英語の「wrap up」は、「まとめる」「終える」「包む」など、文脈によって複数の意味を持つ句動詞です。ビジネス英語では会議やプロジェクトを締めくくる場面でよく使われ、日常会話では作業を終わらせたり、プレゼントを包装したりするときにも登場します。
特に迷いやすいのが、「wrap up」と「wrap it up」の違い、目的語を置く位置、そして「sum up」「finish」との使い分けです。2026年時点のCambridge DictionaryやOxford Learner's Dictionariesなどの辞書定義を踏まえ、基本的な意味から自然な例文、過去形・過去分詞、発音まで整理します。
wrap upは、動詞wrapと副詞的な働きをするupが組み合わさった句動詞(phrasal verb)です。
Cambridge Dictionaryでは、主に物を紙や布などで覆うことと、何かを成功裏に完了させることの意味が掲載されています。Oxford Learner's Dictionariesでも、会議や合意などを適切な形で完了させる表現として説明されています。
日本語では、次の3つを押さえると意味を理解しやすくなります。
1. 仕事や活動を終える・完了させる最もよく使われる意味の一つです。会議、プロジェクト、交渉、作業などを終わらせる場面で使います。
単純に時間が来て終了するというより、進めてきた物事に区切りをつけ、完了まで持っていくニュアンスがあります。
例文:
We need to wrap up this project by Friday.
訳:金曜日までにこのプロジェクトを終わらせる必要があります。
Let's wrap up the discussion.
訳:議論を締めくくりましょう。
She wrapped up the negotiations successfully.
訳:彼女は交渉を無事にまとめました。
2. 話や会議をまとめる・締めくくるwrap upには、話し合いや発表を終える際に、最後の整理をして区切りをつけるニュアンスがあります。
ただし、「要約する」という意味だけに限定されるわけではありません。会議そのものを終了させる場合にも使えます。
例えば、次の英文を見てください。
Let's wrap up with a quick summary.
訳:簡単な要約をして締めくくりましょう。
ここでは、要点を整理する行為と、話を終える行為の両方が含まれています。
3. 物を包む・包装するwrapの基本的な意味は「包む」「巻く」です。そのため、wrap upにはプレゼントや食品などを紙や布で包む意味もあります。
例文:
I need to wrap up this present.
訳:このプレゼントを包装しなければなりません。
She wrapped the sandwich up in foil.
訳:彼女はサンドイッチをアルミホイルで包みました。
この意味では、会議や仕事の終了とは異なり、物理的に何かを覆う動作を表しています。
補足:暖かい服装をするという意味もあるwrap upには、暖かい服を着る、誰かに暖かい格好をさせるという用法もあります。
Make sure you wrap up warmly.
訳:暖かい格好をするようにしてください。
特に寒い季節の会話で使われる表現です。Cambridge DictionaryとOxford Learner's Dictionariesの両方にも、この用法が掲載されています。
【ビジネス英語】wrap upは会議や仕事でどう使う?自然な表現を解説

wrap upがビジネス英語で重宝される理由は、会議の終了だけでなく、プロジェクトや交渉など、一定の成果を目指して進めてきた仕事に区切りをつける場面でも使えるためです。
特に英語の会議では、終了時間が近づいたときや、議論が一通り終わったときに登場します。
wrap up a meeting:会議を締めくくる会議の終了を伝える代表的な表現です。
Let's wrap up the meeting.
訳:会議を締めくくりましょう。
We should wrap up the meeting in five minutes.
訳:あと5分で会議を終わらせましょう。
Before we wrap up, does anyone have any questions?
訳:会議を終える前に、何か質問はありますか?
最後の例文は、実際の会議で使いやすい表現です。終了を宣言する前に、参加者へ確認する余地を与えられます。
wrap up a project:プロジェクトを完了させるプロジェクトの最終作業や残っているタスクを片付け、完了させるときに使います。
We're working hard to wrap up the project this month.
訳:今月中にプロジェクトを完了させるため、懸命に取り組んでいます。
We finally wrapped up the project.
訳:私たちはついにプロジェクトを完了させました。
単に作業を止めるのではなく、残務や最終確認も含めて一区切りつけるような場面に適しています。
wrap up a deal:契約・取引をまとめる商談や交渉を最終的に成立させる場合にも使います。
They hope to wrap up the deal this week.
訳:彼らは今週中に契約をまとめたいと考えています。
We successfully wrapped up the negotiations.
訳:私たちは交渉を無事にまとめました。
この用法では、単なる終了よりも、交渉や調整を経て合意・決着に至るニュアンスが強くなります。
仕事で使うときの注意点wrap upはビジネスの会話で自然な表現ですが、相手への伝え方によって印象が変わります。
例えば、上司や取引先に対して、いきなり「Wrap it up!」と言うと、話を早く終わらせるよう命令している印象になる場合があります。
柔らかく伝えるなら、次のような表現が便利です。
Shall we wrap up here?
訳:そろそろここで締めくくりましょうか。
Let's start wrapping up the discussion.
訳:そろそろ議論を締めくくり始めましょう。
Before we finish, let's review the action items.
訳:終了する前に、対応事項を確認しましょう。
会議を円滑に終わらせるには、終了の意思だけでなく、決定事項や次の行動を確認することも大切です。
【文法比較】wrap up・wrap it up・sum up・finishの違いを一覧で整理
ここでは、検索時に混同されやすい4つの表現と、名詞形wrap-upの関係を整理します。
いずれも「終わる」「まとめる」と訳せる場合がありますが、英語では意味の焦点が異なります。
| 表現 | 中心的な意味 | 使う場面・特徴 | 例文 |
|---|---|---|---|
| wrap up | 締めくくる・完了させる・包む | 会議、仕事、交渉、包装 | Wrap up the meeting. |
| wrap it up | それを終わらせる | 代名詞itを目的語に置く形。命令では少し強く聞こえることもある | Let's wrap it up. |
| sum up | 要点をまとめる・要約する | 報告、説明、議論の要点整理 | Sum up the main points. |
| finish | 終える・完了する | 仕事、宿題、食事、活動全般 | Finish the report. |
| wrap-up | 総括・まとめ・最終報告 | 名詞として使う | A quick wrap-up. |
この2つの違いは、特に重要です。
wrap upは物事に区切りをつけること、sum upは重要な情報やポイントを要約することが中心です。
例えば、会議の最後に次のように使い分けられます。
Let's sum up the key points.
訳:要点をまとめましょう。
Let's wrap up the meeting.
訳:会議を締めくくりましょう。
前者は情報の整理、後者は会議そのものの終了に焦点があります。
もちろん、会議の終了時に要点を整理することもあるため、両方を組み合わせた使い方も可能です。
Let's sum up the discussion and wrap up the meeting.
訳:議論の要点をまとめて、会議を締めくくりましょう。
wrap upとfinishの違いfinishは「終える」「完了する」を表す一般的な動詞です。宿題、食事、仕事、映画など、幅広い対象に使用できます。
一方、wrap upは、ある程度進めてきた仕事や活動を最後にまとめて完了させるニュアンスを持ちます。
I finished my report.
訳:レポートを完成させました。
I wrapped up my report.
訳:レポートを仕上げ、完成させました。
2つ目は、最終的な仕上げや完了に向けた区切りを意識させる表現です。ただし、文脈によっては両者の意味がかなり近くなります。
使い分けに迷った場合は、単純な完了ならfinish、最後の整理や締めくくりまで含めて伝えたいならwrap upを選ぶと自然です。
【例文集】wrap upの使い方・目的語の位置・過去形をマスター
wrap upは目的語を取ることができ、動詞とupの間に目的語を置く形と、upの後ろに置く形の両方が使えます。
目的語の位置は2パターンある名詞を目的語にする場合、次の2つはどちらも正しい英文です。
① wrap up+目的語
We need to wrap up the meeting.
訳:会議を締めくくる必要があります。
② wrap+目的語+up
We need to wrap the meeting up.
訳:会議を締めくくる必要があります。
どちらも意味は基本的に同じです。名詞の目的語であれば、文脈に応じて語順を選べます。
代名詞の場合はwrap it upが正解ここが文法上の重要ポイントです。
目的語がit、them、him、herなどの代名詞の場合は、動詞wrapとupの間に置きます。
正しい表現:
Let's wrap it up.
訳:そろそろ終わりにしましょう。
誤った語順:
Let's wrap up it.
この語順は標準的な英語では使いません。
British Councilの句動詞の文法解説でも、分離可能な句動詞では代名詞を動詞とparticleの間に置く規則が説明されています。
つまり、wrap upは名詞なら目的語の位置を選べますが、代名詞ならwrap it upという形にする必要があります。
wrap it upの意味とニュアンスwrap it upは、wrap upの目的語にitを入れた形です。意味は「それを終わらせる」「それを締めくくる」です。
例文:
It's getting late. Let's wrap it up.
訳:遅くなってきたので、そろそろ終わりにしましょう。
We have only five minutes left, so let's wrap it up.
訳:残り5分なので、そろそろ締めくくりましょう。
なお、Oxford Learner's Dictionariesでは、wrap it upを相手に話をやめるよう求めるくだけた命令表現としても説明しています。
そのため、同じ表現でも、誰が誰に向かって言うかによって印象が変わります。
「Let's wrap it up.」は一緒に終わらせようという提案ですが、「Wrap it up!」は「もう終わりにして!」という強い指示に聞こえることがあります。
wrap upの過去形・過去分詞・現在進行形wrapは規則動詞なので、基本的には語尾に-edを付けて過去形と過去分詞を作ります。ただし、pを重ねる綴りに注意してください。
基本の活用は次のとおりです。
原形:wrap
三人称単数現在形:wraps
過去形:wrapped
過去分詞:wrapped
現在分詞:wrapping
wrap upの場合は、次のようになります。
現在形:wrap up
過去形:wrapped up
過去分詞:wrapped up
現在進行形:wrapping up
例文:
We wrapped up the meeting yesterday.
訳:私たちは昨日、会議を締めくくりました。
She has wrapped up the project.
訳:彼女はプロジェクトを完了させました。
I'm wrapping up my work now.
訳:今、仕事を終わらせているところです。
wrap upの発音・読み方wrapの発音記号は、Cambridge DictionaryやOxford Learner's Dictionariesでは/ræp/と示されています。
wrap upは「ラップ・アップ」に近い発音です。
発音の要点は次の3つです。
- wrapのwは発音しない。
- wrapは「ラップ」に近い音で、rapと同じ発音。
- upは「アップ」に近い音で発音する。
日本語の「ラップアップ」と読むと覚えやすいですが、英語ではwrapの母音を短く発音することを意識しましょう。
【名詞との違い】wrap-upの意味と間違えやすい表現を解説
wrap upと似た表記に、ハイフンを入れたwrap-upがあります。
この違いは、文法上の品詞です。
wrap-upは「総括・まとめ・最終報告」を表す名詞wrap-upは、何かを締めくくるための総括や要約、最終報告などを意味する名詞です。
例えば、ニュース番組の最後に主要な出来事を整理するコーナーや、会議終了時のまとめなどに使えます。
例文:
Here's a quick wrap-up of today's meeting.
訳:今日の会議の簡単なまとめです。
We had a final wrap-up at the end of the project.
訳:プロジェクトの最後に最終的な総括を行いました。
Cambridge Dictionaryのsum-upやCollins English Dictionaryのwrap-upの説明にも、要点を簡潔に示す名詞としての用法が確認できます。
wrap upとwrap-upの使い分け簡単に整理すると、次のようになります。
wrap up:動詞として、何かを終える・締めくくる・包む。
wrap-up:名詞として、総括・まとめ・最終報告を表す。
比較してみましょう。
Let's wrap up the meeting.
訳:会議を締めくくりましょう。
Let's prepare a meeting wrap-up.
訳:会議のまとめを準備しましょう。
前者は会議を終了させる行為、後者は会議内容を整理した成果物を指しています。
wrap upを「要約する」と訳してよいケース・避けたいケースwrap upは文脈によって「まとめる」と訳せますが、常に「要約する」と置き換えられるわけではありません。
例えば、次の英文です。
Let's wrap up the meeting with three key takeaways.
訳:要点を3つ確認して、会議を締めくくりましょう。
この場合は、要点の整理を含んでいるため「まとめる」という訳が自然です。
一方、次の英文では意味が異なります。
I wrapped up the gift.
訳:プレゼントを包みました。
この英文を「プレゼントを要約しました」と訳すことはできません。
wrap upを日本語に置き換える際には、目的語が何なのかを確認すると意味を判断しやすくなります。
【プロの結論】wrap upを自然に使いこなすための判断基準
wrap upを使いこなすために覚えておきたいのは、3つの意味を個別に暗記するだけでは不十分だということです。
大切なのは、何をwrap upするのかを見極めることです。
会議やプロジェクトなら「締めくくる・完了させる」、プレゼントなら「包む」、要点を整理する場面なら「まとめる」というように、目的語や周囲の文脈から自然な日本語を選べます。
使う場面別の判断基準- 会議を終了させたい:wrap up a meeting
- 仕事やプロジェクトを完了させたい:wrap up a project
- 契約や交渉を成立させたい:wrap up a deal
- 議論の要点を整理したい:sum up the discussion
- 作業を一般的に終えたい:finish the task
- プレゼントを包装したい:wrap up a present
- 最後の総括資料を指したい:a wrap-up
英語で会議に参加する人、海外の取引先とやり取りする人、英語でプロジェクトの進捗を報告する人には、wrap upは実用性の高い表現です。
特に「Let's wrap up here.」「Before we wrap up, ...」「We need to wrap up the project.」の3つを覚えておくと、会議の終了や仕事の完了を自然に伝えられます。
一方、文章の要点を正確に短く説明したい場合は、sum upを使うほうが意味が明確です。単純な作業の完了ならfinishで十分です。
また、相手に終了を促す際は、命令形の「Wrap it up!」を多用せず、「Shall we wrap up here?」などの柔らかい表現を選ぶと、ビジネス上のコミュニケーションも円滑になります。
wrap upの意味・使い方に関するよくある質問(FAQ)
Q1:wrap upの意味は「要約する」と「終える」のどちらが正しいですか?
A1:基本的には「終える・締めくくる」が中心です。会議や議論の最後に要点を整理する文脈では「まとめる」「要約して締めくくる」と訳せます。物を包む意味もあるため、目的語と文脈によって判断します。
Q2:wrap upとwrap it upの違いは何ですか?
A2:基本的な意味は同じです。wrap it upは、wrap upの目的語として代名詞itを使った形です。代名詞はwrapとupの間に置くため、wrap up itとは通常言いません。
Q3:wrap upの過去形と過去分詞は何ですか?
A3:どちらもwrapped upです。例えば「We wrapped up the meeting.」は「私たちは会議を締めくくりました」、「We have wrapped up the project.」は「私たちはプロジェクトを完了させました」と訳せます。
Q4:wrap upとsum upは同じ意味ですか?
A4:完全な同義語ではありません。wrap upは物事を締めくくること、sum upは重要な情報やポイントを要約することが中心です。会議の終了にはwrap up、議論の要点整理にはsum upが適しています。
Q5:wrap-upという表記は間違いですか?
A5:間違いではありません。wrap-upは名詞として使われ、「総括」「まとめ」「最終報告」などを意味します。一方、wrap upは句動詞として使われ、何かを終える、締めくくる、包むという動作を表します。
Q6:wrap upは上司や取引先にも使えますか?
A6:使えます。「Let's wrap up the meeting.」や「Shall we wrap up here?」は会議の終了を提案する表現として自然です。ただし「Wrap it up!」は命令的に響く可能性があるため、相手との関係や状況に応じて使い分けましょう。
wrap upの意味は、大きく「まとめる」「終える」「包む」の3つです。ビジネス英語では会議やプロジェクト、交渉を締めくくる表現として使われ、日常会話では作業の終了やプレゼントの包装などにも使われます。
最後に、覚えておきたいポイントを整理します。
- wrap up:締めくくる・完了させる・包む
- wrap it up:それを終わらせる・締めくくる
- sum up:要点を要約する
- finish:一般的に終える・完了する
- wrap-up:総括・まとめ・最終報告
- wrapped up:過去形・過去分詞
特に重要なのは、目的語が代名詞なら「wrap it up」という語順にすること、そしてwrap upとsum upを混同しないことです。
「Let's wrap up here.」を自然に使えるようになれば、英語の会議でも終了をスマートに提案できます。単語の意味だけでなく、状況に合わせたニュアンスと語順まで身につけることが、実践的な英語力につながります。
主な参照資料: Cambridge Dictionary、Oxford Learner's Dictionaries、British Council LearnEnglish、Collins English Dictionary。定義・活用・句動詞の語順・名詞形の確認に使用しています。