アップトゥデイトの現在の所在を考えるうえで、最も重要なのが2019年7月26日に発表された引退情報です。
JRAの発表を伝えたラジオNIKKEIの2019年7月26日付記事には、競走馬登録の抹消と、引退後は馬事公苑で乗馬となる予定であることが記されています。
今後は馬事公苑で乗馬となる予定。
つまり、馬事公苑で乗馬として第二の馬生を送る計画が公表されたことは事実です。ただし、この発表はあくまで将来の予定であり、その後に実際に入厩したことや、2026年現在も同施設に在籍していることを裏付ける情報とは異なります。
2026年に確認できる情報は何かJRAの競走馬情報では、アップトゥデイトの抹消年月日は2019年7月26日と記録されています。また、JBISサーチの2026年9月時点のデータでも、登録状況は中央抹消となっています。
これらのデータから確認できるのは、競走馬としての登録が終了していることです。引退後の飼養施設や現在の健康状態、日常生活までは記載されていません。
アップトゥデイトの現在に関する情報整理
競走馬登録
2019年7月26日抹消
引退後の予定
馬事公苑で乗馬
2026年の在籍施設
公表情報では確認できず
現在の健康状態
公表情報では確認できず
したがって、「アップトゥデイトは現在も馬事公苑にいる」と断定することはできません。一方で、馬事公苑で乗馬になる予定だったという引退時の発表まで否定する理由もありません。
競馬ファンが現在の姿を知りたいと思うのは自然なことですが、引退馬の所在は競走成績のように継続的に公開される情報ではありません。2026年時点では、馬事公苑での乗馬予定が最後に確認できる具体的な引退後情報として位置づけられます。
【引退理由】2018年の中山大障害で負った左後肢の重傷とは

アップトゥデイトの引退理由を理解するには、現役最後のレースとなった2018年12月22日の中山大障害を振り返る必要があります。
当時8歳だったアップトゥデイトは、単勝1.4倍の圧倒的な1番人気に支持されていました。過去に中山の障害GⅠを制していた実績があり、再び大舞台での活躍を期待されていたのです。
最終障害での転倒と重度の裂傷レースでは3周目の5号障害、最後の障害を越えた際に転倒。騎乗していた白浜雄造騎手も落馬し、アップトゥデイトは競走中止となりました。
当初のJRA発表では人馬ともに異常なしとされましたが、その後、治療の必要な重度の裂傷が判明。サンケイスポーツの2019年7月の引退報道では、左後肢に症状の重い外傷を負い、回復を図っていたものの復帰を断念したと伝えられています。
この負傷は単なる一時的な打撲ではありませんでした。障害競走では、馬は高速で走りながら複数の障害を飛越し、着地時には大きな負荷を受けます。後肢は推進力を生み出す重要な部位であり、重度の外傷から競走レベルまで回復するには慎重な判断が必要になります。
復帰ではなく引退を選んだ背景2019年の引退までには療養期間がありました。アップトゥデイトは当初、現役復帰の可能性も残されていましたが、最終的には競走への復帰を断念することになりました。
2019年7月26日、9歳でJRAの競走馬登録を抹消。競走成績は37戦10勝で、障害競走では22戦8勝を記録しました。
ここで押さえておきたいのは、アップトゥデイトが競走成績の低迷によって引退したわけではないという点です。最後のレースまで重賞戦線で活躍しており、引退の大きな要因となったのは中山大障害での負傷でした。
2015年に春秋の障害GⅠを制した名馬が、最後は負傷によって競走生活を終えることになった。この経緯こそ、引退理由を理解するうえで欠かせない事実です。
【競走成績】アップトゥデイトの37戦10勝を年表で振り返る
アップトゥデイトは2010年2月18日生まれの芦毛の牡馬です。北海道新冠町のノースヒルズで生産され、栗東の佐々木晶三厩舎に所属しました。
JRAの競走馬情報とJBISサーチによると、国内通算成績は37戦10勝。内訳は中央平地13戦2勝、障害22戦8勝、地方2戦0勝です。障害競走に転向してから大きく才能を開花させた馬でした。
デビューから障害競走への転向デビューは2012年7月7日の中京競馬場。ダート1400メートルの新馬戦を勝利し、将来を期待されるスタートを切りました。
2歳時には兵庫ジュニアグランプリで2着、全日本2歳優駿で3着と、地方交流重賞でも好走しています。しかし、その後は平地競走で思うような結果を残せず、2014年秋に障害競走へ転向しました。
この路線変更が、アップトゥデイトの競走生活を大きく変えることになります。障害未勝利戦を経て勝ち上がると、持ち前のスピードと飛越能力を武器に重賞戦線へ進出しました。
主な競走成績と転換点出典:JRA競走成績、JRA賞、JRA発表を伝えた競馬実況webなどをもとに整理。
重賞6勝という実績アップトゥデイトのJRA重賞勝利は通算6勝です。
特に注目すべきなのは、2015年に中山グランドジャンプ、小倉サマージャンプ、中山大障害を制したことです。その後も2017年に阪神ジャンプステークス、2018年には阪神スプリングジャンプと阪神ジャンプステークスを勝利しています。
2015年の2つのJ・GⅠ制覇は、障害競馬における年間最高の実績の一つです。通算37戦という数字だけでは伝わらない、トップレベルで長く活躍した競走馬としての価値があります。
【2015年の栄光】中山グランドジャンプと中山大障害を制した名馬
アップトゥデイトを語るうえで欠かせないのが、2015年の障害GⅠでの活躍です。
2015年4月18日・中山グランドジャンプ春の大一番となった中山グランドジャンプでは、林満明騎手とのコンビで優勝。芝4250メートルという長距離の障害GⅠを制し、障害馬としての実力を全国に示しました。
この勝利はアップトゥデイトにとってJ・GⅠ初制覇であり、林騎手と佐々木晶三調教師にとっても大きな節目となる勝利でした。JRAの公式競走成績にも、2015年4月18日の優勝馬として記録されています。
2015年12月26日・中山大障害さらに年末の中山大障害でも勝利。春の中山グランドジャンプに続き、同じ年に春秋の障害J・GⅠを制する快挙を成し遂げました。
このレースでは1番人気のサナシオンを競り落とし、追い込んできた2着馬を半馬身差で退けています。ジャンプグレード制導入後、同一年に春秋のJ・GⅠを制した初めての馬として、障害競馬史に名前を残しました。
この年の活躍が評価され、2015年度JRA賞の最優秀障害馬に選出されました。単に2つのGⅠを勝っただけではなく、年間を通じて障害競馬の頂点に立つ存在だったことを示す受賞です。
オジュウチョウサンとの名勝負アップトゥデイトの競走人生を語るとき、必ず名前が挙がるのがオジュウチョウサンです。
2015年の中山大障害ではアップトゥデイトが優勝し、オジュウチョウサンは6着。その後、オジュウチョウサンが急成長し、2016年と2017年の中山大障害を制しました。
2017年の中山大障害は、両馬の競争関係を象徴するレースの一つです。オジュウチョウサンが勝利し、アップトゥデイトが2着。さらに2017年の阪神スプリングジャンプでも両馬が対戦し、オジュウチョウサンが勝利しています。
JRAのオジュウチョウサンの競馬の殿堂ページには、2016年、2017年の中山大障害や2017年の阪神スプリングジャンプなど、両馬が競い合ったレースが記録されています。
オジュウチョウサンが障害界の絶対王者として君臨する過程で、アップトゥデイトはその強さを際立たせる重要なライバルでした。アップトゥデイトがいたからこそ、当時の障害競馬には王者の座を争う緊張感が生まれていたのです。
【血統を分析】クロフネとリニアミューズから受け継いだもの
アップトゥデイトの血統は、父クロフネ、母リニアミューズ、母の父トニービンという構成です。
JRAの競走馬プロフィールとJBISサーチでは、次の血統情報が確認できます。
父クロフネ父のクロフネは1998年生まれの芦毛馬です。父系にはフレンチデピュティ、母系にはブルーアヴェニューがいます。
現役時代にはダートの大舞台でも活躍した名馬で、アップトゥデイトも父と同じ芦毛の馬体を受け継ぎました。
アップトゥデイトの走りを印象づけたのは、障害競走でも先手を取れるスピードと持続力でした。父の競走実績だけで子の適性を説明することはできませんが、血統的な背景を知ることで、競走馬としての個性をより立体的に理解できます。
母リニアミューズと母父トニービン母は1998年生まれのリニアミューズ。母父は欧州で活躍したトニービンで、母の母にあたる馬はスリリングディです。
血統を整理すると次のようになります。
アップトゥデイトの血統構成
父:クロフネ
父父:フレンチデピュティ
父母:ブルーアヴェニュー
母:リニアミューズ
母父:トニービン
母母:スリリングディ
競走馬:アップトゥデイト
2010年2月18日生・牡・芦毛
アップトゥデイトの血統で特筆すべきなのは、クロフネとトニービンという異なる背景を持つ血統を組み合わせている点です。
ただし、障害適性は血統だけで決まるものではありません。実際にアップトゥデイトは、障害への転向後に結果を残し、飛越技術やレース運びによってトップクラスの競走馬へ成長しました。
【プロの結論】アップトゥデイトが今も記憶される理由とは
アップトゥデイトの競走生活を振り返ると、単なる重賞勝ち馬ではなく、障害競馬の一時代を代表する存在だったことが分かります。
その評価には、次の3つのポイントがあります。
1.平地から障害への転向で才能を開花させた2012年のデビュー時は平地のダート競走に出走し、地方交流重賞でも結果を残しました。しかし、平地での活躍が続かなかった後、2014年に障害路線へ転向。そこから2015年のGⅠ2勝につながりました。
競走馬の評価は、最初に与えられた適性だけで決まるわけではありません。路線変更によって本来の能力が引き出されることもあるという、競馬の興味深い事例です。
2.オジュウチョウサンとの対戦が競馬史に残った2015年にアップトゥデイトが頂点に立ち、その後はオジュウチョウサンが障害界を席巻しました。両馬が競い合ったことで、障害競馬への関心を高める名勝負が生まれました。
競走馬の評価は勝利数だけでは測れません。強敵の存在によって、その馬が持っていた能力や時代における立ち位置が、より鮮明になることもあります。
3.引退後の情報と競走時代の実績は分けて考える現在のアップトゥデイトについては、2019年の馬事公苑での乗馬予定が確認できる一方、2026年の在籍施設や近況は公表資料から特定できません。
これは競走馬の引退後情報に特有の事情でもあります。競走中はレース結果や調教情報が継続的に公開されますが、引退後は個々の馬の生活や飼養先について情報発信が続くとは限りません。
そのため、現在の姿を知りたい読者が情報を判断する際には、JRAの登録抹消記録、引退時の発表、引退後の施設情報を区別することが大切です。
アップトゥデイトの場合、競走生活の終わりは重傷による復帰断念でしたが、その実績は2015年度最優秀障害馬という公式な評価に残っています。引退後の所在が分からないことと、競走馬としての価値はまったく別の問題です。
アップトゥデイトに関するよくある質問(FAQ)
Q1:アップトゥデイトは2026年現在どこにいますか?
A1:2019年の引退時には馬事公苑で乗馬となる予定が発表されました。ただし、2026年現在の在籍施設や所在を確認できる公表情報は見当たらず、馬事公苑にいると断定することはできません。
Q2:アップトゥデイトの引退理由は何ですか?
A2:2018年12月22日の中山大障害で転倒し、左後肢に重度の外傷を負ったことが大きな理由です。長期療養を続けたものの競走復帰を断念し、2019年7月26日付で競走馬登録を抹消されました。
Q3:アップトゥデイトはオジュウチョウサンに勝ったことがありますか?
A3:あります。2015年12月26日の中山大障害ではアップトゥデイトが優勝し、オジュウチョウサンは6着でした。その後はオジュウチョウサンが2016年、2017年の中山大障害を制し、両馬は障害競馬を代表するライバルとして知られるようになりました。
Q4:アップトゥデイトの通算成績は何戦何勝ですか?
A4:国内通算37戦10勝です。内訳は平地13戦2勝、障害22戦8勝、地方2戦0勝。JRA重賞は通算6勝を記録しています。
Q5:アップトゥデイトの父と母は誰ですか?
A5:父はクロフネ、母はリニアミューズです。母父はトニービンで、2010年2月18日に誕生した芦毛の牡馬です。
Q6:アップトゥデイトは2015年にどんな賞を受賞しましたか?
A6:2015年度JRA賞の最優秀障害馬に選ばれました。同年の中山グランドジャンプと中山大障害を制した実績が高く評価されています。
アップトゥデイトは、2015年の中山グランドジャンプと中山大障害を制し、JRA最優秀障害馬にも選ばれた名障害馬です。通算37戦10勝、JRA重賞6勝という実績は、障害競馬の歴史に残るものです。
2018年の中山大障害で左後肢に重度の外傷を負い、長期療養の末に復帰を断念。2019年7月26日に競走馬登録を抹消され、引退後は馬事公苑で乗馬となる予定が発表されました。
2026年現在、馬事公苑での在籍を含めた具体的な所在や健康状態は確認できていません。したがって、現在も同施設にいるという情報と、引退時に乗馬になる予定だったという事実は区別する必要があります。
それでも、オジュウチョウサンと競い合った時代、林満明騎手とのコンビで勝ち取った2015年の春秋障害GⅠ制覇は色あせません。
平地から障害へ転向し、自らの適性を開花させ、障害競馬の頂点に立ったアップトゥデイト。その競走生活は、引退後の消息とは別に、これからも日本の競馬ファンに語り継がれていくはずです。