全日本教職員組合(全教)は、公立・私立の学校をはじめ、教育関係機関で働く教職員によって構成される全国組織です。1991年3月6日に結成され、教職員の労働条件改善、教育の自主性、子どもの権利、平和と民主主義を掲げながら、教育政策への提言や行政との交渉、教育研究活動などを展開しています。
2026年の全教をめぐる大きなテーマは、改正給特法の施行、教職員不足、長時間労働の改善です。2026年5月1日時点の全教の調査では、36都道府県と12政令市で計3,380人の教職員未配置が確認されました。また、9月には改正給特法の下での勤務実態を調べるアンケートも始まっています。日教組や全日教連との違い、政治的な立場、組織の実態まで理解するには、結成の歴史と現在の活動を合わせて見る必要があります。
【基本情報】全日本教職員組合(全教)とはどんな団体なのか

全教の正式名称は「全日本教職員組合」、英語表記はAll Japan Teachers and Staffs Unionです。略称として「全教(ぜんきょう)」が使われています。
本部は東京都千代田区二番町の全国教育文化会館に置かれています。1991年3月6日に結成された全国的な教職員組合であり、公立学校だけでなく、私立学校や教育関係機関で働く人々も組織の対象としています。
一般的な労働組合と同様に、組合員の賃金、労働時間、休暇、職場環境などの改善を求める一方、教育政策そのものにも積極的に意見を表明する点が特徴です。
全教が公式に掲げている主な活動分野は、次のとおりです。
- 教職員の賃金や労働条件の改善
- 長時間労働の解消と教職員の増員
- 子どもの権利を尊重する教育の推進
- 日本国憲法と教育基本法の理念に基づく民主教育の確立
- 教育の自主性と学問・研究の自由の擁護
- 平和、民主主義、人権を守る活動
- 保護者や地域住民との共同による学校づくり
- 教育研究活動や教育条件整備に関する政策提言
したがって、全教は単に教員の待遇改善だけを目的とする団体ではありません。学校で働く人々の権利と、子どもたちが受ける教育の質を結び付けて考える組織です。
全教は政党や政府の組織なのか全教は政府機関でも政党でもありません。教職員によって構成される自主的な労働組合です。
公式綱領では、資本・権力・政党から独立し、組合員の要求に基づいて団結することを掲げています。特定政党の下部組織として運営される団体ではなく、独自の組織方針と意思決定機関を持っています。
ただし、政党から独立していることと、政治的な問題に関与しないことは同じではありません。教育政策、憲法、平和、人権、労働法制などについて声明を出したり、政府や関係機関に要請したりする活動も行っています。
全教が重視する教育と労働の関係全教の基本的な考え方には、教職員が安心して働ける環境を整えることが、子どもの教育を保障する条件になるという認識があります。
例えば、教員が授業準備や子どもとの対話に十分な時間を使えないほど多忙になれば、教育活動にも影響が及びます。そのため、少人数学級、教職員の増員、教育予算の拡充、教育現場の自主性などを一体的な課題として取り上げています。
こうした考え方は、全教の活動を理解するうえで要点です。
【歴史と組織】全教の結成経緯と1991年から続く組織の仕組み
1989年の日教組分裂が結成の出発点全教の成立を理解するには、1980年代末の日本の労働運動を振り返る必要があります。
当時、日本の労働界では、複数の労働組合を統合する労働戦線の再編が進んでいました。1989年には日本労働組合総連合会(連合)が発足するなど、労働運動の全国的な枠組みが大きく変わろうとしていました。
日本教職員組合(日教組)の内部でも、連合への参加をめぐって意見が対立します。連合加盟方針に反対する反主流派は、1989年11月17日、全日本教職員組合協議会(全教)を結成しました。
法政大学大原社会問題研究所の労働運動史資料によると、この結成大会には27県の教職員組合・高等学校教職員組合などが参加し、全国私立学校教職員組合連合や東京都障害教組なども加わりました。
この時点の全教は、現在の全日本教職員組合と同じ名称を持つ組織ではありません。正式には全日本教職員組合協議会という前身組織でした。
1991年3月6日に現在の全教が誕生その後、全日本教職員組合協議会は、日本高等学校教職員組合(日高教)の左派組織などとの統一協議を進めました。
そして1991年3月6日、統一大会を開催し、新しい全国組織として全日本教職員組合を結成します。同年4月1日に新組織として発足しました。
この経緯から、1989年は前身組織の結成、1991年は現在の全教の結成・発足という位置付けになります。両方の年が紹介されるのは、この違いによるものです。
2014年には日高教と組織統一全教の歴史におけるもう一つの節目が2014年です。
日本高等学校教職員組合(日高教)は、2014年2月の定期大会で全教との一体化を決定しました。その後、同年3月31日をもって従来の日高教を解散し、4月1日から全教との組織統一を実施しました。
これにより、高校教育や高校生の修学保障に関する運動、教育政策の研究など、日高教が長年取り組んできた活動が全教の組織に引き継がれました。
全教の組織構成と意思決定の仕組み全教は、個人が直接参加するだけの単一組織ではなく、各地の教職員組合などを構成組織とする全国的な連合体です。
公式の構成組織一覧には、全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)をはじめ、都道府県の教職員組合、高等学校教職員組合、障害児学校関係の組織などが掲載されています。
地域での活動を調整するため、次の5つの地方ブロック協議会が設けられています。
- 北海道・東北
- 関東・甲越
- 北陸・中部・東海
- 近畿
- 中国・四国・九州
また、学校種別や職種別の課題を扱う専門部・課題別対策部を設置できる仕組みになっています。教員だけでなく、学校事務職員や実習教員などの課題を取り上げる活動も行われています。
組織運営の中心となる機関は次の3つです。
- 大会:全教の最高決議機関。活動方針、予算、役員選出などを決定する。
- 中央委員会:大会に次ぐ決議機関。当面の運動方針や組織運営に関する事項を決定する。
- 中央執行委員会:大会や中央委員会の決定に基づき、日常的な組織運営と活動を進める。
このように、地方組織の自主性を尊重しながら、全国的な要求や運動をまとめる構造になっています。
【徹底比較】全教と日教組・全日教連・全労連は何が違う?
全教を調べる際に混同されやすいのが、日教組、全日教連、全労連との関係です。いずれも教職員や労働運動に関係しますが、組織の成立経緯や全国的な位置付けは異なります。
全教と日教組の違い日教組の正式名称は日本教職員組合です。1947年6月8日に結成された全国的な教職員組合で、教職員の待遇改善、教育条件の整備、教育政策への提言などを行っています。
最大の違いは、1989年の労働戦線再編をめぐる歴史的な分裂と、その後の加盟先です。
日教組は日本労働組合総連合会(連合)に加盟しています。一方、全教は全国労働組合総連合(全労連)に加盟しています。
両者は教職員の労働条件改善という共通課題を持ちながら、組織の歴史や教育政策に対する立場、運動の進め方に違いがあります。
全教と全日教連の違い全日教連は、全日本教職員連盟の略称です。1984年に日本教職員連盟と日本新教職員組合連合が統合して発足した全国組織です。
全教が労働組合としての団結や教育の自主性、憲法・子どもの権利を重視するのに対し、全日教連は教育の正常な発展や教師の専門性、教育実践の充実などを掲げて活動してきました。
全日教連の加盟団体が公表している説明では、日本の歴史・伝統・文化を尊重する教育や、教職員の専門職としての資質向上も重視されています。
全労連は全教と同じ組織なのか全労連は全国労働組合総連合の略称で、さまざまな業種の労働組合が加盟する全国的な労働組合の中央組織です。
全教は全労連に加盟する教職員関係の組織であり、両者は同一団体ではありません。
全労連には建設、金属、医療、福祉、公務員など多様な産業別労働組合が参加しています。全教はその中で教育分野を担う加盟組織として活動しています。
4団体の比較表| 比較項目 | 全教 | 日教組 | 全日教連 | 全労連 |
|---|---|---|---|---|
| 正式名称 | 全日本教職員組合 | 日本教職員組合 | 全日本教職員連盟 | 全国労働組合総連合 |
| 結成・発足 | 1991年3月6日 | 1947年6月8日 | 1984年 | 1989年 |
| 主な役割 | 教職員の労働条件改善と教育政策への提言 | 教職員の待遇改善と教育政策への提言 | 教育の正常化、教職員の専門性向上 | 全国の労働組合の連帯・支援 |
| 全国的な加盟関係 | 全労連 | 連合 | 独自の全国組織 | 労働組合の中央組織 |
| 文科省調査の加入者数 | 24,445人 | 190,868人 | 15,673人 | 対象外 |
| 加入率 | 2.4% | 18.8% | 1.5% | 対象外 |
加入者数・加入率は2024年10月1日時点の文部科学省調査。対象は大学・高等専門学校を除く公立学校の常勤教職員であり、各団体の全組合員数を示すものではありません。私立学校の組合員などは、この調査の対象外です。
この数字から分かるのは、対象となる公立学校の教職員の中では日教組が最も大きく、全教と全日教連がそれぞれ異なる規模で活動しているということです。
なお、全労連は全教と同じような教職員団体ではありません。複数の産業別労働組合をまとめる中央組織という違いがあります。
【政治的立場と評判】全教の教育方針は左派なのか、活動の実態を検証
全教が掲げる政治的な基本方針全教の政治的立場を理解するには、公式綱領に示された基本理念を確認する必要があります。
全教は、政党からの独立を掲げながら、日本国憲法と教育基本法の理念に基づく民主教育、教育の自主性、学問・研究の自由、平和と民主主義、人権擁護などを重視しています。
特に、戦争に子どもたちを送り出さないという戦後教育運動の理念を大切にしている点が特徴です。
教育政策については、次のような問題を取り上げています。
- 教育行政による教育内容への過度な介入
- 教科書や学習指導要領をめぐる教育の自主性
- 憲法や教育基本法に基づく教育のあり方
- 子どもの権利と意見表明の保障
- 教育格差と経済的な事情による学習機会の制限
- 教職員の労働基本権と職場での民主的な意思決定
こうした主張から、全教は一般に労働運動や教育政策の分野で左派的な立場と関連付けられることがあります。
ただし、組織の公式綱領は政党からの独立を明記しています。特定政党への所属や支持と、教育政策について政府に批判的な意見を示すことは区別して考える必要があります。
全教の評判はどう判断すればよいのか全教に対する評価は、何を重視するかによって異なります。
教職員の立場から見れば、長時間労働の是正、教職員の増員、給与改善、教育条件の整備などを全国規模で要求できることが組合活動の利点です。
一方、教育政策に関する声明や政府への批判的な姿勢については、主張の内容や運動の進め方をめぐって意見が分かれる可能性があります。
特に、教育の自主性を重視することと、国や教育委員会が定める教育制度との関係は、継続的な政策論争の対象です。
評判を判断する際には、単に政治的なイメージだけで評価するのではなく、次の点を確認すると実態を把握しやすくなります。
- 実際にどのような労働条件改善を要求しているか
- 調査結果や活動実績を公開しているか
- 政府や教育委員会との交渉内容が具体的か
- 教育政策の主張に客観的な根拠があるか
- 組合員や地域の教職員の声を活動に反映しているか
全教を評価するうえで見逃せないのが、教職員団体全体の加入率の低下です。
文部科学省の2024年度調査では、公立学校の教職員団体全体の加入率は26.8%でした。1976年以降、49年連続で低下しています。
全教の加入者数も、2023年10月1日の25,959人から、2024年10月1日には24,445人へと減少しました。
この数字は全教だけの問題ではなく、教職員組合全体が直面している組織率低下の一部です。
組合員数が減ることは、職場での意見集約や全国的な交渉力、次世代の組合活動を担う人材の確保にも影響します。全教にとって、政策提言だけでなく、若い教職員に組合活動の意義を伝えることも重要な課題になっています。
【給特法と長時間労働】全教が教職員の勤務実態改善を求める理由
給特法とは何か給特法とは、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」の略称です。1971年に制定された、公立学校の教育職員の給与や勤務条件に関する特別な法律です。
一般の労働者とは異なり、公立学校教員には時間外勤務手当を原則として個別に支給しない仕組みが設けられています。その代わりとして、給料月額の4%を基準とする教職調整額が支給されてきました。
この制度は、教員の職務の特殊性を理由に設けられたものですが、実際の時間外勤務が長時間化していることから、現場の労働実態と制度の整合性が長く議論されてきました。
2025年の改正給特法と2026年の変更点2025年6月11日、給特法等の改正法が参議院本会議で可決・成立しました。約50年ぶりの大きな処遇改善策として位置付けられています。
改正の主な内容は次のとおりです。
- 教職調整額を給料月額の4%から10%へ段階的に引き上げる。
- 教育委員会に業務量管理や健康確保に関する計画の策定・公表などを求める。
- 主務教諭という新たな職を設ける。
- 学級担任などの職務や負担に応じた処遇改善を進める。
- 学校における働き方改革と組織的な学校運営を推進する。
2026年からは教職調整額の段階的な引き上げが始まっています。文部科学省は、2030年度までに10%とする方針を示しています。
政府は、給与面の改善と業務量管理の徹底を組み合わせることで、教職の魅力向上と人材確保を目指しています。
全教が改正給特法に対して示している問題意識全教は、改正給特法について、給与改善が盛り込まれたことだけでは長時間労働の根本的な解決にはならないという立場を示しています。
全教が特に問題視しているのは、膨大な時間外勤務が労働時間として適切に扱われず、実際の残業時間に応じた時間外勤務手当が支給されない制度の構造です。
2025年12月に公表した請願署名の説明でも、時間外勤務を労働時間として認め、残業代を支給する制度の必要性を主張しています。
全教の主張を整理すると、次のようになります。
- 実際の勤務時間に応じた適切な賃金支払い
- 業務そのものの削減
- 教職員の正規採用と配置の拡充
- 休憩時間や休日を確実に確保できる勤務体制
- 持ち帰り仕事を減らすための業務環境整備
政府の制度改正と全教の要求の違いは、処遇改善をどのような方法で実現するかという点にあります。教職調整額の引き上げを中心に進める政府に対し、全教は実際の時間外勤務に対する対価と、業務量そのものの削減を重視しています。
文科省の勤務実態調査から見える長時間労働教員の勤務実態については、文部科学省が2022年度に実施した教員勤務実態調査が重要な基礎資料になります。
同調査の10~11月の集計では、教諭の平日の在校等時間と持ち帰り時間の合計は、小学校で平均11時間23分、中学校で平均11時間33分でした。
在校等時間だけでなく、退勤後や出勤前に自宅などで行う業務も含まれている点が重要です。
また、週の正規勤務時間は38時間45分とされており、学校内の勤務だけを短縮しても、持ち帰り仕事が増えれば実質的な負担は改善しません。
この調査は2022年度のものであり、2026年現在の最新の勤務時間を直接示す数字ではありません。しかし、教職員の働き方改革が必要とされる背景を理解するための重要な公的データです。
2026年全教勤務実態アンケートの内容全教は2026年9月28日、「2026全教勤務実態アンケート」への協力を呼びかけました。
今回の調査では、改正給特法の下で教職員の勤務状況がどのようになっているかを把握することを目的としています。
主な調査項目は次のとおりです。
- 平日の正確な勤務時間
- 勤務中の休憩時間の実態
- 土曜日・日曜日の勤務状況
- 自宅に持ち帰って行う仕事の時間
- 改正給特法の施行後における勤務環境の変化
全教の案内では、平日の調査日は2026年9月28日から10月2日までのうち1日、休日については9月26・27日または10月3・4日を対象としています。入力期間は10月30日までとされていました。
全教は、この調査結果を教育委員会や校長との交渉、人事委員会への措置要求などに活用し、教職員増員の必要性を社会に訴える考えを示しています。
注意したいのは、2026年11月5日時点で、全教の公式新着情報には調査結果の集計公表ではなく、9月28日付の協力依頼が掲載されていることです。そのため、2026年アンケートの回答者数や平均残業時間などを、確定した調査結果として扱うことはできません。
【2026年最新動向】全教の現在の活動と全教共済制度の仕組み
2026年の主な活動と発表2026年の全教は、勤務環境の改善だけでなく、教職員不足、教育予算、学校教育の内容など幅広い課題に取り組んでいます。
主な動きを時系列で整理すると、次のようになります。
- 2026年6月21日:第73回中央委員会を開催し、教育政策や教育の中立性をめぐる問題などを議論。
- 2026年7月24日:全教・教組共闘連絡会が教育予算増を求める「えがお署名」106,213筆を文部科学省に提出。
- 2026年8月3日:教職員未配置に関する実態調査結果を発表。
- 2026年8月4日:文部科学省と概算要求に関する交渉を実施。
- 2026年8月7日:2026年人事院勧告に関する中央執行委員会声明を発表。
- 2026年9月25日:防衛省の2026年版「わかりやすく整理!日本の防衛」を学校に送付しないよう求める談話を発表。
- 2026年9月28日:2026全教勤務実態アンケートへの協力を呼びかけ。
- 2026年10月16日:実習教員部の全国代表者会議に関するニュースを発行。
- 2026年10月23日:実習教員向けに全教共済の総合共済・傷害共済を紹介する広報活動を実施。
これらの活動からは、全教が労働条件の改善だけでなく、教育予算や学校における教育内容についても政策提言を行っていることが分かります。
2026年5月時点で教職員3,380人が未配置2026年の活動の中でも、特に注目されるのが教職員未配置に関する実態調査です。
全教は2026年5月1日時点の調査結果を、同年8月3日に発表しました。
その結果、回答のあった36都道府県と12政令市で、合計3,380人の教職員未配置が確認されました。
加えて、前年5月にも回答した32都道府県と10政令市に対象をそろえて比較すると、未配置の総数はほぼ横ばいだった一方、高校では約1.1倍、特別支援学校では約1.26倍に増加していました。
この調査は全教が各地の組織を通じて集めた回答であり、全国すべての自治体を網羅した行政統計ではありません。ただし、学校現場で教職員が不足している状況を把握するための具体的な資料となっています。
教職員が不足すれば、残された教員が授業や校務を追加で担当することになり、長時間労働の改善を難しくする可能性があります。
教員不足と長時間労働は別々の問題ではなく、学校の人員配置と業務量を一体で考える必要があります。
全教共済とは?制度の種類と仕組み全教の活動には、教職員の福利厚生を支える全教共済もあります。
全教共済の正式名称は「全日本教職員組合共済会」です。全教が運営する自主共済制度で、全国の教職員による相互扶助を目的としています。
単なる組合活動とは異なり、病気やけが、災害、慶事など、生活上のさまざまな出来事に備える福利厚生の仕組みです。
主な取り扱い制度は次のとおりです。
- 総合共済:結婚、出産、結婚記念日、療養、火災などに関する給付。
- 火災・自然災害共済:住宅の火災や自然災害に備える制度。
- 生命共済:死亡や障害などに備える制度。
- 医療共済・終身医療共済:病気や入院などに備える制度。
- 傷害共済:国内外でのけがに対する補償。
- 教職員賠償責任共済:教職員の職務に関連する賠償リスクに備える制度。
- 年金共済:将来の生活資金に備える制度。
- 全教自動車保険:自動車に関する補償制度。
全教共済の基幹的な制度である総合共済は、公式案内で月額600円の掛金とされています。
給付対象には、結婚祝金、出産祝金、結婚記念日祝金、療養見舞金、火災見舞金、死亡見舞金などがあります。また、退職時には加入期間に応じた退職・退会給付があります。
公式案内によれば、総合共済には約9万人が加入しています。
なお、総合共済の給付内容は制度改定の対象になっており、結婚記念日祝金など一部の給付条件も変更されています。掛金だけで判断せず、現在の給付額、加入資格、申請期限、対象となる共済の種類を確認する必要があります。
また、共済会によって取り扱っていない制度があるため、実際の加入や給付申請については所属する地域の共済会で確認する仕組みです。
全教が今後直面する課題2026年の活動から見える全教の課題は、大きく4つあります。
第一に、教職員不足への対応です。未配置問題は授業や学校運営に影響するだけでなく、残された教職員の負担増にもつながります。正規教職員の確保や配置の改善が大切です。
第二に、改正給特法の実効性です。教職調整額の引き上げが実施されても、実際の勤務時間が減らなければ、働き方改革の目的は十分に達成されません。勤務時間の可視化と業務削減が欠かせません。
第三に、組織の世代交代と組織率の低下です。教職員団体全体で加入率が低下する中、若い教職員に組合の役割を伝え、現場の要求を組織活動に反映させることが課題です。
第四に、社会的な理解と説明責任です。教育政策について明確な主張を持つ団体だからこそ、調査の方法、政策提言の根拠、交渉の成果を具体的に示し、幅広い立場の人々と議論を重ねる必要があります。
【全日本教職員組合の活動】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:全日本教職員組合(全教)は何をする団体ですか?
A1:公立・私立学校などで働く教職員の組合です。賃金や労働条件の改善、教職員不足の解消、教育の自主性、子どもの権利、教育政策への提言などに取り組んでいます。
Q2:全教と日教組は同じ組織ですか?
A2:別の組織です。日教組は1947年に結成され、連合に加盟しています。全教は1989年の前身組織結成を経て1991年に発足し、全労連に加盟しています。
Q3:全教は特定の政党を支持していますか?
A3:全教の公式綱領は政党からの独立を掲げています。ただし、教育政策や平和、人権、労働問題などについて政治的な意見表明や政策提言を行っています。
Q4:全教と全日教連の違いは何ですか?
A4:全教は教職員の労働条件改善と民主教育、教育の自主性などを重視する組合です。全日教連は1984年に発足した別の全国組織で、教育の正常化や教師の専門性向上などを掲げています。
Q5:2026年全教勤務実態アンケートの結果は公表されていますか?
A5:2026年11月5日時点で、全教公式サイトの新着情報では協力依頼が確認できるものの、調査結果の集計公表は確認できません。回答者数や平均勤務時間などの確定値は、結果の正式発表を待つ必要があります。
Q6:全教共済は誰でも加入できますか?
A6:全教共済には制度ごとの加入資格や条件があります。総合共済をはじめ、医療・生命・傷害など複数の制度がありますが、加入条件や地域の共済会による取り扱いの違いを確認する必要があります。
全日本教職員組合(全教)は、1989年の日教組分裂を背景とする前身組織を経て、1991年3月6日に結成された全国的な教職員組合です。2014年には日高教との組織統一を実現し、現在は都道府県の教職員組合や私立学校関係の組織などを基盤に活動しています。
日教組とは歴史的な成立経緯や加盟する労働組合の中央組織が異なり、全日教連とも教育方針や組織の位置付けが異なります。また、全労連は全教そのものではなく、全教が加盟する全国的な労働組合の中央組織です。
2026年の全教を理解するうえで重要なのは、改正給特法、教職員未配置、長時間労働、教育予算の拡充という4つの問題です。特に、3,380人の未配置が確認された調査や、改正給特法の下での勤務実態を把握するアンケートは、今後の教育現場を考えるうえで注目すべき動きです。
全教を評価する際には、政治的なイメージだけで判断せず、公式綱領、組織の歴史、文部科学省の統計、実際の政策提言、行政交渉の成果を分けて確認することが大切です。
教職員の労働環境を改善することと、子どもたちにより良い教育を保障すること。この2つをどのように両立させるのかが、全教の今後の活動を評価する大きな基準になります。
主な根拠資料・照合先
- 全教公式プロフィール・綱領・規約・構成組織
- 法政大学大原社会問題研究所の労働運動史、文部科学省の教職員団体の歴史資料
- 文部科学省「令和6年度 教職員団体への加入状況に関する調査」
- 文部科学省「教員勤務実態調査(令和4年度)」、給特法改正・処遇改善資料
- 全教の2026年活動報告・勤務実態アンケート・未配置調査
- 全教共済の制度案内