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上田市ホクト火災はなぜ起きた?原因・被害・再建と2026年最新状況を徹底解説

滑原 圭介 滑原 圭介 • 更新: • 公開: • 読了約 17 分
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2024年10月29日夜、長野県上田市塩川の神の倉工業団地にある、ホクト株式会社の「上田第一きのこセンター」で大規模な工場火災が発生しました。出火したのはブナシメジの収穫や包装、出荷作業を担う作業棟です。火災は長時間にわたって燃え続け、10月31日午後3時20分にようやく鎮火しました。

その後、2025年5月23日にホクトが公表した原因調査の説明では、作業棟で充電中だったリチウムイオン電池が暴発した可能性が高いとされました。焼失した作業棟の再建には約36億円の設備投資が計画され、2025年11月にはブナシメジの収穫量が通常水準まで回復したことも明らかになっています。2026年現在、上田第一きのこセンターはどうなっているのでしょうか。

【上田市ホクト火災はいつ発生?】2024年10月29日の出火から鎮火まで

上田市ホクト火災

火災が発生したのは、長野県上田市塩川5363番地7に位置する神の倉工業団地内のホクト株式会社「上田第一きのこセンター」です。

同センターはブナシメジを生産する施設で、複数の建物から構成されていました。今回の火災で被害を受けたのは、収穫後のきのこの包装や出荷作業などを担っていた作業棟です。

出火当時は工場内に従業員がいなかった

長野放送などの報道によると、2024年10月29日午後8時30分ごろ、警備会社が工場の異常を知らせる自動信号を受信し、警察に通報しました。

その後、消防が火災を覚知したのは同日午後9時14分です。確認された現場では、複数ある建物のうち1棟の屋内から出火していました。

ホクトの説明では、出火当時、工場内は無人でした。このため、今回の火災による負傷者は確認されていません。

鎮火まで約42時間を要した大規模火災

消火活動は翌30日になっても続きました。消防車両40台以上が出動したと報じられ、煙が立ち上る建物では長時間にわたる消火作業が行われました。

10月31日午前9時37分には鎮圧状態となりましたが、内部に残った火種や煙への対応が必要となり、すぐには鎮火できませんでした。

最終的に鎮火が確認されたのは、10月31日午後3時20分です。出火から鎮火まで約42時間を要したことになります。

【出火原因は何だった?】充電中のリチウムイオン電池が暴発した可能性

上田第一きのこセンターの火災原因について、当初は消防と警察による調査が進められていました。

2025年3月12日に開催された上田市消防委員会の資料でも、当時の出火原因は調査中と記載されています。調査には総務省消防庁消防大学校の消防研究センターも共同で参加していました。

2025年5月23日、ホクトが原因に関する調査結果を公表

大きな進展があったのは、火災発生から約7か月後の2025年5月23日です。

ホクトは、消防当局から火災原因について説明を受けたとして、公式の適時開示資料「上田第一きのこセンターの火災原因と復旧に関するお知らせ」を公表しました。

同社が公表した原因に関する説明は、次のとおりです。

作業棟の作業場東側で充電中だったリチウムイオン電池が暴発した可能性が高い。

つまり、火災の発端として有力視されたのは、充電状態にあったリチウムイオン電池の異常です。ただし、電池の内部で何が起きたのか、充電器の不具合や電池の劣化など、具体的にどの要因が引き金になったのかまでは、この公表内容からは特定できません。

なぜ充電中のリチウムイオン電池は発火するのか

リチウムイオン電池は、スマートフォンや電動工具、モバイルバッテリーなどに広く使用されている充電式電池です。高いエネルギー密度を持つ一方、内部に異常が生じると急激な発熱や発火につながる場合があります。

経済産業省や製品評価技術基盤機構(NITE)が示す一般的な事故原因には、次のようなものがあります。

  • 内部短絡:電池内部の正極と負極が意図せず接触し、急激な発熱が起きる。
  • 過充電:充電制御の異常などによって電池内部の温度が上昇する。
  • 外部からの衝撃:落下や圧迫などによって内部構造が損傷する。
  • 高温環境:熱によって内部の異常反応が進み、発火する場合がある。
  • 経年劣化や製品不良:内部部品の劣化や製造上の異常が発熱の原因になる。

異常発熱が進むと、電池内部で熱暴走と呼ばれる現象が発生し、発煙や発火、破裂に至ることがあります。

ただし、これらはリチウムイオン電池全般に共通する危険要因です。上田第一きのこセンターの火災について、特定の故障や不適切な使用方法が直接の原因だったと断定することはできません。

【焼損面積は6,983.2㎡】作業棟全焼と火災被害の実態

今回の火災で特に大きかったのが、収穫・包装・出荷工程を担う作業棟への被害です。

ホクトの2025年5月23日付発表によると、複数ある建物のうち、作業棟の全部が焼失しました。同社が再建対象として公表した作業棟部分の延べ面積は6,983.2㎡です。

工場全体がすべて焼失したわけではない

上田市消防委員会の2025年3月12日付資料では、火災現場の建物は3階建て鉄骨造で、施設全体の延べ面積は20,180.21㎡と記録されています。

同資料が示す焼損面積は6,983.2㎡で、被害区分は「半焼」です。一方、ホクトは収穫や出荷を担う作業棟の全部が焼失したと説明しています。

この2つの記述は、施設全体と被災した作業棟という対象の違いを踏まえて読む必要があります。上田第一きのこセンターの全施設が完全に焼失したという意味ではありません。

人的被害はなくても、生産・出荷への影響は大きかった

幸いにも負傷者はありませんでした。しかし、作業棟が失われたことで、収穫後のブナシメジを処理し、包装して出荷するための工程に大きな影響が生じました。

ホクトにとって上田第一きのこセンターは、ブナシメジを年間3,000トン生産する能力を持つ重要な施設です。火災による操業停止は、同社の生産計画だけでなく、取引先への供給にも影響しました。

上田市消防委員会資料によると、3日間の消防活動における出動は、消防本部・消防団・消防相互応援隊を合わせて延べ139台、541人に上りました。消火用水の確保や屋内への進入、泡消火薬剤を使った活動なども行われています。

火災発生から再建、収穫再開までの経過を整理すると、被害の大きさと復旧に要した時間が分かります。

年月日 出来事 内容・確認された事実
2024年10月29日 火災発生 午後9時14分に消防が覚知。出火当時は工場内が無人だった。
2024年10月30日 消火活動継続 消防車両40台以上が出動し、長時間にわたり消火活動を実施。
2024年10月31日 鎮火 午前9時37分に鎮圧、午後3時20分に鎮火。
2025年3月12日 消防委員会で報告 上田市が焼損面積6,983.2㎡、負傷者なし、原因調査中と報告。
2025年5月23日 原因と再建計画を公表 充電中のリチウムイオン電池が暴発した可能性が高いと発表。約36億円の設備投資と11月上旬の収穫再開予定を公表。
2025年11月 収穫量が回復 ホクト社長が決算説明会で、上田工場の復旧と通常の収穫量への回復を説明。
2026年3月31日 生産施設として確認 有価証券報告書に上田きのこセンターのブナシメジ生産施設と年間3,000トンの能力を記載。
2026年8月12日 最新の第1四半期決算発表 2027年3月期第1四半期決算短信を公表。火災原因に関する新たな説明は記載されていない。

この時系列で注目したいのは、2024年10月の火災発生から、原因に関する会社発表まで約7か月かかった点です。消防研究センターも関わる調査を経て、2025年5月にリチウムイオン電池が有力な原因として示されました。

また、火災原因の公表と同時に、ホクトは再建計画を明らかにしています。単に建物を建て直すだけでなく、収穫・出荷機能を取り戻すことが事業復旧の中心課題となりました。

【再発防止策は何を実施した?】無人時間帯の充電禁止と安全管理

ホクトが2025年5月23日の発表で明らかにした再発防止策は、人がいない時間帯には充電を行わないことを全センターに徹底するというものです。

同社は、この対応を全センターですでに徹底したと説明しています。

無人充電を禁止する意味

充電中の電池に異常が発生した場合、周囲に人がいなければ発煙や発火の発見が遅れる可能性があります。初期段階で異常を察知できなければ、火災が周囲の設備や保管物に燃え広がる危険もあります。

そのため、無人時間帯の充電を避けることは、異常の早期発見という観点から合理的な対策です。

工場や事業所で考えたい追加の安全管理

リチウムイオン電池の事故を防ぐためには、充電時間の管理だけでなく、電池や充電設備そのものの管理も欠かせません。

  • 安全基準に適合した電池や充電器を使用する。
  • メーカーが指定する充電方法や充電環境を守る。
  • 電池の膨張、変形、異常発熱などを定期的に確認する。
  • 充電場所の周囲に燃えやすいものを置かない。
  • 異常を検知できる設備や火災発生時の通報体制を整える。
  • 従業員に電池の取り扱いと緊急時の対応を周知する。

これらは経済産業省や消防庁などが示す一般的な安全管理の考え方です。ホクトが個別の設備対策をどこまで導入したかについては、2025年5月の公表資料に詳細な記載はありません。

今回の火災から得られる教訓は、電池の安全性を製品任せにせず、充電環境、保管方法、異常の発見、初期対応までを一体として管理する必要があるということです。

【2026年最新】上田第一きのこセンターの現在と再建費用36億円の実態

2026年11月現在、上田第一きのこセンターについて最も重要な情報は、すでに収穫量が通常水準まで回復していることです。

2025年11月に収穫再開、通常の生産量まで回復

ホクトは2025年5月の発表時点で、2025年11月上旬の収穫再開を予定していました。

その後、2025年11月28日に公表された決算説明会の記録では、代表取締役社長の水野雅義氏が上田工場について説明しています。

同氏の説明によると、2025年11月から工場が復旧し、通常どおりの収穫量まで回復したとのことです。これにより、火災によるブナシメジの供給への影響も解消したと説明されました。

したがって、2025年5月時点の再開予定は、同年11月の経営者による説明によって実際の復旧状況として裏付けられています。

再建に投じられた約36億円とは?

2025年5月23日のホクトの発表では、焼失した作業棟の代替建物を同じ場所に新築する計画が示されました。

公表された主な再建計画は次のとおりです。

  • 再建場所:長野県上田市塩川5363-7
  • 生産品目:ブナシメジ
  • 年間生産能力:3,000トン
  • 再建対象:収穫・出荷作業を担う作業棟
  • 作業棟延べ面積:6,983.2㎡
  • 公表された設備投資額:約36億円
  • 収穫再開予定:2025年11月上旬

この約36億円は、ホクトが2025年5月に公表した再建計画上の設備投資額です。

一方、2026年6月25日提出の2026年3月期有価証券報告書では、上田きのこセンターへの当期設備投資額として32億4,700万円が記載されています。こちらは2025年度の設備投資実績に関する会計上の数値であり、2025年5月に公表された約36億円の計画額と単純に同一視することはできません。

2026年の公式資料から確認できる生産状況

2026年3月期の有価証券報告書では、長野県上田市の上田きのこセンターが国内きのこ事業の生産施設として掲載されています。

生産品目はブナシメジで、年間生産能力は3,000トンです。設備投資の記載に加え、2026年3月31日時点の主要設備一覧にも上田きのこセンターが掲載されています。

加えて、ホクト公式サイトの「上田第一きのこセンター」生産者情報ページでも、所在地やブナシメジの栽培品目が案内されています。

これらの情報を合わせると、2026年時点では、上田第一きのこセンターの再建・生産復旧は実現し、同社のブナシメジ生産拠点として機能していることが確認できます。

なお、2026年8月12日に公表された2027年3月期第1四半期決算短信には、今回の火災について新たな原因説明や追加の再発防止策は掲載されていません。2026年の最新情報を確認する際は、2025年11月の復旧説明と2026年の有価証券報告書を併せて見ることが重要です。

【上田市ホクト火災に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:上田市のホクト工場火災はいつ発生し、いつ鎮火しましたか?
A1:2024年10月29日午後9時14分に消防が覚知しました。10月31日午前9時37分に鎮圧し、同日午後3時20分に鎮火しました。出火当時、工場内は無人で、負傷者はありませんでした。

Q2:ホクト上田第一きのこセンターの火災原因は何ですか?
A2:2025年5月23日のホクトの公式発表によると、作業棟の作業場東側で充電中だったリチウムイオン電池が暴発した可能性が高いと消防当局から説明を受けています。ただし、電池が異常を起こした具体的な原因までは公表資料から特定できません。

Q3:上田第一きのこセンターは2026年現在も稼働していますか?
A3:はい。ホクト社長は2025年11月の決算説明会で、上田工場が復旧し通常の収穫量まで回復したと説明しています。2026年3月期の有価証券報告書にも、上田きのこセンターのブナシメジ生産施設と年間3,000トンの生産能力が記載されています。

2024年10月29日に発生した上田市ホクト火災は、ブナシメジの収穫・出荷を担う作業棟を焼失させた大規模な工場火災でした。約42時間にわたる消火活動の末、10月31日に鎮火しています。

出火原因については、2025年5月23日にホクトが、充電中のリチウムイオン電池が暴発した可能性が高いとの消防当局の説明を公表しました。同社は再発防止策として、無人時間帯の充電禁止を全センターに徹底しています。

その後、約36億円の設備投資を伴う再建計画が進められ、2025年11月には収穫量が通常水準まで回復しました。2026年の有価証券報告書でも、上田のブナシメジ生産施設と年間3,000トンの能力が確認できます。

【プロの結論】今回の火災を理解するうえで押さえておきたいのは、原因の特定と事業の復旧は別々の課題だったという点です。リチウムイオン電池の暴発が有力な出火原因として示された一方、実際の再発防止には、無人充電の禁止だけでなく、設備管理、異常検知、従業員教育を含めた継続的な安全管理が欠かせません。

また、火災によって失われた作業棟を再建し、従来の生産能力を取り戻したことは、食品供給を支える工場の事業継続という観点でも重要な経過です。

2026年現在、上田第一きのこセンターは火災直後の操業停止状態から復旧しています。今後も注目すべきなのは、設備の安全管理が継続されているか、安定したブナシメジの生産・出荷が維持されているかという点です。

主な根拠資料:上田市消防委員会「工場火災について(報告)」、ホクト株式会社2025年5月23日適時開示、2025年11月決算説明会、2026年3月期有価証券報告書、2026年8月12日決算短信、経済産業省・消防庁のリチウムイオン電池安全情報。

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コンテンツディレクター 滑原 圭介
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旅行・観光を担当。現地の公式観光資料と営業情報を確認してから記事にします。

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