ものまねタレントのコロッケと演歌歌手の五木ひろし。二人の名前を聞いて、多くの人が思い浮かべるのが、五木ひろしの歌唱スタイルにロボットのような動きを組み合わせた名物芸「五木ロボット」だろう。映画『ロボコップ』から着想を得たというこの芸は、どのように誕生し、なぜ本人から公認されるまで約25年もの時間がかかったのか。
実は、五木ロボットの誕生には、コロッケの仕事が減少していた時期の試行錯誤と、映画から新しい笑いを生み出す独特の発想があった。加えて、2022年10月の日本テレビ系『ものまねグランプリ』卒業ステージでは、五木本人がサプライズ登場。長年ものまねを続けてきたコロッケに花束を贈り、その芸を称賛した。2026年現在の二人の活動も含め、関係性の変化を時系列で整理する。
【関係性の真相】コロッケと五木ひろしは不仲だった?ものまねから生まれた特別な縁

コロッケと五木ひろしの関係を理解するには、まず二人の芸能活動における立場を押さえておきたい。
五木ひろしは、1971年に「よこはま・たそがれ」を発表して大ヒットを記録した演歌界の大御所だ。一方、コロッケは1980年に芸能活動を開始し、歌手や著名人の特徴を大胆にデフォルメする独自のものまね芸で人気を獲得した。
コロッケにとって五木ひろしは、長年にわたってレパートリーの中心を担ってきた人物である。通常の歌まねだけではなく、顔の動きや歌唱時の表情、身体の動作まで誇張し、最終的にロボットのようなパフォーマンスへと発展させた。
ここで重要なのは、二人の関係を単純な「ものまね芸人と怒っている歌手」という構図で捉えないことだ。
2018年の日刊スポーツの取材では、コロッケ自身が五木本人に認めてもらうまでの経緯を説明している。また、2022年には五木本人がテレビ番組に登場し、コロッケの芸を称賛した。少なくとも公に確認できる二人のやり取りからは、長年のものまねを通じて築かれた相互の理解と敬意が読み取れる。
五木ひろしの側から見ても、自分の歌唱スタイルを題材にした芸が、単なる声まねではなく独立したエンターテインメントとして成立していたことが、二人の関係を特徴づけている。
【誕生秘話】五木ロボットは映画『ロボコップ』から生まれた!意外な発想の原点
五木ロボットの誕生には、1987年公開のアメリカ映画『ロボコップ』が深く関係している。
コロッケは2018年4月、BS朝日の番組『熱中世代 大人のランキング』に出演した際、五木ロボットの誕生秘話を語った。
映画を見て五木ひろしの姿が浮かんだコロッケによると、映画『ロボコップ』を見ていたとき、登場人物の機械的な動きに注目したことが発想の始まりだった。
「この動きを誰かに当てはめるなら、誰だろう」と考えたとき、頭に浮かんだのが五木ひろしだったという。
加えて、コロッケは同番組で、映画を3回目くらいにしっかり見たころには、五木ひろしが自分の中で主役になっていたという趣旨のエピソードを披露している。
つまり、最初から五木ひろしのロボットものまねを作ろうと考えていたわけではない。映画の動きを観察し、そこに別の人物の特徴を組み合わせるという、コロッケ独自の連想によって生まれた芸だった。
仕事が減った時期に生まれた再ブレイクのきっかけ2022年1月のスポニチアネックスの報道でも、この誕生エピソードが紹介されている。
当時のコロッケは、ものまねブームが落ち着いたことで仕事が減少し、新しいネタによる再ブレイクを模索していた。映画から発想を得ることが多かったコロッケは、見ていなかったビデオに気づき、それをきっかけに新しい動きを取り入れたという。
新しいネタを披露したところ、周囲からは従来の五木ひろしのものまねとは違う斬新な芸として好評を得た。
こうして、五木ひろしの特徴的な歌唱表現とロボコップの機械的な動作を融合させた五木ロボットが、コロッケの代表的な持ちネタへと成長していった。
このエピソードで注目したいのは、五木ロボットが単なる人物の模倣ではなく、異なるジャンルの表現を組み合わせた作品だったという点だ。映画のアクション、歌謡曲、身体表現という三つの要素が結びついたことで、ほかの芸人には簡単に再現できない独自性が生まれた。
【本人公認まで25年】五木ひろしがコロッケのものまねを認めた理由とは?
コロッケと五木ひろしの関係を語るうえで、特に注目されるのが本人公認までに約25年かかったというエピソードだ。
2018年3月の日刊スポーツの報道によると、コロッケは自身のものまねが五木本人に認められるまで25年かかったと明かしている。
なぜ25年もかかったのか一般的なものまねでは、本人の声や歌い方、表情などを似せることが評価の中心になる。しかし、コロッケの芸は、対象人物の特徴を大きく誇張して笑いに変えるパロディー型のものまねだ。
五木ひろしの歌唱を再現するだけでなく、身体全体をロボットのように動かす表現は、本人が普段のステージで見せる姿とは大きく異なる。
コロッケが日刊スポーツに語った説明では、五木ひろしが認めるきっかけになったのは、ロボットダンスを取り入れたことだった。
単に五木ひろしの声や顔をまねるのではなく、ロボットダンスという独立したエンターテインメントに昇華させた点が評価につながったという。
五木本人は最初から許可していたわけではなかった2022年のスポニチアネックスの報道では、コロッケが五木ロボットを披露した当初、本人の許可は取っていなかったことも紹介されている。
その後、五木本人が偶然その芸を見て、許可を与えたという。コロッケは、その際に五木から「似てないけどね」と言われたというユーモラスなエピソードも明かしている。
この言葉は、ものまねの完成度をめぐる単純な評価というより、五木本人がコロッケの芸を理解したうえで交わした軽妙なやり取りとして受け取れる。
また、本人公認という言葉についても整理が必要だ。報道で確認できるのは、五木ロボットという芸を本人が認めたというコロッケの説明である。あらゆるものまねや商業利用について包括的な契約を結んだという意味まで示されているわけではない。
約25年という時間は、単に許可が下りなかった期間というだけではない。ものまねを独自の芸術表現へと進化させ、対象となる本人にも受け入れられる形を模索した年月だった。
【二人の関係を時系列で整理】よこはま・たそがれから五木ロボ、2022年の本人登場まで
コロッケと五木ひろしの関係を時系列で並べると、歌手としての五木のキャリアと、ものまねタレントとしてのコロッケの成長が交差していることが分かる。
特に重要なのは、五木の代表曲「よこはま・たそがれ」が生まれた時代と、コロッケがものまねタレントとしてブレイクした時代が異なる点だ。先輩歌手の存在を題材に、後輩の芸人が新しい笑いを作り出した構図になっている。
| 時期 | 人物・出来事 | 二人の関係における意味 |
|---|---|---|
| 1948年 | 五木ひろし誕生 | 後に演歌界を代表する歌手として活躍 |
| 1960年 | コロッケ誕生 | 熊本県出身。後にものまねタレントとしてデビュー |
| 1971年 | 五木ひろし「よこはま・たそがれ」発表 | 五木の歌手人生を大きく変えた代表的なヒット曲 |
| 1980年 | コロッケが芸能活動を開始 | ものまねタレントとしてのキャリアが始まる |
| 1985年 | 『ものまね王座決定戦』などで注目 | ものまね四天王の一人として人気を獲得 |
| 1987年 | 映画『ロボコップ』公開 | 五木ロボット誕生につながる着想の源 |
| 2000年代前半 | 五木ロボットが代表芸として定着 | 2004年の公演観覧記録にも五木ロボットが登場 |
| 2018年 | コロッケが本人公認まで約25年と説明 | ロボットダンスのエンターテインメント性が認められた経緯を公表 |
| 2022年10月25日 | 『ものまねグランプリ』最後の出演 | 五木本人がサプライズ登場し、コロッケを称賛 |
| 2025年12月 | コロッケがチャリティーイベントに出演 | 膝の手術後も五木ロボットを披露 |
| 2026年 | コロッケは芸能生活45周年、五木は「よこはま・たそがれ」55周年 | それぞれ第一線で活動を続けている |
この年表で注意したいのは、五木ロボットの正確な初披露日と、公認された年月日が、上記の報道資料だけでは特定できないことだ。約25年という数字はコロッケ本人の説明として伝えられているものであり、特定の年を公認日と断定することはできない。
一方、2004年にはすでに五木ロボットをコロッケの代表的な芸として紹介する観覧記録が残っている。少なくとも2000年代前半には、この芸が観客に知られる存在になっていたことがうかがえる。
【2022年の感動的な共演】ものまねグランプリ最後のステージに五木ひろし本人が登場
二人の関係を象徴する出来事が、2022年10月25日に放送された日本テレビ系『ものまねグランプリ』での共演だ。
この放送は、コロッケにとって同番組での最後のパフォーマンスとなった。芸能活動を引退するわけではなく、長年出演してきた番組から卒業する節目だった。
最後のネタに選んだのは五木ロボ番組では、北島三郎、小林幸子、千昌夫、島倉千代子、野口五郎など、これまでコロッケがものまねを披露してきた歌手たちとの思い出を振り返った。
そして最後のパフォーマンスに選ばれたのが、代名詞ともいえる五木ロボだった。
この日の演目では、五木ひろしの楽曲「契り」を披露。いつも以上にロボットらしい動きを取り入れたパフォーマンスで、長年磨き上げてきた芸を見せた。
五木ひろしが花束を持ってサプライズ登場パフォーマンス終了後、五木ひろし本人が花束を持って登場した。コロッケには事前に知らされていないサプライズだった。
五木は「コロッケちゃん、お疲れさまでした」と声をかけ、長年自分のものまねを続けてきたコロッケをねぎらった。
加えて、五木ロボットについて「これはものまねの域をこえた」と称賛したことがオリコンなどで報じられている。
この言葉は、約25年かけて本人から認められたという過去のエピソードと重なる。五木ロボットを単なるものまねではなく、独立したエンターテインメントとして評価したことが伝わる場面だった。
コロッケは驚きと感激から涙を流し、五木への感謝を語った。五木の登場によって、番組の卒業ステージは単なる出演終了ではなく、二人が長年築いてきた関係を振り返る象徴的な舞台になった。
「ラストパフォーマンス」は引退を意味しないこの出来事について誤解されやすいのが、「コロッケのラストパフォーマンス」という表現だ。
あくまで『ものまねグランプリ』での最後の出演を意味しており、ものまね芸人としての引退ではない。
2023年のENCOUNTのインタビューでも、コロッケは番組卒業後の活動について語り、引退するつもりはないことを明確にしている。若手育成や新しいエンターテインメントへの取り組みに意欲を示していた。
番組卒業を芸能界引退と混同しないことが、現在の活動を理解するうえで大切だ。
【2026年最新】コロッケと五木ひろしの現在は?五木ロボットは封印されたのか
2026年現在、コロッケも五木ひろしも芸能活動を続けている。五木ロボットについても、永久に封印されたという状況ではない。
コロッケは芸能生活45周年を迎えて舞台でも活躍コロッケの所属・業務提携先であるベリーベリープロダクションのプロフィールでは、2026年に芸能生活45周年を迎えたことが紹介されている。ものまねのレパートリーは1000種類以上とされ、テレビだけでなく舞台や公演でも幅広く活動している。
2026年10月18日から11月5日までは、大阪の新歌舞伎座で「松平健×コロッケ45周年特別公演」に出演。第一部の「暴れん坊将軍 THE STAGE2 狙われた将軍」に続き、第二部では「マツケン・コロッケのゴールデンパラダイスショー」が上演されている。
2026年11月4日現在も公演期間中であり、コロッケが現役の舞台人として活動していることが分かる。
膝の手術を経ても五木ロボットを披露コロッケの活動を考えるうえで、2025年の健康面の出来事も見逃せない。
2025年2月、コロッケは変形性膝関節症のため両膝に人工関節を入れる手術を受けた。手術後は体力の低下や足の動かしづらさがあり、本人も五木ロボットを再び披露できるのか不安を感じていたという。
しかし、2025年12月21日にTBS NEWS DIGが報じたチャリティーイベントでは、コロッケは子どもたちに向けて五木ロボットを披露している。
同報道によると、リハビリや投薬などを続け、当時は活動に支障がない程度まで回復していた。五木ロボットが現在もコロッケの重要な持ちネタであることを示す出来事だ。
五木ひろしも2026年に歌手活動を継続五木ひろしも2026年に精力的な活動を続けている。
公式プロフィールによると、五木は1948年3月14日生まれ。1971年に「よこはま・たそがれ」を発表し、歌手として大きな成功を収めた。
2026年は「よこはま・たそがれ」から55年という節目にあたり、公式スケジュールにはアニバーサリーコンサートが掲載されている。11月18日には長野県での公演も予定されている。
五木は長年のコンサート活動を続けており、公式プロフィールには通算7000公演以上のコンサート実績も記載されている。
コロッケが五木の歌唱スタイルをものまねの題材としてきた背景には、こうした長い歌手人生と、世代を超えて知られる楽曲の存在がある。
【プロの結論】五木ロボットが長く愛される理由は「ものまねを超えた表現力」にある
コロッケの五木ひろしのものまねが長く支持されてきた理由は、単純に似ているからではない。
ものまねには、大きく分けて本人の声や表情を忠実に再現するコピー型と、特徴を誇張して笑いに変えるパロディー型がある。コロッケ自身もインタビューで、この二つの方向性について語っている。
五木ロボットは、後者のパロディー型を代表する芸だ。
五木ひろしの歌唱表現を土台にしながら、映画『ロボコップ』の動きを加えることで、本人の再現だけでは生まれない新しいキャラクターを作り出した。
この芸には、三つの優れた特徴がある。
第一に、元となる人物の特徴を理解していること。五木ひろしという歌手を知らなければ、どの部分を誇張しているのかが伝わらない。長年の観察と研究が芸の土台になっている。
第二に、異なるジャンルを融合していること。演歌とSF映画のロボット表現という、一見すると関係のない要素を組み合わせたことで、独自の笑いが生まれた。
第三に、ものまねされる本人との関係をエンターテインメントに変えていること。五木本人が登場した際、コロッケの芸にツッコミを入れたり、称賛したりすることで、ものまねだけでは成立しない新しい舞台の面白さが生まれた。
また、本人公認という評価を考える際には、単に許可があったかどうかだけで判断するのではなく、本人がどのような芸として受け止めたのかを見ることが大切だ。
五木ひろしが2022年に五木ロボを「ものまねの域をこえた」と評価したことは、コロッケの芸が対象人物の模倣を超え、一つのショーとして成立していることを象徴している。
約25年という長い年月をかけて生まれたのは、単なる公認の称号ではない。歌手とものまね芸人という異なる立場の二人が、笑いを通じて互いの表現を認め合う関係だった。
【コロッケと五木ひろし】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:コロッケの五木ひろしのものまねは、なぜ五木ロボットと呼ばれるのですか?
A1:五木ひろしの歌唱スタイルに、ロボットのような機械的な動きを組み合わせているためです。映画『ロボコップ』を見たことが着想のきっかけだったとコロッケ本人が語っています。
Q2:五木ひろしはコロッケのものまねを公認していますか?
A2:はい。コロッケは2018年の日刊スポーツの取材で、五木本人に認めてもらうまで約25年かかったと説明しています。ロボットダンスとしてエンターテインメント性を高めたことが認められた理由として紹介されています。
Q3:コロッケと五木ひろしが共演したのはいつですか?
A3:代表的な出来事は2022年10月25日放送の日本テレビ系『ものまねグランプリ』です。コロッケの最後の出演に五木本人がサプライズ登場し、花束を贈りました。
Q4:五木ロボットの誕生には映画『ロボコップ』が関係しているのですか?
A4:関係しています。1987年公開の映画『ロボコップ』の機械的な動きから着想を得て、五木ひろしのものまねに取り入れたとコロッケが2018年の番組で説明しています。
Q5:コロッケは2022年にものまね芸人を引退したのですか?
A5:いいえ。2022年に卒業したのは日本テレビ系『ものまねグランプリ』です。2026年現在も舞台やイベントなどで活動を続けています。
Q6:コロッケは現在も五木ロボットを披露していますか?
A6:はい。2025年12月のチャリティーイベントで五木ロボットを披露したことがTBS NEWS DIGで報じられています。2026年も舞台を中心に活動を続けています。
Q7:五木ひろしの代表曲「よこはま・たそがれ」は何年の曲ですか?
A7:1971年に発表された楽曲です。五木ひろしの公式プロフィールでも、同曲の大ヒットが歌手としての飛躍につながったことが紹介されています。2026年は発表から55年の節目に当たります。
コロッケと五木ひろしの関係は、単なるものまねの対象と演じる側という関係にとどまらない。
映画『ロボコップ』から着想を得た五木ロボットは、コロッケの発想力と長年の試行錯誤によって生まれた代表芸だ。本人公認まで約25年かかったというエピソードも、ものまねを独自のエンターテインメントへと進化させた過程を物語っている。
そして2022年の『ものまねグランプリ』では、五木本人が花束を持って登場し、五木ロボを称賛した。長年ものまねを続けてきたコロッケにとって、忘れられない節目になったはずだ。
2026年現在、コロッケは芸能生活45周年を迎えて舞台で活躍し、五木ひろしも「よこはま・たそがれ」55周年の節目にコンサート活動を続けている。
五木ロボットが今も語り継がれる理由は、笑いの面白さだけではない。ものまねする側が対象人物を深く理解し、本人もその表現を一つの芸として受け止めたからこそ、長く愛されるパフォーマンスになったのである。
二人の歩みを振り返ると、五木ロボットはコロッケの代表芸であると同時に、日本のものまね文化が単なる模倣から独創的な舞台芸術へと広がったことを示す象徴的な作品でもある。