種市篤暉(たねいち・あつき)は、千葉ロッテマリーンズに所属する右投右打の先発投手。1998年9月7日生まれ、青森県三沢市出身で、八戸工大第一高校から2016年ドラフト6位でロッテに入団した。
身長183センチ、体重88キロ。背番号は16。力強いストレートと鋭く落ちるフォークを武器に、三振を奪える投手として成長してきた。NPBの選手名鑑でも、ロッテの主力投手の一人として登録されている。
プロ入りからエース候補になるまで種市のキャリアを振り返るうえで、2020年の右肘手術は大きな転換点だ。
2018年8月に一軍デビューを果たし、2019年には8勝を記録。2020年7月にはプロ初完封も達成し、先発投手としての将来を期待されていた。
ところが、同年9月14日に右肘の内側側副靱帯再建術、いわゆるトミー・ジョン手術を受けることになる。
2021年は一軍登板がなく、2022年4月に二軍で実戦復帰。同年8月には一軍のマウンドにも戻った。
そして2023年には23試合に登板して10勝7敗、157奪三振、防御率3.42を記録。初の2桁勝利を達成し、先発ローテーションの中心へと成長した。
この経験は、2026年のアキレス腱断裂からのリハビリにも影響している。
2026年8月のパ・リーグ公式メディアの取材では、種市自身が過去のトミー・ジョン手術の経験によって、今回のリハビリにも前向きに取り組めているという趣旨を語っている。長期離脱を一度経験した投手だからこそ、復帰までの時間の使い方を理解している面がある。
【2026年4月25日に何が起きた?】左アキレス腱断裂の経緯と負傷の真相

2026年4月25日、熊本県で開催された福岡ソフトバンクホークス戦。種市にとって、シーズン2度目の一軍登板だった。
試合は0対0の初回2死三塁。ソフトバンクの柳田悠岐が打った一塁線へのファウルに反応し、種市が打球を追いかけようとした直後、左足を負傷した。
一度は立ち上がったものの、再びマウンド付近に倒れ込む。左足を押さえて苦痛を訴え、最終的には担架で運ばれて退場した。
その後、熊本市内の病院で診察を受け、球団から左アキレス腱断裂と発表された。
負傷は投球動作ではなく打球への反応中だった今回の負傷で押さえておきたいのは、単純に投球時の負荷でアキレス腱を断裂したわけではないという点だ。
報道によると、柳田の一塁線へのファウルに反応し、マウンドから動こうとした場面で左足を痛めている。
つまり、試合中の守備動作に伴うアクシデントだった。
アキレス腱は、走る、踏み込む、方向を変える、地面を蹴るといった動作で重要な役割を果たす。投手にとっても、投球だけでなく守備やベースカバーなどで欠かせない部位だ。
ただし、負傷の直接的な医学的原因や、WBC出場による疲労が断裂につながったという因果関係は公表されていない。
3月のWBCから公式戦への調整を経てシーズンに入ったことと、4月25日の負傷は、時間的には連続している。しかし、WBCが故障の原因だったと断定することはできない。
4月30日に縫合手術を実施千葉ロッテマリーンズは2026年5月1日、種市が4月30日に都内の病院で左アキレス腱断裂の縫合術を受けたと公式発表した。
球団発表では、4月25日に熊本市内の病院で断裂と診断されたことも説明されている。
種市は手術後、自身のSNSでも復帰に向けた思いを発信した。
当時の報道で紹介された本人のメッセージには、早い時期の離脱に対する悔しさと、長いリハビリを経て再びマウンドに立つ決意が込められていた。
負傷からリハビリまでの時系列まとめ| 時期 | 出来事 | 状況・意味 |
|---|---|---|
| 2016年 | ドラフト6位でロッテ入団 | プロ野球選手としてスタート |
| 2020年9月 | 右肘トミー・ジョン手術 | 長期離脱を経験 |
| 2023年 | 10勝・157奪三振 | 先発投手として本格的に台頭 |
| 2025年 | 9勝・161奪三振 | 自己最多の奪三振を記録 |
| 2026年3月 | WBC日本代表 | リリーフとして3試合に登板 |
| 4月25日 | 左アキレス腱断裂 | ソフトバンク戦で負傷 |
| 4月30日 | 縫合手術 | 都内の病院で手術 |
| 8月30日 | ブルペン投球再開 | 立ち投げで15球 |
| 9月19日 | 一軍練習に参加 | サブロー監督が来季開幕投手への期待を表明 |
| 9月20日 | 捕手を座らせて投球 | 150キロ超の球速を記録 |
この経過から分かるのは、種市の復帰が単に手術後の回復だけでなく、投球動作と走力を段階的に取り戻す長期的な取り組みになっていることだ。
【2026年シーズン成績を検証】WBC侍ジャパンでの活躍とロッテでの登板記録
2026年の種市を語るうえで、WBCとプロ野球シーズンを分けて考える必要がある。
WBCでは日本代表のリリーフ投手として登板し、シーズン開幕前から国際舞台を経験した。一方、ロッテでは開幕から登板機会が遅れ、ようやく一軍で好投した直後にアキレス腱を負傷している。
WBC2026では3試合に登板2026年3月のWBCで、種市は侍ジャパンの一員として3試合に登板した。
投手成績は以下のとおり。
- 登板:3試合
- 勝利:1勝
- 敗戦:0敗
- 投球回:4回
- 奪三振:7
- 防御率:2.25
- 被安打:1
すべてリリーフでの登板だった。
4イニングで7奪三振を記録し、短いイニングの中で三振を奪う能力を示した。被安打も1本に抑えており、国際大会でも持ち味を発揮した成績だった。
このWBCでの経験は、本人にとっても大きな刺激になったとみられる。パ・リーグ公式メディアの取材では、種市が球速や投球の質をさらに高めることを目標にしていた様子が紹介されている。
2026年のロッテでの公式戦成績NPBの個人年度別成績によると、2026年の種市の一軍成績は次のとおり。
| 項目 | 2026年成績 |
|---|---|
| 登板 | 2試合 |
| 勝利 | 0勝 |
| 敗戦 | 0敗 |
| 投球回 | 7回2/3 |
| 被安打 | 6 |
| 奪三振 | 7 |
| 防御率 | 0.00 |
特筆すべきは、2試合で防御率0.00を記録していることだ。
4月17日の楽天戦では7回5安打無四死球6奪三振無失点。今季初先発で見事な投球を披露した。
しかし、次の登板となった25日のソフトバンク戦で負傷。今季は2試合の登板にとどまった。
2026年の数字だけを見ると、投手としての実力を十分に発揮する機会が失われたシーズンだった。
ただし、WBCでの投球と4月17日の楽天戦を考えれば、故障前のパフォーマンスが低下していたと評価する根拠はない。
【8月ブルペン復帰から9月150キロ超へ】種市篤暉のリハビリと現在の状態
2026年8月30日、種市の復帰に向けた大きな節目が訪れた。
ロッテ浦和球場のブルペンで、手術後初めての立ち投げを再開したのだ。
8月30日:術後初のブルペン投球は15球ロッテの広報室公式Xが投球練習の様子を公開し、種市は15球を投じた。
この日の目標は、まず無事に投げ終えること。
本人も段階を踏んで練習できているという趣旨のコメントを残し、投球技術の強化にも取り組んでいく考えを示した。
サブロー監督も、8月30日の取材で、今季中の復帰を急がせるのではなく、2027年にエースとして戻ってきてほしいという期待を示した。
これは、チームが目先の戦力事情よりも、種市の長期的なコンディションを重視していたことを示す発言だった。
9月19日:一軍の練習に参加8月のブルペン投球再開から約3週間後の9月19日、種市は一軍の試合前練習に参加した。
本人はリハビリの進み具合について「順調に回復しています」という趣旨の説明を行った。
一方で、まだ走る動作やアジリティーなど、投手として必要な身体機能を高める課題が残っていることも明かした。
この時点では、実戦復帰を急ぐ考えはなく、技術練習を中心に取り組んでいた。
9月20日:捕手を座らせて150キロ超を記録9月20日は、リハビリの進展を示す象徴的な日になった。
種市はブルペンに入り、手術後初めて捕手を座らせて投球練習を実施した。
報道によれば、本人は投球の出力について手応えを感じ、球速も150キロを超えていたと説明した。
日刊スポーツは、本人の言葉として「150キロちょっとは出ていた」と伝えている。
ただし、ここで注意したいのは、150キロを投げられたことと、一軍の公式戦に復帰できることは別だという点だ。
捕手を座らせたブルペン投球は、実戦復帰に向けた重要な段階ではある。しかし、登板間隔、投球数、連投への対応、走塁や守備動作など、先発投手として必要な要素はほかにもある。
本人も再断裂への注意を口にしており、復帰を急がない姿勢を示していた。
11月6日時点での現在地2026年11月6日時点で確認できる具体的な投球再開の節目は、9月20日の捕手を座らせたブルペン投球だ。
2026年の一軍公式戦登板は2試合で終了しており、残された課題は、ブルペンでの投球を実戦で通用する状態へつなげることになる。
現段階では、2027年の春季キャンプやオープン戦での実戦復帰が視野に入るものの、具体的な復帰日や一軍登板日は確定していない。
【2027年の開幕投手に指名?】サブロー監督の期待と復帰時期の見通し
2026年9月19日、サブロー監督が種市に対して来季の開幕投手を任せたい意向を伝えた。
アキレス腱断裂による長期離脱の最中に、翌年の開幕投手候補として名前が挙がったことは大きなニュースとなった。
サブロー監督が種市に期待する理由日刊スポーツなどの報道によると、サブロー監督は「元の種市であれば十分資格はある」という趣旨の評価を示している。
加えて、来季の開幕投手について本人にも伝えたと説明した。
監督の発言には、単なる期待だけではなく、条件も含まれている。
重要なのは、負傷前の種市が持っていた投球能力を取り戻すことだ。
2025年の9勝、161奪三振、防御率2.63という実績を考えれば、開幕投手候補として期待される理由は明確だ。
ただし、監督の意向表明と、開幕投手としての最終的な登板確定は同じではない。
2026年9月20日の報道では、種市本人も開幕投手を意識して準備する意向を語りつつ、正式に確定しているかどうかは分からないという認識を示していた。
2027年の復帰はいつになる?今後の見通しを考えるうえで、注目すべき要点は3つある。
1. 春季キャンプでの投球強度
ブルペンでの投球が継続できるか、投球数や球速を段階的に引き上げられるかが重要になる。
2. オープン戦での実戦感覚
先発投手として必要な球数を投げられるか、守備やベースカバーを含めた動作に問題がないかを確認する必要がある。
3. 登板後の回復状態
一度投げられたとしても、翌日以降の患部の状態や疲労への対応が重要だ。特にアキレス腱は走行や踏み込みに関係するため、再発予防も大切になる。
したがって、2027年の開幕投手という目標は見えているものの、春季キャンプやオープン戦での状態確認が最終的な判断材料になる。
【ストレートとフォークを徹底分析】種市篤暉の投球スタイルとメジャー挑戦
種市の強みは、球速だけではない。
ストレートで打者を押し込み、フォークで空振りを奪う組み立てが特徴だ。
2025年の球種別データを見ると、ストレートとフォーク系の変化球が投球の中心になっている。
ストレート:投球の土台となる球種2025年の種市は、ストレートを1243球投じている。
同球種に対する被打率は.239で、78奪三振を記録した。
単純に球速で押すだけではなく、フォークを生かすための土台としてストレートを使える点が持ち味だ。
また、2026年2月27日の侍ジャパンシリーズでは自己最速156キロを計測したと、パ・リーグ公式メディアが報じている。
本人は160キロを目標にしていることも明かしており、球速向上への意欲は強い。
フォーク:三振を奪う決め球種市の投球を特徴づけるもう一つの武器がフォークだ。
2025年の球種別データでは、フォーク系の投球は864球。対戦打者の被打率は.208で、68奪三振を記録している。
ストレートと比べても被打率が低く、空振りや三振を奪うための有力な球種になっている。
なお、データ上のフォーク系にはスプリットも含まれるため、すべてを同一の握りや球質として扱うべきではない。
2025年の球種別データ比較| 球種 | 投球数 | 被打率 | 奪三振 |
|---|---|---|---|
| ストレート | 1,243 | .239 | 78 |
| フォーク系 | 864 | .208 | 68 |
| スライダー系 | 388 | .213 | 15 |
| カーブ系 | 88 | .375 | 0 |
出典:2025年度の球種別集計データ。カーブ系は対戦打者が8人と少なく、被打率のみで性能を評価するにはサンプル数が限られる。
このデータから見えるのは、種市がストレートで勝負しながら、フォーク系の変化球で打者を仕留めるタイプの投手だということだ。
2027年に向けて球速や制球力がさらに向上すれば、投球の幅が広がる可能性もある。
メジャー挑戦の意向はどうなった?種市は2025年12月の契約更改後、将来的なメジャー挑戦への意向を明かしていた。
ただし、2026年9月の報道では、故障後のメジャー挑戦について問われた際、本人は今後の話し合いを踏まえてコメントを控える姿勢を示した。
また、別の取材では「まずは結果を出してから」という趣旨の発言も報じられている。
つまり、メジャー挑戦の希望が過去にあったことは事実だが、2026年11月時点で具体的な移籍時期やポスティングなどの手続きが決定したわけではない。
まずはロッテで完全復活し、再び実績を積み重ねることが現実的な目標になる。
【プロの結論】種市篤暉の復活を判断するために注目したい5つのポイント
種市の2026年を振り返ると、WBCでの活躍、プロ野球での好スタート、左アキレス腱断裂、手術、リハビリ、ブルペン復帰という大きな変化があった。
特に重要なのは、過去にもトミー・ジョン手術による長期離脱を経験していることだ。
その経験は精神面での支えになる一方、今回のアキレス腱断裂は別の部位の故障であり、以前の復帰実績をそのまま当てはめることはできない。
今後の種市を評価する際は、次の5項目に注目したい。
1. アキレス腱の状態: 投球後や翌日の痛み、違和感、再発リスク。
2. 走力の回復: ベースカバーや守備動作に対応できるか。
3. 投球強度: 150キロ前後の球速を安定して出せるか。
4. 先発としての持久力: 複数イニングを投げても身体に問題がないか。
5. 実戦復帰後の成績: 防御率や奪三振数など、負傷前の水準に近づけるか。
特に、150キロという数字だけを見て完全復活と判断するのは早い。
先発投手として必要なのは、一度の力強い投球ではなく、登板を重ねても同じパフォーマンスを維持できる身体と技術だからだ。
2027年の開幕投手という大きな期待を背負う種市にとって、焦らず段階を踏むことが、結果的には最も重要な復帰戦略になる。
【種市ロッテの最新情報】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:種市篤暉はなぜ左アキレス腱を断裂したのですか?
A1:2026年4月25日のソフトバンク戦で、柳田悠岐の一塁線へのファウルに反応して打球を追いかけようとした際に左足を負傷しました。熊本市内の病院で左アキレス腱断裂と診断されています。
Q2:種市篤暉の手術はいつ行われましたか?
A2:2026年4月30日に都内の病院で左アキレス腱断裂の縫合術を受けました。球団は翌5月1日に手術を公式発表しています。
Q3:種市篤暉はいつブルペン投球を再開しましたか?
A3:2026年8月30日です。ロッテ浦和球場で術後初めてブルペンに入り、立ち投げで15球を投げました。
Q4:種市篤暉は150キロを投げられるまで回復していますか?
A4:2026年9月20日に捕手を座らせたブルペン投球を行い、150キロを超える球速を記録したと報じられています。ただし、公式戦での投球能力や持久力まで完全に戻ったことを意味するものではありません。
Q5:種市篤暉の2027年の復帰時期はいつですか?
A5:春季キャンプやオープン戦での実戦復帰が見通しとして挙げられています。ただし、具体的な復帰日や一軍登板日は確定していません。
Q6:種市篤暉は2027年のロッテ開幕投手に決まったのですか?
A6:2026年9月19日にサブロー監督が本人に来季の開幕投手を任せたい意向を伝えています。ただし、負傷前のパフォーマンスを取り戻すことが前提で、最終的な登板確定とは区別する必要があります。
Q7:種市篤暉は過去にトミー・ジョン手術を受けていますか?
A7:はい。2020年9月14日に右肘の内側側副靱帯再建術を受けています。2022年に実戦復帰し、2023年には10勝を挙げました。
Q8:種市篤暉はメジャー挑戦を希望していますか?
A8:2025年12月の契約更改後に将来的なメジャー挑戦の意向を明かしています。ただし、2026年9月にはまず結果を出すことを優先する姿勢を示しており、具体的な移籍時期は決まっていません。
2026年の種市篤暉は、WBCでの活躍から一転、4月25日の左アキレス腱断裂という大きな試練に直面した。4月30日の手術を経て、8月30日にブルペン投球を再開し、9月20日には捕手を座らせて150キロ超を記録するまでに回復している。
加えて、サブロー監督から2027年の開幕投手として期待を寄せられ、本人もその目標を意識して準備する姿勢を見せている。
2025年の9勝、161奪三振、防御率2.63という実績は、種市がロッテの先発陣にとって重要な存在であることを示している。過去のトミー・ジョン手術を乗り越えた経験も、今回の復活に向けた大きな財産だ。
ただし、2027年の開幕投手という期待を現実にするには、球速だけでなく走力、投球持久力、登板後の回復状態まで確認する必要がある。
ロッテのエースとして再びマウンドに立ち、負傷前を超える投球を見せられるのか。種市篤暉の2027年シーズンは、本人のキャリアにおける重要な転換点になりそうだ。