藤井聡太の叡王獲得回数は、第6期・第7期・第8期の合計3期だ。第6期に豊島将之からタイトルを奪取し、その後2度の防衛に成功して3連覇を達成した。
しかし、第9期で伊藤匠に敗れて失冠。第10期、第11期はタイトル挑戦まで届かなかった。
一方、2026年11月現在の叡王は伊藤匠だ。第9期に藤井から奪取した後、第10期、第11期も防衛し、叡王3連覇を達成している。
現在の状況を整理すると次のとおりだ。
- 藤井聡太:叡王獲得3期、現在は無冠(叡王について)
- 伊藤匠:第9期から第11期まで3連覇中
- 第11期:藤井は本戦準決勝で敗退
- 第12期:段位別予選が進行中
- 藤井の第12期:本戦シードとして待機
日本将棋連盟の棋戦情報と各期の対局記録からも、この流れを確認できる。
【歴代成績一覧】第3期から第11期までの藤井聡太の叡王戦記録

藤井の叡王戦を理解するには、タイトル戦の結果だけでなく、段位別予選や本戦トーナメントでの成績も見る必要がある。
藤井は初期の段階から叡王戦に参加しており、挑戦者としてタイトルを獲得するまでに複数の予選を経験している。
| 期 | 主な結果 | 対局相手・備考 |
|---|---|---|
| 第3期 | 本戦敗退 | 予選通過後、本戦で敗退 |
| 第4期 | 本戦敗退 | 予選通過後、本戦で敗退 |
| 第5期 | 予選敗退 | 七段戦で敗退 |
| 第6期 | 優勝・奪取 | 豊島将之に3勝2敗 |
| 第7期 | 優勝・防衛 | 出口若武に3勝0敗 |
| 第8期 | 優勝・防衛 | 菅井竜也に3勝1敗 |
| 第9期 | 準優勝・失冠 | 伊藤匠に2勝3敗 |
| 第10期 | 本戦準決勝敗退 | 糸谷哲郎に敗北 |
| 第11期 | 本戦準決勝敗退 | 永瀬拓矢に敗北 |
| 第12期 | 本戦待機 | 段位別予選進行中 |
藤井が初めて叡王を獲得したのは第6期だ。
2021年に行われた豊島将之との五番勝負は、最終第5局までもつれ込む接戦となった。
対戦成績は藤井の3勝2敗。最終局を制してタイトルを獲得した。
第7期:出口若武に3連勝して防衛第7期では挑戦者の出口若武を相手に、3勝0敗で防衛した。
五番勝負を3局で終える圧倒的な結果となり、藤井は叡王2連覇を達成した。
第8期:菅井竜也との激戦を制して3連覇第8期では菅井竜也が挑戦者となった。
藤井は第1局、第3局、第4局を制し、3勝1敗で防衛。叡王3連覇を達成した。
第4局は千日手による指し直しが2度発生した対局としても知られる。最終的には夜の再指し直し局で藤井が勝利した。
この第8期の防衛が、藤井にとって現時点で最後の叡王獲得となっている。
【第9期の失冠】藤井聡太はなぜ伊藤匠に敗れたのか?
藤井にとって大きな転換点となったのが、2024年の第9期叡王戦だ。
挑戦者となったのは、同世代の棋士である伊藤匠。両者はそれ以前から竜王戦や棋王戦などでもタイトルを争っており、将棋界を代表するライバル関係として注目されていた。
第9期の五番勝負は4月7日に始まり、6月20日の第5局で決着した。
五番勝負の結果| 対局 | 日付 | 藤井聡太 | 伊藤匠 |
|---|---|---|---|
| 第1局 | 4月7日 | 勝ち | 負け |
| 第2局 | 4月20日 | 負け | 勝ち |
| 第3局 | 5月2日 | 負け | 勝ち |
| 第4局 | 5月31日 | 勝ち | 負け |
| 第5局 | 6月20日 | 負け | 勝ち |
| 最終結果 | ― | 2勝 | 3勝 |
出典:日本将棋連盟「第9期叡王戦 五番勝負」
第1局は藤井が勝利したものの、第2局、第3局を伊藤が連取。藤井は第4局を取り返して2勝2敗に持ち込んだ。
しかし、最終第5局で伊藤が勝利。シリーズ通算3勝2敗で叡王を奪取した。
失冠の意味は単なるタイトル移動ではなかったこの結果は、藤井のタイトル獲得記録における大きな節目となった。
それまで第6期から3期連続で叡王を保持していた藤井が、初めて伊藤にタイトルを明け渡したからだ。
ただし、これを藤井の棋力低下だけで説明するのは適切ではない。
伊藤は藤井と同世代で、複数のタイトル戦で対戦経験を積んできた棋士だ。第9期の結果は、伊藤が五番勝負という長期的な勝負で藤井を上回ったことを示している。
また、伊藤は第9期以降も叡王を守り続けた。失冠は一度の番勝負における偶然の結果ではなく、伊藤が継続してタイトル保持者として実績を積む出発点にもなった。
【第10期・第11期】藤井聡太の本戦敗退と永瀬拓矢との対局
失冠後の藤井は、第10期、第11期ともに本戦トーナメントで敗退している。
ここで注意したいのは、本戦敗退と五番勝負での敗退は異なるという点だ。
第9期はタイトル保持者として五番勝負に出場して敗れた。一方、第10期と第11期は挑戦者になる前の段階で敗れている。
第10期:糸谷哲郎に準決勝で敗北第10期の藤井は本戦トーナメントに出場した。
- 2025年1月8日:増田康宏に勝利
- 2025年2月12日:戸辺誠に勝利
- 2025年2月25日:糸谷哲郎に敗北
2連勝で準決勝まで進んだものの、糸谷に敗れ、挑戦者決定戦への進出を逃した。
この結果により、第9期で失った叡王の奪還は実現しなかった。
第11期:2026年3月5日、永瀬拓矢に敗退第11期では、再び本戦準決勝まで進出した。
対戦相手は永瀬拓矢九段。対局は2026年3月5日、大阪府高槻市の関西将棋会館で行われた。
藤井は1回戦で山崎隆之、2回戦で千田翔太を破って準決勝に進出。しかし、永瀬との対局では敗れ、ここで第11期の挑戦権獲得の可能性がなくなった。
この敗戦によって、藤井の叡王戦は2期連続で本戦準決勝敗退となった。
日本将棋連盟の2026年3月の対局結果にも、永瀬が藤井に勝利した本戦準決勝として記録されている。
第11期のタイトルは伊藤匠が防衛藤井が敗退した後、挑戦者決定戦に進んだのは永瀬拓矢と斎藤慎太郎だった。
3月12日の挑戦者決定戦では斎藤が勝利し、伊藤匠への挑戦権を獲得した。
第11期の五番勝負は4月3日に開幕。伊藤と斎藤の対戦は最終第5局までもつれ込んだ。
結果は次のとおりだ。
| 対局 | 伊藤匠 | 斎藤慎太郎 |
|---|---|---|
| 第1局 | 勝ち | 負け |
| 第2局 | 勝ち | 負け |
| 第3局 | 負け | 勝ち |
| 第4局 | 負け | 勝ち |
| 第5局 | 勝ち | 負け |
| 最終結果 | 3勝 | 2勝 |
2026年5月31日の最終局で伊藤が117手で勝利し、3勝2敗で防衛した。
これにより伊藤は第9期から数えて叡王3連覇を達成。第11期終了時点でも叡王のタイトルを保持している。
【第12期叡王戦】2026年11月現在の進行状況と本戦トーナメントの仕組み
2026年11月6日時点で、第12期叡王戦は段位別予選が進行している。
日本将棋連盟の公式棋戦情報でも、第12期は段位別予選の段階として掲載されている。
ここで注目したいのが、藤井自身の立ち位置だ。
藤井は第11期の本戦準決勝まで進出していたため、第12期では本戦シードとして待機する扱いとなっている。つまり、現在進行している段位別予選を勝ち上がらなければならない立場ではなく、本戦からの登場が予定されている。
叡王戦の本戦トーナメントはどう進む?叡王戦は、段位別予選、本戦トーナメント、挑戦者決定戦、タイトル五番勝負という流れで進行する。
基本的な仕組みは次のとおりだ。
1. 段位別予選
九段、八段、七段、六段、五段、四段に分かれて予選を行う。
第12期の公式予選ページでは、2026年4月1日時点の段位を基準としている。
2. 本戦トーナメント
段位別予選を勝ち抜いた棋士とシード棋士が出場する。
基本構成は、予選通過者12名とシード棋士4名の計16名。勝ち残り式のトーナメントで挑戦者決定戦への進出者を絞り込む。
3. 挑戦者決定戦
本戦を勝ち上がった2名が対戦し、勝者が叡王への挑戦権を得る。
4. 五番勝負
前期叡王と挑戦者が対戦する。先に3勝した棋士が新たな叡王となる。
段階別の持ち時間| 対局段階 | 持ち時間 |
|---|---|
| 段位別予選 | 各1時間 |
| 本戦トーナメント | 各3時間 |
| タイトル五番勝負 | 各4時間 |
いずれもチェスクロック方式が採用されている。
予選では短時間での判断力、本戦ではより長い持ち時間を使った読みの深さ、タイトル戦ではシリーズを通じた対応力が求められる。
第12期で注目したい棋士- 藤井聡太:本戦シードからの挑戦者決定戦進出を目指す。
- 伊藤匠:第11期まで3連覇した現叡王。さらなる防衛が懸かる。
- 永瀬拓矢:第11期準決勝で藤井を破った実力者。
- 斎藤慎太郎:第10期、第11期と連続してタイトル五番勝負に進出した棋士。
第12期は藤井の叡王奪還だけでなく、伊藤の連覇継続、永瀬の再挑戦など、複数の見どころがある。
【プロの結論】藤井聡太の叡王戦は3連覇から奪還への新局面へ
藤井の叡王戦を評価する際には、タイトル獲得数だけでなく、どの段階で敗退したのかを区別する必要がある。
第6期から第8期までの3連覇は、藤井がタイトル保持者として安定した強さを発揮した期間だった。
一方、第9期では伊藤匠との五番勝負で敗れ、第10期、第11期は本戦準決勝で敗退した。
藤井の叡王戦における成績は、2026年3月5日時点で通算29勝11敗、勝率72.5%。内訳は五番勝負11勝6敗、本戦トーナメント8勝4敗、段位別予選10勝1敗とされている。
タイトルを失った後も高い勝率を維持しており、叡王戦での実績そのものが失われたわけではない。
注目すべきなのは、第12期で藤井が再びタイトル戦に戻れるかどうかだ。
ただし、予選を勝ち抜いた棋士や伊藤、永瀬ら強豪との対戦が待ち受けているため、挑戦権獲得は決して確実ではない。
藤井の叡王戦における次の評価基準は、過去の3連覇を再現することではなく、本戦シードから挑戦者決定戦を勝ち抜き、伊藤とのタイトル五番勝負に戻れるかどうかにある。
【よくある質問】叡王戦と藤井聡太に関するFAQ
Q1:藤井聡太は叡王戦で何期タイトルを獲得していますか?
A1:第6期、第7期、第8期の合計3期です。豊島将之、出口若武、菅井竜也を相手にタイトルを獲得・防衛し、3連覇を達成しました。
Q2:藤井聡太が叡王を失ったのはいつですか?
A2:2024年の第9期です。伊藤匠との五番勝負で2勝3敗となり、タイトルを失いました。
Q3:現在の叡王は誰ですか?
A3:2026年11月現在は伊藤匠です。第9期、第10期、第11期と3連覇しています。
Q4:第11期叡王戦で藤井聡太は誰に負けましたか?
A4:2026年3月5日の本戦準決勝で永瀬拓矢九段に敗れました。これにより第11期の敗退が決まりました。
Q5:第12期叡王戦で藤井聡太は現在どこまで進んでいますか?
A5:第11期の本戦準決勝進出によるシード枠で、第12期は本戦からの出場を待つ段階です。2026年11月6日現在、棋戦全体では段位別予選が進行中です。
Q6:叡王戦の五番勝負は何勝すればタイトルを獲得できますか?
A6:先に3勝した棋士が叡王になります。最大5局で決着するタイトル戦です。
藤井聡太は叡王戦で3期獲得し、第6期から第8期まで3連覇を達成した。
その後、第9期で伊藤匠に2勝3敗で敗れて失冠。第10期、第11期も本戦準決勝で敗れ、タイトル奪還には至っていない。
一方、伊藤匠は第11期まで3連覇を達成し、現在の叡王として第12期を迎えている。
2026年11月現在、第12期は段位別予選の段階だ。藤井は本戦シードからの再挑戦となる。
今後の注目要点は、次の3つに集約される。
- 藤井聡太が本戦でどこまで勝ち進むか
- 伊藤匠が4連覇を達成できるか
- 永瀬拓矢ら強豪が挑戦権争いにどう絡むか
過去の3連覇を知る読者にとって、第12期は藤井の叡王戦における新たな転換点となる可能性がある。伊藤との再戦が実現するかどうかも含め、今後の本戦トーナメントから目が離せない。