2026年11月現在、男子バレー日本代表はロラン・ティリ監督のもと、ロサンゼルス2028オリンピックを見据えた新たな強化段階に入っている。2026年度の登録メンバーは37人。石川祐希、高橋藍、西田有志ら実績豊富な主力に加え、高校生を含む若手選手も選出され、チームの世代交代と競争力の底上げが進められた。
今季はネーションズリーグで世界4位、男子アジア選手権で優勝、さらに第20回アジア競技大会で銀メダルを獲得。とりわけ、アジア選手権の優勝によって2028年ロサンゼルスオリンピックの出場権を獲得したことは、2026年を象徴する大きな成果となった。ここでは、登録37人の顔ぶれ、ポジション、背番号、主要選手の立ち位置、監督の戦略、そして今季の大会結果まで整理する。
【2026年最新】男子バレー日本代表の登録メンバー37人を紹介

2026年4月17日、日本バレーボール協会(JVA)は2026年度男子日本代表チームの登録メンバー37人を発表した。
今回の選考を率いたのは、フランス出身のロラン・ティリ監督。2028年ロサンゼルスオリンピックを見据え、国際経験豊富な選手だけでなく、将来性のある若手も積極的に組み込んだ編成となった。
初選出は4人。河東祐大、デ アルマス アライン、武田大周、一ノ瀬漣が新たに代表登録された。
特に注目されたのが、鎮西高校3年生だった一ノ瀬漣の選出だ。高校生の段階でトップカテゴリーの代表登録に入ったことは、次世代育成を重視するチームの方向性を示している。
主力選手の登録状況石川祐希は引き続き代表の中心的存在。アウトサイドヒッターとして攻守両面を担い、国際大会での経験も豊富だ。
髙橋藍は攻撃力と守備力を兼ね備えたアウトサイドヒッター。海外リーグでの経験を生かし、チームの得点力とレシーブ力を支える。
西田有志はオポジットとして登録。強烈なスパイクとサーブを持ち味とし、得点源として期待される存在だ。
また、宮浦健人、大塚達宣、関田誠大、小野寺太志、山内晶大らも名を連ねた。
2025年に代表活動を休止していた時期のある西田も復帰し、攻撃陣の選択肢が広がった。
JVAの4月17日付発表と月刊バレーボールの登録リストによると、37人の編成には複数のポジションに対応できる選手も含まれている。
2026年度男子日本代表37人の一覧以下は4月17日の登録発表時点の背番号とポジションを整理したもの。山田大貴はオポジットとアウトサイドヒッターの両方に登録されている。
【ポジション・背番号一覧】男子日本代表の選手構成を比較
2026年4月17日発表時点・所属チームは登録発表時の情報
※山田大貴は2ポジションに掲載しているため、重複を除くと37人。背番号は登録発表時のもの。
ポジション別に見るチームの特徴男子バレー日本代表のポジションは、大きく5種類に分かれる。
- セッター: 攻撃の司令塔。相手ブロックの位置や味方の調子を読みながら攻撃を組み立てる。
- オポジット: セッターの対角に位置する攻撃の中心。高い決定力が求められる。
- アウトサイドヒッター: スパイクだけでなく、サーブレシーブや守備も担う万能型。
- ミドルブロッカー: ネット際でのブロックと素早いクイック攻撃を担当する。
- リベロ: 守備専門のポジション。安定したレシーブとディグでチームを支える。
日本代表の特徴は、攻撃力の高いアウトサイドヒッターを複数抱えていることだ。
石川、髙橋藍、大塚、甲斐といった選手を状況に応じて組み合わせることで、攻撃の選択肢を増やせる。
一方、セッターには経験豊富な深津、関田に加えて河東や永露、下川がいる。攻撃のテンポを変えられる選手層の厚さも強みだ。
【石川祐希・高橋藍・西田有志】2026年の注目選手と若手の実力
2026年の男子日本代表を理解するうえで欠かせないのが、主力3選手の役割と若手選手の台頭だ。
石川祐希:攻守を統率する日本代表の中心
アウトサイドヒッター・背番号14
イタリアやトルコなど海外でのプレー経験を持つ日本代表の主将。攻撃だけでなく、守備や試合の流れを読む力も大きな武器となっている。
石川の価値は、単純な得点数だけでは測れない。
相手のブロックを見た打ち分け、サーブレシーブ、苦しい場面での攻撃参加など、幅広い仕事を担える点が強みだ。
2026年の男子アジア選手権では主将としてチームをけん引。9月13日の決勝ではイランをストレートで破り、ロサンゼルス五輪出場権獲得に貢献した。
高橋藍:攻守をつなぐアウトサイドヒッター
アウトサイドヒッター・背番号12
攻撃力に加え、レシーブやディグにも強みを持つ選手。海外クラブで培った経験も代表の武器となっている。
髙橋藍は、攻撃だけに特化した選手ではない。
相手の強いサーブを受け、そこから攻撃につなげる能力がチームにとって重要になる。石川や大塚と組み合わせることで、攻撃と守備のバランスを取りやすい。
2026年のネーションズリーグ、アジア選手権でも主力として活動した。
西田有志:得点力を担うオポジット
オポジット・背番号1
強烈なスパイクとサーブが持ち味。高い打点からの攻撃で相手ブロックに圧力をかける。
西田は2026年度の代表登録メンバーに復帰した。
オポジットは攻撃の決定力が求められるポジションであり、西田のようにサーブでも得点を狙える選手は、相手にとって大きな脅威になる。
宮浦健人や西山大翔、高橋慶帆らとの競争によって、チームの攻撃力にも厚みが生まれている。
2026年の男子バレー日本代表若手注目選手
一ノ瀬漣
アウトサイドヒッター・背番号34
鎮西高校所属で初選出。高校生ながら37人の登録メンバーに名を連ねた次世代の注目株。
麻野堅斗
ミドルブロッカー・背番号28
207cmの長身を生かしたブロックとネット際の攻撃が期待される若手。
甲斐優斗
アウトサイドヒッター・背番号15
200cmの高さを持つアタッカー。攻撃面での将来性が期待されている。
高橋慶帆
オポジット・背番号24
高い打点を生かした攻撃が特徴。代表のオポジット争いに加わる存在。
このほか、河東祐大、デ アルマス アライン、武田大周も2026年の初選出組として注目された。
若手の選出は単なる人数合わせではない。国際大会の経験を積ませ、複数のポジションで競争を生み出すことが、2028年に向けたチーム強化につながる。
【ロラン・ティリ監督】日本代表の新体制と戦術的な特徴
1963年12月1日生まれ・フランス出身
フランス代表監督として東京2020オリンピックの金メダル獲得を経験。日本のクラブチームでも指揮を執った国際派の指導者。
ティリ監督の就任が内定したのは2024年11月25日。前任のフィリップ・ブラン監督の後を引き継ぎ、ロサンゼルス2028オリンピックを目標とする男子日本代表を率いることになった。
ティリ監督の指導実績ティリ監督は2012年から2021年までフランス男子代表を率いた。
主な実績は次のとおり。
- 2015年:ワールドリーグ優勝
- 2015年:ヨーロッパ選手権優勝
- 2017年:ワールドリーグ優勝
- 2021年:東京オリンピック金メダル
加えて、2020年からはパナソニックパンサーズ(現・大阪ブルテオン)の監督も務め、日本のバレーボール環境や選手の特徴を理解している。
JVAの監督就任発表でも、国際大会での実績と日本国内での指導経験が紹介されている。
2026年体制で注目したい3つのポイント1. 経験豊富な主力選手の活用
石川、髙橋藍、西田らを軸に、世界の強豪との試合で培った経験を生かすことが基本となる。
2. 選手層の拡大
37人の登録によって、各ポジションで複数の選手を比較できる環境が整った。特にセッターとアウトサイドヒッターの競争は、試合ごとの戦術選択に影響する。
3. AチームとBチームによる育成
JVAの年間スケジュールでは、AチームとBチームが並行して強化活動を行う構成が示されていた。アジア選手権終了後は1チーム体制に移行する計画だった。
この仕組みは、主力の強化と若手の実戦経験を両立させるためのものだ。
【2026年試合日程・結果】VNL・アジア選手権・アジア大会を総整理
2026年11月6日時点で、男子日本代表の主要な国際大会はすべて終了している。
今季の流れを理解するには、ネーションズリーグ、男子アジア選手権、アジア競技大会の3大会を分けて見る必要がある。
バレーボールネーションズリーグ2026VNLは世界の強豪18チームが参加する国際大会。予選ラウンドで各チーム12試合を戦い、上位チームがファイナルラウンドに進む。
2026年の日本代表は、次の日程で大会に参加した。
| 大会 | 開催日 | 開催地 |
|---|---|---|
| 第1週 | 6月10日~14日 | 中国・臨沂 |
| 第2週 | 6月24日~28日 | フランス・オルレアン |
| 第3週 | 7月15日~19日 | 大阪・Asueアリーナ大阪 |
| ファイナル | 7月29日~8月2日 | 中国・寧波北侖 |
日本はファイナルラウンドの準々決勝で中国に3-1で勝利。準決勝ではアメリカに2-3で惜敗した。
続く3位決定戦でもスロベニアに1-3で敗れ、最終順位は4位となった。
メダルには届かなかったものの、世界の上位チームと最後まで競い合ったことは、次の大会に向けた重要な経験となった。
2026年男子アジア選手権:日本が優勝し五輪出場権を獲得2026年9月4日から13日まで、福岡県北九州市立総合体育館で開催された。
大会名は「買取大吉 アジア男子バレーボール選手権大会 福岡2026」。
日本代表は石川祐希主将を中心に、髙橋藍、西田有志ら主力をそろえた14人で大会に臨んだ。
そして9月13日の決勝でイランと対戦。
2026年9月13日・決勝
日本
3
VS
北九州
イラン
0
日本がストレート勝利で優勝
25-21、26-24、25-23
日本はイランを3-0で下し、アジア王者に輝いた。
この優勝によって、男子日本代表は2028年ロサンゼルスオリンピックの出場権を獲得。開催前年を待たずに五輪出場を決めたことは、今季最大の成果といえる。
日本オリンピック委員会(JOC)も9月13日付で、男子日本代表の五輪出場権獲得を発表している。
第20回アジア競技大会 愛知・名古屋20269月27日から10月3日まで開催された第20回アジア競技大会では、男子日本代表は12人のメンバーで戦った。
この大会で興味深いのは、アジア選手権の14人とは異なる編成だったことだ。
石川祐希、髙橋藍、西田有志らはアジア競技大会の12人には入らず、大塚達宣、甲斐優斗、西本圭吾らVNL経験者と、Bチームで活動していた選手を中心に構成された。
キャプテンは新井雄大が務めた。
日本の主な試合結果は次のとおり。
| 日付 | 対戦相手 | 結果 |
|---|---|---|
| 9月27日 | ウズベキスタン | 3-0 |
| 9月28日 | カザフスタン | 3-0 |
| 9月29日 | パキスタン | 3-0 |
| 10月1日 | カタール | 3-0 |
| 10月2日 | 中国 | 3-2 |
| 10月3日 | イラン | 1-3 |
日本は準決勝で中国とのフルセットの激戦を制し、決勝へ進出した。
しかし、決勝ではイランに1-3(26-28、25-19、21-25、24-26)で敗れ、銀メダルとなった。
アジア選手権ではイランを破って優勝した日本が、アジア競技大会では同じイランに敗れた。この結果は、対戦相手の研究や大会ごとのチーム編成が勝敗に大きく影響することを示している。
なお、日本は2023年の杭州大会で銅メダルを獲得しており、2026年は銀メダルへと順位を上げた。
【歴代メンバーとの比較】2026年の男子日本代表は何が変わった?
男子日本代表の現在を理解するには、過去のオリンピック代表とのつながりを見ることも大切だ。
特に2024年パリオリンピックの代表メンバーには、石川祐希、高橋藍、西田有志、関田誠大、大塚達宣ら、2026年にも登録された選手が多く含まれていた。
2026年の編成は、過去の主力を一新するのではなく、経験者を残しながら新しい戦力を組み込む形になっている。
歴代メンバーから続くチームの流れ- 2021年東京オリンピック: 日本は準々決勝に進出。フィリップ・ブラン体制で国際競争力を高めた。
- 2023年: ネーションズリーグで銅メダルを獲得するなど、世界の上位を争うチームへ成長。
- 2024年: パリオリンピックに出場。石川や髙橋藍、西田らが中心となった。
- 2025年: ロラン・ティリ監督による新体制が本格化。
- 2026年: 37人の登録、若手の初選出、アジア選手権優勝、五輪出場権獲得を実現。
2024年のJOC公式代表記録にも、石川、髙橋、西田らの名前が掲載されている。
2026年のチーム編成で見逃せない変化最も大きな変化は、代表候補の裾野が広がったことだ。
以前から代表を支えてきた石川、髙橋藍、西田らを残しながら、一ノ瀬漣のような高校生や大学生、国内リーグで実績を積んだ選手を加えている。
加えて、アジア競技大会では12人の若手中心の編成で銀メダルを獲得した。
これは、代表の強さを一部のスター選手だけに依存させないための取り組みとして評価できる。
もちろん、37人に登録されたからといって全員が同じ大会に出場するわけではない。大会ごとに登録人数や選手構成が変わる点は、代表情報を確認するときの要点だ。
【よくある質問】男子日本代表に関するFAQ
Q1:2026年の男子バレー日本代表は何人ですか?
A1:2026年4月17日にJVAが発表した年度登録メンバーは37人です。ただし、ネーションズリーグやアジア選手権、アジア競技大会では、それぞれの大会に合わせて出場選手が選抜されています。
Q2:石川祐希・高橋藍・西田有志は2026年も日本代表ですか?
A2:はい。3選手とも2026年度の登録メンバーに選ばれています。男子アジア選手権にも出場しました。ただし、第20回アジア競技大会の12人には選ばれておらず、大会ごとにメンバーが異なります。
Q3:2026年の男子日本代表の背番号は何番ですか?
A3:4月17日の登録発表では、西田有志が1番、髙橋藍が12番、石川祐希が14番です。大会ごとの選抜メンバーでは、登録された選手の背番号を引き継いだ編成も確認できます。
Q4:2026年の男子日本代表はロサンゼルス五輪に出場できますか?
A4:はい。2026年9月13日の男子アジア選手権で優勝したことにより、2028年ロサンゼルスオリンピックの出場権を獲得しました。
2026年の男子バレー日本代表は、実績ある主力選手と若手を組み合わせた37人の登録体制でシーズンを戦った。
石川祐希、高橋藍、西田有志らが中心となり、ロラン・ティリ監督のもとでチーム強化を進めた結果、ネーションズリーグ4位、男子アジア選手権優勝、アジア競技大会銀メダルという成績を残した。
特に、アジア選手権優勝によるロサンゼルス五輪出場権の獲得は、2026年の最大の成果だ。
今後の男子日本代表を評価する際には、次の3つの視点が重要になる。
1. 世界大会での競争力: VNLで上位チームと互角に戦えるか。
2. 主力選手の安定性: 石川、髙橋藍、西田らがチームの中心として力を発揮できるか。
3. 若手の成長: 一ノ瀬、麻野、甲斐、高橋慶帆らが国際大会で経験を積み、主力へ成長できるか。
2026年は五輪出場権を確保した年であると同時に、次世代の代表を育てる重要な転換点にもなった。
これからの男子日本代表に求められるのは、アジアで勝つ力を世界で勝てる力へと発展させることだ。2028年ロサンゼルスオリンピックでのメダル獲得に向け、ティリ監督と選手たちがどのようなチームを作り上げていくのか、引き続き注目したい。