20巻の戦闘を理解するうえで欠かせないのが、4人それぞれの能力と役割だ。
黒死牟は、単純な攻撃力だけでなく、長年の戦闘経験と異常な剣技を備えている。その相手に対し、4人は異なる方法で勝利の可能性を切り開いていく。
主要キャラクターの関係性と戦闘での役割| 人物 | 立場・関係 | 20巻での役割 |
|---|---|---|
| 悲鳴嶼行冥 | 岩柱 | 圧倒的な身体能力と武器の扱いで黒死牟に対抗する。実弥との連携を担う。 |
| 不死川実弥 | 風柱 | 痣を発現させ、負傷を重ねながらも攻撃を続ける。 |
| 時透無一郎 | 霞柱 | 透き通る世界や赤く染まる刀を駆使し、命懸けで黒死牟を追い詰める。 |
| 不死川玄弥 | 実弥の弟・鬼殺隊士 | 鬼の一部を取り込む能力と血鬼術によって、戦況を変える役割を果たす。 |
| 黒死牟 | 上弦の壱 | 4人の前に立ちはだかる最強格の鬼。人間時代は継国巌勝。 |
| 継国縁壱 | 巌勝の双子の弟 | 日の呼吸の剣士。黒死牟の人生を大きく左右した存在。 |
悲鳴嶼は、鬼殺隊の柱の中でも特に高い戦闘能力を持つ剣士として描かれる。
黒死牟との戦闘では、巨大な武器を自在に操り、相手の攻撃を見極めながら戦う。加えて、痣を発現させた状態で戦闘を続ける覚悟も見せる。
注目したいのは、単に力で押すのではなく、状況を判断して仲間の攻撃を生かしていることだ。
不死川実弥:負傷しても戦い続ける風柱実弥の魅力は、どれほど追い詰められても戦意を失わない精神力にある。
黒死牟の攻撃は非常に苛烈で、実弥も深刻な傷を負う。それでも攻撃を続け、悲鳴嶼とともに黒死牟を追い込んでいく。
弟の玄弥が同じ戦場にいることも、戦いの緊張感を高める要素だ。
時透無一郎:若き天才が選んだ捨て身の戦い無一郎は、刀鍛冶の里編で本格的に活躍した霞柱だ。
黒死牟との戦闘では、自分の命が危険にさらされても、仲間に勝機を残すことを優先する。
特に刀身を赤く染める場面は、20巻の戦闘における重要な転換点だ。無一郎の行動が、後続の攻撃を成立させるきっかけになる。
不死川玄弥:弱さを可能性に変える隊士玄弥は、一般的な呼吸の剣技を十分に使いこなせないという弱点を抱えている。
しかし、鬼の肉体の一部を取り込む能力によって、ほかの剣士にはできない戦い方を実現する。
20巻では、その特殊な能力が黒死牟を追い詰めるうえで重要な役割を担う。
また、実弥との兄弟関係を知っている読者にとっては、2人が同じ戦場に立つこと自体にも大きな意味がある。
4人の共闘が示すのは、最強の敵を倒すために必要なのは、単独の才能ではなく、それぞれの能力を生かす連携だということだ。
【継国縁壱と継国巌勝の過去】黒死牟が鬼になった理由

20巻の物語を理解するうえで、黒死牟と縁壱の過去は避けて通れない。
黒死牟の人間時代の名前は継国巌勝(つぎくに・みちかつ)。日の呼吸の剣士・継国縁壱の双子の兄である。
2人は同じ家に生まれながら、剣士としての才能も、その後の人生も大きく異なっていった。
双子として生まれた兄弟の違い巌勝は兄として育てられ、武家の跡取りとして期待される立場にあった。
一方、縁壱は生まれながらに特別な才能を持っていたものの、幼少期には不遇な扱いを受ける。
巌勝にとって縁壱は、当初は守るべき弟だった。しかし、弟の持つ能力を知るにつれ、兄弟の関係は複雑になっていく。
縁壱は剣の才能だけでなく、剣士としての能力そのものが常識を超えていた。
巌勝が努力して身につけようとしたものを、縁壱は自然に実現してしまう。兄としての誇りと、弟に対する劣等感が次第に絡み合っていった。
縁壱が日の呼吸を生み出した意味縁壱は、呼吸の技術をほかの剣士たちに伝えた人物でもある。
日の呼吸をそのまま使いこなせない剣士たちのために、それぞれの能力に応じた呼吸が派生していった。
水の呼吸、炎の呼吸、風の呼吸、岩の呼吸、雷の呼吸など、鬼殺隊の剣士たちが使う呼吸の源流には日の呼吸がある。
この歴史を知ると、炭治郎が受け継ぐヒノカミ神楽と、20巻で描かれる縁壱の存在がつながってくる。
縁壱は過去の人物でありながら、鬼殺隊の戦い方そのものに影響を与えた存在なのだ。
巌勝が鬼になる決断をした理由巌勝にとって最大の問題は、縁壱との才能の差だった。
努力しても追いつけない弟への嫉妬は、長い年月を経ても消えなかった。
加えて、痣を発現させた剣士の寿命が25歳までとされることを知り、巌勝は自分の命にも限りがあることを意識するようになる。
そこで鬼舞辻無惨から鬼になる道を示される。
鬼になれば人間としての寿命を超えて生きられる。剣の道を極め、縁壱に近づきたいという執念を持つ巌勝にとって、その誘いは抗い難いものだった。
こうして巌勝は人間であることを捨て、黒死牟となる。
黒死牟が最後まで忘れられなかった弟20巻の回想で特に印象的なのは、老いた縁壱と黒死牟が再び対面する場面だ。
長い年月が経過しても、縁壱の剣技は衰えていなかった。鬼となった黒死牟に対しても、その実力は圧倒的だった。
ところが、縁壱は黒死牟を倒す直前に寿命を迎える。
この出来事は、黒死牟にとって勝利でも敗北でもない、複雑な記憶として残った。
そして400年近い時間を生きた黒死牟が最後まで思い続けていたのは、かつて自分が追い越したかった弟の存在だった。
黒死牟が求めていたものは、単なる剣の強さではなかったのかもしれない。弟のようになりたいという願いと、弟を超えたいという執着。その2つが彼の人生を支配していたのである。
【黒死牟戦の結末】20巻で死亡する?21巻まで読むべき理由
「黒死牟は20巻で倒されるのか」という疑問には、少し注意が必要だ。
正確には、20巻の第178話で頸を斬り落とされるものの、完全に消滅する結末は21巻の第179話まで続く。
この違いは、20巻の読後感を理解するうえで重要である。
20巻で描かれるのは頸の切断と最後の抵抗黒死牟は、無一郎の赤い刀、玄弥の血鬼術、悲鳴嶼と実弥の連携によって追い詰められる。
そして、ついに頸を斬り落とされる。
しかし、通常の鬼と違い、黒死牟は頸を失っても再生を試みる。異形の姿へ変化し、なおも生き残ろうとする姿は、強さを求め続けた彼の執念を象徴している。
それでも、刀に映った自分の姿を見たことで、黒死牟は自分が何を犠牲にしてきたのかを突きつけられる。
完全決着は21巻の第179話21巻の冒頭、第179話「兄を想い弟を想い」で黒死牟との戦いは完全な決着を迎える。
集英社の21巻公式書誌情報でも、上弦の壱との激闘が決着する巻として紹介されている。
| 確認したい場面 | 収録巻・話数 |
|---|---|
| 黒死牟との本格的な共闘 | 20巻 |
| 黒死牟の頸を斬り落とす | 20巻・第178話 |
| 黒死牟の最期と完全決着 | 21巻・第179話 |
| 次の戦いへの移行 | 21巻・第180話以降 |
つまり、黒死牟との戦闘を最後まで読みたい場合は、20巻だけでなく21巻も続けて読むのがおすすめだ。
【通常版と特装版を比較】ポストカード16枚付きはどちら?
通常版
ISBN:978-4-08-882282-2
ポストカード付き特装版
ISBN:978-4-08-882306-5
20巻には通常版と特装版の2種類が存在する。
最大の違いは、特装版には単行本に加えてポストカード全16種のセットが付属することだ。
通常版の特徴通常版は漫画本編を読むことを目的とした一般的な単行本である。
- 発売日:2020年5月13日
- 刊行時価格:484円(税込)
- ページ数:192ページ
- ISBN:978-4-08-882282-2
ストーリーを読むだけなら通常版で十分だ。
特装版の特徴特装版は、通常の20巻にポストカードセットを付けた商品だ。
- 発売日:2020年5月13日
- 刊行時価格:990円(税込)
- セット内容:JC第20巻+ポストカード全16種
- ISBN:978-4-08-882306-5
集英社の公式特装版案内では、ポストカード全16種セット付きの商品として告知されている。価格は税抜900円だった。
ポストカードセットはどんな人におすすめ?特装版は、漫画本編だけでなく、作品の関連アイテムも手元に残したい人に向いている。
特に、次のような人には魅力的な商品だ。
- 『鬼滅の刃』のグッズを集めている人
- ポストカードをコレクションしたい人
- 通常版とは異なる付属特典を楽しみたい人
- 発売当時の特装版を探している人
一方、ストーリーを読むことが目的であれば通常版を選んでも問題ない。
2026年に中古市場で購入する場合は、ポストカード16枚がすべてそろっているか、カードの折れや傷、外装の状態なども確認したい。特装版という表示だけで、付属品が完全な状態とは限らないためだ。
選び方の基準はシンプルだ。漫画を読むなら通常版、16枚のポストカードも手元に残したいなら特装版を選ぶとよい。
【鬼滅の刃20巻】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:鬼滅の刃20巻には何話から何話まで収録されていますか?
第170話「不動の柱」から第178話「手を伸ばしても手を伸ばしても」までの全9話です。
Q2:黒死牟は20巻で死亡しますか?
20巻の第178話で頸を斬り落とされますが、完全に消滅するのは21巻の第179話です。黒死牟の最期まで読みたい場合は21巻も必要です。
Q3:鬼滅の刃20巻の表紙に描かれている人物は誰ですか?
継国縁壱です。日の呼吸の使い手であり、上弦の壱・黒死牟の双子の弟にあたります。
Q4:20巻の特装版には何が付いていますか?
単行本20巻とポストカード全16種のセットが付いています。通常版とはISBNも異なり、特装版のISBNは978-4-08-882306-5です。
『鬼滅の刃』20巻は、無限城編の中でも特に重要な戦闘と人物描写が詰まった一冊だ。
悲鳴嶼行冥、不死川実弥、時透無一郎、不死川玄弥の4人が力を合わせて上弦の壱・黒死牟に挑み、それぞれの能力と覚悟が勝利への道を切り開いていく。
一方で、継国縁壱と継国巌勝の過去を通じて、黒死牟がなぜ鬼になり、なぜ弟を超えることに執着し続けたのかという根本的な理由も明かされる。
20巻を読む際に押さえておきたい要点は次の3つだ。
- 物語を楽しみたい人: 第170話から第178話までの黒死牟戦と継国家の回想に注目。
- 黒死牟の最期を知りたい人: 20巻の第178話に加え、21巻の第179話まで読む。
- コレクション目的の人: 通常版とポストカード16種付き特装版のISBNを確認して購入する。
20巻の本当の見どころは、最強の鬼を倒すための戦術だけではない。400年もの時間を超えて続いた兄弟の因縁と、強さを求めた男が最後に何を思ったのかという人間ドラマにある。
黒死牟という敵の背景を知ってから読み返すと、20巻の戦闘シーンはもちろん、縁壱が描かれた表紙の意味も、初読時とは違った重みを持って感じられるはずだ。