つんくさんの声の問題は、2014年に突然始まったわけではありません。本人が2014年3月6日に公式サイトで公表した内容によると、声帯の異変を感じ始めたのは、さらに数年前のことでした。
7〜8年前から続いていた声帯の異変つんくさんは公式コメントで、約7〜8年前から声帯の左側に違和感があり、ファルセット(裏声)が出せない状態だったと説明しています。
加えて、2013年10月ごろから声全体がハスキーになり、発声しにくい状態が続きました。
2014年2月、全身麻酔による手術と細胞検査を受けた結果、喉頭声帯にがんが見つかります。
当初は早期のがんとされ、放射線治療と分子標的薬による化学療法を組み合わせた治療が行われました。
2014年9月の完全寛解、そして再発2014年9月25日、つんくさんは公式サイトで、検査の結果、がんが完全寛解したと発表しました。
治療は約2か月間集中的に行われ、その後も経過観察が続いていました。
しかし、状況は再び変わります。
同年10月、がんが再び見つかり、10月上旬に手術を受けたことが報道されました。最終的に、声帯を含む喉頭を全摘出する選択に至ります。
そして2015年4月4日、母校・近畿大学の入学式で、つんくさん自身が声帯を摘出したことを公表しました。
「一番大事にしてきた声を捨て、生きる道を選びました」
これは、当日の入学式で伝えられた本人の言葉です。
歌手として長年使ってきた声を失うことと、生きるための治療を選ぶこと。その決断の重さは、音楽ファンだけでなく、多くの人に大きな衝撃を与えました。
つんくの病気と声の変化を振り返る年表| 時期 | 出来事 | 意味・その後 |
|---|---|---|
| 2006〜2007年ごろ | 声帯左側に違和感 | ファルセットが出にくくなる |
| 2013年10月ごろ | 声全体がハスキーになる | 発声しにくい状態が続く |
| 2014年2月 | 検査で喉頭がんが判明 | 早期のがんとして治療開始 |
| 2014年3月6日 | 病気を公式発表 | 放射線治療・薬物療法へ |
| 2014年9月25日 | 完全寛解を発表 | その後、再びがんが見つかる |
| 2014年10月 | 再発が判明し手術 | 声帯を含む喉頭を全摘出 |
| 2015年2月 | 銀鈴会に入会 | 食道発声の習得に取り組む |
| 2015年4月4日 | 近畿大学入学式で公表 | 声帯摘出の事実を初めて公に説明 |
| 2025年4月5日 | 近畿大学入学式で祝辞 | 歌声を失っても音楽活動を続けていると語る |
| 2025年11月18日 | NHK『うたコン』で過去映像 | 手術前の肉声が再び話題に |
| 2026年11月 | 音楽制作・執筆活動を継続 | 公式サイトで新作や最新情報を発信 |
ここで押さえておきたいのは、医学的な意味での「喉頭全摘出」と、一般的に使われる「声帯摘出」という表現の違いです。
喉頭全摘出術は、声帯だけを取り除く手術ではありません。声帯を含む喉頭全体を取り除く手術です。そのため、手術後は従来の声帯振動による発声ができなくなります。
国立がん研究センターのがん情報サービスでも、喉頭全摘出後の失声と、食道発声・シャント発声・電気式人工喉頭などを利用する代用音声のリハビリテーションについて説明されています。
【食道発声法とは?】つんくが会話を取り戻したリハビリの実態

つんくさんの声の復活を考えるうえで欠かせないのが、食道発声法です。
これは、声帯を元に戻す治療ではありません。声帯がなくなった状態で、別の身体の仕組みを利用して音声を作る方法です。
食道発声法の仕組み食道発声法は、食道に取り込んだ空気を吐き出す際に、食道入口部付近の組織を振動させて音を作ります。
その音を舌や唇、口の形で調整し、言葉として発する仕組みです。
簡単に整理すると、次のようになります。
- 手術前の発声:肺からの呼気を使い、声帯を振動させて声を作る。
- 食道発声:食道に取り込んだ空気を吐き出し、食道入口部付近を振動させて声を作る。
つまり、音を作る場所そのものが違います。
国立がん研究センターによると、食道発声は器具を必要としない一方、習得に時間がかかる発声方法です。患者会などで経験者から指導を受けることも、リハビリテーションの助けになります。
つんくが最初の「あ」を出した瞬間つんくさんは、喉頭全摘出後、喉摘者を支援する公益社団法人・銀鈴会に参加しました。
同会のインタビューでは、発声教室に通う前、自宅でも食道発声を試していたものの、何が正しいのか分からず、自分には無理かもしれないと思っていたことを明かしています。
ところが、初回のレッスンで状況が変わりました。
最初に「あ」に近い音が出たのです。
本人によれば、その音が「あ」なのか、げっぷなのかも区別できないような段階でした。それでも、指導者や食道発声を先に習得した仲間から励まされたことで、自信が生まれたといいます。
特に大きかったのは、自分より1か月、3か月、半年ほど先に練習を始めた人たちの姿を見られたことでした。
少しずつ声が変化していく過程を目の前で確認できたため、自分も同じように上達できるというイメージを持てたのです。
家族との会話がリハビリの場になったつんくさんの食道発声の習得過程で興味深いのは、教室での練習だけに頼らなかったことです。
本人は銀鈴会で覚えた発声方法を、その日の午後から日常生活でも使い始めたと説明しています。
当時、子どもたちはまだ幼く、文字による意思疎通だけでは十分ではありませんでした。
そこで、まだ声になりきらない音でも、子どもたちとの会話に使いながら発声を覚えていったそうです。
特別な訓練時間を設けるというより、日常のコミュニケーションそのものを練習の機会にしていたことが分かります。
この経験は、単に発声技術を身につけるというだけでなく、生活の中で他人と意思を伝え合う方法を取り戻す過程でもありました。
食道発声を習得しても会話が完全に元通りになるわけではないここは、つんくさんの現在の声を理解するうえで特に重要な部分です。
食道発声を習得したからといって、以前と同じように自由に話せるようになるとは限りません。
銀鈴会のインタビューで、つんくさんは日常会話について率直に語っています。
本人が挙げた課題は、次のとおりです。
- 言いたいことを素早く伝えるのが難しい。
- 車のエンジン音や水道の音など、周囲の雑音があると声が届きにくい。
- レストランなどでは、食器の音や空調音が会話の妨げになる。
- 長時間話すと疲労が大きくなる。
- 大事な内容はスマートフォンの文字入力で伝えることもある。
特に注目したいのは、本人が会話の正確さを重視している点です。
たとえば、注文する数量や時間、待ち合わせ場所など、間違いが許されない情報は文字で伝えることがあると説明しています。
これは、食道発声ができることと、あらゆる会話を不自由なく行えることが同じではないと示す具体的な証言です。
食道発声・シャント発声・電気式人工喉頭の違い| 発声方法 | 音を作る仕組み | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 食道発声 | 食道に取り込んだ空気で組織を振動させる | 器具不要だが習得に時間がかかる |
| シャント発声 | 気管と食道をつなぎ、肺からの呼気を利用する | 比較的習得しやすいが器具の管理が必要 |
| 電気式人工喉頭 | 電気振動で音を作る | 比較的習得しやすいが機器を使用する |
つんくさんは、若い年齢だったことや、自力でどこまで発声できるか挑戦したいという考えから、まず食道発声を選んだと銀鈴会で説明しています。
ただし、これらの方法に一律の優劣があるわけではありません。身体の状態や生活環境、本人の希望に合わせて選択されるものです。
【2025年うたコンの真相】つんくの肉声が聞こえた理由とは?
「つんくがテレビで話していた」「声が復活したのではないか」。
2025年11月18日、NHKの音楽番組『うたコン』をきっかけに、こうした反応が広がりました。
しかし、実際に流れた音声の内容を確認すると、その意味は違ってきます。
2025年11月18日の『うたコン』はプレイバック紅白SPこの日の『うたコン』は、過去のNHK紅白歌合戦の名場面を振り返る特別企画でした。
番組では、1995年の第46回NHK紅白歌合戦に初出場したシャ乱Qの映像が取り上げられました。
当時のつんくさんは、紅組司会だった上沼恵美子さんと軽妙な掛け合いを披露していました。
その映像の中で聞こえたのが、手術前のつんくさんの肉声です。
つまり、2025年の番組で新たに収録された現在の声ではなく、約30年前の映像に残っていた声だったのです。
この場面を報じたSmart FLASHの記事(ライブドアニュース掲載)でも、声を失う前の貴重映像として紹介されています。
なぜ視聴者は「声が戻った」と感じたのかこの反応には、いくつかの背景があります。
第一に、シャ乱Q時代のつんくさんの声を覚えているファンにとって、本人の肉声は非常に印象深いものだったことです。
第二に、2015年に声帯摘出を公表してから、本人が以前と同じ声でテレビ出演する機会がなくなったことです。
第三に、今回の映像は過去の紅白での会話場面だったため、現在の映像と組み合わせて見た視聴者が、声の復活と受け取る可能性があったことです。
実際、番組放送後にはSNSでも久しぶりに聞いた声への驚きや感動が話題になったと報道されています。
ただし、ここで区別したいのは、過去の肉声がテレビで再生されたことと、現在の本人が同じ声を出せることは別問題だという点です。
うたコンで流れた声と現在の声の違い| 比較項目 | 1995年の紅白映像 | 2026年現在 |
|---|---|---|
| 音声の時期 | 1995年 | 近年の公表情報 |
| 発声の仕組み | 声帯による通常の発声 | 食道発声などの代用音声 |
| 音声の性質 | シャ乱Q時代の肉声 | 従来の歌声とは異なる |
| 番組での位置づけ | 過去の記録映像 | 現在の活動・発信 |
| 歌声の復活を示すか | 示さない | 復活を裏付ける公表情報は確認されていない |
この比較から分かるように、『うたコン』で話題になったのは、つんくさんの声帯機能が回復したというニュースではありません。
過去の記録が再び放送され、その声が視聴者に届いたという出来事です。
【近畿大学の祝辞と2026年最新活動】声を失った後も続く音楽人生
つんくさんは、声帯を摘出した後も、音楽プロデューサーとして第一線で仕事を続けています。
その姿を象徴する出来事が、母校・近畿大学の入学式です。
2025年4月5日、声帯摘出公表から10年の祝辞2025年4月5日、近畿大学の令和7年度入学式が開催されました。
つんくさんは同大学の卒業生で、式典の総合プロデューサーを務めています。
この年は近畿大学の創立100周年にあたる節目でもありました。
式典での祝辞では、自身の大学時代や音楽活動、病気を経験してからの人生について触れています。
特に注目されたのが、次の言葉です。
「僕は病気をし、歌声を失いましたが、今も音楽活動を続けています。」
この言葉は、2025年4月6日に本人が公開した祝辞の全文にも掲載されています。
加えて、才能だけに頼るのではなく、今の自分の個性に何を加えるかが大切だというメッセージを新入生に送りました。
この祝辞は、声を失った後も音楽家として活動する本人の姿勢を示すものです。
2026年4月の近畿大学入学式では体調不良で欠席2026年4月4日の近畿大学入学式でも、つんくさんは総合プロデュースを担当する予定でした。
しかし、当日は体調不良のため急きょ欠席。スクリーンを通じて新入生にメッセージを送りました。
式典のために作詞・作曲した「近大魂の唄」は、在学生と新入生で構成される「KINDAI WELCOMES」が披露しています。
日刊スポーツの報道によると、本人は新入生に向けて、幸せであるために大切なのは「とにかく元気であること」だと伝えました。
なお、この欠席を声帯の状態やがんの再発と結び付ける根拠はありません。報道で確認できるのは、当日の体調不良による欠席という事実です。
2026年11月現在の公式活動2026年11月6日時点で、つんくさんの公式サイトには、音楽制作や執筆に関する最新情報が掲載されています。
注目したい活動は次のとおりです。
1.2026年7月2日「リズム天国 ミラクルスターズ」発売
任天堂の人気ゲームシリーズ「リズム天国」の11年ぶりの新作として、公式プロフィールに発売情報が掲載されています。
つんくさんはシリーズのプロデュースに携わっており、音楽とリズムを軸にしたクリエイティブ活動を続けています。
2.2026年9月30日モーニング娘。'26の新曲発売
公式の制作実績には、「Lonely...But not Alone」「YesかNoか私か」など、モーニング娘。'26の作品が掲載されています。
つんくさんは作詞・作曲を担当。公式サイトには楽曲の制作意図や歌詞についての本人解説も掲載されています。
3.2026年10月29日ソロ曲・バンド音源の配信解禁
つんくさんのソロ作品や、シャ乱Q、THE つんくビト、7HOUSEなどの音源がサブスクリプションサービスで配信開始となりました。
これは過去の作品や音源を新たに聴ける機会が広がったというニュースであり、本人が新しい歌声を録音したという発表ではありません。
4.2026年11月5日、noteで本人解説コラムを公開
公式サイトの最新ニュースには、つんくさん自身による歌詞解説コラムの公開情報が掲載されています。
音楽制作だけでなく、作品の背景や意図を言葉で伝える活動も続いていることが分かります。
これらの活動を見ると、つんくさんの現在を「声を失った歌手」という一面だけで理解するのは不十分です。
本人が歌うという従来の役割から、作詞・作曲・プロデュース・作品解説を通じてアーティストを支える役割へと、音楽との関わり方が広がっています。
【シャ乱Q時代と現在を比較】つんくの歌声は本当に戻らないのか
つんくさんの声の復活を考えるとき、比較対象になるのがシャ乱Q時代の歌声です。
シャ乱Qは1988年に結成され、1992年7月22日にメジャーデビューしました。
1994年の「シングルベッド」、1995年の「ズルい女」などのヒットを経て、1995年にはNHK紅白歌合戦に初出場しています。
その後、つんくさんはモーニング娘。のプロデュースをはじめ、数多くのアーティストの楽曲制作を担当してきました。
シャ乱Q時代の歌声と食道発声は別物両者の違いは、単純に声の高さや音色だけでは説明できません。
シャ乱Q時代の歌唱は、声帯を使って音程や声量、音色をコントロールする通常の歌唱です。
一方、食道発声は声帯以外の組織を利用して音を作る代用音声です。
そのため、食道発声で日常会話ができるようになったとしても、以前の歌唱能力がそのまま戻るわけではありません。
特に歌唱には、音程の安定、音域、長いフレーズの持続、声量の調節など、会話とは異なる高度な機能が必要です。
つんくさんの場合、2014年の手術によって従来の発声器官を失ったという医学的背景があります。
歌声を失っても作曲家としての個性は残っている一方、音楽家としての活動を見ると、手術後もつんくさんの創作上の特徴は継続しています。
例えば、モーニング娘。の作品では、独特のリズム感や言葉の配置、歌詞のテーマ設定などに本人の作家性が表れています。
2026年の公式制作情報でも、楽曲の作詞・作曲だけでなく、歌詞の意味や表現方法について詳しく解説しています。
歌声を使って歌い手に直接伝える方法が以前と同じようにできなくなっても、楽譜、歌詞、制作スタッフとの連携などを通じて作品を作ることはできます。
この変化は、音楽家としての活動が終わったのではなく、創作における役割が変化したことを示しています。
【プロの結論】「つんくの声復活」を判断する3つの基準検索結果やSNSで「つんくの声が戻った」という情報を見た場合、次の3点を確認すると誤解を防げます。
1. 音声の収録時期を確認する。 過去の紅白映像や昔の音源が再放送・配信されただけなら、現在の声の復活ではありません。
2. 発声方法を区別する。 食道発声による会話と、声帯を使った従来の歌唱は、医学的にも仕組みが異なります。
3. 本人の公式発表を確認する。 新しい歌唱音源やライブ歌唱の発表があるか、公式サイトや本人の発信を確認することが大切です。
特に注意したいのは、音源の配信解禁と新しい歌声の録音を混同しないことです。
2026年10月のソロ曲・バンド音源の配信開始は、音楽作品を聴く機会が広がったという意味では大きなニュースです。しかし、それだけで歌声の復活を判断することはできません。
【つんくの声復活に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:つんくの声は2026年現在、完全に復活したのですか?
A1:従来の声帯を使った発声が復活したという公式発表は確認されていません。食道発声による会話は習得していますが、以前の歌声とは異なるものです。
Q2:つんくは食道発声法で普通に会話できるのですか?
A2:日常会話は可能ですが、以前と同じように自由に話せるわけではありません。本人は雑音のある場所では声が届きにくく、重要な情報はスマートフォンの文字入力で伝えることもあると説明しています。
Q3:2025年の『うたコン』で聞こえたつんくの声は本人の現在の声ですか?
A3:いいえ。2025年11月18日の放送で話題になったのは、1995年の紅白歌合戦に出演した際の過去映像に残る肉声です。現在の生歌唱や発声機能の回復を示すものではありません。
Q4:つんくは声帯摘出後も歌手として活動していますか?
A4:従来のように自ら歌って指導する活動は難しくなりましたが、作詞・作曲・プロデュースなどの音楽活動を続けています。本人も2025年の近畿大学入学式の祝辞で、歌声を失っても音楽活動を続けていると伝えています。
Q5:つんくの最新活動はどこで確認できますか?
A5:つんくオフィシャルウェブサイトのNEWS、Produce & Works、本人のnoteなどで確認できます。2026年11月5日には本人解説コラムの公開情報も掲載されています。
「つんく声復活」という検索ワードの答えは、何をもって復活と考えるかによって変わります。
2014年の喉頭がん治療と声帯を含む喉頭の全摘出によって、つんくさんは従来の歌声を失いました。その後、食道発声法を学び、会話を取り戻すためのリハビリに取り組んできました。
2025年の『うたコン』で話題になった肉声は、1995年の紅白映像に残された手術前の音声です。2026年11月現在も、以前の歌声が復活したという公表情報は確認されていません。
一方で、近畿大学の入学式のプロデュース、モーニング娘。'26への楽曲提供、「リズム天国 ミラクルスターズ」の発売、本人によるコラムの発信など、活動の幅は広がっています。
つんくさんの現在を理解するうえで大切なのは、声帯を使った歌唱の復活と、音楽家としての活動の継続を混同しないことです。
歌声そのものは戻ったと確認されていない。しかし、音楽を生み出す活動は現在も続いている。
それが、2026年11月時点で確認できる「つんく声復活」の真相です。