映画監督・城定秀夫(じょうじょうひでお)は、ピンク映画やVシネマの現場で経験を積み、100本を超える作品を手がけてきた日本映画界屈指の多作な監督だ。武蔵野美術大学在学中の8ミリ映画制作を出発点に、2003年の監督デビューを経て、『アルプススタンドのはしの方』『性の劇薬』『ビリーバーズ』『悪い夏』など、ジャンルの異なる作品を次々と発表してきた。
2026年は、佐藤二朗が原作・脚本・主演を務めたサイコバイオレンス映画『名無し』、鈴鹿央士・成宮寛貴・森七菜らが出演する『藁にもすがる獣たち』が公開。さらに12月4日には、石井隆の遺した脚本を映画化した『雨のエトランゼ』の公開も予定されている。経歴、受賞歴、独特の作風、代表作の選び方まで整理すると、城定秀夫という監督の幅広さが見えてくる。
【まず知っておきたい】城定秀夫の読み方・プロフィールと映画監督としての人物像

城定秀夫の読み方は「じょうじょうひでお」。映画情報サイトの映画.comやキネマ旬報関連の人物データでも、この読み方が掲載されている。
1975年9月2日生まれ、東京都出身。映画監督だけでなく、脚本家としても活動している。監督作品では脚本や編集も兼任することがあり、企画の内容に応じて幅広い役割を担ってきた。
城定監督を理解するうえで欠かせないのは、一般的な劇場映画だけをキャリアの中心に置いてきた人物ではないという点だ。ピンク映画、オリジナルビデオ、Vシネマ、青春映画、恋愛映画、サスペンスと、制作環境もジャンルも異なる現場を経験している。
2023年の第36回東京国際映画祭では「映画の職人」として特集上映が組まれた。同映画祭の紹介では、2003年のデビュー以来、監督作が100タイトルを超えていることも取り上げられている。
その多作ぶりは単に作品数が多いというだけではない。低予算のジャンル映画で培った制作力を、商業映画や作家性の強い作品にも生かしている点が、城定秀夫という監督の大きな特徴だ。
【経歴を解説】武蔵野美術大学の8ミリ映画から2003年の監督デビューへ
武蔵野美術大学時代に始まった映画制作城定秀夫の映画人生は、武蔵野美術大学の学生時代にさかのぼる。在学中から8ミリ映画を制作しており、学生の段階ですでに映像表現に取り組んでいた。
美術大学での経験は、後年の映画制作を考えるうえでも興味深い出発点だ。映画は脚本や演技だけで成立するものではなく、画面構成、空間、人物の配置、光の使い方など、視覚的な要素が物語の印象を左右する。
ただし、大学での具体的な専攻や学生時代の個々の作品については、一般に流通しているプロフィールだけでは詳しい内容までは分からない。確認できるのは、在学中から8ミリ映画を制作していたという経歴だ。
卒業後はピンク映画とVシネマの現場へ武蔵野美術大学を卒業した後は、脚本を執筆する一方、フリーランスの助監督として活動。ピンク映画やVシネマを中心に、映画制作の現場経験を積んでいった。
この時期の経験は、城定監督のキャリアを理解するうえで重要だ。ピンク映画やVシネマは、大規模な映画制作とは異なる予算やスケジュールの制約がある。その環境では、限られた撮影時間で俳優の演技を引き出し、物語を成立させる実践的な技術が求められる。
城定監督は、こうした制作環境を経験した後も、ピンク映画やVシネマを活動の基盤として大切にしてきた。商業映画に進出してからも、ジャンルを限定せず企画に応じて作品を作り続けている。
2003年『味見したい人妻たち』で監督デビュー2003年、城定秀夫は『味見したい人妻たち』で映画監督デビューを果たした。作品は後に『押入れ』というタイトルでも紹介されている。
同作は2003年度のピンク大賞で新人監督賞を受賞。デビュー作から映画界で評価を受けることになった。
その後は『デコトラギャル 奈美』(2008年)、『静かなるドン 新章』(2009年)、『18倫』などを手がけ、オリジナルビデオやピンク映画の領域で実績を積み重ねていく。
2010年代には100本を超える監督作品へとつながる制作活動が本格化。2010年には「城定秀夫特集上映~その男JOJOにつき~」も開催され、監督としての歩みが特集されるようになった。
【年表で比較】城定秀夫の経歴・受賞歴・キャリアの転換点
城定秀夫の経歴は、低予算映画の現場で実績を築いた時期と、劇場公開作品で広く評価されるようになった時期に分けて整理すると分かりやすい。
| 時期 | 出来事・作品 | 実績・意味 |
|---|---|---|
| 1975年 | 東京都に生まれる | 9月2日生まれ |
| 大学在学中 | 武蔵野美術大学で8ミリ映画を制作 | 映画制作を始める |
| 大学卒業後 | ピンク映画・Vシネマの助監督などを経験 | 現場技術と脚本執筆の経験を積む |
| 2003年 | 『味見したい人妻たち』 | 監督デビュー。ピンク大賞新人監督賞 |
| 2008~2009年 | 『デコトラギャル 奈美』『静かなるドン 新章』『18倫』 | ジャンル映画・オリジナルビデオで活動 |
| 2016年 | 『悦楽交差点』 | 第28回ピンク大賞・優秀作品賞 |
| 2017年 | 『汗ばむ美乳妻 夫に背いた昼下がり』 | 第29回ピンク大賞・最優秀作品賞、監督賞 |
| 2018年 | 『痴漢電車 マン淫夢ごこち』 | 第30回ピンク大賞・優秀作品賞 |
| 2019年 | 『世界で一番美しいメス豚ちゃん』 | 第31回ピンク大賞・最優秀作品賞 |
| 2020年 | 『アルプススタンドのはしの方』 | ヨコハマ映画祭監督賞、日本映画プロフェッショナル大賞監督賞 |
| 2022年 | 『愛なのに』『ビリーバーズ』『夜、鳥たちが啼く』など | 恋愛・青春・心理ドラマなどへ活動を広げる |
| 2023年 | 第36回東京国際映画祭で監督特集 | 映画監督20周年。100タイトル超の実績が紹介される |
| 2025年 | 『悪い夏』 | 社会派要素を含むサスペンスを発表 |
| 2026年 | 『名無し』『藁にもすがる獣たち』 | 異なるタイプのサスペンス映画を公開 |
| 2026年12月 | 『雨のエトランゼ』 | 12月4日公開予定 |
ピンク映画での評価は、城定監督のキャリアを語るうえで欠かせない。2016年から2019年まで4年連続でピンク大賞の作品部門において受賞作品を送り出している。
ただし、4年連続で監督賞を受賞したという意味ではない。年度ごとに最優秀作品賞や優秀作品賞など、受賞した部門は異なる。2017年には『汗ばむ美乳妻 夫に背いた昼下がり』で最優秀作品賞と監督賞を獲得した。
その後の大きな転換点が、2020年公開の『アルプススタンドのはしの方』だ。
同作は第12回TAMA映画賞の特別賞を監督・キャスト・スタッフ一同で受賞。さらに第42回ヨコハマ映画祭では城定秀夫が監督賞を受賞し、第30回日本映画プロフェッショナル大賞でも監督賞に選ばれた。2020年度キネマ旬報ベスト・テンでは第10位に入っている。
ピンク映画で評価されてきた監督が、青春映画によって一般映画の観客や映画賞の選考者にも広く認知されるようになった。その意味で、『アルプススタンドのはしの方』はキャリアの重要な転換点だ。
【作風を分析】城定秀夫の映画がジャンルを超えて支持される理由
芸術性と娯楽性を両立させる職人的な映画作り城定秀夫の作風を理解するうえで参考になるのが、2023年の東京国際映画祭公式インタビューだ。
監督自身は、自分の映画作りについて、芸術性と娯楽性の間でバランスを取る姿勢を説明している。
「どちらにも振り切らないバランスが自分の作風」
この考え方は、作品を見比べるとよく分かる。『アルプススタンドのはしの方』では高校生たちの感情の揺れを丁寧に描き、『性の劇薬』では極端な状況に置かれた人物の心理を扱う。『悪い夏』では社会の歪みや欲望をサスペンスとして描き出している。
題材が違っても、観客を物語から置き去りにしない構成力が共通している。
低予算映画で培われたスピード感と現場主義城定監督は東京国際映画祭のインタビューで、ピンク映画やVシネマの制作費が1本200万~500万円程度だった時代の経験にも言及している。近年の比較的規模の大きな作品でも、予算は2000万~3000万円程度と説明していた。
こうした制作環境では、撮影現場での判断力や効率的な演出が欠かせない。
また、別のインタビューでは、事前に演技や現場の雰囲気を固めすぎず、俳優が衣装やメイクを身につけて撮影現場に入った際の空気を重視する姿勢を語っている。
これは、脚本に書かれた内容を機械的に映像化するのではなく、俳優の個性や現場の状況を取り込みながら映画を完成させる方法だ。
100本を超える作品を手がけてきた背景には、こうした柔軟な制作姿勢がある。
人間の欲望や弱さをジャンル映画の中に描く城定作品に共通するもう一つの特徴は、登場人物を単純な善人・悪人に分けないところにある。
恋愛映画では、相手を理解したいという気持ちと自分を守りたいという気持ちがぶつかる。サスペンスでは、金銭欲や保身、嫉妬などが人間関係を崩していく。青春映画では、周囲から取り残されたような人物の心情にも目を向ける。
刺激的な設定を扱う作品であっても、物語の中心にあるのは人間関係の複雑さだ。
そのため、城定秀夫の映画を単純にピンク映画出身の監督という肩書だけで評価するのは適切ではない。ジャンルの制約を理解したうえで、その中に人物の感情や社会的な視点を持ち込むことが、監督としての持ち味になっている。
【代表作・監督作品一覧】初めて見るならどの映画がおすすめ?
城定秀夫の監督作品は100本を超えるため、すべてを一度に追うのは簡単ではない。初めて作品を見る人は、ジャンル別に選ぶと監督の特徴を理解しやすい。
『アルプススタンドのはしの方』:青春映画から入門したい人向け2020年公開の青春映画。高校野球の試合を舞台に、スタンドの端にいる高校生たちの会話や心の変化を描く。
原作は兵庫県立東播磨高校演劇部が上演した戯曲。限られた空間と人物を中心に物語を展開させる構成が特徴だ。
大きな事件や派手な演出に頼らず、会話や人物の距離感からドラマを生み出す点に注目したい。城定監督の一般映画での評価を知るための最初の一本としておすすめできる。
『性の劇薬』:極端な設定と心理描写に注目したい人向け2020年公開。水田ゆきの同名BLコミックを原作とする作品で、渡邊将と北代高士が出演する。
人生に絶望したエリートサラリーマンが、謎の男との出会いを通じて極端な状況に置かれ、生きる意味と向き合っていく。
過激な性描写を含むため、鑑賞には注意が必要だ。一方で、単なる刺激性だけではなく、再生や人間の尊厳を扱う作品としても見ることができる。
富川ファンタスティック国際映画祭、台湾国際クィア映画祭、ボストンLGBT映画祭などでも上映された。
『愛なのに』:恋愛の不器用さや人間関係を味わいたい人向け2022年公開。城定秀夫が監督・脚本・編集を担当した恋愛映画だ。
今泉力哉監督との関係も興味深い。『愛なのに』では城定が監督を務め、今泉が脚本に参加。一方、『猫は逃げた』では今泉が監督、城定が脚本を担当している。
それぞれの作家性が交差する作品として、両作品を続けて見るのも面白い。
『ビリーバーズ』:閉鎖空間の心理劇が好きな人向け2022年公開。山本直樹の同名漫画を原作とした作品で、城定秀夫が監督・脚本・編集を担当した。
孤立した環境にいる人々の信仰や欲望、集団心理を描く。登場人物の内面が少しずつ変化していく様子や、信じているものが揺らぐ瞬間に注目したい。
明確な善悪の対立だけでは説明できない心理的な緊張感があり、城定監督の作家性を感じやすい一本だ。
『女子高生に殺されたい』『夜、鳥たちが啼く』:異なるジャンルを比較したい人向け『女子高生に殺されたい』(2022年)は、田中圭主演の心理サスペンス。タイトルから受ける印象どおり、独特な動機を持つ主人公を中心に、緊張感のある物語が展開する。
一方、『夜、鳥たちが啼く』(2022年)は、山田裕貴と松本まりかが出演する人間ドラマ。傷を抱えた人物同士の関係性や、孤独、再生への思いを描いている。
同じ監督が、サスペンスと繊細な人間ドラマをどのように撮り分けるのかを比較するのに適した2作品だ。
『悪い夏』:社会派サスペンスを楽しみたい人向け『悪い夏』は2025年3月20日公開。染井為人の小説を原作とし、北村匠海、河合優実、伊藤万理華、毎熊克哉、窪田正孝らが出演する。
生活保護をめぐる問題を背景に、気弱な公務員が予想外の事件に巻き込まれ、破滅へと向かっていく姿を描く。
社会制度の隙間に生じる問題と、個人の欲望や弱さを組み合わせたサスペンスだ。2026年の作品と混同されることがあるが、公開年は2025年である。
【2026年最新作】『名無し』『藁にもすがる獣たち』と『雨のエトランゼ』
2026年の城定秀夫は、サイコバイオレンス、マネーサバイバル、エロティック・ノワールという異なる方向性の作品を発表している。
『名無し』:佐藤二朗の原作・脚本・主演によるサイコバイオレンス2026年5月22日公開。佐藤二朗が原作・脚本・主演を務め、城定秀夫が監督・共同脚本を担当した作品だ。
白昼のファミリーレストランで無差別大量殺人事件が発生する。防犯カメラには中年男性の姿が映っているものの、犯行に使用されたはずの凶器が見当たらない。事件の鍵を握るのは、男の右手だった。
主演の佐藤二朗に加え、丸山隆平、MEGUMI、佐々木蔵之介が出演。名前を持たない存在や人間の倫理観を問うような物語が展開される。
配給元のキノフィルムズは、同作を「名前のない怪物」を描くサイコバイオレンスとして紹介している。
城定監督自身も、脚本を読んだ際に難しい仕事になると感じながら、哲学や倫理観を問う物語を映画にすることへの意欲を示していた。
『藁にもすがる獣たち』:1億円をめぐる予測不能のサスペンス2026年9月25日公開。曽根圭介の小説を原作とした94分のサスペンス映画で、城定秀夫が監督と脚本を担当。脚本には小林靖子も参加している。
物語の中心となるのは、チャンネル登録者数が2桁という弱小大学生YouTuberの佐藤寛治だ。アルバイト先のネットカフェで、客が置いていったボストンバッグを発見する。中には1億円もの札束が入っていた。
大金を持ち帰ったことから、寛治は思いもよらない争奪戦に巻き込まれていく。
主要キャストは以下のとおり。
- 鈴鹿央士:佐藤寛治
- 成宮寛貴:江波戸良介
- 森七菜:し~な
- MEGUMI:庄田美奈
- 前田旺志郎:武藤真哉
- 岩松了:郷田巌
- 風吹ジュン:佐藤富子
1億円という共通の目的によって、それぞれ異なる事情を抱えた人物が結びついていく構成が見どころだ。
人間の欲望や保身を描くという点では『悪い夏』とも通じる部分があるが、こちらは大金をめぐる群像サスペンスとして、より娯楽性を前面に出した作品になっている。
『雨のエトランゼ』:石井隆の遺した脚本を映画化2026年の城定監督の活動を語るうえで、もう一つ押さえておきたいのが『雨のエトランゼ』だ。
2026年12月4日公開予定。2022年に亡くなった映画監督・劇画家の石井隆が遺した脚本を、城定秀夫が監督して映画化する。
出演は井筒しま、東出昌大、毎熊克哉、竹中直人ら。石井隆が長年描いてきた男女の愛と孤独、欲望と破滅を題材にしたエロティック・ノワールだ。
城定監督は公式の監督コメントで、石井隆の漫画や映画が昔から好きだったことを、本作を引き受けた理由として挙げている。
これは単なる新作というだけではない。石井隆という作家への敬意を持ちながら、その作品世界を現代に引き継ぐ試みでもある。
2026年の作品を整理すると- 『名無し』:2026年5月22日公開。佐藤二朗主演のサイコバイオレンス。
- 『藁にもすがる獣たち』:2026年9月25日公開。1億円をめぐる群像サスペンス。
- 『雨のエトランゼ』:2026年12月4日公開予定。石井隆の脚本を映画化したエロティック・ノワール。
なお、『悪い夏』は2025年3月20日公開作品であり、2026年の新作とは区別する必要がある。
【作品選びの判断基準】城定秀夫の映画が向いている人・注意したい人
城定秀夫の監督作品はジャンルが幅広いため、すべての作品が同じ観客層に向いているわけではない。作品選びでは、監督名だけでなく、題材や描写の特徴にも注目したい。
おすすめできる人- ジャンルの異なる映画を同じ監督の視点から比較したい人
- 派手なアクションより、人物の心理や人間関係を楽しみたい人
- 低予算映画や日本のインディペンデント映画に興味がある人
- 恋愛、青春、サスペンスなど幅広い題材の作品を探している人
- ピンク映画やVシネマから劇場映画へ広がった監督のキャリアに関心がある人
一方、過激な性描写や暴力描写、倫理的に不安を感じる題材が苦手な人は、作品ごとの内容を確認したい。
特に『性の劇薬』は強い性的表現を含み、『名無し』はサイコバイオレンスを扱う。『藁にもすがる獣たち』も犯罪や欲望が交錯するサスペンスであり、気軽な青春映画とは異なる鑑賞体験になる。
城定作品を初めて見るなら、『アルプススタンドのはしの方』や『愛なのに』から入る方法がある。社会派の題材が好みなら『悪い夏』、緊張感のある心理劇なら『ビリーバーズ』というように、好みのジャンルから選ぶとよい。
【城定秀夫に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:城定秀夫の読み方は?
A1:じょうじょうひでおと読む。1975年9月2日生まれ、東京都出身の映画監督・脚本家だ。
Q2:城定秀夫は武蔵野美術大学出身?
A2:そのとおり。武蔵野美術大学在学中から8ミリ映画を制作し、卒業後はピンク映画やVシネマなどの現場で経験を積んだ。
Q3:城定秀夫の監督デビュー作は?
A3:2003年の『味見したい人妻たち』。後に『押入れ』というタイトルでも紹介され、ピンク大賞の新人監督賞を受賞した。
Q4:城定秀夫の代表作は?
A4:『アルプススタンドのはしの方』『性の劇薬』『愛なのに』『ビリーバーズ』『女子高生に殺されたい』『夜、鳥たちが啼く』『悪い夏』など。青春、恋愛、サスペンスなどジャンルによって代表作が異なる。
Q5:城定秀夫の受賞歴は?
A5:2003年のピンク大賞新人監督賞、第29回ピンク大賞の監督賞などがある。『アルプススタンドのはしの方』では第42回ヨコハマ映画祭監督賞と第30回日本映画プロフェッショナル大賞監督賞を受賞した。
Q6:2026年の城定秀夫の最新作は?
A6:2026年5月公開の『名無し』、9月公開の『藁にもすがる獣たち』がある。また『雨のエトランゼ』が2026年12月4日公開予定となっている。
城定秀夫は、武蔵野美術大学時代の8ミリ映画制作から出発し、ピンク映画やVシネマの現場で経験を積み、2003年に映画監督としてデビューした。そこから100本を超える作品を手がけ、ジャンル映画の世界で確かな実績を築いてきた。
『アルプススタンドのはしの方』での映画賞受賞は、その技術が幅広い観客に届いた大きな転換点だった。『性の劇薬』『愛なのに』『ビリーバーズ』『悪い夏』などを並べると、題材が変わっても人物の欲望や弱さを物語の中心に置く姿勢が見えてくる。
2026年には『名無し』『藁にもすがる獣たち』を公開し、さらに『雨のエトランゼ』という新たな挑戦も控えている。
城定秀夫の映画を楽しむ際に大切なのは、監督の過去の肩書だけで作品を判断しないことだ。青春映画から心理サスペンス、社会派作品、エロティック・ノワールまで、作品ごとに異なる表現を試みている。
まずは『アルプススタンドのはしの方』で演出の繊細さを知り、『ビリーバーズ』や『悪い夏』で心理描写の幅を確かめる。そして2026年の『名無し』『藁にもすがる獣たち』へ進む。この順番で鑑賞すれば、城定秀夫がなぜ「映画の職人」と呼ばれるのか、その理由を作品そのものから理解できるはずだ。
主な確認資料: 映画.comの人物プロフィール、東京国際映画祭公式インタビュー、ピンク大賞公式記録、キノフィルムズの『名無し』作品情報、日本映画データベース(JFDB)、『雨のエトランゼ』公式ティザー情報。