二の腕が痛いとき、原因として考えられるのは筋肉痛や使いすぎだけではありません。肩関節の腱や筋肉の損傷、首の神経の圧迫、頸椎椎間板ヘルニアなど、腕以外の場所にある問題が痛みとして現れていることもあります。
特に、何もしていないのに痛む、肩から二の腕にかけて痛みが広がる、腕や指にしびれがあるといった場合は、痛む場所だけで原因を判断することはできません。右腕か左腕か、外側か内側かに加えて、どの動作で痛むのか、夜間や安静時にも痛むのかを確認することが大切です。
この記事では、2026年時点の日本整形外科学会などの医学情報をもとに、二の腕が痛い原因、考えられる病気、自宅でできる対処法、整形外科を受診する目安、緊急性の高い症状まで詳しく解説します。
【原因を解説】二の腕が痛いのはなぜ?考えられる主な病気と症状

二の腕は、肩関節から肘関節までの部分を指します。内部には上腕二頭筋や上腕三頭筋などの筋肉があり、肩や肘を動かすために働いています。
そのため、二の腕の痛みは筋肉そのものに発生する場合もあれば、肩関節や首の神経に問題があることで生じる場合もあります。
代表的な原因を整理すると、次のとおりです。
1. 筋肉痛・筋肉の使いすぎ比較的よく見られる原因が、筋肉への負荷による痛みです。
例えば、次のような行動の後に症状が現れることがあります。
- 重い荷物を長時間持った
- 筋力トレーニングで腕を酷使した
- 引っ越しや掃除で腕を繰り返し動かした
- 慣れないスポーツをした
- 長時間、腕や肩に負担のかかる姿勢を続けた
筋肉痛の場合、腕を動かしたときや、痛む部分を押したときに違和感が出やすい傾向があります。
運動後に発生する遅発性筋肉痛であれば、運動直後ではなく、数時間から翌日以降に痛みが強くなることもあります。
通常は負担を減らすことで徐々に改善します。ただし、強い腫れや著しい筋力低下、尿の色がコーラのように濃くなる症状がある場合は、単なる筋肉痛と考えず早急に医療機関を受診してください。
2. 肩腱板断裂二の腕の痛みを引き起こす代表的な肩の病気が、肩腱板断裂です。
腱板とは、肩甲骨と上腕骨をつなぐ4つの筋肉の腱の総称です。腕を上げたり回したりするときに肩関節を安定させる役割があります。
この腱板が傷ついたり切れたりすると、肩だけでなく二の腕の外側付近にも痛みが広がることがあります。
主な症状は次のとおりです。
- 腕を上げると肩から二の腕が痛い
- 腕を下ろす途中で痛みが出る
- 夜間に痛みが強くなる
- 痛い側を下にして寝るとつらい
- 腕を上げるときに力が入りにくい
- 肩を動かすと引っかかる感覚がある
日本整形外科学会によると、腱板断裂は40歳以上に多く、発症年齢のピークは60代です。
注目したいのは、明確な転倒や事故がなくても発症する場合があることです。加齢による腱の変化や日常生活での負担が関係し、特別な運動をしていなくても症状が現れることがあります。
そのため、何もしていないのに二の腕が痛い場合でも、肩関節の異常を考える必要があります。
なお、腱板断裂があっても腕を上げられる人はいます。「腕が動くから腱は切れていない」とは判断できません。
3. 上腕二頭筋長頭腱炎上腕二頭筋長頭腱炎は、肩の前側を通る上腕二頭筋の腱に炎症や負担が生じる病気です。
上腕二頭筋は、いわゆる力こぶを作る筋肉で、肘を曲げたり、手のひらを上に向けたりする動作に関係しています。
長頭腱は肩関節の近くを通るため、炎症が起こると肩の前側から二の腕にかけて痛みが出ることがあります。
特徴的な症状は以下のとおりです。
- 肩の前側が痛い
- 腕を前方や上方に上げると痛む
- 重い荷物を持ち上げると痛い
- 肘を曲げて力を入れると痛む
- 手のひらを上に向ける動作で違和感がある
野球の投球やテニスのサーブ、水泳など、腕を頭より高く上げる動作を繰り返す人にも見られます。
ただし、腱板断裂などでも似た症状が現れます。痛みの場所だけで上腕二頭筋長頭腱炎と決めつけないことが大切です。
4. 頚椎症性神経根症首から二の腕にかけて痛みが広がる場合は、頚椎症性神経根症も考えられます。
頚椎とは首の骨のことで、そこから腕や手に向かって神経が伸びています。
加齢などによって椎間板が膨らんだり、骨にとげのような変化が生じたりすると、神経根が圧迫・刺激されることがあります。
その結果、首そのものだけでなく、肩、二の腕、前腕、手指に痛みやしびれが現れます。
特徴的な症状は次のとおりです。
- 首から肩、二の腕にかけて痛む
- 腕や指がしびれる
- 上を向くと痛みが強くなる
- うがいや上方を見る動作がつらい
- 腕や手に力が入りにくい
- 肩甲骨周辺にも痛みがある
日本整形外科学会によると、頚椎症性神経根症は中年から高齢の人に多く、首を後ろに反らす動作で症状が強くなる傾向があります。
このタイプの痛みでは、腕だけをマッサージしても根本的な改善につながらない場合があります。
5. 頸椎椎間板ヘルニア頸椎椎間板ヘルニアも、首から腕にかけて痛みやしびれを引き起こす病気です。
首の骨と骨の間には、クッションの役割を果たす椎間板があります。この椎間板の一部が飛び出し、神経根や脊髄を圧迫することで症状が現れます。
主な症状は以下のとおりです。
- 首から肩、二の腕にかけて痛い
- 腕や手指がしびれる
- 指先の感覚が鈍くなる
- 腕に力が入りにくい
- 首を動かすと腕の痛みが強くなる
神経根が圧迫されている場合は、腕の痛みやしびれが中心になります。
一方、脊髄まで圧迫されると、手指の細かい動作が難しくなったり、歩行に支障が出たりすることがあります。
特に、ボタンを留めにくい、箸を使いにくい、歩くとふらつくといった変化がある場合は、早めに脊椎疾患を診療する医療機関で評価を受けてください。
6. 五十肩・石灰沈着性腱板炎肩関節周囲炎、いわゆる五十肩でも、肩から二の腕にかけて痛みが広がることがあります。
腕を上げる、背中に手を回す、髪を洗うといった動作が難しくなるのが特徴です。
また、石灰沈着性腱板炎では、腱板にリン酸カルシウムの結晶が沈着して炎症を起こします。
日本整形外科学会によると、石灰沈着性腱板炎は突然の激しい肩の痛みで始まることがあり、特に夜間に痛みが強くなるケースがあります。
それまで普通に生活できていたのに、突然肩や二の腕が激しく痛み、腕を動かせなくなった場合は注意が必要です。
【症状別に比較】右の二の腕・左の二の腕・内側・外側が痛い場合の違い
二の腕が痛いとき、多くの人が最初に気にするのが「右腕と左腕のどちらが痛いか」「外側と内側のどちらが痛いか」という違いです。
これらは原因を考える手掛かりになりますが、痛む場所だけで病気を特定することはできません。
重要なのは、痛む位置と一緒に、痛みが発生する動作や付随する症状を確認することです。
右の二の腕が痛い場合右側だけが痛い場合、右肩や右腕にかかる負担が関係している可能性があります。
例えば、利き腕で荷物を持つ、右腕でスポーツをする、片側に偏った姿勢で作業するといった習慣です。
また、右肩の腱板断裂や上腕二頭筋長頭腱炎など、肩関節の病気によって右の二の腕が痛むこともあります。
一方、首の神経が圧迫されている場合にも片側だけに症状が現れることがあります。
左の二の腕が痛い場合左腕の痛みも、筋肉や肩関節、首の神経などが原因として考えられます。
ただし、左腕の痛みについては、心臓の病気による放散痛にも注意が必要です。
心筋梗塞では、胸の痛みだけでなく、肩や腕に痛みが広がることがあります。
特に、胸の圧迫感、息苦しさ、冷や汗、吐き気などを伴う場合は、単なる筋肉痛と判断せず119番通報してください。
なお、心臓由来の痛みは左腕だけに限られるものではありません。
二の腕の外側が痛い場合二の腕の外側、特に肩に近い部分が痛い場合は、肩関節や腱板に関連した痛みが考えられます。
次のような動作で痛む場合は、肩関節の状態を確認する必要があります。
- 腕を横から上げる
- 高い場所の物を取る
- 洗濯物を干す
- 髪を洗う
- 痛い側を下にして寝る
ただし、首の神経が原因で二の腕の外側に痛みが出る場合もあります。
二の腕の内側が痛い場合二の腕の内側には筋肉や神経、血管などが通っています。
そのため、筋肉の負担だけでなく、神経に関連した症状なども考慮する必要があります。
特に、内側の痛みに加えて手指のしびれや感覚の変化がある場合は、首や腕の神経の状態を確認することが大切です。
内側だから特定の病気、外側だから別の病気という単純な区別はできません。
痛む場所と症状から考える原因の比較表| 痛みの場所・症状 | 考えられる原因 | 確認したい特徴 |
|---|---|---|
| 右の二の腕 | 筋肉の負担、肩関節疾患、神経の圧迫 | 右腕を使う動作で痛むか |
| 左の二の腕 | 筋肉の負担、肩関節疾患、神経の圧迫 | 胸痛や息切れがないか |
| 二の腕の外側 | 腱板断裂、肩関節周囲炎、頚椎疾患 | 腕を上げると痛むか |
| 二の腕の内側 | 筋肉の負担、神経関連の症状 | しびれや感覚異常がないか |
| 肩から二の腕 | 腱板断裂、上腕二頭筋長頭腱炎 | 夜間痛や挙上時痛があるか |
| 首から腕にかけて | 頚椎症性神経根症、頸椎椎間板ヘルニア | 首の動きで痛みが変化するか |
| 安静時にも痛む | 肩の炎症、腱の損傷、内臓由来の関連痛など | 胸部症状や急激な痛みがないか |
| 腕や指がしびれる | 神経根の圧迫、末梢神経障害など | 筋力低下や感覚の変化がないか |
この表は症状を整理するための目安です。複数の病気で似た症状が現れるため、実際の診断には診察や必要に応じた画像検査が必要です。
【見逃し注意】何もしていないのに二の腕が痛いときに考えたいこと
運動や重労働をしていないのに二の腕が痛くなると、不安になる人もいるでしょう。
しかし、痛みの原因が必ずしも直前の運動や動作にあるとは限りません。
安静にしていても肩や二の腕が痛む肩腱板断裂では、日常生活の動作をきっかけに発症することがあり、明確な外傷がない場合もあります。
また、夜間痛が特徴的なこともあり、寝ているときに痛みで目が覚めるケースもあります。
痛みが続く場合は、単なる疲労と決めつけず整形外科で調べてもらいましょう。
突然、夜中に激しい痛みが出た突然の激しい肩の痛みでは、石灰沈着性腱板炎が原因になっている可能性があります。
発症時には腕を動かすことも難しくなる場合があります。
痛みが非常に強い場合や、腕をほとんど動かせない場合は、早急に医療機関を受診してください。
首を動かすと二の腕が痛む首を後ろに反らしたり、特定の方向に向けたりしたときに腕の痛みが強くなる場合は、頚椎の神経根が関係している可能性があります。
特に、腕の痛みに加えて指先のしびれや筋力低下がある場合は注意が必要です。
胸の痛みや息切れもある腕の痛みとともに胸の圧迫感、呼吸困難、冷や汗、吐き気などがある場合は、心筋梗塞などの心臓の病気が疑われます。
厚生労働省の健康情報サイト「e-ヘルスネット」でも、心筋梗塞の痛みは胸だけでなく、胃の周辺や腕、肩などに広がる放散痛として現れることが説明されています。
この場合、自宅で様子を見るのではなく、すぐに119番へ連絡してください。
【自宅でできる対処法】二の腕が痛いときに試したい5つの方法
緊急性の高い症状がなく、痛みが軽い場合は、まず腕や肩への負担を減らすことが基本です。
ただし、痛みの原因によって適切な対処法は異なります。
1. 痛みが出る動作を一時的に控える重い荷物を持つ、腕を頭上まで上げる、強い筋力トレーニングをするといった動作は、症状を悪化させる可能性があります。
痛みが出る動作を無理に続けず、負担の大きい作業を一時的に減らしてください。
一方で、長期間まったく腕を動かさないことも、肩関節の動きが悪くなる原因になります。
痛みが落ち着いてきたら、無理のない範囲で日常動作を再開することが大切です。
2. 急に痛みが出た場合は冷やす運動や作業の後に急に痛みが出た場合、患部を冷やすことで痛みや腫れが和らぐことがあります。
保冷剤や冷却パックをタオルで包み、皮膚に直接当てないようにしてください。
冷やしすぎは皮膚を傷めるため避けましょう。
ただし、首の神経の問題や慢性的な肩のこりなど、冷却が適さないケースもあります。冷やして痛みが強くなる場合は中止してください。
3. 慢性的な筋肉のこりは温める長時間のデスクワークなどによる慢性的な筋肉の緊張には、入浴や蒸しタオルなどで温める方法が役立つ場合があります。
日本整形外科学会も、肩こりの対策として温熱療法や入浴、適度な運動を紹介しています。
ただし、急な腫れや熱感がある場合は、自己判断で温めず医療機関に相談してください。
4. 痛みを我慢するストレッチやマッサージを避ける二の腕が痛いと、強く揉んだり、無理に伸ばしたりしたくなる可能性があります。
しかし、腱板断裂や腱の炎症、頚椎の神経障害がある場合、強い刺激によって症状が悪化する可能性があります。
特に、首を強くひねる、反動をつけて腕を伸ばす、痛みを我慢して肩を回すといった動作は避けてください。
リハビリやストレッチは、痛みの原因と状態に合わせて行うことが大切です。
5. 痛みの経過を記録する受診する場合に役立つのが、痛みの記録です。
次の項目を確認しておくと、診察時に症状を伝えやすくなります。
- 右腕か左腕か
- 二の腕の内側か外側か
- 肩や首にも痛みがあるか
- いつから痛み始めたか
- 安静時と動作時のどちらが痛いか
- 夜間に痛みで目が覚めるか
- 手指のしびれや筋力低下があるか
- 腫れや内出血があるか
こうした情報は、肩関節の病気なのか、首の神経が関係しているのかを判断する手掛かりになります。
【何科を受診する?】二の腕の痛みの受診目安と検査・治療
二の腕の痛みが続いている場合、基本的には整形外科が最初の相談先です。
特に、肩を動かすと痛む、首から腕にかけて痛みが広がる、しびれがあるといった症状では、整形外科で肩関節や頚椎、神経の状態を確認できます。
二の腕が痛いときは何科に行けばいい?症状別の受診先の目安は次のとおりです。
| 症状 | 受診先の目安 |
|---|---|
| 腕を動かすと二の腕が痛い | 整形外科 |
| 肩から二の腕にかけて痛い | 整形外科 |
| 首から腕にかけて痛みやしびれがある | 整形外科 |
| 腕や手に力が入りにくい | 早めに整形外科 |
| 発熱や全身の不調を伴う | 内科または救急外来 |
| 胸の圧迫感や息切れ、冷や汗を伴う | 119番通報 |
| 突然の片側の脱力や顔のゆがみがある | 119番通報 |
痛みの原因がはっきりしない場合は、総合診療科に相談する方法もあります。
整形外科ではどのような検査をする?診察では、まず痛みが始まった時期やきっかけ、症状が強くなる動作などを確認します。
その後、肩や肘、首の動き、筋力、感覚などを調べます。
必要に応じて、以下の検査が行われます。
レントゲン検査
骨の形や関節の状態、頚椎の変形などを確認します。
超音波検査
肩の腱や筋肉の状態を確認するために使われます。腱板や上腕二頭筋長頭腱の異常を調べる際にも役立ちます。
MRI検査
腱板や椎間板、神経周辺など、レントゲンでは確認しにくい組織を詳しく調べるために行われます。
すべての患者にすべての検査が必要になるわけではありません。症状や診察結果に応じて選択されます。
どのような症状なら早めに受診すべき?次のような場合は、痛みが軽くなるまで長く待たず、整形外科を受診してください。
- 痛みが数日たっても改善しない
- 痛みが徐々に強くなっている
- 夜間痛で眠れない
- 腕を上げられない、物を持てない
- 手指のしびれが続いている
- 腕の筋力が低下している
- 腫れや内出血がある
- 転倒や事故の後から痛みが続いている
特に筋力低下やしびれが進行している場合は、受診を先延ばしにしないでください。
すぐに救急車を呼びたい危険な症状二の腕の痛みがあるとき、次の症状を伴っていれば緊急性が高い可能性があります。
心筋梗塞が疑われる症状
- 胸の中央が締め付けられる
- 息苦しい
- 冷や汗が出る
- 吐き気や強い気分不良がある
- 胸や背中から腕や肩に痛みが広がる
脳卒中が疑われる症状
- 突然、片方の腕に力が入らなくなる
- 突然、片側の手足がしびれる
- 顔の片側がゆがむ
- ろれつが回らない
- 突然、歩けないほどふらつく
厚生労働省が案内する救急受診の目安でも、突然の片側の脱力やしびれ、顔の異常、呼吸困難、胸の強い痛みなどは119番通報が必要な症状として挙げられています。
また、転倒後に腕が変形している、著しく腫れている、まったく動かせない、発熱を伴って関節が赤く腫れているといった場合も、速やかな医療機関での評価が必要です。
救急車を呼ぶべきか迷う場合は、実施地域であれば救急安心センター「7119」に相談できます。ただし、明らかな緊急症状がある場合は相談を挟まず119番へ連絡してください。
【よくある質問】二の腕が痛いことに関するFAQ
Q1:何もしていないのに二の腕が痛いのはなぜですか?
A1:肩腱板断裂や石灰沈着性腱板炎、頚椎症性神経根症などが考えられます。腱や神経の異常は、明確な運動や外傷がなくても発生する場合があります。安静時や夜間にも痛みが続く場合は、整形外科で原因を調べてもらいましょう。
Q2:右の二の腕が痛い場合と左の二の腕が痛い場合で原因は違いますか?
A2:左右だけで原因を特定することはできません。利き腕の使いすぎや片側の肩関節疾患、首の神経の圧迫などが考えられます。ただし、左腕の痛みに胸の圧迫感や冷や汗、息切れなどが伴う場合は、心筋梗塞の可能性もあるため119番通報が必要です。
Q3:二の腕の外側が痛い場合は腱板断裂ですか?
A3:腱板断裂は候補の一つですが、それだけではありません。肩関節周囲炎や頚椎疾患などでも二の腕の外側に痛みが現れます。腕を上げると痛む、夜間痛がある、力が入りにくいといった特徴を確認する必要があります。
Q4:首から腕にかけて痛みとしびれがある場合は何の病気ですか?
A4:頚椎症性神経根症や頸椎椎間板ヘルニアなどが考えられます。首の神経が圧迫・刺激されることで、肩から腕、手指に痛みやしびれが広がることがあります。筋力低下を伴う場合は早めに整形外科を受診してください。
Q5:二の腕が痛いときは温めるべきですか、冷やすべきですか?
A5:急な痛みや腫れがある場合は冷却が役立つことがあり、慢性的な筋肉の緊張には温める方法が適する場合があります。ただし、原因や症状によって異なるため、冷却や温熱で痛みが悪化する場合は中止してください。
Q6:二の腕が痛いときは何日くらい様子を見てもいいですか?
A6:軽い筋肉痛であれば、負担を減らしながら数日程度の経過を見ることがあります。ただし、痛みが悪化する、日常生活に支障がある、夜間痛やしびれがある場合は日数に関係なく受診してください。突然の脱力や胸痛などがある場合は経過観察の対象ではありません。
二の腕が痛い原因は、筋肉の使いすぎだけではありません。肩関節の腱や筋肉の異常、腱板断裂、上腕二頭筋長頭腱炎、頚椎症性神経根症、頸椎椎間板ヘルニアなど、さまざまな病気が関係しています。
痛みの場所を確認することは大切ですが、右か左か、内側か外側かだけで原因を決めることはできません。
特に注目したいのは、次の3つの判断基準です。
1. 腕を動かすと痛むのか、安静時にも痛むのか。 肩関節や筋肉、腱の異常を考える手掛かりになります。
2. 首から腕にかけてしびれや筋力低下があるのか。 頚椎の神経障害などを考える必要があります。
3. 胸痛、息切れ、冷や汗、突然の片側の脱力などがあるのか。 心筋梗塞や脳卒中など、緊急性の高い病気を見逃さないことが大切です。
軽い痛みであれば、負担を減らして経過を観察する方法もあります。しかし、痛みが長引く、悪化する、腕が上がらない、しびれや筋力低下がある場合は整形外科を受診しましょう。
二の腕の痛みは、原因によって必要な治療や対処法が異なります。自己判断で無理に動かしたり、痛みを我慢し続けたりせず、症状に合った対応を選ぶことが、回復への第一歩です。
主な医学的根拠・参考資料
- 日本整形外科学会「肩腱板断裂」「頚椎症性神経根症」「五十肩(肩関節周囲炎)」「石灰沈着性腱板炎」
- 日本脊髄外科学会「頚椎椎間板ヘルニア」
- 厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」
- 厚生労働省「e-ヘルスネット・狭心症・心筋梗塞などの心臓病」
- 総務省消防庁「救急安心センター事業(7119)」
- 日本理学療法士協会「理学療法ハンドブック・肩関節周囲炎」