2022年7月5日にJBAが正式発表したFIBAアジアカップ2022の男子日本代表は、次の12名です。
- 富樫勇樹
- ルーク・エヴァンス
- 渡邊雄太
- 佐藤卓磨
- 須田侑太郎
- 西田優大
- 河村勇輝
- 富永啓生
- テーブス海
- 井上宗一郎
- 張本天傑
- 吉井裕鷹
ヘッドコーチはトム・ホーバス。最終登録12名の平均身長は191.3cm、平均年齢は25.7歳でした。
この顔ぶれで特徴的なのは、富樫や河村のような小柄でスピードのあるポイントガードと、206cmの渡邊雄太をはじめとする大型ウイング、そして3ポイントシュートを得意とする若手選手が同居している点です。
単純に身長や所属クラブの知名度で選んだチームではなく、ホーバスHCが目指す攻撃スタイルを実現するための構成になっていました。JBAの7月5日付公式発表が、この大会の最終登録メンバーを確認するうえで最も重要な資料です。
【完全一覧】予備登録24名と最終登録12名をポジション・身長・所属で比較

2022年6月12日、JBAはFIBAアジアカップ2022に向けた予備登録メンバー24名を発表しました。
以下は、JBAの公式発表に掲載されたポジション・身長・所属クラブを整理し、7月5日の最終登録12名に入ったかどうかを照合した一覧です。所属は原則として6月12日時点の公表内容に合わせています。
2022年男子日本代表・予備登録メンバー24名出典:日本バスケットボール協会「FIBAアジアカップ2022 日本代表候補選手24名発表のお知らせ」。所属は2022年6月12日時点。選出状況は7月5日発表の最終登録12名と照合。
本大会の最終登録12名をポジション別に整理7月5日の正式発表を基準にすると、12名の内訳は次のとおりです。
ポイントガード(PG)
- 富樫勇樹:167cm/千葉ジェッツ
- 河村勇輝:172cm/横浜ビー・コルセアーズ
- テーブス海:188cm/滋賀レイクス
シューティングガード(SG)
- 須田侑太郎:190cm/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ
- 西田優大:190cm/シーホース三河
- 富永啓生:188cm/ネブラスカ大学
スモールフォワード(SF)
- 渡邊雄太:206cm/公式登録表の所属欄は「-」
- 佐藤卓磨:197cm/千葉ジェッツ
- 吉井裕鷹:196cm/アルバルク東京
パワーフォワード(PF)
- 井上宗一郎:201cm/サンロッカーズ渋谷
- 張本天傑:198cm/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ
センター(C)
- ルーク・エヴァンス:203cm/ファイティングイーグルス名古屋
ここで注意したいのが、候補発表時と最終登録時で所属表記が異なる選手がいることです。テーブス海は6月12日の候補一覧では宇都宮ブレックス、7月5日の最終登録一覧では滋賀レイクスとされています。また、渡邊雄太は候補一覧ではトロント・ラプターズ、最終登録一覧では所属欄が「-」です。これはそれぞれの発表時点の記載を反映したもので、一覧を比較するときには日付も確認する必要があります。
24名の候補のうち、最終登録に入ったのは12名。残る12名は、この大会の最終登録メンバーには含まれませんでした。ただし、これは2022年度の日本代表としてのキャリアが終了したことを意味するものではありません。
【選考の経緯】男子日本代表42名から24名、そして12名へ
2022年の選考を理解するには、6月7日、6月12日、7月5日の3つの発表を区別することが大切です。
6月7日:2022年度の第1次候補42名を発表JBAは6月7日、2022年度男子日本代表の第1次候補選手42名を発表しました。
この段階では、八村塁、渡邊雄太、比江島慎、富樫勇樹などの実績ある選手に加え、吉井裕鷹、小酒部泰暉、河村勇輝らの名前も並んでいました。
注目すべきなのは、ホーバスHCが夏の代表活動を2つのグループに分ける強化方針を示したことです。
- グループ1:ワールドカップ2023アジア地区予選Window3とアジアカップ2022
- グループ2:ワールドカップ2023アジア地区予選Window4と国際強化試合2022
選手に休息を与えながら強化を進め、若手中心のディベロップメントキャンプ参加選手にも機会を与える方針でした。
つまり、42名の第1次候補は2022年度の強化対象を示す広いリストであり、アジアカップ専用の24名とは目的が異なります。42名から単純に12名を選んだわけではありません。
6月12日:アジアカップ予備登録24名を公表次の節目が6月12日です。JBAは7月12日から24日までジャカルタで開催されるFIBAアジアカップ2022に向け、予備登録メンバー24名を発表しました。
ここではNBA経験のある渡邊雄太、海外でプレーしていた馬場雄大、ネブラスカ大学の富永啓生、当時21歳の河村勇輝などが選出されました。
一方、6月7日の第1次候補に含まれていた八村塁や比江島慎は、この24名の一覧には入っていません。八村については、当時の報道でホーバスHCが翌年のワールドカップを見据えた方針を説明していました。
候補24名の平均身長は192.0cm、平均年齢は26.3歳。国内リーグの選手だけでなく、海外の大学やプロリーグで経験を積む選手も含めた構成でした。
7月5日:最終登録12名が確定大会開幕の1週間前となる7月5日、最終登録12名が発表されました。
24名から12名への絞り込みでは、ポイントガードを3名、シューティングガードを3名、スモールフォワードを3名、パワーフォワードを2名、センターを1名という構成になりました。
単に候補の上位12人を選ぶのではなく、試合で必要になる役割をポジションごとに配置したことが分かります。
候補24名と最終12名の違いを確認するときは、次の3点を押さえておくと混乱しません。
- 42名:2022年度の第1次代表候補
- 24名:アジアカップの予備登録メンバー
- 12名:アジアカップ本大会の最終登録メンバー
【注目選手4人】富樫・渡邊・河村・富永は2022年にどう選ばれた?
2022年の男子日本代表を象徴する選手として、特に注目したいのが富樫勇樹、渡邊雄太、河村勇輝、富永啓生の4人です。それぞれ異なる持ち味を持ち、ホーバス体制のバスケットボールを支えました。
富樫勇樹|167cmの司令塔として最終12名入りPG/167cm/千葉ジェッツ
小柄な体格を補うゲームメーク、スピード、シュート力を持つポイントガード。
富樫勇樹は2022年6月の予備登録24名に入り、7月5日の最終登録にも残りました。
167cmという身長は、国際大会で対戦する大型ガードと比較すると決して有利ではありません。しかし、ホーバスHCが重視したのは身長だけではなく、ボールを運ぶ技術、判断の速さ、攻撃の組み立てです。
富樫のように、相手の守備を揺さぶりながら攻撃のテンポを作れる選手は、スピードを重視するチームに欠かせない存在でした。
渡邊雄太|206cmの高さと海外経験を持つ主力SF/206cm/候補発表時はトロント・ラプターズ
海外のトップレベルで培った経験と、サイズを生かしたプレーが強み。
渡邊雄太は206cmのスモールフォワードとして、2022年の代表候補に選ばれました。
NBAのトロント・ラプターズでプレーした経験は、日本代表にとって大きな財産です。高さだけでなく、ディフェンスやリバウンド、外角からのシュートなど、多面的な役割を担える選手でした。
なお、アジアカップの最終登録表では所属欄が「-」となっています。候補発表時の所属表記と最終登録時の表記は区別して見る必要があります。
大会中には、7月19日のフィリピン戦で右足首を捻挫。翌21日のオーストラリア戦に向けて出場が不透明な状況となり、チームにとって大きな懸念材料になりました。
河村勇輝|21歳で最終12名に入った若手PGPG/172cm/横浜ビー・コルセアーズ
若さとスピード、積極的なドライブを武器にした次世代の司令塔。
河村勇輝は2022年6月の時点で21歳。予備登録24名に選ばれただけでなく、本大会の最終12名にも入りました。
172cmのポイントガードとして、スピードを生かしたボール運びや積極的なペイントアタックが持ち味でした。
当時の選出は、若手選手にも国際大会で経験を積ませるという代表強化の方向性を象徴するものでした。ベテランの富樫と若手の河村を同時に登録したことも、ポイントガードの選手層を考えるうえで興味深い部分です。
富永啓生|ネブラスカ大学から選出された3ポイントシューターSG/188cm/ネブラスカ大学
高いシュート力を武器に、アウトサイドから攻撃を広げる選手。
富永啓生はアメリカのネブラスカ大学でプレーしていた若手シューターです。予備登録24名から最終12名に残り、ホーバスHCが求める3ポイント主体の攻撃において重要な選手となりました。
特に印象的だったのが、7月21日のオーストラリアとの準々決勝です。日本は最大21点差をつけられながらも追い上げ、富永の3ポイントシュートなどで残り4分には9点差まで迫りました。
この試合で富永は33得点を記録。敗戦の中でも、その得点力を強く印象づけました。
【戦術とチーム構成】トム・ホーバスHCが目指した日本代表のバスケ
2022年度男子日本代表ヘッドコーチ
スピード、ペイントアタック、キックアウト、3ポイントを重視する攻撃を推進。
2022年の日本代表を理解するうえで欠かせないのが、トム・ホーバスHCの戦術です。
ホーバスHCは東京オリンピックで女子日本代表を銀メダルに導いた後、男子日本代表の指揮を執りました。女子代表で培ったスピードと3ポイントを生かす考え方を、男子チームにも取り入れていきました。
重要な4つの戦術的キーワード1.スピード
大型選手をそろえた海外チームと同じ土俵で戦うのではなく、攻守の切り替えを速くし、相手の守備が整う前に攻撃する考え方です。
2.ペイントアタック
ゴール付近へ積極的にドライブし、相手ディフェンスを内側に引き寄せます。これにより、ゴール下での得点だけでなく、外側にいる選手へのパスも生まれます。
3.キックアウト
ペイント内に侵入した選手が、守備を収縮させたところで外側の味方にパスを出すプレーです。富永啓生のようなシューターの能力を引き出すためにも重要でした。
4.3ポイントシュート
2ポイントシュートだけに頼らず、3ポイントを積極的に狙うことで得点効率を高める方針です。選手の選考でも、外角のシュート力や攻撃時の判断が重要な要素になりました。
この考え方は2022年6月の強化方針発表でも説明されており、単なる一時的な戦術変更ではなく、2023年ワールドカップを見据えたチームづくりの柱でした。
最終12名の身長とポジション構成から分かること最終登録12名のポジション構成を改めて見ると、PG・SG・SFがそれぞれ3名、PFが2名、Cが1名です。
この構成は、ガードとウイングの選手を多く配置し、ボールを動かしながら外角のシュートを狙うチームづくりと整合しています。
また、予備登録24名の平均身長192.0cmに対し、最終登録12名は191.3cmでした。最終選考で平均身長が高くなったわけではありません。
この数字から読み取れるのは、ホーバス体制では身長だけを基準にするのではなく、シュート力、運動量、ポジション間の連携などを含めた総合的なチームバランスを重視していたということです。
【大会成績を検証】アジアカップと2022年ワールドカップ予選の結果
選手の顔ぶれだけでなく、2022年の日本代表が実際にどのような結果を残したのかも確認しておきましょう。
FIBAアジアカップ2022の試合結果大会は2022年7月12日から24日までインドネシアのジャカルタで開催されました。日本はグループCに入り、イラン、シリア、カザフスタンと対戦しました。
| 日付 | 対戦相手 | 結果 |
|---|---|---|
| 7月13日 | カザフスタン | |
| 7月15日 | シリア | |
| 7月17日 | イラン | |
| 7月19日 | フィリピン | |
| 7月21日 | オーストラリア |
グループCでは2勝1敗の2位となり、準々決勝進出決定戦に回りました。7月19日のフィリピン戦を102-81で制して準々決勝に進出しています。
しかし、7月21日の準々決勝ではオーストラリアに85-99で敗退。日本の大会はベスト4進出を逃す結果となりました。
この試合では、富永啓生が33得点を記録。日本が最後まで追い上げる姿勢を見せたことは、若手選手の成長を示す場面でもありました。
2022年ワールドカップアジア地区予選の戦績2022年の男子日本代表は、アジアカップだけでなく、2023年FIBAバスケットボールワールドカップのアジア地区予選にも参加しました。
特に7月のWindow3は、アジアカップ開幕直前に行われた重要な試合でした。
- 2022年2月26日:日本 76-71 チャイニーズ・タイペイ
- 2022年2月27日:日本 64-80 オーストラリア
- 2022年7月1日:日本 52-98 オーストラリア
- 2022年7月3日:日本 89-49 チャイニーズ・タイペイ
- 2022年8月25日:日本 68-79 イラン
- 2022年8月30日:日本 73-48 カザフスタン
- 2022年11月11日:日本 87-74 バーレーン
- 2022年11月14日:日本 81-61 カザフスタン
7月1日のオーストラリア戦では52-98と大差で敗れました。一方、7月3日のチャイニーズ・タイペイ戦では89-49と40点差で勝利しています。
アジアカップでもオーストラリアと再戦し、今度は85-99。7月の2試合を比較すると、短期間でのチーム強化と世界トップクラスの相手に対する課題が見えてきます。
なお、2023年ワールドカップのアジア地区予選は2023年2月まで続きました。日本は最終的に2次ラウンドのグループFを7勝5敗の3位で終えています。日本は開催国の一つとして本大会出場権を得ていましたが、予選でも強豪国と対戦しながらチームの完成度を高めていきました。
【プロの結論】2022年男子日本代表の選考から分かる3つのポイント
2022年の男子日本代表を振り返ると、単に有名選手を集めたチームではなく、2023年ワールドカップに向けた戦術的な転換期のチームだったことが分かります。
1.代表候補と大会登録メンバーは別物最も大きな誤解は、予備登録24名をそのまま本大会出場メンバーと考えてしまうことです。
予備登録は選考対象の範囲を示すものであり、最終登録12名とは異なります。富樫勇樹や渡邊雄太のように両方に名前がある選手もいれば、候補段階で名前があっても本大会登録には至らなかった選手もいます。
2.身長の高さだけでは代表選考を説明できない最終登録12名の平均身長は191.3cmでした。167cmの富樫、172cmの河村といった選手が選ばれていることからも、代表選考が身長だけで決まるものではなかったことが分かります。
攻撃を組み立てる力、相手の守備を崩すスピード、3ポイントの精度など、チーム戦術に適合する能力が求められていました。
3.2022年は若手と海外経験者が融合した転換期富樫や渡邊のような実績ある選手に加え、当時21歳だった河村と富永が最終12名に選ばれました。
この世代の融合は、その後の日本代表の強化を考えるうえでも重要です。2022年のメンバーは、後年の代表と同じ顔ぶれではありません。年度別の代表候補、大会ごとの登録選手、歴代の代表選手を区別することで、日本代表の変化を正しく追えるようになります。
2026年に過去の日本代表を調べる場合も、選手の名前だけでなく、発表日、所属の基準日、登録段階、大会結果の4点を合わせて確認するのが確実です。
【よくある質問】バスケットボール男子日本代表の2022年に関するFAQ
Q1:2022年の男子バスケットボール日本代表は何人でしたか?
A1:FIBAアジアカップ2022の予備登録は24名、本大会の最終登録は12名です。別途、2022年度の第1次男子日本代表候補として42名が発表されています。
Q2:富樫勇樹と河村勇輝は2022年のアジアカップに出場しましたか?
A2:はい。2人とも予備登録24名に入り、7月5日に発表された最終登録12名にも選ばれています。富樫は167cm、河村は172cmのポイントガードでした。
Q3:渡邊雄太と富永啓生も最終メンバーでしたか?
A3:はい。渡邊雄太は206cmのスモールフォワード、富永啓生は188cmのシューティングガードとして最終12名に入りました。
Q4:2022年のアジアカップで日本は優勝しましたか?
A4:優勝していません。日本はグループCを2勝1敗の2位で通過し、フィリピンとの準々決勝進出決定戦に勝利。その後、準々決勝でオーストラリアに85-99で敗れました。
Q5:2022年の男子日本代表監督は誰でしたか?
A5:トム・ホーバスです。スピード、ペイントアタック、キックアウト、3ポイントシュートを重視したチームづくりを進めていました。
2022年のバスケットボール男子日本代表は、FIBAアジアカップに向けて24名の予備登録メンバーを発表し、その中から12名を最終登録しました。
富樫勇樹、渡邊雄太、河村勇輝、富永啓生らが選ばれた一方、候補24名の全員が本大会に出場したわけではありません。
また、トム・ホーバスHCのもとでスピードと3ポイントを重視する戦術が浸透し始めたことも、2022年の大きな特徴です。アジアカップでは準々決勝敗退となりましたが、若手と海外経験者を組み合わせたチームづくりは、その後の日本代表強化につながる重要な過程でした。
2022年の代表選手を調べる際には、42名の第1次候補、24名の予備登録、12名の最終登録を混同しないことが大切です。特に選手の所属クラブは発表日によって異なる場合があるため、公式発表の日付と合わせて確認すると、当時の代表構成をより正確に把握できます。
選手個々の実績だけでなく、選考の背景や戦術、大会成績まで見ることで、2022年の男子日本代表がどのような方向を目指していたのかが明確になります。
主な参照資料:日本バスケットボール協会「2022年度男子日本代表候補選手発表」「FIBAアジアカップ2022予備登録メンバー24名発表」「FIBAアジアカップ2022日本代表選手12名確定」、FIBA公式大会記録・試合結果。