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【新車・中古車・レンタル】馬運車の価格と購入費用を比較

倉持 玲奈 倉持 玲奈 • 更新: • 公開: • 読了約 18 分
目次

馬運車の価格は、車両の大きさ、積載頭数、ベースとなるトラック、空調や監視設備、特注架装の有無によって大きく変わります。

一般的なトラックの中古車価格と比較しても、馬室の製作費や安全設備の費用が加わるため、単純には比較できません。

馬運車の新車価格はどのくらい?

2026年8月18日のnetkeibaによる取材記事では、東海馬匹輸送株式会社が保有する車両の製造費用について、製造当時は約8,000万円、2026年時点で新たに製造する場合は1億円近くになるとの説明が紹介されました。

対象は競走馬を最大4頭輸送できる大型の専用車両です。一般的な小型馬運車の価格と同じ条件ではありませんが、競走馬輸送用の高機能車両が高額になる実態を示す事例です。

新車価格を左右する主な項目は次のとおりです。

- ベースとなるトラックのシャシーとエンジン。
- 馬室の製造・架装費用。
- 断熱材や換気設備、空調システム。
- 馬室の仕切りや安全装置。
- 後部扉や乗降用の傾斜路。
- 監視カメラや車内モニター。
- 乗務員用の客室や収納設備。

特注仕様の場合は、設計や製造にかかる費用も考慮する必要があります。

馬運車の中古車価格と購入時の注意点

中古車なら、新車より購入費用を抑えられる可能性があります。

2026年に公開されているオオクボ商会の在庫情報には、三菱ふそうキャンターをベースにした3頭積みの馬運車が掲載されています。

掲載時の支払総額は450万円。リア手動式の仕様で、走行距離は約26万2,000kmです。これは特定の中古車の販売例であり、中古馬運車全体の相場を示すものではありません。

中古車を検討する場合は、車両本体の価格よりも、次の部分を重点的に確認しましょう。

1. エンジン、トランスミッション、ブレーキの状態。
2. シャシーや車体の腐食、事故修復歴。
3. 馬室の床面の摩耗や腐食。
4. 仕切り板、扉、ロック機構の動作。
5. 換気扇、エアコン、電装品の作動状況。
6. 乗降用傾斜路の強度と操作性。
7. 車検証と実際の架装状態の一致。

特に見落としやすいのが、馬室の設備です。

一般的なトラック部分が正常でも、馬室の床が滑りやすくなっていたり、仕切りが破損していたりすれば、安全な輸送には適しません。

中古車を安く購入できても、空調設備や馬室の改修に高額な費用がかかれば、結果的に新車との差が小さくなる可能性があります。

新車・中古車・レンタルの比較

購入や利用方法を整理すると、次のようになります。

選択肢 費用・特徴 向いている利用者 大型新車 2026年の取材事例では約1億円近い製造費用。仕様に合わせた設計が可能。 継続的に複数頭を輸送する専門事業者や大規模施設。 中古車 3頭積み450万円の掲載例あり。走行距離や設備の状態で価格が変わる。 初期投資を抑えたい乗馬クラブや個人事業者。 レンタル 貸出期間、保険、運転者の有無、車両仕様によって個別見積もり。 大会やイベントなど、使用頻度が限られる利用者。 輸送業者への依頼 輸送距離、頭数、運行条件などに応じて料金を見積もる。 車両の購入・維持管理を避けたい個人やクラブ。
馬運車のレンタルは購入よりお得?

馬運車の利用方法には、車両そのものを借りる方法と、馬の輸送を専門業者に依頼する方法があります。

両者は似ているようで、費用や責任の範囲が異なります。

車両レンタルの場合は、借りる車両の仕様や貸出期間、保険、運転者の手配などを確認します。大型車両の場合は、運転免許の条件も問題になります。

輸送業者に依頼する場合は、車両や運転者を自分で確保する必要がありません。馬の扱いに慣れた乗務員や輸送体制を利用できる点がメリットです。

一度の大会参加や年数回の移動であれば、車両を所有するよりも輸送を外部委託する方が合理的な場合があります。

一方、年間を通して頻繁に馬を移動させる乗馬クラブや牧場では、購入やリースも比較対象になります。

なお、リースはレンタルとは異なり、中長期の契約によって車両を使用する方法です。契約期間中の維持管理、保険、契約終了後の扱いなどを確認する必要があります。

【競走馬・乗馬の輸送方法】輸送費用は誰が負担する?

馬運車

馬運車による輸送では、車両の性能と同じくらい運行計画が重要です。

特に長距離移動では、輸送時間だけでなく、馬の健康状態、休息場所、給水、到着後の管理まで考える必要があります。

競走馬はどのように輸送される?

競走馬の輸送は、一般的にトレーニングセンターや牧場から競馬場へ向かう形で行われます。

JRAの関連施設間では、競走日程に合わせて馬運車が運行されます。

日本馬匹輸送自動車株式会社の業務案内によれば、競馬場への輸送だけでなく、放牧のための牧場への輸送や、乗馬の輸送も行われています。

同社の説明では、長距離輸送では運転者2名による乗務体制を採用する場合があります。トレーニングセンターから競馬場へ向かう際には、複数の馬運車がまとまって出発する運行形態も紹介されています。

乗降時には馬の習性に合わせた配慮が必要

馬は周囲の環境変化に敏感な動物です。

見慣れない車両や暗い乗降口、濡れた床、金属の反射光などが原因で、乗り込みをためらうことがあります。

農林水産省の輸送指針では、積み込みや積み下ろしの設備について、次のような配慮を推奨しています。

- 馬の体格に合った通路の幅を確保する。
- 滑りにくい床面を使用する。
- 傾斜路の角度や側面からの落下を考慮する。
- 鋭い突起物や大きな段差をなくす。
- 馬が安全に移動できる照明を確保する。
- 不必要な騒音や急な環境変化を避ける。

また、日本馬匹輸送自動車株式会社では、馬の積み下ろしを同乗する担当厩務員が行い、運転者は車両操作や周辺業務を担当すると説明しています。

輸送には、運転技術だけでなく、馬を扱う専門スタッフとの連携も欠かせません。

長距離輸送で注意したい「輸送熱」

競走馬の輸送で特に注意される健康上の問題が輸送熱です。

輸送熱は、移動によるストレスや疲労などを背景に発熱する状態で、細菌感染が重症化すると肺炎につながることもあります。

JRA日高育成牧場が2021年11月22日に公開した解説では、輸送中の疲労やストレスによる免疫機能の低下、馬運車内の糞尿に由来するアンモニアなどが、発症に関係する要因として説明されています。

同記事では、20時間以上の輸送で輸送熱の発症率が大幅に上昇したという過去の調査にも触れています。これは特定の調査に基づく知見であり、すべての馬に共通する発症基準時間ではありません。

加えて、北海道から宮崎まで約40時間以上を要するJRAの育成馬輸送では、中継地点で1泊休憩を入れる方法が紹介されています。

休憩前後の調査では、ストレスに関連する血中コルチゾール濃度の低下や免疫細胞数の増加が確認されました。

こうした事例から分かるのは、馬運車の設備を整えるだけでは十分ではないということです。

輸送時間、休憩、空気環境、到着後の観察を含めて計画することが、安全な輸送につながります。

乗馬の輸送費用はいくら?

乗馬クラブや個人が馬を輸送する場合、気になるのが費用です。

ただし、乗馬の輸送費用には全国共通の一律料金があるわけではありません。

主に次の条件によって見積もりが変わります。

費用項目 内容
基本運賃 車両の手配や運行にかかる費用
走行距離 出発地から目的地までの距離
高速道路料金 高速道路や有料道路の利用料
輸送頭数 何頭を同時に運ぶか
乗務員費用 人員数や長時間運行への対応
待機費用 積み込みや到着後の待機時間
宿泊・休憩費用 長距離輸送に必要な中継や宿泊
復路費用 空車で戻る場合の運行費用など

見積もりを依頼する際は、単純な片道距離だけでなく、帰りの車両費用や待機時間が含まれているかも確認しましょう。

競走馬の輸送費用は誰が負担する?

2026年8月のnetkeibaによる輸送業者への取材では、競走馬の輸送費用の負担についても説明されています。

JRAが運営するトレーニングセンター、競馬場、競馬学校などの施設間の輸送についてはJRAが負担する一方、放牧先の外部施設など、JRAの管轄外の施設が関係する場合は馬主が負担するケースが紹介されています。

このように、競走馬の輸送費用は、馬の所有者だけでなく、輸送の目的や施設の管理主体によっても変わります。

乗馬クラブの場合も、クラブが費用を負担するのか、馬主や会員が負担するのかを事前に取り決めておくことが大切です。

【安全性・運転免許・車検】購入前に確認すべき重要事項

馬運車は特殊な設備を備えた車両ですが、道路を走る以上、自動車に関する法令や安全基準を守らなければなりません。

特に注意したいのが、運転免許、車両総重量、車検、架装部分の整備です。

馬運車の運転に必要な免許は?

馬運車という名称だけで、必要な免許が決まるわけではありません。

基本的には車検証に記載された車両総重量、最大積載量、乗車定員などによって判断します。

2026年時点の一般的な免許区分は次のとおりです。

車両の区分 車両総重量 必要な免許
普通自動車 3.5トン未満 普通免許
準中型自動車 3.5トン以上7.5トン未満 準中型免許
中型自動車 7.5トン以上11トン未満 中型免許
大型自動車 11トン以上 大型免許

※最大積載量や乗車定員によっても区分が変わります。表は車両総重量を基準とした基本的な区分です。

実際に、日本馬匹輸送自動車株式会社は、自社の競走馬輸送車の運行に大型一種免許が必要と説明しています。

同社の車両は全長約12メートルで、運転には大型車両の操作経験や競馬場内での的確な車両操作も求められます。

小型の馬運車なら普通免許や準中型免許で運転できる可能性もありますが、購入時には必ず車検証を確認してください。

なお、ホーストレーラーを牽引する場合は、トレーラーの車両総重量などに応じて牽引免許が別途必要です。車両総重量750kg以下のトレーラーには、原則として牽引免許が不要となる例外があります。

馬運車の車検は何年ごと?

馬運車の車検期間は、車両の用途や登録区分、車両総重量などによって異なります。

貨物自動車として登録されている場合、一般的には次のような扱いです。

- 車両総重量8トン未満:初回2年、2回目以降1年。
- 車両総重量8トン以上:初回から1年ごと。

独立行政法人自動車技術総合機構の案内でも、貨物自動車の車検有効期間は車両区分に応じて定められています。

馬室の架装を変更した場合には、車両の長さ、幅、高さ、最大積載量などに変更が生じることがあります。

変更内容によっては構造等変更検査が必要になるため、改造前に運輸支局などへ確認が必要です。

安全な馬運車を選ぶためのチェックポイント

中古車でも新車でも、購入前には以下の項目を確認しておきたいところです。


購入・導入前の確認リスト
{@body const checks = ["車検証と実際の車両仕様が一致している","車両総重量に合った運転免許を取得している","馬室の床面に滑りや腐食がない","仕切り板とロック機構が正常に動く","乗降用傾斜路に大きな段差や損傷がない","換気扇と空調設備が正常に作動する","停車中も必要な換気を維持できる","カメラやモニターなどの監視設備が使える","洗浄・消毒ができる構造になっている","任意保険や輸送中の補償範囲を確認している"]}
{@body const [done,setDone] = DIL.useState()}

{done.length} / {checks.length} 項目確認済み
{Math.round(done.length/checks.length100)}%


100}%}/>

{#each checks as item,i}
setDone(old=>v?[...old,i]:old.filter(x=>x!==i))}>{item}
{/each}

【プロの結論】馬運車は積載頭数よりも輸送環境で選ぶ

馬運車の購入や利用で陥りやすい誤解は、積載できる頭数が多い車両ほど優れているという考え方です。

実際には、輸送する馬の体格、性格、移動距離、輸送頻度によって適切な車両は異なります。

例えば、1頭だけを短距離移動させる乗馬クラブに、大型4頭積みの競走馬輸送車が必要とは限りません。反対に、長距離輸送を繰り返す事業者が、空調や監視設備の不十分な小型車両を選ぶことも合理的ではありません。

日本馬術連盟が紹介するFEI(国際馬術連盟)の馬スポーツ憲章でも、輸送時の安全、良好な換気、車両の整備、適格な運転者、馬を管理する担当者の確保が重視されています。

導入時に重視したい判断基準は3つです。

1. 輸送対象に合っているか: 馬の体格や頭数、性格に合った馬室を確保できるか。
2. 輸送環境が整っているか: 換気、床面、空調、監視設備、乗降環境が適切か。
3. 継続的に運用できるか: 免許、車検、整備費、保険、乗務員を確保できるか。

車両本体の安さや積載頭数だけでなく、馬の健康と運行の継続性まで考えることが、失敗しない導入につながります。

【馬運車に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:馬運車には何頭の馬を積載できますか?

JRAの競馬用語辞典で紹介されている競走馬用馬運車は最大4頭積みです。ただし、一般の乗馬用車両には1頭積みや2〜3頭積みなどもあり、車両の設計や馬の体格によって異なります。

Q2:馬運車の新車価格はいくらですか?

大型の競走馬輸送車については、2026年8月の取材記事で新規製造費用が1億円近くになるとの事例が紹介されています。小型車両や設備を限定した仕様では異なるため、個別見積もりが必要です。

Q3:馬運車の中古車はどこで購入できますか?

馬運車の製造・販売を行う専門業者や、特殊車両を扱う中古車販売店などで探せます。オオクボ商会のように、新車・中古車の販売と注文製作を取り扱う事業者もあります。購入時は馬室の状態や走行距離、整備履歴を確認してください。

Q4:馬運車は普通免許で運転できますか?

車両総重量3.5トン未満など、普通免許の条件を満たす車両なら運転できます。ただし、大型の競走馬輸送車では大型免許が必要になる場合があります。必ず車検証で確認しましょう。

Q5:馬運車をレンタルすることはできますか?

貸出事業者や地域によって取り扱いが異なります。車両のみの貸出と、運転者付きの輸送サービスは別の契約です。利用頻度が少ない場合は、専門業者への輸送依頼も比較するとよいでしょう。

Q6:馬運車の輸送費用はどのように決まりますか?

走行距離、輸送頭数、乗務員数、高速道路料金、待機時間、宿泊の有無などで決まります。乗馬の輸送では、片道・往復のどちらの料金なのか、追加費用があるかも確認しましょう。

Q7:一般的なトラックで馬を運ぶことはできますか?

一般的な貨物用トラックは、そのままでは馬の輸送に適していません。馬の体格に合った空間、滑りにくい床、適切な仕切り、換気、乗降設備などが必要です。馬の輸送に適した構造と安全管理体制を備えた車両を使用が必要です。

馬運車は、競走馬や乗馬を安全に目的地まで運ぶための専用車両です。一般的なトラックとは異なり、馬が立った状態で移動することを前提に、床面、仕切り、換気、空調、監視設備などが設計されています。

2026年8月の取材では、大型競走馬輸送車の新規製造費用が1億円近くになる事例が紹介される一方、中古の3頭積み車両には450万円の販売例もあります。用途や設備が異なるため、価格だけで優劣を判断することはできません。

購入するなら、新車・中古車の価格に加え、架装部分の整備費や車検、保険、運転免許を確認する必要があります。使用頻度が少ない場合は、レンタルや専門業者への輸送依頼も現実的な選択肢です。

そして何より大切なのは、馬の健康を守れる輸送環境が整っていることです。車両の性能だけでなく、乗降時の配慮、運転者の技術、長距離輸送時の休憩や到着後の健康管理まで含めて判断することが、馬運車を安全に活用するための基本です。

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倉持 玲奈

テクノロジー分野を担当。一次情報(公式発表・公式サイト)と発表日を必ず確認し、推測は推測と明記する編集方針に従っています。

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