2026年11月6日現在、福岡ソフトバンクホークスの先発投手陣は、リーグ3連覇と2年連続の日本一を支えた大きな原動力となった。2026年のレギュラーシーズンは143試合を戦い、91勝49敗3分、勝率.650で終了。上沢直之、大津亮介、松本晴、前田悠伍がそれぞれ持ち味を発揮し、先発陣から4人の2桁勝利投手が誕生した。
特に注目したいのは、開幕ローテーションに入らなかった前田悠伍の12勝1敗という飛躍、上沢直之の安定した投球、そしてシーズン途中に復帰したモイネロの圧倒的な防御率だ。2026年の公式戦全日程終了時点の先発登板数、防御率、勝敗、QS達成数を整理し、各投手の実績と2027年に向けたローテーションの展望を解説する。
【2026年最新】ソフトバンクの先発投手陣は誰が軸だったのか?

2026年のホークスを象徴するのは、特定のエースだけに依存しない先発陣の厚みだ。
日本野球機構(NPB)の公式記録によると、レギュラーシーズンは10月5日の楽天戦をもって全143試合が終了。最終成績は91勝49敗3分で、パ・リーグ3連覇を達成した。
さらに10月28日には横浜DeNAベイスターズとの日本シリーズ第4戦に勝利し、4連勝で2年連続13度目の日本一に輝いた。
このチームを支えた先発投手の中心は、次の4人だった。
- 大津亮介: 12勝5敗、防御率2.68。22試合に先発し、チーム最多の144回1/3を投げた。
- 上沢直之: 10勝4敗、防御率2.39。22試合に先発し、129奪三振を記録。
- 松本晴: 12勝3敗、防御率2.66。22試合に先発し、126奪三振を記録。
- 前田悠伍: 12勝1敗、防御率2.10。19試合で勝率.923を記録した。
この4人だけで46勝を積み上げている。
4投手の勝ち越し数を合計すると33。先発投手が試合を作り、チームの勝利につなげた構図が数字から見えてくる。
昨季の最多勝投手だった有原航平が日本ハムへ移籍し、モイネロもシーズン序盤に出遅れた。開幕前には先発陣の再編が課題とみられていたが、結果的には新たな主力が台頭したシーズンとなった。
【成績一覧】2026年ソフトバンクの先発投手・登板数・防御率・QSを比較
2026年の先発陣を評価する際は、勝利数だけでなく、防御率、投球回、QS達成数を合わせて確認したい。
NPB公式記録と2026年シーズンの投手別データを整理すると、主要先発投手の成績は以下のとおりだ。
| 投手名 | 先発登板 | 勝敗 | 投球回 | 防御率 | QS |
|---|---|---|---|---|---|
| 大津亮介 | 22 | 12勝5敗 | 144回1/3 | 2.68 | 15 |
| 上沢直之 | 22 | 10勝4敗 | 135回1/3 | 2.39 | 16 |
| 松本晴 | 22 | 12勝3敗 | 125回1/3 | 2.66 | 11 |
| 前田悠伍 | 19 | 12勝1敗 | 111回2/3 | 2.10 | 10 |
| モイネロ | 7 | 6勝1敗 | 47回1/3 | 0.76 | 7 |
出典:NPB公式個人投手成績、BaseballScopeの2026年QS集計。QSは6回以上を投げて自責点3以内に抑えた先発登板を示す。QS数はNPB公式掲載項目ではなく、試合別データに基づく集計値。
防御率ランキングで見る主力先発の実力主力4投手の防御率を比較すると、トップは前田悠伍の2.10。続いて上沢直之の2.39、松本晴の2.66、大津亮介の2.68となる。
ただし、単純に防御率だけで投手の貢献度を判断するのは適切ではない。
前田は19試合で111回2/3、上沢は22試合で135回1/3を投げた。一方、大津は144回1/3を投げ、チームの先発陣で最も多い投球回を記録している。
大津は規定投球回143回にも到達し、パ・リーグの規定投球回以上の防御率ランキングで2.68の4位に入った。
つまり、前田は防御率と勝率、上沢は安定性、大津は投球回という異なる評価軸で優秀な数字を残している。
QS達成数から分かる先発の安定性QSはクオリティースタートの略称で、先発投手が6回以上を投げ、自責点3以内に抑えることを指す。
主力投手のQS達成率を計算すると、次のようになる。
| 投手 | QS達成数 | QS達成率 |
|---|---|---|
| モイネロ | 7/7 | 100% |
| 上沢直之 | 16/22 | 約72.7% |
| 大津亮介 | 15/22 | 約68.2% |
| 前田悠伍 | 10/19 | 約52.6% |
| 松本晴 | 11/22 | 50.0% |
上沢はQS16回で主力投手の中で最多。大津も15回と高い水準を維持した。
モイネロは7先発すべてでQSを達成しているが、登板数が少ないため、年間を通じた安定性という観点では上沢や大津と分けて評価する必要がある。
【主力4投手を徹底分析】上沢直之・松本晴・大津亮介・前田悠伍の実績
2026年の先発ローテーションを語るうえで欠かせないのが、4人の主力投手だ。それぞれ投球スタイルやシーズン中の役割が異なり、複数のタイプがそろったことがチームの強みになった。
上沢直之|開幕投手として期待に応えた安定型
2026年成績
10勝4敗
22試合・135回1/3・防御率2.39
上沢直之は2026年の開幕投手を任された。
小久保裕紀監督は2月28日に開幕投手を上沢に決定したと発表。前年後半の投球内容やオフの取り組み、春季キャンプでの状態を評価した判断だった。
前年は23試合で12勝6敗、防御率2.74。移籍2年目となる2026年は22試合に先発し、10勝4敗、防御率2.39まで改善した。
特に注目したいのはQS16回という数字だ。
22先発中16試合でQSを達成しており、達成率は約72.7%。単に勝ち星を積み上げただけでなく、試合を安定して作る能力が光った。
奪三振も129個で、主力4投手の中では最多。打者を打たせて取るだけではなく、三振を奪える能力も示している。
2027年に向けても、先発ローテーションの中心候補として評価できる投手だ。
松本晴|12勝を挙げた左腕の成長
2026年成績
12勝3敗
22試合・125回1/3・防御率2.66
松本晴は2026年に12勝を挙げ、先発投手として大きく存在感を高めた。
22試合すべてに先発し、防御率2.66。奪三振126個という数字も残している。
2025年は29試合に登板して6勝6敗、防御率2.76だった。2026年は先発としての役割を担いながら、勝ち星を倍増させた点が大きな進歩だ。
一方、QSは11回で達成率50%。防御率や勝敗は優秀だが、6回まで投げ切れなかった試合も一定数あった。
今後は試合序盤の安定感に加え、投球回を伸ばしていくことが課題になる。
大津亮介|144回1/3を投げたイニングイーター
2026年成績
12勝5敗
22試合・144回1/3・防御率2.68
大津亮介の2026年を評価するうえで、最も重要なのは投球回だ。
22試合に先発し、144回1/3を投げた。これは主力先発陣の中で最多であり、規定投球回143回もクリアしている。
防御率は2.68、12勝5敗。QSも15回に達した。
特筆すべきなのは、年間を通じて先発として計算できる投手だったことだ。登板数だけでなく、長いイニングを消化できたことは、救援投手の負担軽減にもつながる。
また、パ・リーグの規定投球回以上の防御率ランキングでは4位。チーム内だけでなく、リーグ全体でも上位に入る成績だった。
前田悠伍|開幕ローテ外から12勝1敗へ
2026年成績
12勝1敗
19試合・111回2/3・防御率2.10
2026年の最大のサプライズといえるのが前田悠伍だ。
開幕ローテーション入りを逃したものの、5月10日のロッテ戦で今季初勝利を挙げてから急浮上。9月11日のロッテ戦まで自身12連勝を記録した。
初黒星は9月19日の楽天戦。最終的には19試合で12勝1敗、防御率2.10という成績を残した。
前田の評価で見逃せないのは、勝利数だけではない。
111回2/3という投球回は、規定投球回143回には届いていない。しかし、防御率2.10は主力先発陣の中で最も優秀だった。
シーズン序盤は比較的短いイニングで交代する起用も見られ、徐々に6回、7回を投げられるようになったことが、飛躍の背景にある。
2027年に向けては、今季の防御率を維持しながら、規定投球回到達を目指せるかが注目ポイントになる。
【モイネロの先発復帰】防御率0.76を記録した左腕の存在感
2026年成績
6勝1敗
7試合・47回1/3・防御率0.76
モイネロは2026年の先発陣の中でも、特別な存在だった。
開幕から出遅れ、8月に復帰。レギュラーシーズンでは7試合に先発し、6勝1敗、防御率0.76という驚異的な数字を残した。
NPB公式記録では47回1/3を投げ、34奪三振、2完投、1完封も記録している。
モイネロの成績はどこが優れていたのか最も目を引くのは防御率0.76だ。
7試合で自責点4に抑えており、登板した試合では非常に高い安定感を示した。
QSも7回。すべての先発登板で6回以上・自責点3以内という基準を満たしている。
ただし、シーズンを通じて22試合以上登板した上沢や大津と同じ条件で比較することはできない。年間の稼働量と、短期間の圧倒的な投球は分けて評価する必要がある。
日本シリーズでも先発を担当モイネロはレギュラーシーズン終了後も重要な試合を任された。
10月25日の日本シリーズ第2戦では先発を担当。上沢、松本晴、前田悠伍らとともに、チームの日本一に貢献する投手陣の一角を担った。
2027年に向けて最大の注目点は、登板数をどこまで増やせるかだ。
防御率0.76という数字を長いシーズンで再現できれば、ホークスの先発陣はさらに強力になる。
【開幕ローテーションと先発投手一覧】2026年の起用はどう変化した?
2026年の開幕前、ソフトバンクの先発陣は新戦力と既存戦力の組み合わせが焦点だった。
3月22日、小久保監督は大津亮介を含む6人の開幕ローテーション入りを明らかにした。
その6人は以下のとおり。
- 上沢直之
- 松本晴
- カーター・スチュワート・ジュニア
- 大関友久
- 徐若熙(シュー・ルオシー)
- 大津亮介
開幕投手は上沢直之。大津が最後の6枠目に入った一方、上茶谷大河は救援に回ることになった。
2026年に先発登板した主な投手一覧シーズン終了時点の先発登板数を整理すると、実際のローテーションが見えてくる。
| 投手名 | 先発登板数 | 2026年の主な役割 |
|---|---|---|
| 上沢直之 | 22 | 開幕投手・主力 |
| 大津亮介 | 22 | 主力・イニング消化 |
| 松本晴 | 22 | 主力左腕 |
| 前田悠伍 | 19 | シーズン途中から台頭 |
| スチュワート・ジュニア | 14 | 先発ローテーション候補 |
| 大関友久 | 10 | 先発候補 |
| 上茶谷大河 | 10 | 先発・救援の両面で起用 |
| モイネロ | 7 | シーズン途中に先発復帰 |
| 徐若熙 | 6 | 新戦力として先発起用 |
| 前田純 | 4 | 先発のバックアップ |
この一覧で特に重要なのは、開幕前の構想とシーズン終了時点の実績が異なることだ。
開幕時点では上沢、松本晴、大津らの実績が期待され、スチュワートや大関、徐若熙にも先発枠が与えられた。
しかし、シーズンが進むにつれて前田悠伍が台頭。モイネロも8月に復帰し、先発陣の顔ぶれは変化した。
前田悠伍が開幕ローテーションに入らなかった理由前田悠伍は開幕時点で主力として固定されていたわけではない。
シーズン序盤から段階的に登板を重ね、結果を積み上げたことで先発としての信頼を獲得した。
最終的には12勝1敗、防御率2.10という成績を残しており、開幕時の序列だけではシーズン終了時の実力を判断できないことを示した。
ホークスの強さは、当初から決まっていた6人だけで戦うのではなく、シーズン中に結果を出した投手を柔軟に組み込める点にもあった。
【先発陣の強さを検証】チーム防御率・QS・投球回から分かる特徴
2026年のホークス投手陣をチーム全体で見ると、先発だけでなく救援陣との連携も優秀だった。
NPB公式のパ・リーグチーム投手成績によると、ソフトバンクのチーム防御率は2.88。143試合で1171奪三振を記録している。
パ・リーグのチーム防御率では、西武の2.87に次ぐ2位だった。
先発投手の評価で重視したい3つの数字1. 防御率
防御率は投手が9イニング当たり何点の自責点を与えたかを示す指標だ。
前田悠伍の2.10は主力先発陣で最も低く、上沢の2.39も優秀な水準だった。
ただし、投球回が少ない投手は短期間の好成績が数字に反映されやすい。シーズン全体の評価では投球回も確認したい。
2. QS達成数
QSは先発投手が一定の水準で試合を作ったかを判断する指標だ。
2026年の上沢は16回、大津は15回を達成した。両投手のQS数は、年間を通じて先発の役割を果たしたことを裏付けている。
3. 先発登板数と投球回
先発登板数が多くても、短いイニングで降板する試合が続けば救援陣への負担は大きくなる。
その点で大津の144回1/3は大きな価値がある。上沢も135回1/3を投げており、主力として十分な稼働量を示した。
2026年の成績から見える先発陣の構造ホークスの先発陣は、大きく3つのタイプに分けて考えられる。
- 安定型: 上沢直之。QS16回という数字で試合を作る能力を証明。
- イニング消化型: 大津亮介。チーム最多の144回1/3を投げた。
- 成長・高水準型: 松本晴と前田悠伍。ともに12勝を挙げ、先発として大きく成長した。
そこに、復帰後のモイネロという圧倒的な実力を持つ左腕が加わる。
この複数のタイプがそろったことが、2026年の投手陣の大きな特徴だった。
【プロの結論】2027年のソフトバンク先発ローテーションで注目すべきポイント
2026年の成績を踏まえると、2027年の先発陣を考えるうえで注目したいのは、単純な勝利数の多さではない。
重要なのは、今季の実績を維持できるか、投球回を伸ばせるか、そして先発枠を争う投手がどれだけ成長するかという3点だ。
2027年も軸として期待される投手| 投手 | 2027年に注目したい点 |
|---|---|
| 上沢直之 | QS数と防御率の維持 |
| 大津亮介 | 144回以上の投球回を再現できるか |
| 松本晴 | QS達成率と長いイニングへの対応 |
| 前田悠伍 | 規定投球回への到達 |
| モイネロ | シーズンを通じた稼働と先発登板数 |
| スチュワート・ジュニア | 防御率の改善と先発定着 |
| 大関友久 | 本来の先発としての安定感の回復 |
| 徐若熙 | 日本での先発経験の積み重ね |
特に前田悠伍は、2026年の実績を考えれば来季のローテーションを考えるうえで外せない存在だ。
12勝1敗という結果は、単なる一時的な好調だけでは説明しきれない。19試合に先発して防御率2.10を記録したことも、成長を裏付ける材料になる。
一方、大津は年間の投球回、上沢はQS、松本晴は奪三振というように、各投手が持つ強みを維持できるかが鍵になる。
先発投手を比較するときの判断基準ファンが先発投手の実力を比較する際には、次の順番で数字を確認すると分かりやすい。
1. 防御率: 失点を抑える能力を確認する。
2. 投球回: 年間を通じた稼働量を確認する。
3. QS達成数: 先発として試合を作った回数を確認する。
4. 勝敗: チームへの貢献を確認する。
5. 先発登板数: ローテーションでの役割を確認する。
勝利数だけを見て評価すると、打線の援護や救援陣の働きなど、投手本人以外の要素を見落とすことがある。
2026年の前田悠伍は12勝1敗という優れた勝敗を残したが、投球回では大津亮介が上回っている。どちらが優れているかという単純な比較ではなく、それぞれの役割を踏まえることが大切だ。
2026年のホークス先発陣は、エース1人に頼る構造から、複数の実力者が役割を分担する構造へと進化した。
2027年もこの厚みを維持できれば、リーグ連覇を目指すうえで大きな武器になる。
【ソフトバンクホークスの先発】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年のソフトバンクで先発の中心だった投手は誰?
A1:上沢直之、大津亮介、松本晴、前田悠伍の4人が中心だった。4人合計で46勝を挙げ、先発陣を支えた。
Q2:2026年に最も防御率が良かった先発投手は誰?
A2:主要先発投手では前田悠伍の2.10が最も低い。モイネロは0.76だが、レギュラーシーズンの先発登板は7試合だった。
Q3:上沢直之の2026年の成績は?
A3:22試合に先発し、10勝4敗、防御率2.39、135回1/3、129奪三振、QS16回を記録した。
Q4:松本晴の2026年の成績は?
A4:22試合に先発し、12勝3敗、防御率2.66、125回1/3、126奪三振を記録した。
Q5:大津亮介の2026年の成績は?
A5:22試合に先発し、12勝5敗、防御率2.68。144回1/3を投げ、チームの先発投手で最多の投球回を記録した。
Q6:前田悠伍は開幕ローテーションに入っていた?
A6:開幕ローテーションには入っていなかった。5月10日のロッテ戦で今季初勝利を挙げ、その後12連勝を記録。最終的には12勝1敗、防御率2.10という成績を残した。
Q7:モイネロは2026年に何勝した?
A7:レギュラーシーズンでは7試合に先発して6勝1敗、防御率0.76。8月に復帰し、短い登板期間ながら非常に高い成績を残した。
Q8:2026年のソフトバンクのチーム防御率は?
A8:2.88。パ・リーグでは西武の2.87に次ぐ2位だった。
2026年の福岡ソフトバンクホークスは、91勝49敗3分でパ・リーグ3連覇を達成し、日本シリーズでも横浜DeNAを4勝0敗で下して2年連続の日本一に輝いた。
その躍進を支えたのが、上沢直之、大津亮介、松本晴、前田悠伍の4人を中心とする先発陣だった。
特に注目すべき実績は、次の4つだ。
- 大津亮介のチーム最多144回1/3。
- 上沢直之の主力最多QS16回。
- 松本晴の12勝3敗。
- 前田悠伍の12勝1敗、防御率2.10。
加えて、モイネロも防御率0.76という圧倒的な成績を残した。
2027年に向けては、主力投手の安定した稼働に加え、前田悠伍のさらなる成長、モイネロの登板数、スチュワートや大関、徐若熙らの巻き返しが注目される。
2026年のホークス先発陣を評価する最大の要点は、4人の2桁勝利投手を生み出した層の厚さだ。 1人のエースに依存せず、複数の投手が年間を通して結果を残せることこそ、王者の投手陣を支える最大の強みといえる。