卜部功也のファイトスタイルを象徴する言葉が「アンタッチャブル」だ。
直訳すれば「触れることができない」。相手の攻撃を巧みなフットワークやボディワークでかわし、相手の攻撃が届かない距離から的確な反撃を繰り出すスタイルを表している。
単純なパンチ力やKO率だけでは測れない、技術型ファイターとしての個性が評価されてきた。
ウェイ・ルイをKOしてライト級王者に2018年3月21日、K-1 WORLD GP 2018 JAPAN「K'FESTA.1」で行われたライト級タイトルマッチは、功也のキャリアを代表する一戦だ。
対戦相手は当時の王者ウェイ・ルイ。中国の強豪であり、技術力の高い選手同士の対決として注目された。
試合では、功也が相手の攻撃をかわしながら距離をコントロール。2ラウンド1分15秒、左ストレートを命中させてKO勝利を収めた。
これにより、スーパー・フェザー級に続いてライト級のK-1 WORLD GP王座も獲得。K-1史に残る二階級制覇を達成した。
強さの秘密は攻撃よりも距離の管理功也の特徴は、相手の攻撃を正面から受け止めるのではなく、攻撃が届く直前の距離を管理する技術にある。
本人も引退後の選手指導について、アンタッチャブルのスタイルを次のように説明している。
ギリギリ当たるか当たらないかの所で、かわして当てることにこだわっていた
この考え方は、現在の選手育成にもつながっている。
ただし、すべての選手に自分と同じスタイルを求めるのではなく、それぞれの個性を生かすことを重視している点も見逃せない。
皇治や大雅らとの対戦もキャリアを彩った功也はウェイ・ルイ以外にも、国内外の実力者と対戦してきた。
K-1公式プロフィールには、皇治や大雅らとの対戦歴も記録されている。
こうした強豪との経験を積み重ね、スーパー・フェザー級からライト級までトップ戦線で戦い続けたことが、52勝という実績につながっている。
【兄・卜部弘嵩との関係】伝説の兄弟対決と引退後のつながり

卜部功也を語るうえで、兄の卜部弘嵩の存在も欠かせない。
兄・弘嵩もK-1の元スーパー・フェザー級王者であり、兄弟そろってトップファイターとして活躍した。
特に2015年の2度のタイトルマッチは、K-1の歴史を振り返る際にも印象深い試合として知られている。
2015年に実現した2度の兄弟対決最初の対戦は2015年1月18日。K-1 WORLD GP -60kg初代王座決定トーナメントの決勝だった。
功也が兄・弘嵩を判定で下し、初代王者に輝いた。
続く11月21日の再戦では、兄の弘嵩が3ラウンドKO勝利。弟からベルトを奪い、第2代王者となった。
同じ兄弟が王座を懸けて2度対戦し、互いに勝利を分け合ったという展開は、当時のK-1を象徴する出来事だった。
引退セレモニーでは兄も花束を贈呈2024年9月29日の引退セレモニーでは、兄の弘嵩もリングに登場した。
加えて、武尊やウェイ・ルイ、家族からも花束が贈られた。
功也はリング上で、ベルトを懸けた2度の兄弟対決を振り返り、関係者やファンに感謝を伝えた。
現役時代には同じベルトを争った兄弟が、最後の舞台では功也の引退を見届ける側になったのである。
【よくある質問】卜部功也に関するFAQ
Q1:卜部功也は2026年現在、何をしている?
A1:現役を引退し、ALONZA ABLAZEを拠点にジム運営や選手育成に取り組んでいる。ALONZAの公式サイトでは代表・トレーナーとして紹介されており、2026年9月にはK-1 WORLD MAX 2026の特別解説にも起用された。
Q2:卜部功也の引退理由は何?
A2:ジム経営と選手育成に専念するため。自分が理想とする練習時間を確保することが難しくなり、2024年3月の鈴木勇人戦を終えて現役生活に区切りをつけた。
Q3:卜部功也の最終戦は誰との試合?
A3:2024年3月20日の鈴木勇人戦。約2年8カ月ぶりの復帰戦だったが、判定で敗れ、これが現役最後の試合となった。
Q4:卜部功也の生涯戦績は?
A4:K-1公式プロフィールでは63戦52勝(13KO)11敗0分。K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級とライト級の二階級制覇を達成している。
Q5:卜部功也と卜部弘嵩は兄弟?
A5:兄弟。兄が卜部弘嵩、弟が卜部功也。2015年にはK-1のベルトを懸けて2度対戦し、1勝1敗だった。
Q6:「アンタッチャブル」とはどういう意味?
A6:卜部功也の異名。相手の攻撃を巧みにかわし、反撃する高度なディフェンス技術を表している。
Q7:卜部功也は現役復帰する可能性がある?
A7:2024年8月の会見では、本人が現役復帰について「ないです。お腹いっぱいです」と回答している。2026年現在は指導者・ジム代表としての活動が確認できる。
卜部功也は、2009年のプロデビューから約15年間にわたり、K-1とKrushのリングで活躍してきた実力者だ。
スーパー・フェザー級の初代王者、ライト級の第2代王者という二階級制覇を達成し、最終的には63戦52勝(13KO)11敗という戦績を残した。
2024年3月の鈴木勇人戦を最後に現役を退き、6月8日に引退を発表。9月29日のセレモニーで正式にファイターとしての歩みに終止符を打った。
引退理由の中心にあったのは、選手としての限界だけではない。ジム運営と自身の練習を両立する難しさ、そして次世代の選手を育てたいという強い思いだった。
2026年にはK-1大会の特別解説にも起用され、ALONZAの代表として選手育成にも携わっている。
功也が目指しているのは、単に勝てる選手を増やすことではなく、強さと個性、知名度を兼ね備えたスター選手を生み出すことだ。
現役時代は自らの技術で相手を圧倒し、引退後はその経験を次の世代へ伝える。リングの上からリングを支える側へ。このキャリアの転換こそ、2026年現在の卜部功也を理解する最大のポイントである。