プロ志望届とは、プロ野球選手を目指す高校生・大学生が、プロ球団への入団意思を正式に示すために提出する書類です。
単なる進路希望調査ではありません。日本野球機構(NPB)のドラフト会議で指名を受けるための資格に関係する、重要な手続きです。
NPBの2026年ドラフト会議の概要でも、日本高等学校野球連盟と全日本大学野球連盟に所属する選手については、各連盟からプロ志望届の提出者として公示されている選手に限って選択できると定められています。
なぜプロ志望届が必要なのか制度の背景には、学生野球とプロ野球の関係を明確にする目的があります。
高校生については、2004年8月に日本高野連が制度を導入しました。大学生についても2007年から制度化されています。
かつては、プロ入りを希望する選手と進学・就職を希望する選手の意思が、ドラフト指名の段階で十分に整理されない問題がありました。
そこで、選手本人がプロ入りを希望していることを届け出によって明確にし、プロ球団との交渉や入団テストに関するルールを整備したのです。
プロ志望届を提出すると何が変わる?提出によって、選手には次のような変化があります。
- プロ入りを希望する意思が正式に公示される。
- 所定の条件を満たせばNPBドラフトの指名対象になる。
- 規定に従ってプロ球団との交渉や入団テストが可能になる。
- 進学や就職ではなく、プロ入りを目指す選択肢が明確になる。
ただし、提出しただけで球団から指名されるわけではありません。
スカウトによる評価、チームの補強方針、選手の能力、将来性などを踏まえて、各球団が指名する選手を決定します。
つまり、プロ志望届はプロ入りを実現させる書類ではなく、プロ入りを希望する選手がドラフトの対象になるための入口なのです。
【2026年最新】プロ志望届の提出期間・提出期限はいつまで?

2026年の提出期限は、高校生・大学生ともに10月8日午後5時でした。
2026年のプロ野球ドラフト会議は10月22日開催だったため、ドラフト開催日の2週間前が提出期限に設定されています。
2026年の提出スケジュール| 項目 | 高校生 | 大学生 |
|---|---|---|
| 受付開始 | 夏の全国大会終了翌日以降 | 9月1日 |
| 2026年提出期限 | 10月8日午後5時 | 10月8日午後5時 |
| 提出先 | 都道府県高野連 | 地区大学野球連盟 |
| 公示する連盟 | 日本高野連 | 全日本大学野球連盟 |
| ドラフト開催日 | 10月22日 | 10月22日 |
高校生の場合、提出できる期間は全国高等学校野球選手権大会の終了翌日以降と定められています。
ドラフト開催日の2週間前までに提出することが原則です。
2026年は10月8日午後5時がNPBドラフト対象者の期限となりました。
提出期間が夏の大会終了後に設定されているのは、選手が所属する高校野球部の活動や大会参加との関係を整理するためでもあります。
なお、国民スポーツ大会に出場するチームについては、同大会終了翌日以降までプロ球団との交渉が制限される特例もあります。
大学生の提出期間は9月1日から大学生は、毎年9月1日から所属する地区大学野球連盟に提出する仕組みです。
2026年も9月1日から提出者が公示され、10月8日にNPBドラフト対象者の受付が締め切られました。
大学野球では秋季リーグ戦が行われる時期と重なるため、提出日だけでなく、所属連盟の公式戦がいつ終了するかも確認する必要があります。
大学野球部員は、志望届を提出した翌日以降であっても、所属連盟の公式戦が終わっていない場合は、試合終了翌日までプロ球団との交渉や入団テストを受けられません。
注意したいのは、毎年のドラフト開催日によって提出期限が変わることです。
2027年以降の提出期限を確認する場合は、前年の日付をそのまま流用せず、日本高野連・全日本大学野球連盟の当年度の発表を確認する必要があります。
【高校生・大学生を比較】プロ志望届の提出先と提出方法の違い
高校生と大学生では、提出する書類の名称は同じでも、提出先となる組織が異なります。
高校生は日本高等学校野球連盟、大学生は全日本大学野球連盟が関係する制度です。
高校生の提出先は所属する都道府県高野連高校生は、日本高等学校野球連盟に直接提出するのではなく、所属する都道府県の高等学校野球連盟に提出します。
日本高野連の規定では、所定の様式による届け出を所属都道府県高野連が受理し、その後、日本高野連に報告する流れになっています。
受理された情報は、日本高野連の公式ホームページで公示されます。
大学生の提出先は地区大学野球連盟大学生の場合は、所属する大学野球連盟に提出します。
例えば、東京六大学野球連盟、東都大学野球連盟、関西学生野球連盟など、それぞれの所属連盟が窓口となります。
提出を受理した連盟は全日本大学野球連盟に報告し、同連盟が提出者の情報をホームページに掲載します。
提出先・提出方法の比較| 比較項目 | 高校生 | 大学生 |
|---|---|---|
| 提出先 | 所属都道府県高野連 | 所属地区大学野球連盟 |
| 関係する全国組織 | 日本高等学校野球連盟 | 全日本大学野球連盟 |
| 提出書類 | 所定様式のプロ野球志望届 | 所定様式のプロ野球志望届 |
| 受付開始 | 全国高等学校野球選手権大会終了翌日以降 | 9月1日以降 |
| 情報公開 | 日本高野連の公式サイト | 全日本大学野球連盟の公式サイト |
| 2026年の期限 | 10月8日午後5時 | 10月8日午後5時 |
| 未提出の場合 | 原則として当年度のNPBドラフト指名対象外 | 原則として当年度のNPBドラフト指名対象外 |
実際に提出する場合は、次の点を確認しておくと手続き上の行き違いを防げます。
1. 自分が所属する都道府県高野連、または地区大学野球連盟を確認する。
2. 所属組織から指定された提出様式を入手する。
3. 必要事項を記入し、指定された方法で提出する。
4. 受付日と受理状況を所属組織に確認する。
5. 公式サイトの提出者一覧に氏名が掲載されているか確認する。
提出方法の細かな取り扱いや書類の入手方法は、所属連盟の案内に従う必要があります。
特にドラフト直前は、書類を作成しただけで安心せず、受理されたことまで確認するのが重要です。
【2026年の提出者一覧】高校生127人・大学生149人の合計276人
2026年のプロ野球志望届は、高校生127人、大学生149人がNPBドラフト対象者として提出しました。
合計は276人です。
日本高野連と全日本大学野球連盟が公表した公式一覧を基にした人数で、10月8日の提出期限までに届け出た選手が対象となっています。
2026年の高校生の主な提出者2026年の高校生では、全国的に注目された選手もプロ志望届を提出しました。
代表的な選手として、次の名前が挙げられます。
- 横浜高校:織田翔希
- 山梨学院高校:菰田陽生
- 沖縄尚学高校:末吉良丞
- 花巻東高校:佐々木十央真
- 仙台育英高校:田山纏
日本高野連の公式一覧では、都道府県、学校名、選手名、所属連盟の受付日が公表されています。
特定の強豪校だけではなく、全国各地の学校からプロ入りを希望する選手が届け出ていることも特徴です。
2026年の大学生の主な提出者大学生では、大学野球の強豪校や大学日本代表経験者などからも届け出がありました。
注目された選手には、次の名前があります。
- 青山学院大学:鈴木泰成
- 青山学院大学:渡部海
- 立命館大学:有馬伽久
- 富士大学:角田楓斗
- 東日本国際大学:黒田義信
大学生の提出者一覧には、所属する大学野球連盟、大学名、選手名、受付日が掲載されています。
大学野球の場合は、同じ大学から複数の選手が届け出るケースもあり、チーム単位ではなく個人単位で意思表示をする制度です。
提出者一覧を見るときの重要な注意点2026年の公式一覧には、NPBドラフト対象者とは別に「NPBドラフト対象外」の区分も設けられています。
日本高野連の一覧では、11月4日時点で対象外の届け出が10名掲載され、全日本大学野球連盟の一覧にも対象外の届け出が別枠で掲載されています。
大学連盟の対象者欄は149名、対象外欄は74名です。
この区分の違いは見落とせません。
プロ志望届を提出したという事実と、2026年のNPBドラフトで指名を受けられる資格があるという事実は、必ずしも同じではないからです。
期限後の届け出など、NPBドラフトの対象にならない区分も存在します。
したがって、提出者一覧を調べるときは、単純な掲載人数ではなく、「NPBドラフト対象者」の欄に掲載されているかを確認する必要があります。
【ドラフト指名条件】プロ志望届を出さないとどうなる?
プロ志望届に関する疑問の中でも、特に重要なのが未提出の場合の扱いです。
答えは明確です。
日本高野連または全日本大学野球連盟に所属する高校生・大学生は、所定のプロ志望届を提出して公示されなければ、原則として当年度のNPBドラフトで指名を受けられません。
これは本人の実力や知名度とは別の問題です。
プロ志望届を出さない選手は指名できない日本高野連の規定では、ドラフト開催日の2週間前までに志望届を提出しなかった野球部員は、当年度のドラフトで指名を受けられないとされています。
大学生についても、全日本大学野球連盟の規定に同様の取り扱いが明記されています。
例えば、全国大会で活躍した選手であっても、本人が進学を希望してプロ志望届を提出していなければ、その年度のNPBドラフトで通常の高校生・大学生として指名することはできません。
逆に、プロ志望届を提出していれば、球団が指名する可能性は生まれます。
ただし、提出は指名の約束ではありません。
プロ志望届を提出したら退部・退学するのかこれも誤解されやすいポイントです。
プロ志望届を提出したからといって、直ちに高校や大学を辞めなければならないわけではありません。
日本高野連の規定では、プロ志望届を提出した選手についても、所属都道府県高野連の部員登録は卒業日まで継続すると定めています。
大学生も、所属連盟の公式戦終了まではプロ球団との交渉に制限があります。
つまり、志望届は学生としての野球活動を直ちに終了させる書類ではありません。
プロ志望届を出せば必ず指名される?答えはNOです。
ドラフトは球団が選手の獲得を希望する意思を示す場であり、提出者全員に指名枠が用意されているわけではありません。
指名するかどうかは各球団の判断に委ねられます。
また、ドラフト会議で球団が選手を指名した場合も、直ちに選手契約が成立するわけではありません。
NPBの制度上、球団が獲得するのは選手との契約交渉権です。その後、選手と球団の間で条件などを調整して契約を進めます。
【指名漏れのその後】プロ志望届を出しても指名されなかったら?
プロ志望届を提出した選手にとって、ドラフト会議は大きな節目になります。
しかし、名前が呼ばれなかったからといって、プロ野球選手への道が完全に閉ざされるわけではありません。
2026年ドラフト会議の結果NPBの公式発表によると、2026年10月22日のドラフト会議では、次の人数の交渉権が確定しました。
2026年ドラフト指名人数76人
新人選手選択会議
支配下選手51人
育成選手選択会議
育成選手
合計
127人
出典:日本野球機構、2026年10月22日発表
ここで注意したいのは、この127人には高校生・大学生だけでなく、社会人野球や独立リーグなど、異なるカテゴリーの選手も含まれることです。
したがって、プロ志望届を提出した276人とドラフト指名127人を、そのまま同じ母集団として比較することはできません。
指名漏れ後に考えられる進路指名されなかった選手には、複数の選択肢があります。
1. 大学へ進学する
高校生の場合、大学に進学して野球を続け、大学卒業時に改めてプロ入りを目指す方法があります。
大学で競技経験を積み、身体能力や技術をさらに伸ばすことができます。
2. 社会人野球に進む
企業チームなどで野球を続け、社会人野球で実績を積む方法です。
社会人選手は高校生・大学生とはドラフト対象の条件が異なり、登録後の一定期間に関する規定もあります。
3. 独立リーグに進む
独立リーグでプレーし、NPB球団へのアピールを続ける選択肢もあります。
実戦経験を積みながら、球団関係者に自分の能力を評価してもらう機会を得られます。
4. 競技以外の進路を選ぶ
一般企業への就職や、野球に関係する仕事に進む道もあります。
プロを目指してきた経験は、次の進路を考えるうえでも生かせます。
指名漏れで最も大切なのは次の所属先プロ志望届を提出するかどうかは、選手の人生に関わる大きな判断です。
しかし、指名されなかった場合の進路まで考えておかなければ、ドラフト後に選択肢が狭まることがあります。
特に大学生の場合は、卒業後の社会人野球や独立リーグへの移行も含めて検討する必要があります。
高校生の場合も、大学進学とプロ入りのどちらを優先するか、指名されなかった場合の進路を家族や指導者と話し合っておくことが大切です。
【プロの結論】プロ志望届は進路選択を左右する重要な意思表示
プロ志望届は、単なる書類提出ではありません。
高校生や大学生が、学生野球からプロ野球へ進む意思を正式に示す制度です。
2026年の実績からも、制度を理解するうえで押さえておきたいポイントが見えてきます。
- 高校生127人、大学生149人の合計276人がNPBドラフト対象者として届け出た。
- 2026年の提出期限は10月8日午後5時だった。
- 高校生は都道府県高野連、大学生は地区大学野球連盟に提出する。
- 提出して公示されなければ、原則として当年度のNPBドラフトで指名を受けられない。
- 提出したからといって、ドラフト指名や入団が保証されるわけではない。
プロ志望届を提出するかどうかは、周囲の評価や話題性だけで決めるべきではありません。
自分の実力、プロ入りへの意思、今後の成長可能性、指名されなかった場合の進路を総合的に考える必要があります。
特に、次のような条件を整理しておくと判断しやすくなります。
- プロ野球選手になる意思が明確になっているか。
- 球団から指名された場合に入団する意思があるか。
- 指名されなかった場合の進学・就職先を考えているか。
- 家族や指導者と今後の進路について話し合っているか。
- 提出期限や所属連盟の規定を正確に把握しているか。
プロ志望届を提出することは、将来の選択肢を考える出発点です。
提出すること自体を目標にするのではなく、その先にあるプロ入りと、その後の人生まで考えて判断が必要です。
【プロ志望届に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:プロ志望届は誰でも提出できますか?
A1:高校生・大学生の場合、所属する野球連盟の規定に従って提出します。NPBドラフトの対象になるには、単にプロ入りを希望するだけでなく、所属連盟の所定の手続きを済ませて公示される必要があります。
Q2:プロ志望届を提出しないとドラフトで指名されませんか?
A2:日本高野連または全日本大学野球連盟に所属する選手は、原則として提出・公示されていなければ当年度のNPBドラフトで指名を受けられません。
Q3:2026年の提出期限はいつでしたか?
A3:高校生・大学生ともに2026年10月8日午後5時でした。2026年のドラフト会議は10月22日に開催されました。
Q4:高校生と大学生では提出先が違いますか?
A4:違います。高校生は所属する都道府県高野連、大学生は所属する地区大学野球連盟に提出します。
Q5:プロ志望届を提出すると学校を辞めなければなりませんか?
A5:いいえ。提出しただけで退学や退部になるわけではありません。高校生は卒業日まで部員登録が継続されます。大学生も所属連盟の規定に従って活動を続けます。
Q6:プロ志望届を提出したのに指名されなかったらどうなりますか?
A6:指名漏れとなった場合でも、大学進学、社会人野球、独立リーグなどで競技を続ける道があります。次年度以降にNPBを目指す場合は、次の所属先に応じたドラフト資格を確認する必要があります。
Q7:プロ志望届を提出した選手は全員ドラフト候補ですか?
A7:提出者全員がNPBドラフト対象になるわけではありません。2026年の公式一覧にも「NPBドラフト対象者」と「NPBドラフト対象外」の区分があります。対象者として公示されているかを確認することが必要です。
プロ志望届は、高校生と大学生がNPBドラフトを目指すうえで欠かせない制度です。
2026年は高校生127人、大学生149人の合計276人がNPBドラフト対象者として提出し、10月22日にドラフト会議が開催されました。
高校生は都道府県高野連、大学生は地区大学野球連盟が提出窓口となり、両者で受付開始時期や交渉に関する規定も異なります。
また、志望届を提出しても指名が確約されるわけではなく、指名漏れとなった場合の進路も考えておく必要があります。
最も重要なのは、プロ志望届の提出とNPBドラフトの指名資格を混同しないことです。
2027年以降にプロ入りを目指す選手も、当年度の日本高野連・全日本大学野球連盟の公式発表と提出者一覧を確認し、所属組織の規定に沿って準備を進めることが、プロへの第一歩になります。