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【2026年最新】ロシア女子フィギュアスケートの現在は?五輪6位ペトロシャンの実力

滑原 圭介 滑原 圭介 • 更新: • 公開: • 読了約 20 分
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2026年11月5日時点で、ロシア女子フィギュアスケートは「国内中心の時代」から「AINとして国際舞台に戻る時代」へ移行している。

なかでも注目されるのが、2007年生まれのアデリア・ペトロシャンだ。ISU公式プロフィールによると、ペトロシャンは2026年2月の五輪で合計214.53点を記録。ショートプログラム72.89点、フリースケーティング141.64点で、女子シングル6位となった。

ロシア国内では2023年、2024年、2025年の国内選手権で3連覇を達成しており、国内トップ選手としての実績も申し分ない。2025年9月のミラノ五輪予選でも優勝し、五輪出場枠を獲得している。

加えて、五輪後の2026年10月にはジョージアで開催されたチャレンジャーシリーズ、Trialeti Trophyに出場。合計204.16点で2位に入り、国際大会復帰後も競争力を維持していることを示した。

Trialeti Trophy 2026:10月1~3日開催

ペトロシャンの技術的な強み

ペトロシャンの魅力は、高難度ジャンプを組み込める技術力にある。

ISU公式プロフィールでは、トリプルアクセルと4回転ジャンプを競技会で成功させていることが紹介されている。加えて、2022年のロシア国内選手権では、女子選手として初めて競技会で4回転ループを成功させた選手として記録されている。

ただし、ジャンプの難度だけが彼女の評価基準ではない。五輪での6位という結果は、ジャンプの成功率、演技構成、表現力、国際審判の採点傾向など、複数の要素を含めて評価する必要がある。

また、2025/26シーズン終了後にはコーチを変更。以前指導を受けていたエテリ・トゥトベリーゼらのもとを離れ、2026/27シーズンのISUプロフィールではインナ・ゴンチャレンコがコーチとして記載されている。これは今後の競技人生を考えるうえでも注目すべき変化だ。

【国際大会復帰の全経緯】ISUのAIN制度は何が変わった?

フィギュアスケートロシア女子

ロシア女子フィギュアスケートの国際復帰を理解するうえで、最も重要なのがAIN制度だ。

AINとは、Individual Neutral Athlete(個人の中立選手)の略称。ロシアやベラルーシの選手が、自国の代表としてではなく、中立の立場で国際大会に参加するための制度である。

ここで注意したいのは、AIN資格を取得したからといって、ロシア代表としての通常参加が認められたわけではないという点だ。

2022年から2026年までの主要な転換点

ロシアとベラルーシの選手は、2022年のウクライナ侵攻を受け、ISUの国際大会から参加を制限されてきた。

その後、2024年末から2026年にかけて、段階的に参加条件が変化した。



2022年3月以降:国際大会への参加停止

ロシアとベラルーシの選手は、ISU主催の国際大会への参加が認められない状態となった。国内大会への出場と国際大会への出場が明確に分かれることになった。


2024年12月20日:五輪予選への参加ルート発表

ISUは2025/26シーズンのミラノ・コルティナ五輪予選に限り、厳格な条件のもとでAIN選手の参加を認める方針を発表した。


2025年5月13日:個別審査の実施

ISUはAIN候補選手の審査を実施。2022年2月以降の公的な発言や活動、軍事・国家安全保障機関との関係などが確認対象となった。加えて、アンチ・ドーピングの特別プログラムも設けられた。


2025年9月:ペトロシャンが五輪予選を突破

北京で開催された五輪予選でペトロシャンが女子シングル1位となり、ロシアのAIN女子枠を獲得した。


2026年2月:ミラノ・コルティナ五輪に出場

ペトロシャンはAINとして女子シングルに出場し、6位で競技を終えた。


2026年6月30日:2026/27シーズンの参加範囲を拡大

ISU理事会はロシア・ベラルーシ所属選手について、2026/27シーズンからAINとしてISU大会・国際大会への参加を再び認める方針を決定した。


2026年9月10日:資格審査の追加判断

ISUは234人が2026/27シーズンの参加に関連して中立性申告書を提出したと発表。同時に、カミラ・ワリエワらのAIN資格について不適格との判断を公表した。

ISUのAIN制度で守るべき参加条件

2026/27シーズンの制度では、選手本人だけでなく、競技活動を支える関係者も審査対象になる。

審査・参加項目 主な条件
軍・安全保障機関との関係 ロシア・ベラルーシの軍隊や国家安全保障機関で現役勤務していないこと
軍事活動への参加 2022年2月以降、ウクライナに対する戦争の軍事作戦に積極的に参加していないこと
公的な戦争支持 同期間に戦争を積極的かつ公然と支持していないこと
参加資格の審査 ISUによる個別審査を受けること
国旗・国歌 ロシア・ベラルーシの国旗や国歌など国家的象徴を使用しないこと
競技登録 AINとして参加し、通常の国家代表とは区別されること
出場枠 復帰初年度の参加国に適用される条件に準じた枠数制限があること

この条件はISUが2026年6月30日に発表した方針と、9月10日の資格に関する公式発表に基づく。

特に重要なのは、2026/27シーズンからの復帰が、すべての選手に自動適用されるわけではないことだ。

ISUは個別の証拠に基づいて審査し、失格条件に該当すると判断されない限り、原則として参加資格があるものと扱う仕組みを示している。

つまり、ロシアの国内代表に選ばれたことと、国際大会でAINとして出場できることは、別々に考えなければならない。

五輪参加と通常の国際大会復帰は別の段階

2025/26シーズンの五輪予選参加は、限られた人数を対象とする特例だった。

一方、2026/27シーズンはISU大会全般への参加ルートが拡大した点に大きな違いがある。

2026年11月には中国杯が開催され、ISU公式の大会エントリーにはアレクサンドラ・イグナトワがAIN2として登録されている。

これは単なる五輪参加の継続ではなく、グランプリシリーズへの復帰を意味する。

ただし、AINとしての参加であり、ロシア国旗を掲げて通常のロシア代表として出場する状態に戻ったわけではない。

【選手一覧】2026/27シーズンのロシア女子フィギュアスケート代表候補

ロシア女子の現在を知るには、国内の強化選手と国際大会で実際に出場資格を持つ選手を区別する必要がある。

ロシアフィギュアスケート連盟が公表している2026/27シーズンの女子シングルの登録選手は、基本選手6人、予備選手6人の構成だ。

2026/27シーズンの女子シングル基本選手

選手名 注目ポイント
アデリア・ペトロシャン 2026年五輪6位。国内選手権3連覇
アリサ・ドヴォエグラゾワ 次世代の有力選手
マリア・ザハロワ シニア強化メンバー
ダリア・サドコワ 国内競争を担う選手
アンナ・フロロワ 2026年Trialeti Trophy女子3位
ディナ・フスヌトディノワ 基本選手に登録された若手

予備選手として登録されている注目選手

選手名 現在の注目点
カミラ・ワリエワ 競技復帰後の国際資格が課題
アリーナ・ゴルバチョワ 国内の若手有力選手
クセニア・グシナ 予備選手として登録
アレクサンドラ・イグナトワ(旧姓トゥルソワ) 2026/27シーズンに国際GP復帰
カミラ・ネルボワ 予備選手として登録
アリョーナ・プリニョワ 予備選手として登録

この名簿から読み取れるのは、ロシア女子がペトロシャンだけに依存しているわけではないということだ。

国内では次世代選手の育成が続いており、シニアの主力と若手の競争が並行している。

また、国際舞台での出場資格は、上記の名簿とは別にAIN審査で判断される。国内の予備選手に名前があるからといって、ISUの国際大会に出場できるとは限らない。

【ワリエワとトゥルソワ】2026年に明暗が分かれた2人の現在

2026年のロシア女子フィギュアスケートを語る際、アデリア・ペトロシャンと並んで外せないのがカミラ・ワリエワとアレクサンドラ・イグナトワだ。

かつて世界の女子フィギュアスケートを席巻した2人は、異なる事情を抱えながら2026/27シーズンを迎えている。

カミラ・ワリエワ:ドーピング処分終了後もAIN資格を得られず

ワリエワは2022年北京五輪で大きな注目を集めた選手だ。

しかし、大会前の2021年12月25日に採取された検体から、禁止物質トリメタジジンが検出された問題が発覚した。

2024年1月29日、スポーツ仲裁裁判所(CAS)はアンチ・ドーピング規則違反を認定し、4年間の資格停止処分を決定。処分期間は2021年12月25日に遡って開始され、同日以降の競技結果も失効することになった。

この処分期間は2025年12月に終了した。

そのため、2026年には国内競技への復帰が進み、ロシア連盟の2026/27シーズン予備選手にも登録されている。

しかし、ここで別の問題が生じた。

2026年9月10日、ISUはワリエワがAINとして参加する要件を満たさなくなったと正式発表した。

ISUが公表した不適格の一般条件は、次の3つだ。

- 軍隊または国家安全保障機関での現役勤務
- 2022年2月以降の戦争における軍事作戦への積極的な参加
- 同期間における戦争への積極的かつ公然とした支持

ただし、ISUはワリエワ個人がどの条件に該当したと判断したのか、具体的な理由を公表していない。異議申し立てに関する権利が残っている間は個別案件について説明しないとしている。

したがって、ワリエワのドーピング処分と2026年のAIN資格判断は、別の問題として理解する必要がある。

ドーピング処分が終了したことは、国際大会への参加資格が自動的に回復することを意味しない。

アレクサンドラ・イグナトワ(トゥルソワ):4回転の女王が国際復帰

アレクサンドラ・トゥルソワは、現在の登録名ではアレクサンドラ・イグナトワとして競技活動を続けている。

彼女の最大の特徴は、女子シングルのジャンプ技術を大きく進化させたことだ。

ISUは2026年11月4日の中国杯プレビュー記事で、イグナトワを複数の4回転ジャンプを1つのプログラムで成功させた女子選手として紹介している。

国際競技会では4回転ルッツ、4回転フリップ、4回転トウループを成功させた実績もある。

2025年夏には結婚と男児の誕生を経験し、競技生活から一時的に距離を置いていた。

そして2026/27シーズン、中国杯でISUグランプリシリーズに復帰する。

2026年11月6~8日に中国・深圳で開催される大会の女子シングルには、AIN2として登録されている。

対戦相手には日本の千葉百音、ジョージアのアナスタシア・グバノワなどが名を連ねている。

トゥルソワの復帰で興味深いのは、かつてのジャンプの難度を再現できるかだけではない。

競技から離れた期間を経て、現在の女子フィギュアスケートの採点傾向に合わせたプログラムを構築できるかも要点となる。

【歴代の名選手と強さの理由】なぜロシア女子は世界を席巻したのか

ロシア女子フィギュアスケートの強さは、特定のスター選手だけで説明できるものではない。

旧ソ連時代から蓄積された指導技術、競技人口、強化施設、コーチ陣の厚さ、そして国内大会の激しい競争が組み合わさって形成されてきた。

ロシア女子フィギュアスケートの歴代代表選手

選手 主な実績・特徴
イリーナ・スルツカヤ 2002年五輪銀、2006年五輪銅
アデリナ・ソトニコワ 2014年ソチ五輪女子シングル金
ユリア・リプニツカヤ 2014年ソチ五輪団体金メダルに貢献
アリーナ・ザギトワ 2018年平昌五輪女子シングル金
エフゲニア・メドベージェワ 2018年平昌五輪女子シングル銀
アンナ・シェルバコワ 2022年北京五輪女子シングル金
アレクサンドラ・トゥルソワ 2022年北京五輪女子シングル銀
カミラ・ワリエワ 4回転ジャンプで世界的な注目を集めた選手

特に2014年から2022年までの五輪女子シングルは、ロシア勢の存在感が際立っていた。

2014年にはソトニコワ、2018年にはザギトワ、2022年にはシェルバコワが金メダルを獲得している。

2018年のメドベージェワ、2022年のトゥルソワも銀メダルを獲得しており、複数世代の選手が連続して世界トップレベルを維持してきた。

強さの理由1:エテリ・トゥトベリーゼの育成システム

ロシア女子の強さを語るうえで欠かせない存在が、だ。

彼女はフルスタリヌイなどの育成環境で、多くの世界トップクラスの女子選手を指導してきた。

代表的な教え子には、次の選手がいる。

- アリーナ・ザギトワ
- エフゲニア・メドベージェワ
- アンナ・シェルバコワ
- アレクサンドラ・トゥルソワ
- カミラ・ワリエワ

ペトロシャンも以前、トゥトベリーゼの指導を受けていた。

この指導環境の特徴は、ジャンプの技術開発だけでなく、演技構成、振付、身体能力の強化を組み合わせている点にある。

一方、トゥトベリーゼの育成方針には、選手の身体的負担や競技寿命をめぐる議論もある。高難度ジャンプを若年期から追求するシステムは、競技力を高める一方、長期的な健康管理との両立が課題になる。

強さの理由2:トリプルアクセルと4回転ジャンプへの積極的な挑戦

ロシア女子の特徴としてよく挙げられるのが、超高難度ジャンプへの積極的な取り組みだ。

女子シングルでは、長年にわたってトリプルアクセルや4回転ジャンプを安定して成功させることが大きな課題だった。

しかし、ロシアの強化環境では、4回転トウループ、サルコウ、ループ、フリップ、ルッツなどの高難度ジャンプに積極的に挑戦してきた。

米カンザス大学のロシア・東欧・ユーラシア研究センターがまとめた分析でも、ロシアの主要な育成拠点であるフルスタリヌイやエフゲニー・プルシェンコのアカデミーなどで、こうした高難度要素が重視されていることが紹介されている。

強さの理由3:国内競争の激しさ

ロシアには、世界大会でメダルを争える選手が国内に複数存在する。

そのため、国際大会に出場できない期間も、国内選手権やロシアカップなどで競争環境を維持できた。

2026/27シーズンの基本選手6人と予備選手6人という構成も、選手層の厚さを示している。

ただし、国内で高得点を記録することと、国際大会で同じ評価を得ることは同じではない。

国際大会では、各国選手との直接対決、ISU審判の評価、技術要素の認定などが結果を左右する。

その意味で、2026/27シーズンの国際復帰は、ロシア女子にとって競技力を再確認する機会でもある。

ロシア女子の今後を判断する3つの基準

ロシア女子フィギュアスケートのニュースを見る際には、次の3点を確認すると状況を正しく理解しやすい。

1. AIN資格の有無: 国内代表に登録されているだけでなく、ISUの個別審査を通過しているか。
2. 国際大会の実績: 国内選手権の順位だけでなく、ISU公認大会でどのような得点と順位を記録したか。
3. 技術と演技のバランス: 4回転ジャンプやトリプルアクセルの難度だけでなく、成功率、表現力、演技構成も評価する。

この3点を押さえれば、単なる話題性や過去の実績に左右されず、選手の現在の実力を比較できる。

【よくある質問】フィギュアスケートロシア女子に関するFAQ

Q1:2026年現在、ロシア女子フィギュアスケートは国際大会に復帰している?

A1:はい。2026/27シーズンから、ISUはロシア・ベラルーシ所属選手のAINとしての参加を再び認めている。ただし、個別の資格審査が必要で、国旗・国歌などを伴う通常の国家代表としての復帰ではない。

Q2:アデリア・ペトロシャンの2026年五輪の順位は?

A2:女子シングル6位。合計214.53点で、ショートプログラム72.89点、フリースケーティング141.64点だった。2026年10月のTrialeti Trophyでは204.16点で2位に入っている。

Q3:カミラ・ワリエワは2026/27シーズンの国際大会に出場できる?

A3:2026年9月10日のISU発表では、ワリエワはAIN参加要件を満たさないと判断されている。ドーピングによる4年間の資格停止処分は2025年12月に終了したが、AIN資格は別の審査であり、国内の予備選手登録だけでは国際大会に出場できない。

Q4:アレクサンドラ・トゥルソワは現在も競技を続けている?

A4:はい。現在はアレクサンドラ・イグナトワの名前で活動している。2026年11月の中国杯にAIN2としてエントリーし、ISUグランプリシリーズへの復帰を予定している。

Q5:2026/27シーズンのロシア女子の中心選手は誰?

A5:国内代表の基本選手ではアデリア・ペトロシャンが中心的存在。アリサ・ドヴォエグラゾワ、マリア・ザハロワ、ダリア・サドコワ、アンナ・フロロワ、ディナ・フスヌトディノワも基本選手に登録されている。

2026年のロシア女子フィギュアスケートは、単なる国際大会への復帰ではなく、競技環境そのものが変化する転換期にある。

アデリア・ペトロシャンはミラノ・コルティナ五輪6位という結果を残し、10月のTrialeti Trophyでも2位に入った。2026/27シーズンのロシア女子を代表する存在として、今後の国際大会での成績が注目される。

アレクサンドラ・イグナトワ(トゥルソワ)も中国杯でグランプリシリーズへの復帰を予定しており、ロシア女子の高難度ジャンプを象徴する選手が再び国際舞台に姿を見せる。

一方、ワリエワのAIN資格をめぐる判断は、国際復帰が一律に認められるものではないことを示している。

今後の焦点は、次の3つだ。

- AIN資格を得るロシア女子選手がどこまで増えるか
- ペトロシャンやイグナトワが国際大会でどのような成績を残すか
- 次世代の若手選手が世界トップレベルに成長できるか

かつて五輪の表彰台を独占するほどの強さを見せたロシア女子。その競争力が国際舞台で再びどこまで通用するのか。2026/27シーズンは、その答えを占う重要なシーズンになる。

主な情報源:国際スケート連盟(ISU)、ロシアフィギュアスケート連盟、スポーツ仲裁裁判所(CAS)、国際オリンピック委員会(IOC)、米カンザス大学ロシア・東欧・ユーラシア研究センター。

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コンテンツディレクター 滑原 圭介
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旅行・観光を担当。現地の公式観光資料と営業情報を確認してから記事にします。

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