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【男女別に比較】おしりの拭き方とトイレットペーパーの使い方

滑原 圭介 滑原 圭介 • 更新: • 公開: • 読了約 15 分
目次

おしりの拭き方は、性別によって注意したいポイントが異なる。特に女性は尿道口への便の付着を避けること、男性は陰嚢の裏側などに汚れを残さないことを意識したい。

比較項目 女性 男性
基本の方向 前から後ろ 便を前方に広げない一方向
注意する場所 尿道口・外陰部・会陰 陰嚢の裏側・会陰・肛門周囲
ペーパーの使い方 清潔な面を使い、前方へ戻さない 肛門周囲を優しく拭き、汚れを広げない
力の入れ方 押さえるように優しく 押さえるように優しく
主な注意点 便の細菌を尿道口に近づけない 皮膚のしわに便を残さない
女性の場合:排便後は後ろ向きに拭く

女性は、排便後に肛門から外陰部へ向かってペーパーを動かさないことが基本だ。

具体的な手順は次のとおり。

1. トイレットペーパーを適度な厚さに折る。
2. 肛門の前方から後方へ向けて、優しく拭き取る。
3. ペーパーを前方へ戻さず、汚れた面を折り込むか新しいペーパーに交換する。
4. 汚れが残っていれば、同じ方向で優しく拭く。
5. 最後に必要に応じて水分を軽く押さえて取る。

排尿後も、尿道口周辺を強くこすらず、前から後ろに向かって優しく拭く。排便時と排尿時で共通するのは、肛門側の汚れを外陰部へ運ばないことだ。

男性の場合:陰嚢の裏側にも注意

男性は肛門周辺だけでなく、陰嚢と太ももの付け根、陰嚢の裏側などにも汚れが残ることがある。

排便後は肛門を中心にペーパーを当て、便を少しずつ取り除く。必要に応じて陰嚢の裏側も確認し、皮膚のしわに残った汚れを優しく拭き取る。

ただし、皮膚を強く引っ張ったり、何度もこすったりする必要はない。汚れが取れたら終了し、蒸れが気になる場合は入浴時に優しく洗って十分に乾かす。

トイレットペーパーは何を選ぶべき?

基本的には、柔らかく肌当たりのよいトイレットペーパーが使いやすい。

- ダブルタイプ:厚みを確保しやすく、押さえ拭きに向いている。
- シングルタイプ:必要な長さを調節しやすい。折り重ねて使用する。
- 柔らかいタイプ:摩擦による刺激が気になる人に適している。
- 香料入り・刺激の強いケア用品:かぶれが起きる人は使用を避ける。

重要なのは、商品価格や紙の厚さよりも、清潔な面を使い、肌に余計な摩擦を与えないことだ。

【何回拭けば正解?】押さえ拭きと回数の目安

おしりの拭き方

排便後に何回おしりを拭くべきかについて、すべての人に当てはまる医学的な固定回数が定められているわけではない。

ただし、日本大腸肛門病学会の市民向け解説ページに掲載されている専門医の説明では、肛門のかゆみを防ぐ手入れとして「3回以上拭かない」という方法が紹介されている。

同ページでは、トイレットペーパーで優しく押さえ、こすらないことも勧めている。これは肛門周囲の皮膚を保護する観点から参考になる助言だ。

おしりの押さえ拭きとは?

押さえ拭きとは、ペーパーを皮膚に軽く当て、便や水分を吸収させるように拭く方法だ。

一般的な横方向のゴシゴシ拭きと異なり、皮膚を何度もこすらないため、摩擦を抑えられる。

手順は次のとおり。

1. ペーパーを数回折り重ね、柔らかい面を作る。
2. 肛門周囲に軽く当てる。
3. 数秒ほど優しく押さえ、便や水分を吸収させる。
4. 汚れた部分を新しい面に替える。
5. 必要な範囲だけ繰り返し、汚れが取れたら終える。

強く押し込む必要はなく、肛門の内側にペーパーを入れることも避けたい。

拭く回数は1~3回を一つの目安にする

排便後の拭き取り回数は、便の硬さや量、皮膚の状態によって変わる。

- 1回程度:便がまとまっていて、汚れが少ない場合。
- 2~3回程度:通常の排便後で、少し汚れが残る場合。
- 3回以上必要な場合:水様便や軟便、便の付着、排便後の残便感などを確認する。

ここでいう1~3回は実用上の目安であり、すべての人に適用する厳密な医学的基準ではない。

何度拭いても便が付く場合、力を強くするのは逆効果になり得る。便が柔らかすぎないか、下痢が続いていないか、排便がすっきり終わっているかなども確認したい。

【ウォシュレットの正しい使い方】水圧・時間・洗浄回数を解説

温水洗浄便座は、排便後の汚れを洗い流すための便利な設備だ。しかし、強い水圧で長時間洗えば、より清潔になるというわけではない。

一般社団法人日本レストルーム工業会が公表している使用上の注意では、洗浄の水勢は「弱」から試し、洗浄時間は10~20秒程度を目安としている。

また、長時間の洗浄や洗いすぎ、局部内部への洗浄を避けるよう注意を促している。

ウォシュレットの基本的な使い方

基本的な使用手順は次のとおり。

1. 排便後、必要に応じてトイレットペーパーで大きな汚れを取り除く。
2. おしり洗浄を選択する。
3. 水圧は最も弱い設定から始める。
4. 肛門周囲の表面を短時間洗浄する。
5. 洗浄を終了し、柔らかいペーパーで水分を押さえる。

水圧が強すぎると刺激や不快感につながることがある。洗浄中に痛みやヒリヒリ感があれば、すぐに使用を中止する。

水圧は弱め、時間は10~20秒が目安
使用項目 推奨される考え方
水圧 弱から始める
洗浄時間 10~20秒程度
洗浄する場所 肛門周辺の表面
洗浄する頻度 必要なときに適度に使用
洗浄後 ペーパーで軽く水分を取る
避ける使い方 長時間洗浄・局部内部への噴射

特に注意したいのが、洗浄ノズルを膣や尿道口に向けて内部まで洗おうとする行為だ。

温水洗浄便座は、局部周辺の表面を洗うためのものであり、膣内や尿道内を洗浄する医療器具ではない。

ウォシュレットを使わないほうがよいケース

次のような状態では、無理に使用しないほうがよい。

- 肛門周囲にただれや強い炎症がある。
- 洗浄すると痛みや出血が起こる。
- 水圧によってかゆみやヒリヒリ感が悪化する。
- 医師から使用を控えるよう指示されている。

また、洗浄後に水分が残ると、蒸れや皮膚刺激につながることがある。最後はこすらず、押さえるように水分を取ることが大切だ。

【拭きすぎによるかゆみ・かぶれ】おしりの皮膚トラブルの原因

おしりを清潔にしようとして、何度も拭いたり洗ったりする習慣が、かえって肛門周囲の皮膚トラブルを招くことがある。

代表的なものが、肛門そうよう症(肛門のかゆみ)だ。

日本大腸肛門病学会の市民向け解説では、肛門のかゆみの原因として、洗いすぎや拭きすぎによる皮膚バリアー機能の低下を挙げている。

皮脂膜が失われると皮膚が乾燥し、摩擦や刺激に敏感になる。さらに掻いたりこすったりすることで皮膚に傷ができ、かゆみが強まる悪循環に陥ることがある。

肛門周囲に起こりやすい皮膚トラブル


肛門周囲のかぶれ

便や尿、汗、湿気、ペーパーの摩擦などによって皮膚が赤くなったり、ヒリヒリしたりする。


皮膚の乾燥

洗浄や拭き取りを繰り返すことで皮膚の保護機能が低下し、乾燥やかゆみが起こりやすくなる。


摩擦による小さな傷

強くこすることで目に見えないほどの細かな傷ができ、便や尿が付着すると炎症が悪化することがある。

日本創傷・オストミー・失禁管理学会も、排泄後にふやけた皮膚をトイレットペーパーやウェットティッシュでこすると、細かな傷が生じ、皮膚炎が悪化する可能性を説明している。

同学会は、軽く押さえる拭き方や、必要に応じた皮膚保護を紹介している。

おしりがかゆいときに見直したい5つの習慣

1. 何度も拭かない: 汚れが取れたら、それ以上こすらない。
2. 洗いすぎない: ウォシュレットの長時間使用を避ける。
3. 乾燥させる: 洗浄後は柔らかいペーパーで水分を押さえる。
4. 刺激のある製品を避ける: 香料入りのウェットシートや消毒薬などでかぶれる場合がある。
5. 便通を整える: 下痢や便秘が続く場合は、その原因にも目を向ける。

特に、肛門のかゆみを感じるたびに強く洗う習慣には注意したい。清潔にすることと、皮膚を刺激し続けることは別問題だ。

かゆみが続く場合は肛門科・皮膚科へ

肛門のかゆみは、単純な摩擦だけが原因とは限らない。

真菌感染症、接触皮膚炎、痔疾患、その他の皮膚疾患などが関係する場合もある。

日本大腸肛門病学会の解説では、治りにくい湿疹や繰り返す症状について、肛門科や皮膚科で原因を調べる必要性を指摘している。

次のような症状がある場合は、自己判断で市販薬を使い続けず、医療機関を受診したい。

- かゆみや赤みが長く続く。
- 排便時に痛みや出血がある。
- 皮膚がただれたり、硬くなったりしている。
- 湿疹が広がっている。
- 市販薬を使用しても改善しない。

【尿路感染症との関係】前から後ろに拭くと膀胱炎を防げる?

おしりの拭き方と尿路感染症の関係は、女性にとって気になるテーマだ。

膀胱炎の多くは、大腸菌などの細菌が尿道口から尿道を通って膀胱に入り込むことで起こる。女性は男性より尿道が短く、尿道口と肛門の距離も近いため、感染予防の観点から排泄後の衛生管理が勧められている。

千葉県医師会の2025年11月の解説でも、女性の膀胱炎予防として、排便後・排尿後に前から後ろへ拭く方法を紹介している。

前から後ろに拭く理由は細菌を前方に運ばないため

肛門周囲には腸内細菌が存在する。その代表が大腸菌だ。

排便後に肛門側から外陰部へ向けてペーパーを動かすと、便に含まれる細菌を尿道口付近へ運んでしまう可能性がある。

そのため、前方から後方への一方向の拭き方は、細菌を尿道口に近づけないための合理的な衛生習慣として勧められている。

ただし、ここには医学的なエビデンスについて知っておきたいポイントがある。

2024年の日本の研究で分かったこと

2024年に公表された日本の研究「Post-Toilet Wiping Style Is Associated With the Risk of Urinary Tract Infection in Women」では、トイレ後の拭き方と尿路感染症の既往との関係が調査された。

研究の主な内容は次のとおり。

- 対象者:294人(男性141人、女性153人)
- 調査内容:排便後の拭き方と、過去の尿路感染症の発生回数
- 全体解析:年齢や糖尿病歴などを調整すると、拭き方と感染症の既往との間に統計的に有意な関連は認められなかった。
- 年齢別解析:40~59歳の女性では、前方から手を回して後ろから前へ拭く習慣と、尿路感染症の既往との間に関連が認められた。

研究では、特に中年女性において、後方から手を回して前から後ろへ拭く方法が望ましい可能性を指摘している。

ただし、この研究は294人を対象にした横断的な調査であり、拭き方が膀胱炎を直接引き起こすと証明したものではない。年齢別の分析結果も、すべての女性にそのまま当てはめられるものではない。

つまり、前から後ろへの拭き方は実践しやすい衛生上の予防策だが、それだけで尿路感染症を完全に防げるわけではない。

膀胱炎予防では拭き方以外も大切

尿路感染症の予防では、次のような生活習慣も意識したい。

- 尿意を長時間我慢しない。
- 適切に水分を取る。
- 外陰部を清潔に保つ。
- 排泄後は便を前方へ広げない。
- 性交後は早めに排尿することを検討する。

排尿時の痛み、頻尿、残尿感、血尿などがある場合は、泌尿器科で相談したい。38度以上の発熱や背中・腰の痛みを伴う場合は、腎盂腎炎などの可能性もあるため、速やかな受診が必要だ。

【おしりの拭き方に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:おしりは前から後ろに拭くのが正解ですか?

A1:女性は尿道口に便の細菌を近づけないため、前から後ろへの一方向の拭き方が基本です。男性も便を陰部に広げないよう、優しく一方向に拭くことを意識しましょう。

Q2:おしりは何回拭けばきれいになりますか?

A2:回数に一律の決まりはありませんが、1~3回程度を一つの目安にし、汚れが取れたら終了します。何度も強くこするのは避けましょう。

Q3:トイレットペーパーでゴシゴシ拭くのはダメですか?

A3:おすすめできません。摩擦で皮膚が傷つき、肛門周囲のかゆみやかぶれにつながることがあります。押さえるように拭きましょう。

Q4:ウォシュレットは何秒使えばよいですか?

A4:日本レストルーム工業会の案内では10~20秒程度が目安です。水圧は弱から始め、長時間の洗浄や局部内部への噴射は避けてください。

Q5:おしりを拭きすぎるとかゆくなるのはなぜですか?

A5:拭きすぎや洗いすぎで皮膚の保護機能が低下し、乾燥や摩擦による刺激が増えるためです。優しく押さえ、洗浄回数も減らしましょう。

Q6:おしりの拭き方が原因で膀胱炎になりますか?

A6:便の細菌を尿道口付近に運ぶ可能性があるため、女性は前から後ろへの拭き方が勧められています。ただし、拭き方と膀胱炎の因果関係については、研究上まだ十分に確立されていません。

おしりの拭き方で最も大切なのは、汚れを取り除くことと、肛門周囲の皮膚を傷つけないことの両立だ。

女性は尿道口への細菌の移動を避けるため、前から後ろへの一方向を基本にする。男性も陰嚢の裏側や肛門周囲の汚れを残さないようにしながら、優しく拭き取ることが大切だ。

トイレットペーパーは何度もこすりつけず、押さえ拭きを意識する。ウォシュレットを使用する場合は水圧を弱く設定し、10~20秒程度を目安にする。

2026年現在、特に覚えておきたい要点は次の5つだ。

- 女性は前から後ろへ拭く。
- 男女ともにゴシゴシこすらない。
- 汚れが取れたら必要以上に拭かない。
- ウォシュレットは弱い水圧で短時間使用する。
- かゆみやかぶれが続く場合は医療機関で原因を調べる。

清潔にしようとするあまり、皮膚を傷めてしまっては本末転倒だ。毎日のトイレ習慣を少し見直し、必要な汚れだけを優しく取り除くこと。それが、肛門周囲の健康を守るための基本になる。

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コンテンツディレクター 滑原 圭介
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旅行・観光を担当。現地の公式観光資料と営業情報を確認してから記事にします。

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