則本の評価を考えるうえで欠かせないのが、先発投手から抑えへの転向だ。楽天時代は長年にわたり先発ローテーションを守ってきたが、2024年からは守護神として新しい役割を担った。
先発時代は奪三振と投球回が大きな武器先発投手としての全盛期を象徴するのが2017年だ。この年は25試合に登板し、15勝7敗、防御率2.57、222奪三振を記録した。
2014年から2018年までの5年間は、毎年最多奪三振を獲得。特に2014年は202回2/3を投げて204奪三振、2015年は194回2/3で215奪三振を記録している。
長いイニングを投げながら三振を奪えることが、先発時代の最大の強みだった。単に球威で打者を押すだけでなく、試合を通じて相手打線と対峙できるスタミナも備えていた。
抑え転向後はセーブ数で存在感を発揮2024年、則本は楽天でクローザーに転向した。先発から救援への配置転換は大きな決断だったが、結果は54試合登板、3勝4敗、32セーブ、防御率3.46。最多セーブ投手のタイトルを獲得した。
2025年も56試合に登板し、3勝4敗、16セーブ、10ホールド、防御率3.05を記録した。ただし、シーズン途中からは藤平尚真投手や鈴木翔天投手らに抑えの役割を譲る場面もあった。
同年11月のファン感謝祭では、自身のシーズンについて厳しい振り返りをしている。
「悔しかったし、苦しかったし、何もうまくいかなかったなという年でした」
2025年11月22日、楽天ファン感謝祭での発言。日刊スポーツ報道。
両者の違いを整理すると、次のようになる。
- 先発型の強み: 長いイニングを投げ、試合全体を組み立てられる。最多奪三振5年連続という実績がある。
- 抑え型の強み: 試合終盤の重要な場面を任され、短いイニングで結果を出す。2024年には32セーブを達成した。
- 共通する強み: 先発・救援の両方を経験しており、投手陣の状況に応じて起用の幅を持てる。
巨人の阿部監督は入団発表時、則本について先発ローテーションへの期待を示しつつ、クローザー経験も評価していた。先発投手としての復活を基本線にしながら、救援陣に問題が生じた場合にも対応できる点が、獲得の価値を高めている。
2026年の成績は防御率4.72だった。楽天時代の抑えとしての成績と単純に比較するのではなく、先発としての投球内容、年間の投球回、失点を減らす能力を見ていくことが、今後の評価につながる。
【通算成績・防御率・年俸推移】則本昂大の実績を数字で検証

2026年シーズン終了時点のNPB公式記録によると、則本の通算成績は次のとおりだ。
NPB一軍公式戦・通算成績123勝
通算勝利103敗
通算敗戦48
通算セーブ1,847
通算奪三振3.17
通算防御率1,899回
通算投球回
出典:NPB個人年度別成績。2026年シーズン終了時。
巨人移籍前の楽天時代は373試合で120勝99敗、48セーブ。2026年に3勝を追加し、通算123勝に到達した。
特筆すべきは、1,899イニングを投げていることだ。長期間にわたって一軍の戦力であり続けた証拠であり、単年のタイトル獲得だけでは測れない価値がある。
新人王と最多奪三振5回の価値則本のキャリアを語る際に外せないのが2013年の新人王だ。プロ1年目に15勝8敗、防御率3.34という好成績を残し、開幕から先発投手として活躍した。
加えて、2014年から2018年まで5年連続で最多奪三振を獲得した。5年連続という記録は、長期間にわたってリーグを代表する奪三振能力を維持したことを示している。
そして2024年には最多セーブを獲得。新人王、最多奪三振、最多セーブという異なる実績を持つことが、則本の選手としての特徴だ。
則本昂大の年俸推移則本はプロ入り後、成績の向上とともに年俸を伸ばしてきた。報道などをもとにした推定年俸の推移は以下のとおりだ。
プロ2年目の2014年には、前年の新人王獲得や14勝の活躍を受けて6,000万円に上昇。2015年には1億円を突破し、2017年には2億円に達した。
2019年には推定3億円となり、その後も楽天時代は高水準を維持した。2026年は巨人と推定3年総額13億円で契約している。
ここで注意したいのは、年俸推移に掲載される推定年俸と、報道された3年契約の総額は同じ集計単位ではないことだ。3年総額13億円を単純に毎年の確定年俸とみなすことはできず、契約の詳細な内訳は公表されていない。
【プロの結論】巨人での則本昂大を評価する3つのポイント
則本の巨人移籍を評価する際には、楽天時代の実績だけでなく、35歳からのキャリア設計と2026年の実際の投球内容を分けて考える必要がある。
1. 先発投手として年間を通じて投げられるか最初に注目したいのは投球回だ。則本の最大の価値は、楽天時代に長いイニングを投げてきた経験にある。2017年には185回2/3、2014年には202回2/3を投げており、先発としての耐久力は実績で証明されている。
2026年は61イニング、防御率4.72という数字だった。今後は登板数だけでなく、先発として何回まで安定して投げられるかが重要になる。
2. 被安打と被本塁打を減らせるか2026年のNPB公式記録では、61イニングで72安打、9本塁打を許している。防御率の改善を考えるなら、走者を出した後の投球や長打を防ぐ能力にも注目したい。
奪三振だけで投手の状態を判断するのは十分ではない。被安打、与四球、被本塁打、投球回を組み合わせることで、シーズン全体の安定感を評価できる。
3. 先発と救援を使い分けられるか巨人にとって、則本は先発候補であると同時に、救援経験も豊富な投手だ。2024年に32セーブを記録した経験は、終盤の投手運用においても意味を持つ。
ただし、35歳から40歳まで第一線で活躍するという本人の目標を考えれば、毎年の役割変更が必ずしも最善とは限らない。先発として年間を通じてコンディションを維持できるか、救援に回る場合にどの程度の負担で力を発揮できるか。この判断が巨人での長期契約の価値を左右する。
推定3年総額13億円という大型契約に対する評価も、契約初年度の防御率だけで決めるべきではない。年間の投球回、先発陣への貢献、重要な試合での登板実績を総合して判断する必要がある。
【則本昂大に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:則本昂大は2026年現在、どこの球団に所属していますか?
A1:読売ジャイアンツです。2026年1月に楽天から移籍し、背番号43でプレーしています。
Q2:則本昂大の巨人との契約金額はいくらですか?
A2:報道によると、推定3年総額13億円です。契約合意は2026年1月16日に発表されました。
Q3:則本昂大がFA宣言した理由は何ですか?
A3:海外FA権を取得していたため、メジャーリーグ挑戦を含めて自身のキャリアを検討するためです。本人は悔いのない野球人生を送りたいという考えを示していました。
Q4:則本昂大の2026年の成績は?
A4:NPB公式記録では18試合に登板し、3勝4敗、1ホールド、投球回61回、43奪三振、防御率4.72でした。
Q5:則本昂大の通算勝利数と通算防御率は?
A5:2026年シーズン終了時点で123勝103敗、48セーブ、通算防御率3.17です。通算奪三振は1,847です。
Q6:則本昂大は新人王や最多奪三振を獲得していますか?
A6:2013年に新人王を獲得しています。また、2014年から2018年まで5年連続で最多奪三振のタイトルを獲得しました。
Q7:則本昂大の背番号43にはどんな意味がありますか?
A7:2026年の巨人移籍に伴って決まった番号です。本人は楽天時代に親交のあった宋家豪投手と同じ番号であることをうれしく思うと話しています。
則本昂大は、楽天で新人王、5年連続最多奪三振、最多セーブという実績を積み重ねた実力派右腕だ。先発投手として120勝を挙げた後、抑えに転向して新たなタイトルを獲得するなど、長いプロ生活の中で役割を変えながら結果を残してきた。
2025年に海外FA権を行使した背景には、メジャー挑戦を含めて悔いのない野球人生を送りたいという思いがあった。その結果、2026年から巨人へ移籍。背番号43、推定3年総額13億円という大型契約で新たなスタートを切った。
一方、2026年の成績は3勝4敗、防御率4.72。楽天時代の実績と比べれば、まだ十分な結果を残したとはいえない。今後の評価を左右するのは、先発として投球回を伸ばせるか、失点を抑えられるか、そしてチームの状況に応じて救援でも貢献できるかという点だ。
則本が掲げる「40歳まで第一線でプレーする」という目標は、巨人での3年間を考えるうえでも重要な指標になる。2026年の数字を出発点として、通算150勝への到達や先発陣の柱としての復活を実現できるか。背番号43の右腕が次のキャリアでどんな答えを出すのか、今後も注目したい。