2026年の両チームの対戦は、25試合でヤクルトが13勝、DeNAが12勝。引き分けはなく、ヤクルトがわずか1勝差でシーズンの直接対決を制した。
ところが、得点を見ると状況は逆転する。
- ヤクルト:88得点、115失点
- DeNA:115得点、88失点
DeNAはヤクルトより27点多く得点し、失点も27点少なかった。それでも対戦成績では負け越している。
つまり、2026年の両チームの対戦は、得点力や失点抑制の優位性と、実際の勝敗が必ずしも一致しないシーズンだった。
特に注目したいのは、ヤクルトが本塁打数で大きく劣りながら、盗塁や四球を絡めて勝ち星を積み上げた点だ。DeNAは長打による得点力で上回ったものの、直接対決ではあと一歩及ばなかった。
この数字の違いが、2026年の対戦を読み解く出発点になる。
【全25試合の比較表】ヤクルトとDeNAの対戦成績を一覧で検証

2026年の対戦成績を打撃・投手の両面から整理すると、両チームの特徴が明確になる。
以下はBaseball Chronicleの2026年対戦集計に基づく比較だ。
出典:Baseball Chronicle 2026年チーム別対戦成績。数値はヤクルト側から見た全25試合の集計。
この表から読み取れる要点は3つある。
1. 勝敗ではヤクルトが上回った。
2. 打撃の主要指標ではDeNAが優勢だった。
3. 投手成績でもDeNAが防御率、被本塁打、WHIPで上回った。
特に本塁打数の20本差と防御率の1.37点差は大きい。単に打率が少し違うというレベルではなく、試合の得点構造そのものに違いが表れている。
【打撃力を徹底比較】DeNAの本塁打31本に対しヤクルトは11本
本塁打数の差は20本!長打力でDeNAが圧倒2026年の直接対決で最も目立つ数字が本塁打数だ。
ヤクルト11本
25試合合計
DeNA31本
25試合合計
DeNAはヤクルトの約2.8倍に当たる本塁打を記録した。
さらに長打率もDeNAが.422、ヤクルトが.335。出塁率を加味したOPSでも.744対.643と、DeNAが.101ポイント上回っている。
OPSは出塁率と長打率を合計した指標で、打者や打線の総合的な攻撃力を把握する際に役立つ。
今回の直接対決では、DeNAが出塁だけでなく長打によっても相手投手に圧力をかけていたことが分かる。
ヤクルトの武器は盗塁25個と四球75個一方、ヤクルトにも明確な強みがあった。
盗塁数はDeNAの9個に対し、ヤクルトは25個。四球もDeNAの61個に対して75個だった。
この数字は、ヤクルトが長打だけに依存しない攻撃を展開していたことを示している。
具体的には、次のような攻撃面の違いが見える。
- ヤクルト:四球で出塁機会を確保し、盗塁で次の塁を狙う。
- DeNA:長打や本塁打によって、一度の打席で複数の得点を生み出す。
ただし、盗塁数や四球数が多ければ必ず得点が増えるわけではない。実際、ヤクルトの得点は88点で、DeNAより27点少なかった。
出塁した走者をホームに返す力という点では、DeNAに優位性があった。
チーム打率でもDeNAが上回る打率はヤクルト.244、DeNA.262。
18ポイントの差があり、DeNAは安打数でも上回った。
注目したいのは、ヤクルトが走塁面で優位だったにもかかわらず、打率、長打率、OPSのすべてでDeNAに届かなかったことだ。
2026年の直接対決は、機動力を生かす攻撃と長打力を生かす攻撃の違いが、数字に表れた対戦だった。
【投手力を徹底比較】防御率3.21のDeNAと4.58のヤクルト
打撃以上に大きな差が見られたのが投手成績だ。
防御率はDeNAが1.37ポイント優勢DeNAの防御率は3.21。対するヤクルトは4.58だった。
防御率は投手が9イニングを投げた場合に平均何点の自責点を許すかを示す指標だ。
この差は、25試合を通した投手陣の安定性を比較するうえで重要になる。
DeNAはヤクルトより失点を27点少なく抑え、自責点も77点にとどめた。ヤクルトは109点だった。
さらに被本塁打数を見ると、DeNA投手陣が11本、ヤクルト投手陣が31本。ここでも20本の差が生じている。
WHIPはほぼ互角。それでも防御率に差が出た理由興味深いのはWHIPだ。
- ヤクルト:1.30
- DeNA:1.28
WHIPは1イニング当たりに許した安打と四球の合計を示す指標で、走者をどれだけ出したかを把握できる。
両チームの差はわずか0.02。防御率ほど大きな差ではない。
ここから分かるのは、走者を出す頻度だけでは投手陣の優劣を説明できないということだ。
DeNAは被本塁打を11本に抑えた一方、ヤクルトは31本を許した。長打によって複数の走者が一度に生還する展開は、失点を大きく押し上げる。
また、DeNAの奪三振は193個で、ヤクルトの176個を上回った。
WHIPだけを見て両チームの投手力が同程度と判断するのは早計だ。防御率、被本塁打、奪三振を合わせて見ることで、DeNAの優位性がよりはっきりする。
先発投手の起用から見える開幕カード2026年3月27日から29日にかけて、両チームは横浜スタジアムで開幕カードを戦った。
この3試合は、ヤクルトがすべて勝利している。
| 日付 | ヤクルトの先発 | DeNAの先発 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 3月27日 | 吉村貢司郎 | 東克樹 | ヤクルト3-2 |
| 3月28日 | 山野太一 | 入江大生 | ヤクルト5-2 |
| 3月29日 | 高梨裕稔 | 石田裕太郎 | ヤクルト5-3 |
初戦は吉村貢司郎が東克樹との投げ合いを制し、ヤクルトが3対2で勝利。続く2試合も山野太一、高梨裕稔が先発して勝ち星を重ねた。
注目すべきなのは、DeNAの本拠地で行われた3連戦をヤクルトが総取りしたことだ。
シーズン全体の打撃・投手指標ではDeNAが上回ったものの、開幕カードではヤクルトが投手起用と試合運びで結果を残した。
なお、この3試合の結果だけでシーズン全体の先発陣の優劣を判断することはできない。対戦全体の防御率やWHIPと合わせて評価する必要がある。
【球場別対戦成績】神宮ではヤクルト、横浜ではDeNAが優勢
2026年の対戦を球場別に分けると、勝敗の構図がさらに明確になる。
明治神宮野球場ではヤクルトが7勝5敗ヤクルトの本拠地である明治神宮野球場では、全12試合を実施した。
- ヤクルト:7勝5敗
- DeNA:5勝7敗
ヤクルトは本拠地で2つ勝ち越した。
ただし、得点はヤクルト52点、DeNA58点。本塁打もヤクルト9本に対し、DeNA15本だった。
本拠地で勝ち越したヤクルトだが、打撃の破壊力ではDeNAが上回っていた。
横浜スタジアムではDeNAが7勝6敗DeNAの本拠地である横浜スタジアムでは13試合が行われた。
- DeNA:7勝6敗
- ヤクルト:6勝7敗
DeNAが1勝差で勝ち越している。
加えて、得点はDeNA57点、ヤクルト36点。本塁打数はDeNA16本、ヤクルト2本だった。
投手成績でもDeNAの防御率は2.41。ヤクルトは4.54だった。
特にヤクルトは横浜での長打力が不足し、得点を積み上げられなかったことが数字に表れている。
球場によって対戦の意味合いが変わった全体の13勝12敗という結果は、ヤクルトが神宮で勝ち越し、DeNAが横浜で勝ち越したことによって生まれた。
つまり、どちらか一方が両球場で圧倒したわけではない。
ヤクルトは本拠地での7勝5敗によって、横浜での6勝7敗を補った。一方、DeNAは横浜での打撃・投手成績が非常に優れていた。
球場別の数字を確認せずに全25試合の勝敗だけを見ると、両チームの戦い方の違いを見落としやすい。
【セ・リーグ2026年最終順位】直接対決で勝ったヤクルトが5位、DeNAは3位
直接対決の結果と、シーズン全体の順位も比較しておきたい。
NPBの2026年度公式成績によると、セ・リーグは全143試合を終え、DeNAが3位、ヤクルトが5位だった。
2026年セ・リーグ最終順位- 1位:阪神 79勝62敗2分
- 2位:巨人 76勝64敗3分
- 3位:DeNA 71勝69敗3分
- 4位:広島 61勝78敗4分
- 5位:ヤクルト 61勝80敗2分
- 6位:中日 60勝81敗2分
DeNAは勝率.507で3位。ヤクルトは勝率.433で5位となった。
シーズン全体の打撃・投手成績にも差NPBの年度別チーム成績を確認すると、シーズン全体でもDeNAが優位だった。
| 指標 | DeNA | ヤクルト |
|---|---|---|
| チーム打率 | .2462 | .236 |
| 本塁打 | 125本 | 83本 |
| 得点 | 557点 | 449点 |
| 防御率 | 3.27 | 3.68 |
| 勝利 | 71 | 61 |
この比較から、直接対決だけでなく、シーズン全体でもDeNAが打撃力と投手力で上回っていたことが分かる。
特に本塁打数は42本差。得点も108点差がついた。
一方、ヤクルトには盗塁数98という特徴があり、DeNAの50を大きく上回っている。
両チームは攻撃の方向性が異なっていたものの、総合的な得点力ではDeNAが優勢だった。
直接対決でヤクルトが勝ち越したことと、シーズン順位でDeNAが上回ったことは矛盾しない。25試合の直接対決と143試合のシーズン成績は、それぞれ異なる評価軸だからだ。
【ヤクルト対DeNA】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年のヤクルト対DeNAの対戦成績は何勝何敗?
A1:全25試合でヤクルトが13勝12敗と勝ち越した。引き分けは0試合で、ヤクルトの勝率は.520だった。
Q2:2026年のヤクルトとDeNAはどちらが本塁打を多く打った?
A2:DeNAが31本、ヤクルトが11本だった。DeNAが20本上回り、約2.8倍の本塁打を記録した。
Q3:2026年の対戦で防御率が良かったのはどちら?
A3:DeNAだ。対戦防御率は3.21で、ヤクルトの4.58を1.37ポイント下回った。被本塁打もDeNAが11本、ヤクルトが31本と差がついた。
Q4:明治神宮野球場と横浜スタジアムではどちらが強かった?
A4:明治神宮野球場ではヤクルトが7勝5敗、横浜スタジアムではDeNAが7勝6敗だった。それぞれの本拠地で勝ち越している。
Q5:2026年のセ・リーグ順位はどうなった?
A5:DeNAが71勝69敗3分で3位、ヤクルトが61勝80敗2分で5位だった。直接対決ではヤクルトが勝ち越したものの、シーズン全体ではDeNAが上位となった。
2026年のヤクルト対DeNAは、単純な勝敗だけでは両チームの実力を判断できない興味深い対戦となった。
ヤクルトは全25試合で13勝12敗と勝ち越した。神宮での7勝5敗が、直接対決の勝ち越しにつながった。
一方、DeNAは打撃と投手の主要指標で優位だった。
特に注目すべき数字は次の4つだ。
- 本塁打:DeNA31本、ヤクルト11本
- OPS:DeNA.744、ヤクルト.643
- 防御率:DeNA3.21、ヤクルト4.58
- WHIP:DeNA1.28、ヤクルト1.30
DeNAは長打力と投手力で優位に立ち、シーズン順位でも3位を確保した。ヤクルトは盗塁や出塁を絡めた攻撃を見せ、直接対決では1勝差の勝ち越しを実現した。
【プロの結論】
2026年の両チームを評価する際は、勝敗、得点力、投手力、球場別成績を切り分けて考えることが大切だ。
対戦成績の13勝12敗はヤクルトの成果だが、長期的なチーム力を判断するならDeNAの本塁打数、OPS、防御率、シーズン順位にも目を向ける必要がある。
この対戦が示したのは、直接対決の勝ち越しとシーズン全体の総合力は必ずしも一致しないという、プロ野球の面白さそのものだ。
2027年以降の再戦では、ヤクルトが長打力と投手陣の改善をどこまで進められるか、DeNAが打撃の優位性を勝ち星へ結び付けられるかが、両チームの比較における重要な注目点となる。