2026年、日本人の美容整形や美容医療は、以前と比べて身近な選択肢になっている。SNSでは美容クリニックの症例写真や施術体験が日常的に紹介され、ヒアルロン酸注射やボツリヌストキシン注射、肌の若返り治療などを受ける人も増えている。しかし、日本人の整形が実際にどれほど増えたのかは、単純に手術件数だけでは判断できない。
日本美容外科学会(JSAPS)が2026年8月に公表した第9回全国美容医療実態調査によると、2025年の美容医療施術数は、回答医療機関から回収した分だけで433万3,339件に達した。ただし、その91.8%を占めるのは外科手術ではなく、注入や顔面の若返りなどの非外科的施術だ。数字の内訳を読み解くと、日本人の美容整形は「大がかりな手術が増えた」というより、「日常的に受けられる美容医療の利用が広がった」という変化が見えてくる。
【2026年最新】日本人の整形は本当に増えた?統計から見える現在地

結論からいえば、日本の美容医療市場と施術需要は拡大している。ただし、外科的な美容整形手術だけが一律に増えているわけではない。
この違いを理解するうえで重要なのが、JSAPSによる全国美容医療実態調査と、一般生活者を対象にした美容医療経験率の調査だ。
2025年の美容医療施術数は433万件を突破日本美容外科学会(JSAPS)は、国内の美容医療の実態を把握するため、日本美容外科学会(JSAS)、日本美容皮膚科学会(JSAD)、日本形成外科学会(JSPRS)などの協力を得て、全国規模の施術数調査を実施している。
2026年8月1日に公開された第9回全国美容医療実態調査は、2025年1月1日から12月31日までに行われた施術を対象にしたものだ。
公表された主な数字は次のとおり。
- 2025年の施術数回収分:4,333,339件
- 2024年の施術数回収分:3,058,488件
- 2025年の外科的手術:355,958件
- 2025年の非外科的施術:3,977,381件
回収された施術数を単純比較すると、2025年は前年を大きく上回っている。
ただし、この数字には調査上の注意点がある。2025年調査では、調査対象5,425件に対して365件・616院から回答を得ている。つまり、433万件は日本全国の全医療機関を完全に集計した確定総数ではなく、回答医療機関から回収された施術数の合計だ。
また、1人が複数の施術を受けた場合や、同じ人が年間に何度も施術を受けた場合も、それぞれ別の件数として数えられる。
そのため、433万件を「433万人が整形した」と解釈するのは誤りである。
日本人の美容医療経験率は何%?では、実際に美容医療を受けている人はどれほどいるのか。
2026年6月15日、インテージヘルスケアは、全国の20〜59歳の男女を対象に実施した自由診療市場調査の結果を公表した。
スクリーニング調査の対象は54,832人。顔・肌を対象とする美容医療について、直近1年間の経験率は2.0%と推計された。
対象となる施術には、次のようなものが含まれる。
- シミ取り・美肌レーザー
- 医療HIFU
- ボツリヌストキシン注射
- ヒアルロン酸などの注入治療
- ダーマペン・ポテンツァ
- 糸リフト
- 二重整形
同調査では、直近1年間の美容医療(顔・肌)の経験者数を約122万人と推計している。
ただし、これは20〜59歳を対象とした調査であり、顔・肌の美容医療全般を対象にした数字だ。外科手術だけの経験率でも、日本人全体の生涯整形経験率でもない。
したがって、2026年時点で「日本人の何%が整形している」と一つの数字で断定することはできない。
それでも、約122万人という推計は、美容医療が一部の著名人や富裕層だけのものではなく、一般生活者にも利用されていることを示す材料になる。
【433万件の内訳】美容整形と非外科施術では何が違う?
日本人の整形が増えたという印象を生み出している大きな要因が、外科手術と非外科的施術の構成比の違いだ。
2025年のJSAPS調査では、外科的手術は全体の8.2%にとどまり、残る91.8%は非外科的施術だった。
つまり、一般にイメージされるメスを使った美容整形と、実際に増えている美容医療の中心には、大きな隔たりがある。
2025年の美容医療施術数を比較出典:日本美容外科学会(JSAPS)第9回全国美容医療実態調査・2025年分
注入剤、顔面若返り、その他は非外科的施術の内訳である。外科的手術の355,958件と合わせると、全体の施術数になる。
外科手術と非外科施術はどう違う?美容医療は、大きく分けると次の2種類に分類できる。
1.外科的な美容整形
二重切開、鼻の形成、脂肪吸引、豊胸、フェイスリフトなど、手術によって形態を変える施術が中心となる。
術式によっては麻酔や切開、縫合が必要で、ダウンタイムや術後管理も考慮しなければならない。
2.非外科的な美容医療
ヒアルロン酸注射、ボツリヌストキシン注射、レーザー治療、肌の若返り治療などが該当する。
メスを使わない施術が多く、比較的短時間で受けられるものもある。ただし、注射や機器による治療にも合併症や副作用のリスクがある。
非外科的施術が選ばれやすい理由の一つは、生活への影響を調整しやすいことだ。
大きな手術に踏み切るほどではないものの、シワや肌の状態、輪郭などを整えたいという希望に対応できる。
一方、注入治療などは効果の持続期間や使用する薬剤によって、定期的な再施術が必要になる場合もある。
ヒアルロン酸注射・ボツリヌストキシン注射が広がる理由特に注目されるのが、注入系の美容医療だ。
ヒアルロン酸注射は、製剤を皮膚などに注入し、シワやボリューム不足、輪郭などの改善を目指す治療である。
ボツリヌストキシン注射は、神経と筋肉の働きに作用する薬剤を使用し、表情ジワなどの改善を目指す施術として知られている。
両者は同じ注入治療でも作用の仕組みが異なる。
また、注射だから安全というわけではない。注入部位や薬剤、量、医師の技術によって結果やリスクは変わる。
JSAPSの調査で注入剤関連が約148万件に達していることは、こうした比較的身近な治療が美容医療の大きな市場を形成していることを示している。
【なぜ増えた?】日本人の美容整形が増えた5つの理由とSNSの影響
日本人の美容医療が広がった背景には、施術技術だけでなく、情報環境や美容に対する価値観の変化がある。
1.SNSで美容医療の情報が身近になったInstagram、TikTok、YouTube、Xなどでは、美容医療に関する情報を簡単に見つけられる。
以前は美容整形について調べようと思っても、クリニックの広告や専門誌など、限られた情報源に頼ることが多かった。
現在は、施術の流れ、ダウンタイム、費用、術後の変化などが動画や写真で紹介されている。
こうした情報によって、美容医療の具体的なイメージを持ちやすくなった。
厚生労働省の美容医療に関する検討会でも、患者がインターネットやSNSを通じて情報を得ることが多い一方、質の高い医療機関を適切に選択するための情報が十分に行き渡っていないことが課題として指摘されている。
つまり、SNSは美容医療への関心を高める一方、広告と実際の医療情報を見分けにくくする側面もある。
2.美容整形への心理的ハードルが下がった美容整形に対して、以前は「大きく顔を変えるもの」「芸能人やモデルが受けるもの」というイメージが強かった。
しかし現在は、シミ取りや肌のメンテナンス、軽度のシワ改善など、日常的な美容ケアに近い感覚で検討される施術も増えている。
矢野経済研究所が2025年に実施した美容医療の消費者調査では、20〜50代女性の経験者と興味層の双方で、施術を希望する理由の上位に次の3つが挙がった。
- コンプレックスの解消
- 老化予防
- 自己肯定感の向上
美容医療は、他人からどう見られるかだけではなく、自分自身が納得できる外見を目指す手段としても捉えられている。
3.手術以外の選択肢が増えた従来の美容整形では、切開や縫合を伴う手術が注目されやすかった。
現在は、注入治療、レーザー、肌育治療、医療機器を使った施術など、目的や悩みに応じて多様な選択肢がある。
手術を受けることに抵抗がある人でも、医師との相談を通じて別の治療方法を検討できるようになった。
この選択肢の多様化が、利用者の裾野を広げている。
4.美容医療を提供する施設が増えた矢野経済研究所の2025年市場調査では、美容外科だけでなく、形成外科、皮膚科、美容皮膚科など、さまざまな診療科で美容医療が提供されていることが指摘されている。
また、2024年の市場では、再生医療関連の施術増加や新規医療施設の参入なども注目された。
美容医療を提供する施設が多様化すれば、利用者が自分の生活圏や予算に合った施設を探しやすくなる。
ただし、施設数の増加が、そのまま医療の質の向上を意味するわけではない。
5.男性も美容医療を利用するようになった美容医療は女性だけのものではなくなっている。
男性の施術では、ヒゲ脱毛、シミ取り、ニキビ跡の治療、薄毛治療などが関心を集めている。
矢野経済研究所が2025年に実施した男性向け美容医療調査では、20〜50代男性400人を対象に分析を実施。経験者200人の施術状況では、顔の施術としてヒゲ脱毛、シミ・あざ・ほくろ除去、ニキビ・ニキビ跡などが上位に挙がった。
男性の美容医療は、外見を大きく変えることだけでなく、肌や毛髪の悩みを改善する目的でも利用されている。
【美容医療市場は6310億円】費用と施術料金の相場を検証
美容医療の拡大を裏付けるもう一つのデータが、市場規模だ。
矢野経済研究所が2025年6月に発表した調査によると、2024年の国内美容医療市場規模は6,310億円となった。
前年比では106.2%で、前年を6.2%上回っている。
この数字は医療施設の収入高を基準に算出した市場規模であり、消費者の支出総額や美容整形手術だけの市場規模ではない。
また、美容医療には外科的施術だけでなく、脱毛や注入、肌の治療なども含まれる。
市場の成長を「日本人が大がかりな整形手術を受けるようになった」と読み替えるのは正確ではない。
美容整形の費用はどれくらい?美容医療は原則として自由診療であり、施術方法、使用する製剤、医師、医療機関によって料金が異なる。
全国一律の公的な平均料金が存在するわけではない。
実際の医療機関の公表料金を例にすると、二重整形の埋没法は両目2点で22,000円、切開法は両目275,000円という料金設定もある。
ただし、これらは特定のクリニックの公表価格であり、全国平均や標準価格ではない。
施術ごとの費用を考える際には、次のような点が重要になる。
- 埋没法: 留める点数、保証期間、使用する糸などによって変動する。
- 切開法: 手術範囲、脂肪除去の有無、麻酔や術後管理などが影響する。
- ヒアルロン酸注射: 製剤の種類、注入量、施術部位によって変わる。
- ボツリヌストキシン注射: 使用製剤、注入量、対象部位によって異なる。
- レーザー治療: 使用機器、照射範囲、施術回数などで総額が変わる。
特に注意したいのは、広告に表示された初回料金と、実際に必要となる施術費用の違いだ。
カウンセリング料、麻酔代、薬剤費、再診料、術後の処置費用などを含めた総額で比較する必要がある。
安さだけでクリニックを選んではいけない理由美容医療は価格競争が起こりやすい分野でもある。
広告では低価格を強調していても、カウンセリング後に追加施術を提案されたり、上位プランを勧められたりするケースがある。
国民生活センターにも、当初の想定を超える高額契約や、当日中の契約を迫られたという相談が寄せられている。
料金を比較する際には、単に最初の表示価格を見るのではなく、次の項目を確認したい。
1. 施術に必要な費用の総額
2. 使用する薬剤や機器の名称
3. 追加費用が発生する条件
4. 再施術や修正が必要になった場合の費用
5. 術後の診察・アフターケアの内容
価格の安さと医療の安全性は別の問題である。
【トラブルも増加】PIO-NETの相談件数と美容医療のリスク
美容医療の利用者が増える一方、健康被害や契約に関するトラブルも社会問題になっている。
美容医療は自由診療が中心で、施術を受けるかどうかは本人の意思による部分が大きい。しかし、医療行為である以上、身体的なリスクが存在する。
PIO-NETの美容医療相談件数はどう変化した?国民生活センターが2026年7月31日に更新した美容医療サービスの相談データによると、PIO-NETに登録された相談件数は次のとおりだ。
※2026年度ではなく、2026年の途中集計。5月31日現在。前年同期は910件。消費生活センター等からの経由相談を除く。
2024年は10,744件となり、2023年の6,281件から大幅に増加した。2025年は7,944件で前年より減少したものの、2023年の水準を上回っている。
ここで重要なのは、相談件数と実際の事故件数は同じではないという点だ。
PIO-NETは消費生活に関する相談情報を集約するシステムであり、登録件数がそのまま健康被害の発生人数を意味するわけではない。
それでも、契約や説明、施術結果などについて問題を感じる消費者が一定数存在することは、無視できない。
実際に報告されている美容医療トラブル国民生活センターが紹介している相談事例には、次のようなものがある。
1.ボツリヌストキシン注射後のまぶたの下垂
額や眉間のシワを改善するために注射を受けたところ、まぶたが垂れ下がったという相談がある。
2.リフトアップ後の左右差や傷跡
顔のリフトアップ施術を受けた後、仕上がりが左右非対称になり、傷跡が残ったという相談も紹介されている。
3.カウンセリング後の高額契約
施術の必要性を強く説明され、その日のうちに契約や施術を受けたものの、後から金額や内容に不安を感じたケースもある。
これらは相談者から寄せられた申し出内容であり、個々の事例について医療上の因果関係や責任が確定したことを意味するものではない。
厚生労働省が美容医療の適切な実施を求める背景厚生労働省は、2024年11月22日に「美容医療の適切な実施に関する検討会」の報告書を取りまとめた。
そこでは、医師ではないカウンセラーが治療方針を決めてしまう事例、安全管理体制の不備、医療広告の問題、術後のアフターケア不足などが課題として挙げられている。
さらに2025年8月15日には「美容医療に関する取扱いについて」という通知を発出した。
通知では、無資格者による診断や医療行為、看護師などのみによる治療行為、オンライン診療、診療録の作成・保存、医療安全管理、医療広告規制などについて、法令上の解釈を整理している。
特に重要なのは、カウンセラーと医師の役割の違いだ。
カウンセラーから説明を受けること自体と、医学的判断を伴う診断や治療方針の決定は別である。施術内容やリスクについては、医師本人から説明を受ける必要がある。
厚生労働省の啓発サイトでも、次の点を確認するよう呼びかけている。
- 使用する薬剤や医療機器について理解しているか
- 効果だけでなく副作用や合併症の説明を受けたか
- ほかの施術方法についても比較したか
- その場で契約する必要が本当にあるか
- 術後の相談やアフターケアに対応してもらえるか
美容医療は緊急性のない施術が多いため、当日契約を急ぐ必要はない。
【プロの結論】日本人の整形は今後どうなる?数字の読み方と失敗しない判断基準
ここまでのデータを整理すると、2026年の日本の美容医療には、はっきりとした変化が見えている。
それは、従来型の美容整形手術だけでなく、注入治療や肌の若返りなど、継続的に利用される非外科的施術が市場の中心になっていることだ。
433万件という数字から誤解してはいけないこと美容医療に関する情報では、次の3つが混同されやすい。
施術数: 医療機関で実際に行われた治療の回数や施術項目数。
症例数: 治療を受けたケースの数。1症例で複数の施術を受けることもある。
受療人数: 実際に美容医療を受けた人の数。
例えば、1人がヒアルロン酸注射とレーザー治療を同じ日に受ければ、施術数は2件になる。また、同じ人が年間に複数回注射を受ければ、その都度カウントされる。
JSAPSの第9回調査は施術数調査であり、433万件は433万人という意味ではない。
加えて、2025年の調査では施術分類の変更もあった。ヒアルロン酸注射による豊胸や非外科的な腋臭症治療など、従来とは異なる分類で扱われた施術があるため、前年との単純比較にも注意が必要だ。
この点を理解することが、日本人の整形が増えたというニュースを正しく読む第一歩になる。
美容医療を受ける前に確認したい判断基準美容医療は、すべての人に必要なものではない。
施術を検討する場合には、次のような判断基準が役立つ。
施術を前向きに検討できる条件
- 自分が改善したい悩みが具体的になっている
- 施術の効果と限界を理解している
- ダウンタイムや副作用を受け入れられる
- 総費用を無理なく負担できる
- 医師から十分な説明を受けている
契約や施術を急がないほうがよい条件
- SNSの症例写真だけで施術を決めようとしている
- 医師ではなくカウンセラーの説明だけで判断している
- 当日契約や即日施術を強く勧められている
- リスクや副作用について説明が不十分
- 予算を超えるローンや分割払いを勧められている
特に、SNSのビフォーアフター写真は、撮影条件、照明、角度、メイク、画像加工などによって見え方が変わる可能性がある。
症例写真だけで、自分にも同じ結果が得られると判断するのは危険だ。
今後は男性美容と肌の若返り治療も注目分野に今後の美容医療市場では、女性の美容整形に加え、男性向け施術やアンチエイジング関連の治療が引き続き注目されると考えられる。
矢野経済研究所も、2025年以降の市場について、女性の心理的ハードルの低下、20〜30代男性の需要拡大、医療施設の新規参入、インバウンド需要などを成長要因として挙げている。
一方、利用者が増えるほど、医療機関の技術力や安全管理体制、広告の適正化が重要になる。
これからの美容医療で問われるのは、施術件数を増やすことだけではない。利用者が十分な情報を得て、自分に必要な治療を納得して選べる環境を整えられるかどうかだ。
【日本人の整形が増えた理由】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日本人の美容整形は2026年現在、本当に増えている?
A1:美容医療市場や回答医療機関から回収された施術数は拡大している。JSAPSの2025年調査では約433万件に達した。ただし、増加の中心は非外科的施術であり、外科手術だけが増えたわけではない。
Q2:日本人の美容整形の割合は何%?
A2:日本人全体の生涯整形経験率を示す統一的な最新統計はない。2026年に公表されたインテージヘルスケアの調査では、20〜59歳男女の顔・肌の美容医療について、直近1年間の経験率は2.0%と推計されている。
Q3:2025年に最も多かった美容医療は何?
A3:JSAPSの分類では、非外科的施術のうち顔面若返り関連が1,602,755件、注入剤関連が1,484,405件だった。これらが全施術数の大きな割合を占めている。
Q4:美容整形とプチ整形は何が違う?
A4:一般的に美容整形は外科手術を含む広い意味で使われる。プチ整形は、ヒアルロン酸注射やボツリヌストキシン注射など、比較的身体への負担が小さいとされる施術を指す俗称だ。ただし、プチ整形にも医療上のリスクはある。
Q5:SNSが日本人の整形増加に影響している?
A5:SNSは美容医療の情報を広め、施術を検討するきっかけの一つになっている。矢野経済研究所の2025年調査でも、若年層ではSNSを情報源とする傾向が見られた。ただし、SNSが施術件数の増加を直接引き起こしたと証明するものではない。
Q6:美容医療のトラブルを避けるにはどうすればいい?
A6:医師から施術内容、使用薬剤、効果、リスク、費用、術後対応について説明を受けることが基本だ。当日契約を急がず、納得できなければ別の医療機関で意見を聞くことも大切。契約トラブルについては消費者ホットライン188に相談できる。
2026年現在、日本の美容医療は確実に大きな市場を形成している。
JSAPSの第9回全国美容医療実態調査では、2025年の施術数回収分が433万3,339件に達した。そのうち91.8%は非外科的施術であり、ヒアルロン酸注射などの注入治療や顔面若返り関連の施術が大きな割合を占めている。
また、矢野経済研究所によると、2024年の美容医療市場規模は6,310億円。SNSによる情報発信、施術の多様化、男性の美容意識の高まりなども、市場拡大を支える要素となっている。
ただし、433万件は受療人数ではなく、回答医療機関から回収した施術数だ。外科的手術だけの件数と美容医療全体の件数を混同しないことが重要である。
美容医療は、外見の悩みを改善したい人にとって選択肢の一つになった。一方で、健康被害や高額契約などの問題も残されている。
日本人の整形が増えたという現象の本質は、単純に手術を受ける人が増えたことではなく、美容医療そのものが多様化し、より幅広い人に利用されるようになったことにある。
これから美容医療を検討する人に必要なのは、SNSの流行や価格の安さに流されることではない。正確な情報を集め、効果とリスクを理解し、自分にとって本当に必要な施術かどうかを判断する姿勢である。
主な参考資料:日本美容外科学会(JSAPS)第9回全国美容医療実態調査(2026年8月1日公開)、矢野経済研究所「美容医療市場に関する調査」(2025年6月25日公表)、インテージヘルスケア(2026年6月15日公表)、厚生労働省「美容医療に関する取扱いについて」(2025年8月15日)、国民生活センター「美容医療サービス」(2026年7月31日更新)。