釈報道では、謝罪する本人の表情や報道陣への対応が中心になります。しかし、この出来事では背景にいたファンの衣装が、報道の本筋とは別の注目を集めました。
画像と動画で注目される3つのポイント
黒いスーツ姿で謝罪する瀧さん
保釈時の本人の姿。報道写真やテレビ映像の中心にある場面です。
背景に映り込むケンタウロス姿のファン
事件の深刻さと、電気グルーヴらしい独特のユーモアが交差する場面として注目されました。
謝罪中の表情と周囲の声援
瀧さんの表情を切り取った画像や、現場の声が入った動画が、SNSでの再拡散につながりました。
この話題には、複数の要素が重なっています。
第一に、ケンタウロスという視覚的に分かりやすい存在です。馬の身体と人間の上半身を組み合わせた姿は、一度見れば忘れにくく、写真だけでも状況が伝わります。
第二に、衣装の背景を知ると面白さが増すことです。単なる奇抜なコスプレではなく、電気グルーヴのライブで瀧さん自身が着ていた衣装をファンが再現したという物語があります。
第三に、保釈という緊張感の高い場面との落差です。事件の重大さを軽視することなく、それでも現場の異様な光景に驚いたり、ユーモラスな反応を示したりする人がいたことで、投稿が何度も共有されました。
2025年や2026年にも、過去の画像とともにこの話題を再投稿する動きが確認できます。Yahoo!リアルタイム検索にも、2025年の投稿や2026年の関連投稿が掲載されています。
なお、SNS上で流通する画像には、当日の報道写真、テレビ映像の切り抜き、後年の再投稿などが混在しています。画像だけを見て本人とファンを取り違えないことが大切です。
【2026年最新】ピエール瀧の現在と電気グルーヴでの活動歴
2019年の騒動から7年以上が経過した2026年11月現在、ピエール瀧さんは俳優・ミュージシャンとして活動を続けています。
映画情報サイトや2026年のインタビュー報道を見ると、保釈騒動だけでは捉えきれない、その後のキャリアの広がりが分かります。
2025年から2026年にかけての主な出演作品| 年 | 作品 | 活動内容 |
|---|---|---|
| 2025年 | 『新幹線大爆破』 | 俳優として出演 |
| 2025年 | 『宝島』 | 俳優として出演 |
| 2025年 | 『ホウセンカ』 | 声の出演 |
| 2025年 | 『港のひかり』 | 俳優として出演 |
| 2026年 | 『NEW GROUP』 | 校長役で出演 |
| 2026年 | 『TOKYO BURST-犯罪都市-』 | 俳優として出演 |
2026年公開作品については映画.comなどの出演情報に掲載されています。また、双葉社のインタビューサイト「THE CHANGE」では、映画『NEW GROUP』への出演に関連して、下津優太監督との対談が2026年6月に公開されました。
電気グルーヴの活動も続いている瀧さんのキャリアを語るうえで欠かせないのが、石野卓球さんとともに活動する電気グルーヴです。
1990年代半ばから海外での活動を広げ、ドイツのMAYDAYやラブパレードといった大型イベントにも参加してきました。2026年9月にはJ-WAVEの番組で、2人が海外進出の経緯や当時のライブについて語っています。
この放送では、瀧さんのケンタウロス衣装も話題になりました。保釈騒動で有名になった衣装が、実際には海外のテクノシーンで活動していた時代のパフォーマンスに由来することを、本人たちの言葉から改めて確認できる内容です。
ピエール瀧のSNS評判はどう変化した?2019年の保釈直後は、事件に対する批判や失望、再起を願うファンの声が同時に存在していました。
日刊スポーツの当時の報道では、東京湾岸署前に集まった人々から応援と批判の両方の声が上がっていたことが伝えられています。単純にファン全員が事件を肯定していたわけではありません。
その後、ケンタウロス騒動は事件そのものとは別のネットミームとして独立し、電気グルーヴのファン以外にも知られるようになりました。
2026年現在のSNS上でも、過去の保釈映像を懐かしむ投稿や、ケンタウロスの衣装を面白がる投稿が見られます。一方、事件に対する評価と、俳優としての出演作品への評価は別の論点です。SNSの一部投稿だけで世間全体の評価を判断することはできません。
【よくある質問】ケンタウロスピエール瀧に関するFAQ
Q1:ケンタウロスの着ぐるみを着ていたのはピエール瀧本人ですか?
A1:いいえ。2019年4月4日の保釈時、瀧さん本人は黒いスーツ姿でした。ケンタウロスの格好をしていたのは、東京湾岸署前に応援に来ていたファンです。
Q2:ケンタウロスの元ネタは何ですか?
A2:電気グルーヴがドイツのMAYDAYに出演した際、瀧さんが着用したケンタウロスの着ぐるみです。2014年のTBSラジオ『たまむすび』で本人が当時のエピソードを語っています。
Q3:保釈現場には本当にケンタウロスが2頭いたのですか?
A3:2人いたというSNS投稿が2019年から広まっています。ただし、大手報道で確認できるのはケンタウロス姿のファンがいたという事実であり、2人という人数についてはSNS上の情報と区別する必要があります。
Q4:ピエール瀧が保釈時に笑いをこらえていた理由は?
A4:ケンタウロス姿のファンが声援を送っていたためではないか、という説が広まりました。ただし、本人が笑いをこらえていた理由を公式に説明した事実は確認できません。
Q5:ピエール瀧は2026年現在も芸能活動をしていますか?
A5:はい。2025年公開の『新幹線大爆破』『宝島』『ホウセンカ』『港のひかり』などに出演し、2026年公開の『NEW GROUP』『TOKYO BURST-犯罪都市-』にも出演しています。
Q6:ケンタウロス姿の画像や動画はどこで話題になったのですか?
A6:2019年4月のテレビ報道やスポーツ紙の写真をきっかけに、SNSや動画共有サイトなどで拡散しました。現在流通している画像には、当日の報道映像や後年の切り抜き・再投稿が含まれます。
ケンタウロスピエール瀧とは、2019年4月4日の保釈時に東京湾岸署前へ現れたファンの姿と、電気グルーヴの過去のライブ衣装が結び付いて生まれたネット上の呼称です。
騒動の核心は、ピエール瀧さん本人がケンタウロスの着ぐるみを着て保釈されたという話ではありません。本人が過去に演じたケンタウロスをファンが再現し、深刻な謝罪の場面で応援したという、予想外の出来事にあります。
また、笑いをこらえていたという話や2頭のケンタウロスがいたという話は、報道で確認できる出来事にSNS上の解釈やエピソードが加わって広まったものです。
2026年現在は、映画『NEW GROUP』などへの出演や電気グルーヴに関する活動・発信も続いています。過去の事件、保釈現場の出来事、ライブパフォーマンス、現在の仕事は、それぞれ分けて見る必要があります。
この騒動が長く語り継がれる最大の理由は、電気グルーヴらしい型破りなステージ表現と、ファンの強烈な愛情表現、そして現実のニュース映像が偶然重なったことにあるのでしょう。
「ケンタウロスは誰だったのか」という疑問への答えは、瀧さん本人ではなくファン。そして、その衣装の原点はドイツのステージにありました。
主な参照資料:日刊スポーツ、スポーツニッポン、デイリースポーツ、TBSラジオ『たまむすび』関連記録、J-WAVE『GRAND MARQUEE』関連記録、双葉社「THE CHANGE」、映画.com。