結婚式をしない相手に対して、お祝いを渡さないことが必ずしもマナー違反になるわけではありません。
むしろ、関係性や相手の希望によっては、無理に現金やプレゼントを贈らない方が自然な場合もあります。
ご祝儀を渡さなくても問題になりにくいケース次のような場合は、言葉で祝福を伝えるだけでも十分です。
- 年賀状やSNSで結婚を知った程度の知人
- 仕事上の付き合いだけで、個人的な交流がほとんどない相手
- 相手から「お祝いは気にしないで」と伝えられている場合
- 会社や部署で既にお祝いをまとめて贈っている場合
- 自分自身の経済的な事情から、無理をしてまで贈ることが難しい場合
結婚祝いは相手への祝福を形にするものです。金銭的な負担を感じながら無理に贈る必要はありません。
結婚報告だけを受けた場合はどうする?結婚報告を受けたからといって、すべての人にご祝儀を渡す必要はありません。
特に、相手が結婚式をしないことを単に報告してきただけなら、まずは素直に祝福の言葉を返しましょう。
例えば、次のようなメッセージが自然です。
- 「ご結婚おめでとう!末永くお幸せに」
- 「結婚の報告ありがとう。ふたりで素敵な家庭を築いてね」
- 「本当におめでとう。落ち着いたらぜひお祝いさせてね」
相手から贈り物を辞退されている場合は、その意思を尊重することも大切です。
自分の結婚式でご祝儀をもらっていた場合は?これは特に迷いやすいケースです。
以前、自分の結婚式に出席してもらい、3万円のご祝儀を受け取っていた友人が、今回は結婚式をしないとします。
この場合、同じ3万円を包まなければならないのでしょうか。
答えは、必ずしもそうではありません。
結婚式に出席する際のご祝儀には、料理や飲み物、引き出物に相当する費用も含まれています。披露宴を行わない相手に、同額を返すことが一律のマナーになっているわけではありません。
一方、過去に受け取ったお祝いを大切に考え、同額を贈る人もいます。
判断するときは、次の3つを考慮するとよいでしょう。
1. 自分の結婚式で相手がどの程度のお祝いをしてくれたか。
2. 今回の結婚報告を受けた相手との付き合いの深さ。
3. 同額を贈ることで相手に内祝いなどの負担をかけないか。
長い付き合いの親友なら、1万円の現金に少し上質なプレゼントを添える方法もあります。大切なのは、過去のお祝いへの感謝と今回の祝福を、無理のない形で伝えることです。
【ご祝儀の代わりのプレゼント】現金以外で喜ばれる結婚祝い

結婚式をしない相手へのお祝いは、現金だけに限定する必要はありません。
むしろ、友人や同僚の場合は、5,000円程度のプレゼントを贈ることで、相手に気を遣わせず祝福できる場合があります。
予算別のおすすめプレゼント5,000円前後
上質なお菓子・グルメギフト
ふたりで楽しめる焼き菓子や食品の詰め合わせ。消費できるため、収納場所に困らせにくい贈り物です。
ペアマグカップ
新生活で使える実用品。相手の好みや自宅の雰囲気を把握している場合に向いています。
1万円前後
カタログギフト
相手自身が好きな商品を選べるため、趣味や好みが分からない場合にも便利です。
上質なタオルセット
日常生活で使いやすく、好みが分かれにくい実用的な贈り物です。
グルメ・食材ギフト
ふたりで楽しめる食品や調味料のセット。食の好みやアレルギーには配慮しましょう。
三越伊勢丹や高島屋の結婚祝いに関する贈答案内でも、カタログギフト、グルメ、食器、家庭用品などが選択肢として紹介されています。
プレゼント選びで失敗しない3つのポイント1. 事前に欲しいものを確認する
食器や調理器具などは、既に持っている可能性があります。親しい友人なら「新生活で何か欲しいものある?」と聞いても失礼にはなりません。
2. 大きすぎるものや高額すぎるものを避ける
新居の広さや収納事情は人それぞれです。大型家電や家具などは、本人から希望がない限り避けた方が無難です。
3. 伝統的なタブーより相手の希望を優先する
刃物は「縁が切れる」、割れ物は「関係が壊れる」といった連想から、昔は結婚祝いに不向きとされてきました。しかし、現代では包丁や食器を希望するカップルもいます。
相手が希望しているなら、必ずしも避ける必要はありません。
【結婚祝いを渡すタイミング・渡し方】入籍報告から1か月以内が目安
結婚祝いは、金額や品物だけでなく、贈るタイミングにも気を配りたいところです。
結婚式をしない場合は、入籍の報告を受けてから1か月以内を一つの目安にするとよいでしょう。
結婚祝いを渡すタイミング状況ごとに適したタイミングを整理します。
- 入籍のみ:結婚報告を受けてから1か月以内。
- フォトウェディングのみ:入籍報告を受けた後、都合のよいタイミング。
- 家族だけの食事会:会食の予定があるなら、その前後で相手の都合に合わせる。
- 後日披露宴を予定:招待される場合は、ご祝儀との二重贈呈にならないよう確認する。
高島屋の贈答マナーでも、結婚式を挙げていない場合は、入籍から1か月以内を結婚内祝いの目安としています。お祝いを贈る側も、結婚報告からあまり時間を空けずに届けると丁寧です。
現金を渡す場合の基本マナー現金を贈る場合は、結婚祝いに適した祝儀袋を用意します。
基本的な要点は以下のとおりです。
- 水引:紅白または金銀の10本結び切り。
- 表書き:「寿」「御結婚御祝」など。
- 名前:贈り主のフルネームを記載。
- お札:できるだけ新札を用意する。
- 中袋:金額と住所・氏名を記入する。
結婚は一度きりのお祝いという意味を込め、何度も結び直せる蝶結びではなく、結び切りを選ぶのが基本です。三越伊勢丹の贈答マナーでも、紅白10本の結び切りが案内されています。
手渡しと郵送はどちらがよい?直接会えるなら、相手の都合を確認して手渡しする方法が自然です。
ただし、仕事中や人前で渡すと、相手がその場でお返しについて考えてしまうこともあります。落ち着いて話せる時間を選びましょう。
遠方に住んでいる場合は、プレゼントを配送しても問題ありません。現金を郵送する場合は、通常の郵便物ではなく現金書留を利用します。
品物を送るときは、メッセージカードを添えると、形式的な贈答にとどまらない温かいお祝いになります。
メッセージの例
「ご結婚おめでとうございます。ふたりの新しい生活が笑顔いっぱいの毎日になりますように。ささやかですが、お祝いの気持ちを贈ります。末永くお幸せに!」
【結婚祝いのお返し・内祝い】もらった側が知っておきたいマナー
結婚式をしない場合、結婚祝いを受け取った側にも知っておきたいマナーがあります。
特に注意したいのが、結婚内祝いです。
披露宴に出席するゲストには引き出物を渡すのが一般的ですが、披露宴に招待していない人から結婚祝いを受け取った場合は、別途お返しを用意するのが基本です。
内祝いの金額は半額~3分の1程度結婚内祝いの一般的な相場は、受け取ったお祝いの半額から3分の1程度です。
例えば、次のようになります。
| 受け取った金額 | お返しの目安 |
|---|---|
| 5,000円 | 1,500~2,500円 |
| 1万円 | 3,000~5,000円 |
| 2万円 | 7,000~1万円 |
| 3万円 | 1万~1万5,000円 |
| 5万円 | 1万5,000~2万5,000円 |
高額なお祝いをもらった場合は、必ずしも半額を返す必要はありません。特に親族や目上の人からの援助的な意味合いを持つお祝いは、3分の1程度を目安にする方法もあります。
内祝いを贈る時期はいつ?結婚式をしない場合は、入籍後1か月以内を目安に内祝いを贈ります。
結婚祝いを受け取ったら、まずは電話やメッセージなどで早めにお礼を伝えましょう。
その後、相手の住所や好みに合わせて品物を選びます。
おすすめは次のようなものです。
- カタログギフト
- 上質な焼き菓子や和菓子
- コーヒーや紅茶の詰め合わせ
- 高品質なタオル
- 日常的に使える食品や消耗品
のし紙の表書きは「内祝」とし、紅白の結び切りを使用するのが基本です。
高島屋の結婚内祝い案内でも、入籍後1か月以内、金額は3分の1から半額程度が目安として紹介されています。
「お返しはいらない」と言われたら?相手から「内祝いはいらないよ」と言われた場合、必ずしも形式的なお返しを用意する必要はありません。
ただし、相手との関係性や贈られた金額によっては、お礼の気持ちを何らかの形で伝えた方が丁寧です。
例えば、次のような方法があります。
- 電話や手紙で丁寧に感謝を伝える。
- 新婚旅行のお土産を渡す。
- ちょっとした菓子折りを贈る。
- 親しい相手なら食事に招待する。
職場一同など連名でお祝いを受け取った場合は、個別に返すか、人数に応じて配りやすい菓子折りなどを用意する方法があります。
【結婚式しない場合のご祝儀】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:結婚式をしない友人にご祝儀を渡さないと失礼ですか?
A1:必ずしも失礼ではありません。ご祝儀を渡す義務はなく、相手との親しさやこれまでのお付き合いによって判断できます。親しい友人なら、現金やプレゼントを贈ると祝福の気持ちが伝わります。
Q2:結婚式をしない友人へのご祝儀は1万円で十分ですか?
A2:一般的な目安として十分です。ゼクシィのマナー監修記事でも、友人・知人には5,000円~1万円程度が紹介されています。特に親しい相手なら、プレゼントを添える方法もあります。
Q3:親族が入籍のみの場合、ご祝儀はいくら必要ですか?
A3:兄弟姉妹やいとこ、叔父・叔母など、続柄によって異なります。5,000円~3万円程度を検討するケースがありますが、親族間の慣習を優先しましょう。両親に相談してから金額を決めると安心です。
Q4:職場の同僚が結婚式をしない場合、個人でもご祝儀を渡すべきですか?
A4:必須ではありません。部署で連名のお祝いを贈るなら、個人で重ねて渡さなくてもよいでしょう。個人的に親しい同僚なら、5,000円~1万円程度の現金やプレゼントを検討できます。
Q5:結婚式なしの場合、プレゼントだけでも問題ありませんか?
A5:問題ありません。カタログギフト、ペア食器、グルメ、タオルなど、相手が使いやすい品物がおすすめです。5,000円程度でも十分にお祝いの気持ちは伝えられます。
Q6:結婚祝いを渡すタイミングは入籍前と入籍後のどちらがよいですか?
A6:結婚報告を受けてから贈るのが自然です。入籍後1か月以内を目安にするとよいでしょう。後日披露宴を予定している場合は、二重にお祝いを贈らないよう先に確認してください。
Q7:結婚式をしない場合も内祝いは必要ですか?
A7:結婚祝いを受け取った場合は、基本的に内祝いを用意します。いただいた金額の3分の1~半額程度を目安にし、入籍後1か月以内に贈ると丁寧です。ただし、相手から明確にお返しを辞退された場合は、その意思も尊重しましょう。
結婚式をしない相手へのご祝儀は、必ず渡さなければならないものではありません。
2026年の結婚祝いのマナーを踏まえると、友人や同僚には5,000円~1万円程度、親族には1万円~3万円程度を一つの出発点として考え、実際の金額は付き合いの深さや家庭内の慣習に合わせて調整するのが現実的です。
最後に、失敗しないための判断基準を整理します。
- 親しい友人: 5,000円~1万円程度の現金やプレゼントを検討する。
- 親族: 家族間の慣習や過去のお祝いを確認する。
- 職場の同僚: 部署での連名のお祝いと重複しないようにする。
- 付き合いの浅い知人: お祝いのメッセージだけでも問題ない。
- 過去にご祝儀をもらった相手: 以前のお祝いを考慮し、無理のない金額を選ぶ。
- お祝いを受け取った側: 早めにお礼を伝え、必要に応じて内祝いを贈る。
特に大切なのは、相場の金額をそのまま当てはめるのではなく、相手が負担に感じない祝い方を選ぶことです。
高額なご祝儀を贈って相手に内祝いの負担をかけるよりも、適切な金額のプレゼントに心のこもったメッセージを添える方が喜ばれることもあります。
結婚式を挙げるかどうかは、それぞれのカップルが決めることです。披露宴がなくても結婚という人生の節目に変わりはありません。相手との関係性を大切にしながら、無理のない形で祝福の気持ちを届けましょう。